【ほた】~【ほん】

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・蛍の光窓の雪(ほたるのひかりまどのゆき) 苦労して勉学に励むこと。 類:●蛍雪(けいせつ) 
故事:晋書−車胤伝」 晋の車胤(しゃいん)は、家が貧しくて灯火用の油が買えないので、蛍を集めてその光で書を読み、孫康(そんこう)は、窓辺に降り積もった雪明りで読書したという。 
・蛍二十日に蝉三日(ほたるははつかにせみみっか) 盛りの時期が短いことの喩え。

−−−−−−−ほつ(#hotu)−−−−−−−
・木強
(ぼっきょう) 飾り気がなく一本気なこと、また、そのような人。朴直な人。 類:●無骨 例:「木強漢」 出典:「史記−絳侯周勃世家」「勃為人、木彊敦厚、高帝以為可屬大事」
・墨痕淋漓
(ぼっこんりんり) 《四熟》 筆の跡が鮮やかで墨が滴り落ちるようだという意味で、筆で書いた文字が美しいこと。また、筆勢が生き生きとしていつことを誉めていう言葉。
・ぼったくる 価格以上の値を貪(むさぼ)る。 類:●ぼる打っ手繰る ★「暴利」の動詞化した「ぼる」と、「打っ手繰る」の合成語。
・ほっつき歩く
(ほっつきあるく) 宛てもなく、あちこち歩く。うろつき回る。 用例:滑・八笑人−二「足まかせにほっつきあるくもんだから」 
★「ほつき歩く」の変化した語<国語大辞典(小)>
・没にする
(ぼつにする) 新聞や雑誌などで、投書や投稿、または寄せられた原稿を採用しないこと。 類:●没書(ぼっしょ)にする
・没分暁漢(ぼつぶんぎょうかん) 《四熟》 ものの道理が判らない男。 類:●分からず屋 ★「分暁すること没(な)き漢(おとこ)」と訓読する。
・ほっぺたが落ちる
(ほっぺたがおちる) 非常に美味である。 ★両頬にある唾液腺から唾液が出るときに僅かな疼きや鈍痛を感じることがある。それを言ったものか。 ★中国では「眉毛が抜けるほど美味い」と言う。
・ぽつぽつ三年波八年(ぽつぽつさんねんなみはちねん) 日本画を描くとき、ぽつぽつと点で苔(こけ)を描けるようになるのに三年、波を巧みに描くのに八年の歳月が掛かる。どの世界でも、一人前になるにはそれなりの年月が必要だということ。 類:●首振り三年ころ八年櫓三年に棹八年

−−−−−−−ほと(#hoto)−−−−−−−
・程がある(ほどがある) ものごとには、何事にも程度がある。程度や限度を越えている場合に、非難して、または窘(たしな)めて言う。 例:「人を虚仮にするのにも程がある」
・仏臭い(ほとけくさい) 仏教的な雰囲気が感じられる。僧侶のような感じがする。 類:●坊主臭い●抹香臭い 用例:浮・元禄大平記−六「聖徳太子、仏臭くて」
仏作って魂入れず
(ほとけつくってたましいいれず)
・仏に成る
(ほとけになる) 1.仏陀(ぶっだ)になるという意味で、死ぬこと。 類:●お陀仏空の煙(けぶり)になる●紙一枚の主となる 2.悟りを開く。3.この現実から遊離するという意味から、男女が性交によって悦楽の境地に入ること。
仏の顔も三度(ほとけのかおもさんど)
・仏の光より金の光
(ほとけのひかりよりかねのひかり) 人の心は、仏の教えより金の力に惹かれ易いということの喩え。人の心は金の力に左右され易い。
・仏の目を抜く
(ほとけのめをぬく・まなこをぬく) 利欲のために仏像の目をも抜き取る。神仏をも騙して悪事を働く。
・仏の椀
(ほとけのわん)[=御器(ごき) 仏に供える椀は銅製であったところから、「金椀(かなわん)」に「敵わん」を掛けた洒落(しゃれ)。
・仏も本は凡夫なり
(ほとけももとはぼんぶなり)[=昔は〜] 釈迦も初めは煩悩ある凡人だったが、修行の末に悟りを開いた。だから、誰でも修行を積めば仏になることができる。
・程こそありけれ
(ほどこそありけれ)[=あれ] 〜するや否や。〜するとすぐに。 用例:平家−一「只法に任せよと云ふほどこそありけれ、寺僧どもは国がたの者を追出せむとす」 
★「〜する時間は一応あったものの」の意<国語大辞典(小)>
・熱りが冷める
(ほとぼりがさめる) 「熱り」は冷め切らないで残っている熱のこと。 1.余熱が冷めること。また、高まった興奮が収まること。 例:「感激の熱りが冷め遣らぬ」 2.転じて、事件などに対する世間の噂や関心がなくなること。 例:「ほとぼりが冷めるまで外国に隠れていろ」 ★「熱(ほとお)る」が名詞化した「熱(ほとお)り」から。

−−−−−−−ほに(#honi)−−−−−−−
・帆に上ぐ(ほにあぐ) 高く揚げる。声などを張り上げる。 用例:古今−秋上「秋風にこゑを帆に上げてくる舟は」
・穂に出ず
(ほにいず) 1.穂が出る。穂先に実を結ぶ。 用例:−二二七「ほにいでたる田を、人いとおほく見さわぐは、稲かるなりけり」 2.表面に現れ出る。人目に付くようになる。 用例:源氏−宿木「ほにいでぬもの思ふらししのすすき」
・穂に穂が咲く
(ほにほがさく) 稲の穂が更に伸びて、その先に穂が出るという意味から、米などの穀物が豊作だということ。主に、稲が良く実ること。

−−−−−−−ほね(#hone)−−−−−−−
・骨折り損の草臥儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ) 苦労したことが何の成果も齎(もたら)さず、ただ疲労という結果だけが残ること。
・骨がある
(ほねがある) 背骨が真っ直ぐで頑丈であるという意味から転じて、しっかりしていること。また、容易には屈服しない強い精神を持っている。 類:●気骨がある
・骨が折れる(ほねがおれる) 困難で苦労する。労力を要する。また、面倒である。
・骨が舎利になっても
(ほねがしゃりになっても) 「舎利」は火葬にした骨のこと。仮令(たとえ)死んでも。どんな困難を冒しても。
・骨が太い
(ほねがふとい) 1.骨格が太くて丈夫である。2.転じて、意志が強く気骨がある。 類:●
骨がある
・骨皮筋右衛門(ほねかわすじえもん) 痩(や)せた体型の人を揶(からか)って呼ぶ言葉。
・骨と皮
(ほねとかわ) 骨と皮ばかりで、身が殆(ほとん)どない。極度に痩せている様子。 類:●骨体連なる
・骨に刻む
(ほねにきざむ) 骨に刻み込むようにしてしっかり覚えておく。深く心に留める。 類:●心に銘ず●肝に銘ず
・骨に沁みる(ほねにしみる)[=を通す] 骨まで沁み通るほど苦痛である。また、心の奥底まで強く深く感じる。 類:●骨身に沁みる●
骨に徹(てっ)す●骨に徹(とお)る 例:「寒さが骨に沁みる」
・骨に徹する(ほねにてっする) 1.心の奥底まで強く深く感じる。2.よく身に付いている。 類:●身に染まる
・骨になる
(ほねになる) 1.死んで遺骨だけになる。2.死ぬ。死亡することを婉曲にいう。
・骨の髄まで
(ほねのずいまで) 1.身体の中心まで。 例:「骨の髄まで冷える」 2.骨の髄に届くほど徹底的に。心の深層部や、奥まで。 類:●徹底的に●とことん
・骨までしゃぶる(ほねまでしゃぶる)[=骨の髄まで〜] 肉を食べただけでは足りなくて骨まで舐めるという意味から転じて、他人をとことんまで利用し尽くし、自分の欲を満たすことの喩え。それ以上何も出なくなるまで搾取(さくしゅ)する。 類:●尻の毛まで抜かれる
・骨身に染みる(ほねみにしみる)[=染む・徹(てっ)する・応(こた)える] 身体の芯まで感じる。深く心身に感ずる。 類:●
骨に沁みる
・骨身を惜しまない
(ほねみをおしまない) 労力や面倒を厭(いと)わない。一心に働く。 
反:■骨を惜しむ
・骨身を削る
(ほねみをけずる) 労苦などが、身を細らせるほどに感じられる。身体が痩せ細るほど苦心や努力をする。 類:●身を削る
・骨休め
(ほねやすめ) 仕事の合い間に身体を休めること。一息吐(つ)くこと。 類:●休息●骨休み 例:「骨休めに温泉に行く」
・骨を埋むるも名を埋めず
(ほねをうずむるもなをうずめず) 死んで身体を地中に埋めても、名前まで埋めることはできない。名声は永久に伝わるものであるということ。 出典:白居易「題故元少尹集後詩」「竜門原上土、埋骨不埋名」 白居易が、友人の元少尹(げんしょういん)の詩文集に寄せた詩。
・骨を埋める
(ほねをうずめる) 1.死んで骨を土の中に埋める。2.転じて、その地で死ぬ。その場所で一生を送る。3.一つの事業に生涯取り組む。あることに一生を捧げる。
・骨を惜しむ(ほねをおしむ) 労苦を嫌がる。仕事を怠(なま)ける。
・骨を折る
(ほねをおる) 1.骨折する。2.労苦を厭(いと)わず、精を出して仕事に励む。3.苦心して人の世話をする。
・骨を砕く
(ほねをくだく) 1.骨を細かく砕く。2.一所懸命に働く。粉骨砕身の努力をする。 類:●身を粉にする●骨を粉にする●粉骨砕身
・骨を粉にする(ほねをこにする) 骨を砕いて細かな粉にするという意味から転じて、力の限り精を出して働くことの喩え。大変な努力をすることの喩え。 類:●身を粉にする粉骨砕身●骨を砕く
・骨を刺す(ほねをさす) 痛みや寒気などが、強く身に感じる。 類:●
骨に沁みる
・骨を晒す(ほねをさらす) 1.死者の骨を雨風の当たるまま放っておく。屍(しかばね)が野山に置かれたまま白骨になること。2.野垂れ死にをも恐れないという、強い覚悟や決心。
・骨を抜く(ほねをぬく) 1.料理で、魚や鳥などの骨を抜く。2.計画や思惑の肝心な部分を抜き取る。3.根性などを失わせて、気力や勇気のない人間にしてしまう。人間から最も大事な精神を取り去り、駄目な人間にしてしまう。 類:●骨抜きにする
・骨を盗む(ほねをぬすむ) 1.他人の苦労を無にする。只働きをさせる。2.仕事を怠ける。 類:●骨惜しみをする
・骨を拾う
(ほねをひろう) 1.火葬にして遺骨を拾い納める。骨(こつ)揚げをする。2.死後の面倒を見る。また、他人がしたことの後始末をする。
・骨を休める(ほねをやすめる) 一休みする。骨休めをする。

−−−−−−−ほの(#hono)−−−−−−−
・ほの字(ほのじ) 「ほ」は「惚れる」の頭文字。惚れること。また、そういう状態。 用例:浄・平家女護島−三「そもじにたんとほのじじゃと」

−−−−−−−ほふ(#hohu)−−−−−−−
・歩武堂々
(ほぶどうどう) 《四熟》 足取りが落ち着いていて立派であるという意味で、歩き方に貫禄がある様子。

−−−−−−−ほほ(#hoho)−−−−−−−
・墓木已に拱す(ぼぼくすでにきょうす) 墓に植えた木が既に一抱えもあるほどに生長している。 1.死んでから長い年月を経ているということ。 出典:「春秋左氏伝−僖公三二年」「爾何知、中壽、爾木拱矣」 2.本来ならそうなっているはずだという意味で、相手を長生きをして邪魔な奴だと罵(ののし)って言う。 類:●くたばり損ない

−−−−−−−ほめ(#home)−−−−−−−
・褒めちぎる(ほめちぎる) 甚(はなは)だしく褒める。この上なく褒める。 類:●褒めそやす 用例:咄・鹿の子餅−上り兜「大きな相違とほめちぎる親馬鹿」 例:「口を極めて褒めちぎる」 ★「ちぎる」は接尾語<国語大辞典(小)>
・誉め手千人悪口万人(ほめてせんにんわるくちまんにん) 1.誉めてくれる人が仮に千人とすれば、悪口を言う人はその十倍の万人もいる。兎角(とかく)世の中には、人を貶(けな)す人が多いものだということ。2.誉める人も、内心では貶しているかもしれないということ。 類:●巧言令色鮮し仁

−−−−−−−ほら(#hora)−−−−−−−
・洞ヶ峠(ほらがとうげ) 日和見(ひよりみ)な態度、二心ある態度。 類:●日和見主義 例:「洞ヶ峠を決め込む」 
故事:和州諸将軍伝」 天正10年(1582)山崎の戦いで、筒井順慶が、洞ヶ峠に軍を留め天下の形勢を観望して有利な方に味方しようとした。
・法螺吹き(ほらふき) ものごとを大袈裟に言う人。また、嘘を吐く人。
・法螺を吹く(ほらをふく) 1.法螺貝を吹き鳴らす。2.大言を吐く。虚言を言う。勝手なことを言い立てる。 類:●大言壮語する●大風呂敷を広げる●嘘を吐く●駄味噌を上げる 
★サンスクリット語の「シャンカ」(螺貝のこと)は、楽器として用いられ、戦場での出撃の合図にも使われていた。仏教では、そのシャンカを吹くことを仏の説教に喩えた。すなわち、「お釈迦様の説法」の喩えである。中国では、それを「法の巻貝」=「法螺」と訳し、釈迦が法(教え)を説くことを「法螺を吹く」と言った。それが後に「釈迦のような偉ぷった説教をする」という意味に変化し、更に「大袈裟な言葉を言う」や「嘘を吐く」という意味に変わってきた。

−−−−−−−ほり(#hori)−−−−−−−
・掘り出し物
(ほりだしもの) 掘り出した物。思い掛けなく手に入った珍しい物。また、安く手に入れた良い品物。 例:「骨董店で掘り出し物を見付ける」
・蒲柳の質(ほりゅうのしつ) ひ弱な体質。 類:●虚弱体質 出典:「晋書−顧悦之伝」「松柏之姿、経霜猶茂、蒲柳、望秋先零」

−−−−−−−ほる(#horu)−−−−−−−
・ぼる 法外な代価・賃銭を要求する。不当な利益を占める。 類:●打っ手繰るぼったくる 例:「キャッチバーはぼるから気を付けろ」 ★米騒動の際の暴利取締令に出た語で「暴利」を活用させたもの<広辞苑第四版(岩)> ★「暴利取締令」は、大正6年(1917)。

−−−−−−−ほれ(#hore)−−−−−−−
・惚れた腫れた
(ほれたはれた) 色恋に気を取られた状態にあることを、冷やかしや罵(ののし)りを込めて言う言葉。 例:「惚れた腫れたなんて言っているうちが華」 ★「腫れた」は、語呂を合わせて調子を整え、また、強調する言葉。
・惚れた腫れたは当座のうち
(ほれたはれたはとうざのうち) 惚れたの惚れられたのと喜んで言っていられるのは、恋愛中と結婚当初の束(つか)の間だけである。やがて熱が冷(さ)めれば、そんなことを言っていられないほど生活に追われるものだということ。熱愛真っ只中にある男女を戒(いまし)めて、また、囃(はや)して言う。
・惚れた病に薬なし
(ほれたやまいにくすりなし) 恋煩(わずら)いをするくらいに誰かに夢中になってしまったら、それを治す薬はない。自然に治るのを待つ以外手立てはないということ。 類:●恋の病に薬なし恋は盲目 参考:民謡・草津節「お医者さんでも草津の湯でも、惚れた病は治りゃせぬよチョイナチョイナ」
・惚れた欲目
(ほれたよくめ) 惚れた相手を、実際以上に良く見たいと思う心情。惚れてしまうと、欠点までが好ましく見えてしまうものである。 類:●痘痕も笑窪 例:「惚れた欲目で言ってるんじゃない」
・惚れて通えば千里も一里
(ほれてかよえばせんりもいちり) 惚れた相手の所へ通うときは、遠い道も短く感じられて苦にならない。 類:●千里も遠からず 出典:江戸期の吉原の俗謡からか。「惚れて通えば千里も一里、長い田圃も一跨ぎ」「〜、逢わで帰ればまた千里(作者不詳)」など。
・惚れ惚れ
(ほれぼれ) 1.思考力を失うなど、放心している状態。ぼんやりして普通の状態でない。 類:●ぼんやり●呆然 用例:夜の寝覚−四「心地もほれぼれとして」 2.何かに心を奪われて、うっとりする。 用例:伽・
中書王物語「いつしかはや、御心も、ほれぼれとなりて」 3.深く心を惹かれるような様子。恋い慕いたくなるような様子。 用例:伽・秋夜長物語「ほれぼれと見かへりたる目つき顔ばせ」 例:「女でも惚れ惚れするような美人」 用例の出典①:中書王物語(ちゅうしょおうものがたり) 御伽草子。室町時代。一条兼良? 「太平記」巻18の「一宮御息所の事」に忠実に基づく物語。後醍醐天皇の第一親王尊良親王と御息所の恋を中心に、秦武文の武勇を織り交ぜて描く。 用例の出典②:秋夜長物語(あきのよのながものがたり) 御伽草子。南北朝時代(14世紀末)。1巻。作者未詳。比叡山の僧桂海と、三井寺の稚児梅若との悲恋と、それを巡って起きた三井寺と比叡山の争いを描く。仏教説話的な面、突拍子もない展開などもある。物語中数カ所に「太平記」と類似点があり、実際深い関連性もある。

−−−−−−−ほろ(#horo)−−−−−−−
・ぼろい
 俗語。 1.資本や労力に比べて利益が多い。楽で儲(もう)けが多い。 類:●ぼろ儲け 用例:伎・傾城三拍子−上「なんと、ぼろい仕事ぢゃないかい」 2.粗末(そまつ)である。また、古くなったりして壊(こわ)れている。 類:●おんぼろ 例:「ぼろい車」 ★関西方言から、と言われる。 用例の出典:傾城三拍子(けいせいさんびょうし) 歌舞伎。奈河晴助、金沢竜玉。「とんとんの三吉」。・・・詳細調査中。
・襤褸が出る
(ぼろがでる) 人に見せられない襤褸が表に出るという意味から、隠していた欠点や短所、または失敗の跡などが露(あらわ)になる。 類:●足が出る藁が出る
・襤褸糞(ぼろくそ) 1.価値のないもの。劣悪なもの。転じて、酷(ひど)く劣っているものとして罵(ののし)って言う言葉。 類:●糞味噌 例:「襤褸糞に言う」 2.散々にやっつけられる様子。 類:●こてんこてんこてんぱん
・襤褸雑巾
(ぼろぞうきん) 《四熟》 喧嘩などで殴られて半死半生の状態。また、雇い主などにこき使われてくたくたな様子。
・ほろ酔い機嫌(ほろよいきげん) 適度に酔って良い機嫌であること。また、そのような状態。
・襤褸を着ても心は錦
(ぼろをきてもこころはにしき) 着ているものは襤褸でも、心の中は錦を着ているように気高くありなさいということ。 類:●綴れを着ても心は錦●被褐懐玉
・襤褸を出す
(ぼろをだす)[=見せる] 短所や欠点を露見させる。失敗の跡を現す。 類:●尾を見せる

−−−−−−−ほを(#howo)−−−−−−−
・帆を掛ける
(ほをかける) 1.船の帆を高く張る。2.その場に居たたまれず、慌てて逃げ出す。 類:●尻に帆を掛ける
・歩を進める(ほをすすめる) 1.歩みを前に進める。2.どんどん先に進む。次の段階へと進む。次々とものごとの段階を進める。
・歩を転ずる(ほをてんずる) 1.歩く方向を変える。2.今まで進んできた方向と違った方向に進む。
・歩を運ぶ(ほをはこぶ) 1.歩みを進める。2.ある方向に向かって歩く。目的地に向かって出掛ける。
・歩を巡らす(ほをめぐらす) 歩みをぐるりと回すという意味で、今まで歩いてきた方向に向きを変えて、また逆戻りすること。

−−−−−−−ほん(#hon)−−−−−−−
・本意ない(ほんいない・ほいない) 1.本来の意思の通りでない。不本意である。2.実際に望んでいる通りではない。期待外れである。
・本気にする(ほんきにする) 真実であると信じる。 類:●本当にする●真(ま)に受ける 例:「冗談を本気にする」
・本気になる
(ほんきになる) 真剣になる。 例:「遊び半分で始めたことに本気になる」
・盆暗(ぼんくら) 頭の回転が鈍く、ぼんやりしていること。また、そのような人。 類:●虚(うつ)け者●愚か者 
★もと賭博(とばく)の語で、盆上の勝負に暗い意<国語大辞典(小)>
・本家本元(ほんけほんもと) 一番大元の家、または人。「本家」を強調した言葉。
・本腰を入れる
(ほんごしをいれる)[=据(す)える] 真剣になってものごとに取り組む。本気になる。 類:●腰を入れる ★「本腰」は、「本式の腰構え」の意味。
・ぽんこつ
 俗語。(1は明治初期。2・3は昭和30年代という。) 1.拳骨(げんこつ)で殴(なぐ)ること。また、殴って殺すこと。 用例:安愚楽鍋「四足を杭へ結ひつけられてぽんこつをきめられてヨ」 2.自動車の解体。転じて、中古の壊(こわ)れかかった自動車。一般に、老朽化して廃品同様になった物も指して言う。 例:「まだあのぽんこつに乗っているのか」 ★ぽんとげんこつでたたくことから<学研国語大辞典> ★もと、金槌の意ともげんこつの意ともいう<広辞苑第四版(岩)> 3.年老いて使い物にならなくなった者。 類:●老い耄れ●がたが来
・本初子午線
(ほんしょしごせん・ほんじょ〜) 「本初」は、始め・元のこと。経度や時刻の基準となる子午線。「グリニッジ子午線」のこと。
・奔走子
(ほんそご・ほんぞこ) 親が走り回ってその子の世話をするという意味で、この上なく愛する子供のこと。 類:●秘蔵子●奔走(ほんそ)の子
・本当のところ
(ほんとうのところ・ほんとの〜) 偽りでないところ。見せ掛けでないところ。実際のところ。 類:●実際の所●全くの所
・盆と正月が一緒に来たよう
(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう) 1.非常に忙しいことの喩え。2.嬉しいことが重なること。幸運が重なることの喩え。 ★昔の商家で、奉公人が暇をもらえるのが、盆と正月だったことによる。
・本音を吐く
(ほんねをはく) 1.心から信じている本当の考えを言葉で表わす。2.包み隠さずに真実の気持ちを述べる。本心を言う。 類:●本音を吹く
・煩悩あれば菩提あり(ぼんのうあればぼだいあり) 迷いがあって初めて悟りもある。迷わない人は悟りに到達することはありえない。
・煩悩即菩提
(ぼんのうそくぼだい) 仏教用語。煩悩の本体は真実真如に外ならないから、煩悩と菩提とは表裏一体であり、別々に離れたものではないということ。
・煩悩の垢
(ぼんのうのあか) 絶ち難い煩悩を、体に生じる垢に喩えて言った言葉。
・煩悩の犬
(ぼんのうのいぬ) 煩悩が人に付き纏うことを、纏い付いて離れない犬に喩えて言った言葉。
・煩悩の犬は追えども去らず
(ぼんのうのいぬはおえどもさらず)[=打てども〜] 煩悩は、人に付き纏う犬のように、心から離れない。煩悩は払っても払っても生じるということ。
・本の虫
(ほんのむし) 1.蔵書・古本など、書籍に付く虫。2.読書が好きな人の喩え。 類:●読書家●活字中毒 例:「子供の頃から本の虫だった」
・ぼんぼん
 良家の子息。若旦那。現代では、半(なか)ば蔑(さげす)んでも言う。 類:●ぼん●ぼんち 例:「ええとこのボンボン」 ★もと京阪地区の言葉。北陸地方などでも言った。 ★現在では、一般化している。
・本末転倒
(ほんまつてんとう) 《四熟》 根本の大切な事と、枝葉のつまらない事とを取り違えること。
・本屋学問
(ほんやがくもん) 《四熟》 書名だけは知っているが内容についてはまったく知らない、上辺だけの知識を嘲(あざけ)っていう言葉。 類:●外題学問
・本来の面目
(ほんらいのめんもく) 仏教用語。衆生(しゅじょう)が本来持っている、人為をまったく加えない心性。自分の本来の姿。真実の自己。禅の極致とされる。 類:●真面目(しんめんもく) 
★禅宗で用いる語<大辞林(三)>
・本来成仏
(ほんらいじょうぶつ) 《四熟・仏教用語 煩悩即菩薩、衆生即仏とすれば、衆生も本来、仏であるということ。万物一如の見地に立てば、衆生(しゅじよう)も仏も同じで、衆生もそのままが仏であるということ。
・本来無一物
(ほんらいむいちもつ・むいちぶつ) 仏教用語。存在する物は、本来すべて空(くう)であるから、我が物として執着すべきものは何一つない筈だということ。一切のものから自由になった心境。 
★禅宗で用いる語<大辞林(三)>
・盆を覆す(ぼんをくつがえす)[=傾(かたむ)ける] 激しく雨が降る様子。 類:●バケツを引っ繰り返したような
・盆を敷く
(ぼんをしく)[=ひく] 1.盆茣蓙(ござ)を敷くということで、賭場を開帳すること。2.自分の家を持つ。独立して自分の店を持つ。 
★江戸時代、芝居仲間の間で用いられた言葉<国語大辞典(小)>