乙夜の覧(いつやのらん)

ことわざの意味
昔の中国で、立派な天子は22時頃から読書を始めたというところから、天子が書物を御覧になること。

類似のことわざ

  • おつ夜の覧
  • 乙覧

出典について

唐の文宗が、臣下に「甲夜(8時ころ)まで政務を見、乙夜(10時ころ)になって読書をするようでなければ人君たることはできない」と言ったことから出た語。<太平広記-杜陽雑編>

出典の詳細

太平広記(たいへいこうき) 宋の太宗の時(981年)に頼命を受けた李肪らが、道教・仏教関係の説話や正史などには記載されていない記録や小説の類いを収録した書。数百種に及ぶ古書の中から集められた話を神仏・報応・書・画・酒・夢・神・鬼・再生・雷・雨・草木・虎・狐・昆虫…など92の項目を立てて分類し、五百巻に纏(まと)めたもの。引書のうち、半数以上は現在散逸しているので、古小説の資料としての価値は非常に大きい。未刊であった。

参考:乙夜(いつや) 昔、中国で夜を甲、乙、丙、丁、戊の五つに分けた、その一つ。現在の午後9時頃から11時頃。