【りえ】~【りん】

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・梨園(りえん) 1.梨が植わっている園。また、梨畑。2.俳優の社会。演劇界。劇壇。現在では、特に、歌舞伎役者の世界を指して言う。 故事:「唐書−礼楽志・一二」 唐の玄宗が、梨の木のある園で、青年や宮女たちに自ら舞楽を教えた。 ★役者や俳優のことを「梨園弟子(りえんていし)ともいう。

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・理外の理(りがいのり) 普通の道理や常識では判断できない、不思議な道理。
・利害を説く
(りがいをとく) ものごとの損得を説明するという意味で、筋道を明らかにして人を説得すること。
・李下に冠を整さず(りかにかんむりをたださず・かぶりを〜)・整えず 李(すもも)の木の下で手を上げると、実を盗んでいると疑われるから、冠が曲がっても手を上げて正すべきではないということ。嫌疑を受けるような行為はするなという戒(いまし)め。 類:●瓜田に履を納れず 出典:「文選古楽府・君子行」
・李下に蹊径なし
(りかにけいけいなし) 賢明な政治家の下では、贈賄などの不正が行なわれることがないということ。 出典:「唐書−李乂伝」
・李下の冠
(りかのかんむり) 
李下に冠を整さず」を略した言葉。 類:●瓜田の履(くつ)
・理が非でも(りがひでも) 無理にでも。是(ぜ)が非でも
・理が非になる
(りがひになる) 道理ある正しいことが、説明の拙(まず)さや人それぞれの思惑(おもわく)によって誤りにされる。
・離間
(りかん) 仲違(なかたが)いさせること。親しい仲を裂くこと。 例:「離間策」

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・力士立ち
(りきしだち・りきじたち) 金剛力士の立ち姿のように、すっくと勇ましく立つこと。

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・六合
(りくごう) 天地と四方とを合わせた六方向。主に、上下と東西南北の六つの方角。上下四方。天下。全宇宙。
・六親和せずして孝慈有り
(りくしんわせずしてこうじあり) 親子、兄弟、夫婦の六親の間で不和が生じると、孝行や慈悲というものが必要となる。孝慈が取り沙汰(ざた)されるときは、六親が和合していない証(あかし)である。 類:●家貧しくして孝子顕わる 出典:「老子−十八章」「六親不和有孝慈、国家昏乱有忠臣」
・理屈が良い
(りくつがよい)[=いい] 1.懐具合が良い。裕福である。また、幸運である。2.得である。有利だ。
・理屈と膏薬は何処にでも付く
(りくつとこうやくはどこにでもつく) 1.屁理屈を付ける者は、言い方一つでどちらの意見にも味方できるが、結局のところ、確固とした意見を持っている訳ではないということ。日和見主義の喩え。 類:●内股膏薬 ★昔の「膏薬」は、両面張り付いたので、日和見(ひよりみ)の喩えとして用いられた。 2.屁理屈を捏(こ)ねれば、どうとでも解釈できるということ。屁理屈を咎(とが)めて言う。
・理屈を捏ねる
(りくつをこねる) 無闇に理屈を言う、或いは、理屈を言って相手を困らせること。
・理屈を付ける(りくつをつける) 無理矢理に理屈を言って関係付け、ものごとの筋道を立てようとすること。

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・離合集散(りごうしゅうさん) 《四熟》 離れたり集まったりすること。一緒になったり別れたりすること。 例:「諸派が離合集散を繰り返す」

−−−−−−−りさ(#risa)−−−−−−−
・利鞘
(りざや) 売買によって得た差額の利益金。 例:「利鞘を稼ぐ」 類:●マージン●鞘を取る ★「鞘」は、江戸時代、帳合米と正米との値段の差をいう「差違(さい)」から生じた語という<国語大辞典(小)>

−−−−−−−りし(#risi)−−−−−−−
・俚耳に入り易い(りじにはいりやすい) 世間一般の人々に理解され易い様子。特に、話や音楽を聞いてもその高尚な趣を理解できない人にも受け入れられ易いこと。 類:●俗耳に入り易い

−−−−−−−りせ(#rise)−−−−−−−
・理世撫民
(りせいぶみん) 《四熟》 世を治(おさ)め民を労(いたわ)ること。

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・理想郷(りそうきょう) 人にとって、理想的で完全な生活を営(いとな)む社会。また、そのような土地。 類:●ユートピア●華胥の国桃源郷壺中の天地

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・律義に構える
(りちぎにかまえる) 「律義」とは、言動が義理堅く、正直であることを意味するところから、実直に、正直に振る舞うこと。
律義者の子沢山(りちぎもののこだくさん)

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・六花
(りっか) その形が六つの弁を備えているところから、雪のこと。
・立志伝中の人
(りっしでんちゅうのひと) 立志伝に登場する人。若い時に、人に倍する努力と苦労とを積み重ねて事業などに成功し、社会的に認められるようになった人。逆境から身を起こして成功した人。 
参考:立志伝(りっしでん) 志を立て、努力精進してその目的を達した人の伝記。
・立身出世
(りっしんしゅっせ) 《四熟》 成功して世間に名を挙げること。高い官職や地位に就くこと。
・立錐の地も無い
(りっすいのちもない)[=余地(よち)も無い] 錐(きり)を立てるような狭い場所もない。人や物が密集している喩え。 例:「コンサート会場には立錐の余地もない」 出典:「史記−留侯世家」「滅六国之後、使無立錐之地
・立派な口を利く
(りっぱなくちをきく) 言う言葉だけは立派であるという意味で、実質が伴わないのに偉そうに言う様子。
・理詰め(りづめ) 議論や思考などを理屈だけで推し進めること。また、理を言い立てて責めること。 例:「理詰めの意見」

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・里程標
(りていひょう) 1.道路や線路などの脇に立てて里程をしるす標識。 類:●一里塚●マイルストーン 2.転じて、ものごとの推移や展開・発展の一過程を示す印。

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・理に当たる
(りにあたる) 正しくて、道理に適(かな)っている。
・裏に入る(りにいる) 1.病気や病毒が内攻する。転じて、遊蕩癖がすっかり沁み込む。また、その遊蕩癖が起こる。2.気分や雰囲気が沈んでくる。 類:●滅入る
・理に落ちる
(りにおちる) 話などが理屈っぽくなる。 類:●
理に詰まる理に入る 用例:人情・春色梅児誉美「今日はおめへのお蔭で酒が理に落ちていけねへ」
・理に勝って非に落ちる
(りにかってひにおちる)[=負ける] 道理のある正しい立場を主張して議論には勝ったが、実質上は、不利な結果になること。 類:●理を以って非に落ちる
・理に詰まる
(りにつまる) 1.筋道の通った主張をされて、反論できなくなる。道理に責められて行き詰まる。道理に屈服する。2.話が理屈っぽくなる。 類:●
理に落ちる
・利に走る
(りにはしる) 利益を得ることのみに熱中する。

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・理の当然(りのとうぜん)[=前] 道理にあった当たり前のこと。当然のこと。尤(もっと)も至極であること。

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・理非曲直
(りひきょくちょく) 《四熟》 道理と道理でないもの、邪(よこしま)なことと正しいことの意味で、ものごとの是非のこと。 例:「理非曲直を正す」

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・理も嵩ずれば非の一倍(りもこうずればひのいちばい)・理も過ぎれば〜 理屈も度を過ぎると、却(かえ)って非に陥(おちい)ってしまうものである。仮令(たとえ)それが正論であっても、主張し過ぎては逆効果にもなるということ。 類:●過ぎたるは猶及ばざるが如し ★ここでの「一倍」は、「倍増(二倍)」を意味する古い言い方。
・利物の垂迹
(りもつのすいじゃく) 仏菩薩が衆生(しゅじょう)を救うために、様々な姿で現れること。

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・歴劫不思議
(りゃっこうふしぎ) いくら時(劫)を経て(歴)長く考えても分からない不思議なこと。 出典:「法華経−観世音菩薩普門品」にある偈(げ)の句「弘誓深如海、歴劫不思議

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・柳暗花明
(りゅうあんかめい) 《四熟》 1.柳が茂ってほの暗く、花が咲いて明るいこと。春の野が美しい景色のこと。2.花柳街のこと。色里のこと。
・溜飲が下がる
(りゅういんがさがる)[=下りる] 胸がすっきりする。不平・不満や怨みが解消して気が晴れる。 類:●支えが下りる胸が透く 例:「あいつの鼻を明かせて溜飲が下がった」
・流汗淋漓
(りゅうかんりんり) 《四熟》 汗がだらだらと滴(したた)り落ちる様子。 類:●流汗滂沱 ★「淋漓」は、水や血や汗がぽたぽたしたたり落ちる意。子音を重ねた擬音語。<新明解四字熟語辞典(三)>
・流言は智者に止まる
(りゅうげんはちしゃにとどまる) 愚かな者は根拠のない噂を受け入れ、他の者にも話たがるが、知者はつまらぬ噂を他人に話すようなことはしないものだということ。 出典:「荀子−二十五」「流丸止於[區+瓦]臾、流言止於智者
・流言飛語
(りゅうげんひご)・流言蜚語 《四熟》 世間に広がる根も葉もない噂。根拠のない扇動的な宣伝。 類:●デマ
・竜虎相搏つ
(りゅうこあいうつ) いずれ劣らない英雄・豪傑・強豪が勝負する。二人の英雄が勝敗を争う。
・流行
(りゅうこう) 1.流れゆくこと。2.流れるような弁舌。 出典:「韓非子−八姦」 3.世の中に広く行き渡り、行なわれること。 出典:「孟子−公孫丑・上」「孔子曰、徳之流行、速於置郵而伝命」 4.時代と共に絶えず変化してゆくもの。蕉風(しょうふう)俳諧で、その時々やその時代の人々の好みによって新しさを発揮してゆく句体のこと。 反:■不易(ふえき) ★松尾芭蕉の用語。 5.ある現象が急に世間一般に行き渡ること。特に、服装や化粧、世間の評判、または主義・思想や生活上のある様式などが一時的に広く世間で持て囃されて行なわれること。 類:●流行(はやり) 例:「流行を追う」 5.は、4.から派生したもの。
・流行坎止
(りゅうこうかんし) 流れに乗れば行き、険しい所に遭えば留まるという意味で、世が平和なときは出仕し、世が不穏(ふおん)なときは出仕せず民間にいること。 出典:「漢書−賈誼伝」 ★「坎」は、落とし穴のこと。
・流産
(りゅうざん) 1.胎児が月満たずに死んで生まれること。妊娠七か月未満で胎児が死んで生まれること。2.比喩的に、計画・事業などが途中で駄目になり実現しないこと。 例:「改革法案が流産する」
・竜集
(りゅうしゅう・りょうしゅう) 「竜」は木星のこと、「集」は星の宿り。竜星は一年に一回周行するところから、一年のこと。 類:●歳次●竜次 
★多く年号の下に記す語<国語大辞典(小)>
・竜驤虎視
(りゅうじょうこし) 《四熟》 竜が天に昇り、虎が睨み見るという意味で、威勢がすこぶる盛んで、世の中を睥睨(へいげい)すること。 出典:蜀志→「三国志
・柳絮之才
(りゅうじょのさい) 《四熟・故事成語》 女性の詩才を賞賛する言葉。また、非凡な才女のこと。多く、少女期から才能を発揮した女性について言う。 類:●詠雪之才 故事:晋書−列女伝・王凝之妻謝氏伝」 晋の謝安(しゃあん)が「降る雪は何に似るか」と問うた時、姪(めい)の謝道ウン(しゃどううん)が「未若柳絮因風起(未だ柳絮の風に因りて起てるに若かず)」と答えた。 ★「柳絮」は、白い綿毛の付いた柳の種子。
・流水腐らず
(りゅうすいくさらず) 常に流れている水は、淀んで腐ることがない。常に活動している者は、沈滞したり腐敗したりすることがないということの喩え。 類:●転石苔を生ぜず●A rolling stone gathers no moss.  出典:「呂氏春秋−尽数」「流水不腐、戸枢不蠧、動也」
・竜頭蛇尾
(りゅうとうだび・りょうとうだび) 《四熟》 頭が竜のようで、尾が蛇のようであること。初めは勢いがあり盛んだが、終わりが揮(ふる)わないことの喩え。 類:●痩せ馬の道急ぎ●尻窄み 
反:■初めは処女の如く終わりは脱兎の如し 出典①:五燈会元(ごとうえげん) 禅書。中国宋代。釈晋済の撰とされているが、宋代の書物には慧門(けいもん)の撰としてある。20巻。これは「五燈録」の中から要点を抜粋したもので、禅宗の五家・七宗の人物について書いたものである。五燈とは、呉の道原の「景徳伝燈録」と、後に出た「天聖広燈録」「建中靖国続燈録」「嘉泰普燈録」を云う。 出典②:「碧巌録
・竜に翼を得たる如し
(りゅうにつばさをえたるごとし) 強いものに更に強さを加えること。 類:●鬼に金棒虎に翼
・竜の雲を得る如し
(りゅうのくもをえるごとし)[=雲に沖(ひい)る如し] 竜が雲を得て昇天するように、英雄豪傑などが機を得て盛んに活躍すること。 
★「沖る」は空高く舞い上がる意<国語大辞典(小)>
・竜の駒
(りゅうのこま) 竜のように天を駆ける馬。また、極めて優れた馬。
・竜の鬚を蟻が狙う
(りゅうのひげをありがねらう) 自分の力を顧(かえり)みないで大それたことを望んだり、弱者が強者に立ち向かったりすることの喩え。 類:●蟷螂(とうろう)が斧をもって隆車に向かう
・竜の鬚を撫でる
(りゅうのひげをなでる) 大きな危険を冒すこと。 
★多く「虎の尾を踏む」と対になって用いられる。
・竜は一寸にして昇天の気あり
(りゅうはいっすんにしてしょうてんのきあり) 俊才は、幼い時分から非凡な所があるということ。 類:●蛇(じゃ)は一寸にしてその気を得る
・柳髪
(りゅうはつ) 女の髪の毛が、長くしなやかで美しいことを、風に靡(なび)く柳に喩えた言葉。
・竜蟠虎踞
(りゅうばんこきょ) 《四熟》 1.竜がとぐろを巻き、虎が蹲(うずくま)るように、豪傑がある場所を根拠地として威勢を振うこと。2.地勢が要害堅固である。 出典:
六朝事迹編類(りくちょうじせきへんるい) 地理書。宋の張敦頤撰。・・・調査中。
・柳眉を逆立てる
(りゅうびをさかだてる)[=蹴立(けた)てる・釣り上げる] 美人が眉を吊り上げて怒る様子。
・竜馬の躓き
(りゅうめのつまずき) どんな巧みな人にも失敗はある。 類:●猿も木から落ちる
・竜門の滝登り
(りゅうもんのたきのぼり) 出世すること。
・粒粒辛苦
(りゅうりゅうしんく) 《四熟》 1.一粒一粒が辛苦の結晶であるということ。米を作る農民の苦労を表わす言葉。2.転じて、こつこつと苦労を積むこと。 類:●艱難辛苦刻苦勉励 例:「粒々辛苦の作」
・柳緑花紅
(りゅうりょくかこう) 《四熟》 柳は緑で、花は紅であること。ものごとが自然のままで、人の手が加えられていないこと。
・流連荒亡
(りゅうれんこうぼう) 《四熟》 「荒」は貴重な年月を荒(すさ)んで送り、「亡」は政治を怠(おこた)り失うという意味。狩猟や遊興・酒色に耽(ふけ)って家に帰るのを忘れること。転じて、ものごとに耽って溺れること。 出典:「孟子−梁恵王・下」「飲食若流、流連荒亡、為諸侯憂」
・劉郎
(りゅうろう) 1.中国で、「劉(りゅう)」の姓を持つ男子のこと。2.遊女に溺れて夢中になっている男のこと。 類:●放蕩者 
故事:太平広記−六一」に引く「神仙伝」 劉晨(りゅうしん)は、阮肇(げんちょう)と共に天台山で道に迷い、仙女たちと会ってこれと結婚した。半年ほど過ごしてから、一度家へ帰ってみたいと思い、許しを貰って帰ってみると、7代後の子孫が住んでいたという。 出典:神仙伝(しんせんでん) 列伝。西晋の葛洪(かっこう=抱朴子)撰。先史時代からの神仙になった人々の逸話を集めたもの。
・竜を画いて睛を点ず
(りゅうをえがいてひとみをてんず) 文章や絵画で、最も重要な箇所に手を加えて、効果を上げること。最後の大切な所に手を加えて、ものごとを完成させること。 類:●画竜点睛 出典:「水衡記」、「歴代名画記−張僧
」 出典:水衡記(すいこうき) 地理書。中国、六朝。作者不詳。・・・調査中。
・竜を描きて狗に類す
(りゅうをえがきてくにるいす) 大きなことを望んだためにとんでもない結果を招いたり、力量で劣る者が優れた人の真似をして、却って無様(ぶざま)になったりすること。 類:●虎を描きて犬に類す

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・凌雲の志(りょううんのこころざし) 世俗を高く超越したいという願い。 1.俗世間を遥(はる)かに超越した、高尚で遠大な志。 出典:「後漢書−馮衍伝・下」「懐金垂紫、掲節奉使、不求荀得、常有凌雲之志」 2.高位高官に上って立身出世しようとする志。 類:●青雲の志
・良禽は木を択ぶ
(りょうきんはきをえらぶ) 賢い鳥は良い木を選んで棲(す)む。優れた人物は、仕(つか)えるべき主(あるじ)を良く選んで仕えるということ。 類:●鳥は木を択べども木は鳥を択ばず●臣も亦た君(きみ)を択ぶ 出典:「春秋左氏伝−哀公十一年」「仲尼曰《略》鳥則択木、木豈能択鳥」<木はどうして鳥を選べましょうか> 孔子が、衛(えい)の孔文子(こうぶんし)の相談を断わって言った言葉。
・良禽は木を選んで棲む
(りょうきんはきをえらんですむ) 賢い鳥は木を選んで巣を作る。同様に、賢い臣下は良い君主を選んで仕(つか)えるものである。 類:●良禽は木を択ぶ
・了見勝ち
(りょうけんがち)・料簡勝ち 忍耐強い。我慢強い。
・了見尽く
(りょうけんずく)・料簡尽く 1.互いに忍耐し合って穏便(おんびん)にことを運ぶこと。2.考えに任せてすること。よくよく考えた結果であること。 
★「ずく」は接尾語<国語大辞典(小)>
・了見違い
(りょうけんちがい) 考え方が正道を外れていること。見当外れであること。 類:●心得違い 例:「とんでもない料簡違い」
・了見強い
(りょうけんづよい) 忍耐強い。我慢強い。 用例:浄・夏祭浪花鑑−三「了簡(リャウケン)強(ツヨ)いわれがああした事」
・了見に及ばぬ
(りょうけんにおよばぬ) = 
了見もない
・燎原の火
(りょうげんのひ) 野焼きの火は勢い良く広がることから、勢いが盛んで防ぎ止められないものごと。また、甚だしい勢いで広がってゆくこと。 類:●火の原を燎くが若し 出典:「書経−盤庚」「若、不可向近、其猶可撲滅」
・了見深い
(りょうけんぶかい) 考え深い。思慮が深い。また、思い遣りがある。慈悲深い。 用例:浄・寿の門松−中「有難い了簡ぶかいお菊様」
・了見もない
(りょうけんもない) 1.手の下しようがない。どうにもしようがない。2.無茶苦茶である。
・了見を加える
(りょうけんをくわえる) 対策を考える。手段を講ずる。
・両虎相闘えば勢い倶に生きず
(りょうこあいたたかえばいきおいともにいきず) 両虎が戦えば、どちらかが倒れる。二人の勇者が戦えば、必ず一方は倒れる、または、共に倒れる。
・良工は材を択ばず
(りょうこうはざいをえらばす)[=選ばず]】 優れた技術の持ち主は材料の良し悪しなど問題にせず、腕で作るものである。 類:●弘法筆を択ばず能書筆を択ばず 反:■下手の道具調べ
・良工は人に示すに朴を以てせず
(りょうこうはひとにしめすにぼくをもってせず) 名工と呼ばれる人は、未完成品を人に見せるようなことはしない。名工は、自信作しか人前に出さないものであるということ。 出典:「後漢書−馬援伝」「況曰、汝大才晩成、良工不示人以朴、且従好所」 ★「朴」は、手を加えていない素材の意味で、転じて、未完成の作品のこと。
・良賈は深く蔵して虚しきが若し
(りょうこはふかくぞうしてむなしきがごとし) 優れた商人は、品物を店頭には飾っておかないで奥深く仕舞っておき、見掛けは手持ちがないように見せる。賢者は学徳や才能を隠して、妄(みだ)りに表さない。孔子の言葉 出典:「史記−老子伝」「吾聞之、良賈深蔵若虚、君子盛徳、容貌若愚」
・良妻賢母
(りょうさいけんぼ) 《四熟》 夫に対してはよい妻であり、子に対しては賢い母であること。また、そのような人。
・量才録用
(りょうさいろくよう) 《四熟》 人の才能をよく見計らって、その能力を十分に生かす地位に就けること。 類:●適材適所 出典:蘇軾「神宗皇帝に上るの書」
・梁山泊
(りょうざんぱく) 中国山東省の西部、
(えん)州の東南、梁山の麓にあった沼。鉅野沢(きょやたく)ともいった。天険の地で、古来、盗賊、謀反軍の根拠地となっていたが、北宋末期に続発した反乱の一つである宋江の一味の故事が、南宋の講談の中で、この地にたてこもったとされる。 出典:「水滸伝」 2.転じて、一般に、豪傑や豪傑気どりの野心家などの集合するところをいう。 出典:水滸伝(すいこでん) 中国の通俗小説。撰者は明(みん)の羅貫中(らかんちゅう)、或いは元(げん)末の施耐菴(したいあん)等と伝えるが未詳。中国小説四大奇書の一つ。宋代の群盗宋江ら108人が山東省梁山泊に集まり、義を誓って活躍する。元代の歴史小説「宣和遺事」に基づき「宋史」にみえる宋江伝説や民間説話、雑劇などを母体として形成された白話文学。日本の江戸文学に大きな影響を与え、滝沢馬琴、岡島冠山らが翻訳した。
梁上の君子
(りょうじょうのくんし)
・良心の呵責
(りょうしんのかしゃく) 道徳的に善悪を判断して、気が咎(とが)め、己を責め苛(さいな)むこと。
・両端を持す(りょうたんをじす) 両方の端を持つということから、敵対する二つの、両方の肩を持つこと。どちらか有利な方に付こうとして決め兼ね、曖昧(あいまい)な態度で形勢を窺(うかが)うこと。 類:●首鼠両端洞ヶ峠を決め込む●二心を持つ 出典:「史記−鄭世家」「晋聞楚之伐鄭、発兵救鄭、其来持両端、故遅、比至河、楚兵已去」
両手に花
(りょうてにはな)
・両天秤を掛ける
(りょうてんびんをかける) どちらに傾いたとしても困らないようにするという意味から、対立する双方のどちらが有利になっても、自分は損をしないように配慮すること。主に、男女間の三角関係などに使う。 類:●両天秤●二股を掛ける 
★「天秤に掛ける」というようにも使う<国語慣用句辞典(集)>
・両刀遣い(りょうとうづか・つかい) 1.刀を左右の手に一本ずつ持って戦う剣法。また、その剣客。 類:●二刀遣い●二刀流 2.二芸を兼ねること。二つの相反するようなことを巧みに使い分けること。3.酒と甘いものとの両方を好むこと。4.俗語。異性と同性との両方を好むこと。
遼東の豕
(りょうとうのいのこ)
・両刀を使う
(りょうとうをつかう) 1.二本の刀を左右両方の手にそれぞれ持って使いこなす。2.転じて、甘い菓子と辛い酒とを両方好むこと。3.俗語。異性と同性との両方を好むこと。
・諒とする(りょうとする) 誠だとすること。もっともだとして承知する。善しとする。
・両方聞いて下知をなせ
(りょうほうきいてげじをなせ) 争いごとを裁(さば)くときは、両方の言い分をよく聞いて判決を言い渡せということ。 類:●一方聞いて下知をすな●片口聞いて公事を分くるな ★「下知(げじ・げち)」は、命令・指図(さしず)の意味で、判決言い渡しのことも言った。
・両目が開く
(りょうめがあく) 1.相撲などで、白星が2つ目になることから、負け続けている中でやっと2勝する。2.選挙などで、だるまの両目に墨が入ることから、当選する。
良薬は口に苦し
(りょうやくはくちににがし)
・両雄倶には立たず
(りょうゆうともにはたたず) 同時期に二人の英雄が共存するのは難しく、勢力争いの末にどちらかが亡びるものである。 類:●両雄並び立たず 出典:「史記−レキ[麗+おおざと]生伝」「且両雄不倶立、楚漢、久相持不決」
・両葉去らずんば斧柯を用うるに至る(りょうようさらずんばかふをもちうるにいたる) 禍(わざわい)の種子は、小さいうちに取り除いておかないと大変なことになる。 類:●毫毛斧柯 出典:「六韜−守土」「涓涓不塞、将為江河。ケイケイ不救、炎炎奈何。両葉不去、将用斧柯
・涼を納る
(りょうをいる)[=取る] 涼む。涼しい風に当たる。 類:●納涼する
・慮外者
(りょがいもの) 不埒な者。無礼者。不躾(ぶしつけ)者。 類:●案外者
・緑林(りょくりん) 1.青々とした林。緑の林。2.盗賊たちが立て篭もる場所の喩え。また、盗賊の異称。 故事:漢書−王下」「後漢書−劉玄伝」 緑林山は、中国の湖北省当陽県の山の名。前漢の末、王莽(おうもう)の時、王匡・王鳳らが窮民を率いてこの山に立て篭もり、征討軍に抗して強盗を働いたとある。

−−−−−−−りを(#riwo)−−−−−−−
・利を得る
(りをえる) 戦いで優勢になったり、勝利を得たりすること。また、得をする、利益を得るということを表わすのにも用いる。 
反:■利を失う
・利を食う
(りをくう) 1.利息を齎(もたら)す。利子が付く。2.取引市場で、利食(りぐい)する。
・理を尽くす
(りをつくす) 道理の限りを述べる。道理を窮(きわ)め尽くす。 類:●理を迫(せ)める●理を詰める●道理に徹する
・理を曲げる(りをまげる) 自分に都合が良いように無理矢理(むりやり)道理を歪(ゆが)めて、道理から外れたことをする。
・利を見て義を忘れる(りをみてぎをわすれる) 利欲に目が眩(くら)んで道義を忘れる。私欲ばかり追求して、他人を思い遣る心が全くないこと。 類:●見利忘義 出典:「漢書−樊[麗+オオザト]滕灌傅[革+斤]周傳」「夫賣友者、謂見利而忘義也」
・利を以って合う者は窮禍患害に迫って相棄つ
(りをもってあうものはきゅうかかんがいにせまってあいすつ) 利害関係によって繋(つな)がっている者は、苦境や災害などに陥るとたちまち見捨てて去っていくものである。 類:●金の切れ目が縁の切れ目 出典:「荘子−外篇・山木」「以利合者、迫窮禍患害相棄也、以天属者、迫窮禍患害相収也」
・理を以て非に落ちる
(りをもってひにおちる・もちて〜) 道理の上で正しい者が、却って不利な立場になる。 類:●理に勝って非に落ちる

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・麟角
(りんかく) 1.想像上の動物である麒麟(きりん)の角。2.また、極めて稀(まれ)なものごと。
・林間に酒を煖めて紅葉を焼く
(りんかんにさけをあたためてこうようをたく) 林の中で紅葉した落ち葉を集めて燃やし、酒を温(あたた)めて酌(く)み、秋の風情を賞する。 出典:白居易「送王十八帰山寄題仙遊寺詩」
・臨機応変
(りんきおうへん) 《四熟》 機に臨(のぞ)み変化に応じて、適切な手段を施すこと。 出典:(中国古典には「臨機応変」そのままの用例は見当たらない)南史−梁宗室・上」「怒曰、吾自臨機、勿多言」、「唐書−季勣伝」「料敵応変、皆契事機」
・悋気は女の七つ道具
(りんきはおんなのななつどうぐ) 焼き餅は女の武器であり、男を操縦する手段であるということ。 類:●悋気嫉妬は女の常
・綸言汗の如し
(りんげんあせのごとし) 君主の言は、一度出た汗が再び体内に戻らないように、一度口から出たら取り消すことができない。 用例:平家−三「天子には戯れの詞なし。綸言汗の如しとこそ承れ」 出典:「漢書−劉向伝」「号令如汗、汗出而不反者也」 参考:「礼記−緇衣」「子曰、王如絲、其出如
・臨済の喝徳山の棒
(りんざいのかつとくざんのぼう) 臨済禅師はよく大喝を与え、徳山和尚はよく痛棒を加えたというところから、禅修行が厳しいことを表した言葉。
・林中に疾風多し
(りんちゅうにしっぷうおおし) 林の中に強い風が次々吹き込んでくるように、身分が高くなったり金持ちになったりすると、媚(こ)び諂(へつら)い取り入ろうとする者が増えるものである。 出典:「塩鉄論
・林中には薪を売らず、湖上には魚を鬻がず
(りんちゅうにたきぎをうらず、こじょうにはうおをひさがず) 1.有り余っている所で同じものを売るのは愚かなことである。物が豊富であれば人は物を欲しがらず、欲求が満たされれば争いは止むということの喩え。 出典:「淮南子−斉俗訓」「林中不売薪、湖上不鬻魚、所有余也」 2.たくさん取れるところでは、それを買う人はいないということの喩え。
・輪廻の塵
(りんねのちり) この世に人として生まれた身が、価値の無いものだということを、塵に喩えていったもの。
・麟を獲たり(りんをえたり) 『春秋』の最後の文言「春、西狩獲麟」。中国春秋時代魯(ろ)の哀公(あいこう)が狩りで麒麟の雌(めす)を捕らえたという記事に基づく(紀元前481年)。 1.「春秋」がここで終わっていることから、絶筆すること。また、ものごとの終わりの喩え。 類:●獲麟 2.「春秋」に筆を加えたという孔子がやがて死んだことから、一般に、人の死の喩え。臨終。辞世。 出典:「春秋公羊伝−傅」「西狩獲麟、孔子曰、吾道窮矣」<(哀公)西に狩りして麟を獲たり、孔子曰く、吾が道窮まれり

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