【おさ】~【おの】

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・お下がり
(おさがり) 1.雨が降ることを指す女房詞(にょうぼうことば)。また、雨のこと。 ★特に、俳諧では「御降り」と書き、元旦または正月三が日に降る雨や雪を指す。降れば豊年の印とされ、めでたいものとされた。 2.神仏の供物(くもつ)を下げたもの。また、客に出した食物の残り。3.目上の人から頂戴した使い古しの衣服や品もの。転じて、兄姉が使い古して、弟妹が使用する衣類や履物など。 類:●お古 4.京都の言葉で、都会から地方へ行くこと。 類:●下向 5.神霊が身体に乗り移ること。神下ろし。
・お盛ん
(おさかん) 1.健康、商売、行動などが好調・活動的である。尊敬して言う。 例:「益々お盛んのようで結構ですね」 2.男女の、付き合いが盛んである。冷やかし気味に言う。 例:「真昼間からお盛んなことで」
・お先棒を担ぐ
(おさきぼうをかつぐ) 軽々しく人の手先となってものごとをする。 類:●提灯を持つ
・御先真っ暗
(おさきまっくら) 1.先の見通しがまったく付かない状態。 類:●木から落ちた猿 例:「リストラされてお先真っ暗だ」 2.また、先のことを考えないで無闇(むやみ)に事を行なうこと。 類:●無手法 用例:滑・浮世風呂−四「諸事おさき真暗な内が、勝利を得ます」 3.その事にまったく通じていないこと。 類:●不案内 用例:黄・啌多雁取帳「道具の方はおさきまっくら」
・お座敷が掛かる
(おざしきがかかる) 芸者、芸人などが客に呼ばれるということから、人から招かれること。何かに参加するように誘われること。 類:●口が掛かる
・お里が知れる
(おさとがしれる) 言葉遣いや動作などから、その人の育ちや経歴がばれる。本性が曝け出される。
・幼友達(おさなともだち) 幼い時の友達。 類:●幼馴染み竹馬の友
・幼馴染み
(おさななじみ) 幼い時に親しみ馴れていたこと。また、幼少の頃に仲良く遊んだ人。 類:●昔馴染み
・お座形
(おざなり)・お座成り ものごとを好い加減にすること。その場逃れで誠意がないこと。 用例:雑俳・柳多留−五八「お座なりに芸子調子を合はせてる」 例:「お座成りな返答」 ★「おざなり」と「なおざり」の違い。「おざなり」は、なんらかの処置をする。「なおざり」は、処置をせず放っておく。「おざなり」は江戸時代、「なおざり」は平安時代の発生。
・納まりが付く
(おさまりがつく) 1.事件や問題が巧く解決する。穏やかな結末になる。2.ものごとの釣り合いが取れる。安定する。 類:●一件落着
・おさらば 1.
別れの挨拶を丁寧に言う言葉。2.縁を切ること、去ることを多少ふざけて言う。
・おさらばになる 
関係がそれっきりになる。別れる。絶交する。
・おさらばをする 
死んでいくことをふざけて言う言葉。 例:「この世からおさらばする」
・お三どん(おさんどん) 1.「お三」は、台所で働く下女の通称。炊事婦のこと。 ★「爨(さん)」(飯をたく意)から、また「御三の間」の「御三」から、世間にありふれた娘の名「おさん(=三番目ノ女)」からなどの説がある<大辞林(三)> 2.台所での仕事。炊事。飯炊き。

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・教うるは学ぶの半ばなり
(おしうるはまなぶのなかばなり) 人を教えるときには、調べ直したり知識を整理し直したりするから、半分は自分が学ぶことになるということ。教えることによって、自分の知識の曖昧(あいまい)さや未熟さを悟(さと)れるものであるということ。 類:●教学相長ず●教えるときが学ぶとき●Teaching others teaches yourself.(人に教えることがあなたを教える)  出典:「詩経−兌命・下」「惟教学半、念終始典于学、厥徳修罔覚」
・押しが利く
(おしがきく) 人を抑えて従わせる力がある。 例:「痩せていては押しが利かない」 類:●押し手が利く
・押し掛ける
(おしかける) 1.招かれないのに人の家へ行く。 用例:浄・淀鯉出世滝徳−上「こちから先越(せんご)してにょっとおしかけてはどふござんしょ」 2.相手を圧倒しようとして、大勢で出向く。押し寄せる。 例:「陳情に役所に押し掛ける」 3.物に襲い掛かる。進撃する。 用例:大鏡−四「雑人はいとおほくはらはれてをしかけられ奉りぬれば」
・押しが強い
(おしがつよい)[=重たい・堅(かた)い] 1.自分の意見や希望を通そうとする根気がある。 用例:雑俳・柳多留−一六四「押がつよくて平ったく口説いてる」 2.厚かましい。図太く、横着(おうちゃく)だ。 用例:洒・
傾城買四十八手「くがい十年塩だちをしても、こんな着物がきられるものか。をしのつゑへ」 用例の出典:傾城買四十八手(けいせいかいしじゅうはって) 洒落本。1冊。山東京伝作・画。寛政2年(1790)刊。客と遊女との恋の手管を、軽妙な会話のはこびの中に的確にとらえ、京伝独特の精細な筆致が十分に生かされている。
・お仕着せ
(おしきせ)・お為着せ 1.江戸幕府から諸役人、囚人に衣服を支給すること。また、その衣服。2.時候に応じて主人から奉公人、客から遊女などへ衣服を与えること。また、その衣服。 例:「会社お仕着せのユニフォーム」 3.上から強(し)いられて型通りにものごと行なわれること。そうするように習慣化していること。また、その物。 類:●お決まり 用例:浮・好色一代女−五「盃のくるたびにちと押へましょ、是非さはりますとお仕着の通り」 例:「お仕着せの社内旅行」
・押し切る
(おしきる) 1.物を押し当てて切る。2.反対や無理などの障害を押し退けてやり通す。 用例:仮・
浮世物語−一「をしきるべき軍場(いくさば)をも逃げくづして」 例:「反対を押し切って結婚する」 3.櫓を押し続けて、波をのり切って船を進める。 用例:浄・国性爺合戦−千里が竹「千波万波をおしきって〈略〉もろこしの地にもつきにけり」 4.「切る」を強調して言う言葉。断ち切る。ぷつりと切る。 用例:蜻蛉−中「汁にあへしらひて柚(ゆ)をしきりてうちかざしたるぞ」 ★「おし」は接頭語<国語大辞典(小)>
・押し込む
(おしこむ) 1.狭いところに無理に入れる。 例:「満員電車に押し込む」 2.狭いところに無理に入り込む。びっしり詰まる。 用例:宇津保−国譲下「公達おしこみ入れて、御文を奉り給へば」 3.他人の家などに強引に入り込む。侵入する。特に、文句を言いに人の家に押し掛ける。 類:●押し入る 用例:人情・春色辰巳園−初「ひょっとまたうかれ仲間が押込むといけねへから」
・押し付ける
(おしつける) 1.上から重みを掛けて押さえる。また、力を入れて押し、あるものに付着させる。 用例:宇津保−蔵開上「白き薄様に書きてをしつけたまふ」 例:「体を押し付ける」 2.威力を以って自由な振る舞いをさせないようにする。 類:●抑圧する●圧倒する 用例:評判・色道大鏡−六「髪をきるは、女にいひまはし押付てもさする業(わざ)也」 3.強引にやらせる。無理に引き受けさせる。無理に受け取らせる。 用例:荘子抄−八「伊尹が事を云はんとてをしつけて登恒と名を付て云也」 例:「責任を押し付ける」「嫁を押し付けられる」 4.念を押す。 用例:上杉家文書−年月日未詳「御条目に而おしつけおしつけたづね、御申御尤存候」 5.昂(たか)ぶる感情を抑える。我慢する。 例:「怒りを押し付ける」
・押し詰まる
(おしつまる) 1.事態が差し迫る。切迫する。 例:「押し詰まってからでないと始めない」 2.年の暮れが近くなる。年末が近付く。 例:「今年も押し詰まって、2日を残すのみだ」
・推して知るべし
(おしてしるべし) どういう経緯であるか、容易に推量して知ることができる。 類:●言うまでもない 例:「結果は推して知るべしだ」
・押し並べて
(おしなべて) 1.全て一様に。皆等しく。総じて。 類:●遍(あまね)く 用例:万葉−一「そらみつ大和の国は押奈戸手われこそ居れ」 2.世間並みの。並々の。普通の。 用例:宇津保−国譲・上「西の廊はをしなべての人の曹司」 ★助詞「の」を伴って<国語大辞典(小)> 3.全部がそうとは言えないが、大体の傾向として。 類:●概(おおむ)ね●大略 例:「今年の夏野菜は押し並べて出来が良い」
・押しの一手
(おしのいって) 目的に向かって強引に押し進むこと。 類:●攻勢一点張り
・押しも押されもせぬ
(おしもおされもせぬ) 実力があって、他人に左右されたり圧倒されたりしない。 類:●びくともしない●安泰 用例:浄・
源氏冷泉節−上「伊藤殿は大名でをしもをされもする身でなし」 用例の出典:源氏冷泉節(げんじれいぜいぶし) 浄瑠璃。近松門左衛門。宝永7年(1710)。「孕常磐(はらみときわ)」の追加物で、上下2巻の変則物。源頼朝と愛人・藤の前の話を軸に展開する近松門左衛門でござーい!> ★「押しも押されぬ」は誤用・・・「押すに押されぬ」との混用か? 但し、認める国語辞典も出始めている。
・お釈迦になる
(おしゃかになる) 品物を出来損ないに仕上げてしまう。役に立たなくしてしまう。 例:「新品の皿がお釈迦になった」 
★阿弥陀の像を鋳るはずのものが、釈迦の像を鋳てしまったという話から、鋳物、製鉄関係者の間で用いられ始めた言葉という説がある<国語大辞典(小)> ★鍛冶屋が発祥で、「火が強かった」を「シが強かった」と喋り、4月8日(シがつようか)の花祭り(釈迦の誕生日)→お釈迦様と洒落たもの、ともいう。
・お釈迦様でもご存知あるまい
(おしゃかさまでもごぞんじあるまい)[=気が付くまい] 未来を見通すというお釈迦様でも、知らないだろう(気が付かないだろう)という意味で、誰も知らないだろうということを強調する言葉。
・おしゃま
 1.子供が老成(ませ)た振舞いをすること。また、そのような子。多く女の子について、愛情を込めて言う。 類:●お茶っぴい 例:「おしゃまさん」 2.猫、または芸者のこと。 ★幕末・明治の俗謡「猫じゃ猫じゃとおしゃますが、猫が下駄はいて杖ついて、絞りの浴衣で来るものか」の「おしゃます」から出た語という<国語大辞典(小)>
・おじゃんになる 
ものごとが途中で駄目になること。不成功に終わること。 類:●ポシャる 
★「じゃん」は近世、火事が鎮火すると半鐘をジャンジャンと二打したところから。原義は終了の意という<国語大辞典(小)>
・お上手
(おじょうず) 「上手」を丁寧に言った言葉から、何事にも良く気が付き、口が巧いこと。また、世辞が巧いことを皮肉るときなどにも使う。 用例:随・胆大小心録−109「この卿はとかくに御上手にて」 例:「ま、お上手ですこと」
・お相伴に与る(おしょうばんにあずかる) 1.酒席などで、正客の連れとして、一緒に持て成しを受ける。 例:「社長のお相伴に与る」 2.同行者との釣り合いや行き掛かりで、利益を受ける。 例:「たまたま居合わせて、お土産のお相伴に与った」 3.仲間の行動に付き合う。 例:「映画に行くのなら、お相伴に与るとしますか」

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・お裾分け
(おすそわけ) 人から貰(もら)った物や利益の一部を他人に分けてやること。 例:「いただいたお茶菓子のお裾分け」 ★「裾」は、物の端、端っこの一部分の意味。
・お墨付き
(おすみつき) 将軍や大名などから臣下へ与えられた文書のことで、比喩的に、権威のある人から得る保証のことを指す。 
★下付者の花押があるところからいう<国語大辞典(小)>

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・押せ押せになる
(おせおせになる) 1.強引に押し通すこと。押しまくること。 例:「押せ押せムード」 用例:浮・
御前義経記−八「片肌ぬいで四十八願の絵合、後には三枚がるたのおせおせ」 2.ものごとが次々に重なって、立て込む様子。 例:「仕事がおせおせになる」
・お節介(おせっかい) 余計な世話をやくこと。他人の事に不必要に立ち入ること。 ★「節介」の本来の意味は、節操を固く守り世俗に同調しないこと。
・お膳立て
(おぜんだて) 1.膳の上に食器や料理を並べて食事の準備をすること。 類:●膳拵(ごしら)え 2.巧く事が運ぶように準備すること。 類:●下準備 例:「お膳立てが整う」

−−−−−−−おそ(#oso)−−−−−−−
・遅牛も淀早牛も淀
(おそうしもよどはやうしもよど) 京を出た牛は遅くても速くても淀に辿り着くという意味で、その速さに拘わりなく、結果は同じであるということ。手段や方法が多少違っても、結果に大差はないということの喩え。 類:●遅牛も淀●早牛も淀、遅牛も淀●畦から行くも田から行くも同じ
・遅かりし由良之助
(おそかりしゆらのすけ) 時機を逃(のが)して役に立たなかったことを揶揄(やゆ)して言う言葉。 ★「仮名手本忠臣蔵」の登場人物・大星由良之助(大石内蔵助のこと)が、主君の切腹に間に合わなかったことから。但し、脚本にはこの台詞(せりふ)はない。
・遅かれ早かれ
(おそかれはやかれ) 遅い早いの違いはあっても、そのうちに必ず。いつかは。 類:●早晩●いずれにしても 用例:滑・浮世床−初「女郎買をして金をつかふ者はおそかれ速かれ身体(しんだい)を滅すから」
・遅きに失する
(おそきにしっする) 時機に遅れて役に立たない。遅過ぎて間に合わない。 類:●後の祭り六日の菖蒲十日の菊
・怖気が立つ
(おぞけがたつ) 1.怖がって、びくびくする。 類:●怖気(おじけ)付く 2.厭(いと)わしくて、ぞっとする。 
★しばしば「おぞ毛」と誤解して用いられる<国語大辞典(小)>
・怖気を震う
(おぞけをふるう) 恐ろしさなどで体が震える。
・遅蒔き唐辛子
(おそまきとうがらし) 時期遅れの唐辛子は辛味に乏しく気が抜けていることから、間抜けなことの喩え。また、時機を逸すること。
・お粗末
(おそまつ) 上等でないことを冷やかしたり、自分の不手際を自嘲したりするときにいう言葉。 例:「我ながらお粗末な出来栄えだ」
・お粗末様
(おそまつさま) 相手に提供した労力や料理などを謙遜して言う、挨拶(あいさつ)の言葉。 例:「お粗末さまでした」
・恐らく
(おそらく) ★恐ルのク語法オソルラクの転<広辞苑第四版(岩)> 1.憚(はばか)りながら。口幅ったい言い方であるが。畏(おそ)れ多いことだが。 用例:古事談−六「御琵琶の撥(ばち)おとのいみじさに所参入也。恐くは昔貞敏に授貽曲侍を、欲奉授云々」 2.絶対に。必ず。 用例:虎明本狂言・竹の子「恐らくとらすまいぞ」 ★非常に強い推量や決意を示す。 3.恐ろしくなるほどの。 用例:仮名・難波物語「鼻の高さ恐らく也」 4.十中八九。たいてい。多分。きっと。思うに。 用例:弘決外典鈔弘安七年点「竄(ヲク(ソ)ラクハ)」 例:「台風は恐らく明日上陸するだろう」 ★「おそらく」は、悪いことが起きそうなときに用いるが、現在では、単純に「たぶん」との置き換えとしても使える。 用例の出典①:竹の子(たけのこ)・笋 狂言。各流。筍の所有を巡る畑主と藪(やぶ)の持ち主の争いを仲裁人が色々と執り成し、結局、相撲を取って畑主の勝ちになる。 用例の出典②:弘決外典鈔(ぐけつげてんしょう) 天台宗の注釈書。具平親王(村上天皇の皇子)撰。正暦2年(991)。4巻。唐の湛然(たんねん)の「止観輔行伝弘決」の中から「外典」を抽出して注解した書。
・恐れ入る
(おそれいる) 1.非常に恐れる。すっかり恐くなる。 用例:古今著聞集−17・611「此の法師弥おそれ入りたり」 2.過ちを悟って詫(わ)びる。悪かったことを認めて謝(あやま)る。 用例:米沢本沙石集−三・一「これまでも申入候事、返々恐入候と」 3.目上の人などに失礼なことをして、畏(おそれ)れ多いと思う。恐縮する。また、単なる形式的な挨拶としても使う。 類:●
恐れ入ります 用例:曾我物語−五「おそれいりて候へども、あしき御心得と存じ候」 4.相手の好意などに対して、有り難いと思う。 類:●有り難い忝(かたじけな)い 例:「早速のご挨拶恐れ入りました」 5.相手の力量などにすっかり感心する。参ったと思う。敬服する。 例:「あの技にはまったく恐れ入った」 6.あまりの酷さに閉口(へいこう)する。呆れ果てる。 用例:滑・浮世風呂−四「おそれ入った事さネ」
・恐れ入ります
(おそれいります) 1.自分にとって過分と思われる目上の人への感謝の挨拶。大変有り難うございます。2.「恐れ入りますが」の形で、目上の人や客などに、迷惑や骨折りに対して「申し訳ない」という気持ちで言う言葉。 類:●大変申し訳ありません 例:「恐れ入りますが、お名刺を一枚いただけませんでしょうか」
・恐れ入谷の鬼子母神
(おそれいりやのきしぼじん・きしもじん) 「恐れ入りました」のこと。「恐れ入る」の「入る」を地名「入谷」に掛け、その入谷にある鬼子母神と続けた洒落(しゃれ)。
・恐れ多い
(おそれおおい)[=畏れ多い] 貴人や目上の人などに失礼なことをしてしまって、大変恐縮すべきことである。 類:●勿体ない 例:「恐れ多いことではありますが…」 用例:人情・
三日月阿専−十「私風情の賤しい者が、女房などとは恐れ多い事」 用例の出典:三日月阿専(みかづき??) 人情物。・・・調査中。
・恐れ乍ら
(おそれながら) 1.前置きとして言い、「こう言うのも口幅ったい事ですが」という気持ちを表わす。恐れ多いとは思うが〜です。恐縮ですが〜です。 用例:平家−一一「源義経恐ながら申し上候意趣者」 ★身分の高い人などに話しかけたり意見を述べたりする時に使う<学研国語大辞典> 2.奉行所などに訴え出ることの喩え。 類:●告訴する 例:「恐れながらと、駆け込むつもりだ」
・恐れを成す
(おそれをなす) 1.怖がる。 例:「恐れを成して、蜘蛛の子を散らすように逃げ去った」 2.尻込みする。たじろぐ。 類:●舌を巻く 例:「勘の鋭さに恐れを成す」 
★こわがる意の文語的表現。現代では遠慮したい気持ちになる意にもいう<国語大辞典(小)>
・御揃い(おそろい) 「揃い」の丁寧語から。 1.二人以上の人が連れ立つことを、敬(うやま)っていう語。 例:「夫婦お揃いでどちらまで」 2.衣服や道具などの、色・模様・生地(きじ)などが同じであること。 類:●ペアルック 例:「お揃いのセーター」

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・お高くとまる(おたかくとまる) 人を見下した態度を取る。仲間に加わらないで取り澄ましている。
・阿多福
(おたふく) 1.丸顔で、額が高く、頬が膨れ、鼻が低い女の顔の面。2.お多福面のような醜い顔の女。主に、女を嘲(あざけ)って使う。 類:●おかめ三平二満 3.自分の妻のことを謙遜して呼ぶ言葉。 類:●愚妻(ぐさい) 4.中限(なかぎり)相場が、当限(とうぎり)及び先限(さきぎり)に比べて安いこと。
・お陀仏
(おだぶつ) 1.死ぬこと。 類:●往生 用例:滑・膝栗毛−三「イヤこの肴(さかな)はおだぶつだぜ」 2.駄目になること。また、失敗に終わること。 用例:滑・浮世風呂−前「是にて将棊(せうぎ)はおだ仏かい」 
★阿弥陀仏(あみだぶつ)を唱えて往生する意<国語大辞典(小)> 
・お為顔
(おためがお) 主人などに忠実であるように装った顔付き。忠義振ること。 用例:浄・淀鯉出世滝徳−上「おためがほでだんなをひづめ」 用例の出典:
淀鯉出世滝徳(よどごいしゅっせのたきのぼり) 近松門左衛門。宝永6年(1709)。処罰物。淀屋辰五郎の闕所(けっしょ=家財など没収)事件を題材。豪商江戸屋勝二郎が遊女狂いしている間に、取り巻き連中が悪だくみ。太夫吾妻とともに奈良に落ちるが、吾妻が身請け話を勘違いして、人を殺す破目に近松門左衛門でござーい!
・お為ごかし
(おためごかし) 表面は相手の利益を図っているように見せ掛けて、その実は自分の利益を図っていること。 用例:浄・
祇園女御九重錦−二「『必油断なされな』と、お為ごかしに云ひ廻せば」 類:●おためずく●お為づくし●お為顔●上手ごかし ★「ごかし」は、動詞「転(こ)かす」が名詞化して濁ったもので、誤魔化(ごまか)す意。 用例の出典:祇園女御九重錦(ぎおんにょうごここのえにしき) 浄瑠璃。時代物。5段。若竹笛躬、中邑阿契作。宝暦10年(1760)大坂豊竹座初演。三十三間堂の縁起、親鸞上人の弟子横曾根半太郎のこと、平忠盛の活動などを題材として脚色した。三段目だけが「三十三間堂棟由来」の外題で、たびたび上演される。「三十三間堂」。
小田原評定
(おだわらひょうじょう)
・おだをあげる 
勝手なことを得意になって言う。何人か集まって得意になって勝手なことを言う。無駄話に気炎を上げる。 
★「おだ」は、「おだわらひょうじょう(小田原評定)」の略か<国語大辞典(小)>
・おたんちん・おたんこなす 鈍間(のろま)、間抜けという意味で使われる、嘲(あざけ)りの言葉。 ★諸説あるが、遊里言葉の「短珍棒」に「御」が付いたものからかという。これから、同様の意味の「御短小茄子」と言ったものか。

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・落ち落ち
(おちおち) 落ち着いている。安らかに。多く、下に打消しの言葉を伴って、安心して…できない。 用例:雑俳・柳多留−九「江戸へ出ておちおちと寝るさらし売り」 例:「落ち落ち昼寝もできない」
・落ち零れ
(おちこぼれ) 1.容器から落ちて零れたもの。特に、稲の落穂(おちぼ)を指して言う。 類:●掻き零れ 2.残り物。余り物。転じて、他人や他のものごとのお陰で得る利益。 類:●お零れ 3.学校で、授業に付いていけない子供。
・落ち込む
(おちこむ) 1.落ちて低い所や物の中に入る。 類:●嵌(はま)る●陥(おちい)る 例:「穴に落ち込む」 2.深く窪む。一段と低くなる。 例:「落ち込んだ眼」 3.良くない状態になる。売上や業績が悪くなる。 類:●陥る 例:「危険な破目に落ち込む」 4.気分が滅入る。心を奪われて動けない状態になる。 類:●滅入る 5.取引相場で、基準値段や円台より下がる。 類:●台を割る
・落ち着く
(おちつく) 1.移り動いていたものが、ある場所に留まる。住居・職業・地位などが定まり、安定する。 用例:浜松中納言−二「里にぞいそぎおちつきにける」 2.高い所から落ちて地面や底に達する。類:●落着(らくちゃく)する 用例:太平記−二九「落付処にて陶山(すやま)上になりければ」 3.動揺が収まり、ものごとが安定した状態になる。 用例:虎寛本狂言・惣八「やれやれ、そなたの咄を聞て落着た」 例:「病状が落ち着く」「天候が落ち着く」 4.決まりが付く。議論などが結論に達する。 類:●決まりが付く●帰着する 用例:日葡辞書「クジガッパウニヲチツイタ」 5.人の態度や言葉などが、どっしりしとて動じないように見える。穏やかで沈着である。 用例:虎寛本狂言・居杭「『何事じゃ』『何事とは落着た〈略〉なぜに打擲召れた』」 6.表現、色合い、音色などが調和が取れていて、穏やかである。周囲のものと調和して、こちらの気分が休まる。 用例:俳・去来抄−先師評「句はおちつかざれば真のほ句にあらず」 例:「落ち着いた色合い」 用例の出典①:惣八(そうはち) 狂言。各流。金持ちに召し抱えられた惣八と名乗る出家上がりの料理人と元料理人の俄(にわか)出家とが、互いの過去を知り、役目を取り替えた方が好都合と、惣八が経を読み、俄出家が魚を料理しているところへ金持ちが帰ってきて慌てる。 用例の出典②:居杭(いぐい) 狂言。各流。少年「居杭」は何かというと頭を叩く「何某」に困り果て、観音様にお願いして、隠れ頭巾(ずきん)を授かる。行方占いの「算置き」も交(まじ)え、ちょっとした騒動となる。
・落ち武者は薄の穂に怖ず
(おちむしゃはすすきのはにおず)[=恐る] 落武者は常にびくびくしているからどうということもないようなちょっとしたことにも驚く。転じて、怖いと思えば、なんでもないものまで、すべて恐ろしく感じられる。 類:●風声鶴唳(ふうせいかくれい)●水鳥の羽音に驚く
・落ち目に祟り目
(おちめにたたりめ) → 弱り目に祟り目
・お茶っぴい
(おちゃっぴい) 1.働いても金にならない、割りの合わないこと。 用例:浄・神霊矢口渡−四「御褒美(はうび)を貰ふ時は親方一人であたたまる。此六蔵はおちゃっぴい」 2.女の子がお喋りで出しゃばりな様子、また滑稽な振る舞いをする様子。年齢に似合わずに老成(ませ)ていること。また、そういう少女。 類:●おしゃま跳ねっ返り 用例:雑俳・川柳評万句合−宝暦一三「おちゃっぴい鼻の穴からけむをふき」 ★「おちゃひき(御茶挽)」が変化した語<国語大辞典(小)> ★「お茶挽き女郎」との関連が強い語。
・お茶の子さいさい
(おちゃのこさいさい) ものごとが容易(たやす)くすらすらとできることを、調子良くいう言葉。 類:●朝飯前朝腹に茶漬け ★「お茶の子」は、お茶請けの菓子のこと。お茶の子は気軽に食べられることから、容易にできることを言う。また、「お茶の子」を「農民が朝仕事前に食べた軽い食事(=朝飯前)」とし、「朝飯前」と結び付けたものとも言う。 ★俗謡のはやしことば「のんこさいさい」をもじっていう<国語大辞典(小)>
・お茶を濁す
(おちゃをにごす) 表面だけ取り繕(つくろ)ってその場を切り抜ける。取り繕って誤魔化す。 ★かつて、お茶は大変貴重なものとして珍重されていたので、お茶を出せばその場を丸め込め、急場を凌ぐことができたことによる。また、茶を点(た)てる作法を碌に知らない人が、適当に茶筅で掻き回して湯を濁したことによるともいう。 ★「お茶“で”(その場を)濁す」の意味から転じたものか。
・お茶を挽く
(おちゃをひく) 1.芸妓や娼妓がお客がなくて暇でいることにいう。 用例:浮・好色二代男−二「下駄はいてうすをいただき、お茶をひかしゃれぬまじないといふ」 ★暇な時には、葉茶を臼にかけて粉にする仕事をしたからいう<広辞苑第四版(岩)> 2.一般に、商売が暇なこと。 類:●開店休業
・お調子者
(おちょうしもの) 好い加減に調子を合わせる者。他人の意見に見境なく賛成する人。直(す)ぐ調子に乗り易く、軽はずみな行動をする者。
・落ちを取る
(おちをとる) 良い評判を得る。役者などが、見物人の喝采を受ける。 用例:談・
地獄楽日記−一「手々(てんで)に一つ宛おちを取らせる様に」 用例の出典:地獄楽日記(じごくらくにっき) 増谷白楽撰。絵入5巻。宝暦5年(1755)。・・・詳細調査中。

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・おっかないと思えば茨株も化ける(おっかないとおもえばいばらかぶもばける) 臆病者には、なんでもないことが全て怖い物に見えるものだということ。 類:●落ち武者は薄の穂に怖ず●落人は草木にも心を置く●木にも萱にも心を置く芒(すすき)の穂にも怖ず
・屋下に屋を架す
(おっかにおくをかす) 重ねて無益なことをする。 類:●屋上屋を架す 出典:「
顔氏家訓−序致」「魏晋以来所著諸子、理重事複、逓相模埔、猶屋下架屋、牀上施牀耳」 出典①:顔氏家訓(がんしかくん) 中国、家訓の書。20編。六朝時代末の顔之推(がんしすい)。保身の場を平穏で質朴な家族生活の中に求める立場から、広く政治、学問、思想、風俗などについての見解を示したもの。 出典②:「世説新語−文学」「屋下架屋耳」
・追っ付け
(おっつけ) 1.そのうち。間もなく。ほどなく。 例:「おっつけ来るでしょう」 2.今すぐ。ただちに。 用例:浮・世間胸算用−一「其問屋心もとなし。追付(オッツケ)、分散にあふべきもの也」
・おっちょこちょい
 1.ちょこちょこと落ち着かず、ものごとを軽々しくすること。また、そのような行動する人。 類:●軽薄者 2.容易(たやす)い様子。 類:●ちょちょいのちょい
・夫は妻次第
(おっとはつましだい) 良い伴侶(はんりょ)を得れば、良い影響を受けて良くなるものであり、逆に、悪い伴侶だと悪くなるということ。 類:●A good wife makes a good husband.●A good husband makes a good wife.(妻は夫次第)
・押っ取り刀
(おっとりがたな) あまりに危急な事態だったので、刀を腰に差す暇もなく、手に持ったままでいるという状態。また、急いで駆け付けること。 用例:浄・
堀川波鼓−下「北か西かとおっとり刀、我ら劣らじとぞ走りける」 用例の出典:堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ) 浄瑠璃。世話物。3段。近松門左衛門。宝永4年(1707)大坂竹本座初演。前年にあった妻敵討(めがたきうち)事件を脚色。『大経師昔暦』『鑓の権三重帷子』と共に、近松三姦通物の一つ。
・乙な(おつな) 1.普通と違っていて、独特の良さがある。 用例:滑・当世阿多福仮面「心やすくおつな馳走の出来る事大きな夫の気助り」 例:「なかなか乙な味だ」 2.妙に気取っていて、嫌味な様子。一風変わっていて変な様子。 類:●妙●異●気障(きざ) 用例:滑・膝栗毛−五「ヲヤ弥次さん、おつな手つきをしておめへ何をする」 例:「乙に澄ます(構える)」 用例の出典:当世阿多福仮面(とうせいおたふくめん) 滑稽本。平秩東作(へづつとうさく)=立松東蒙(たてまつとうもう)。安永9年(1780)。・・・詳細調査中。
・乙に絡む
(おつにからむ) 変に嫌味なことを言う。
・乙に澄ます
(おつにすます) 気取っている。洒落(しゃれ)を通り越して嫌味である。
・乙へ入る
(おつへいる) 一段と低い音になる。低い声になる。
・落つれば同じ谷川の水(おつればおなじたにがわのみず) 1.空から降るものは、雨や霰(あられ)、雪、雹(ひょう)と形は様々だが、結局は同じ谷川の水になって流れるものである。出発点は違っていても、行き着く先はみな同じだということ。2.人も、生まれや生き方は様々だが、死ねば灰になり結局は同じだということの喩え。 出典:詩文集・骸骨「雨あられ雪や氷とへだつれど落つれば同じ谷川の水」 出典:骸骨(がいこつ) 画文集。一休宗純。長禄元年(1457)。骸骨との対話を通して仏教思想を語ったもの。人は、己の肉体に執着していが、肉体などというものは仮の住まいでしかない。「一休骸骨」とも。

−−−−−−−おて(#ote)−−−−−−−
・お手上げ
(おてあげ) 1.両手を上げて降参する。どうしようもなくなり、途方に暮れること。 類:●手を上げる手が上が
 例:「こうなってはもうお手上げだ」 2.破産する。
・お手の物(おてのもの) 自分が容易(たやす)くできること。得意なこと。 例:「彼を負かすぐらいはお手の物だ」
・お手盛り
(おてもり) ものごとを、自分に都合良いように取り計らうこと。自分で好きなだけ食器に飯を盛れるということから。 例:「お手盛り法案」
・お手柔らかに(おてやわらかに) 勝負事などで、自分は弱いから手加減して欲しいと頼むこと。試合などを始める時に言う挨拶の言葉。 例:「お手柔らかに願います」
・お天気屋
(おてんきや) 空模様が変わるように、ころころと気分が変わり易い者。気紛(きまぐ)れな者。 類:●お天気者
・お天道様が西から昇る
(おてんとうさまがにしからのぼる・おてんとさま〜) 1.太陽が西から昇るという意味で、有り得ないことを喩えて言う。 類:●朝日が西から出る●川の水が逆さに流れる 2.あまりにも常識外れで、面白いことだということ。 例:「犬が喋っただと? お天道様が西から昇るぜ」 類:●臍が茶を沸かす
・お天道様と米の飯は何処へ行っても付いて回る
(おてんとうさまとこめのめしはどこへいってもついてまわる) どんな所にも陽の光が当たるように、人間はどんな苦境にあっても食っていけるものであるということ。 類:●ここばかりに日は照らぬ
・お転婆
(おてんば) 若い娘や女児がしとやかさに欠け、いたって活発なこと。また、慎(つつし)みや恥じらいに欠けた女。 類:●おきゃん転婆 雑俳・柳多留−七「御てんばにかまいなんなとてんばいひ」 例:「うちの娘はお転婆で困る」 
★オランダontembaar(「馴らすことのできない、負けん気の」の意)からという<国語大辞典(小)> ★「御伝馬」から、ともいう。

−−−−−−−おと1(#oto)−−−−−−−
・頤で人を使う
(おとがいでひとをつかう) 横柄な態度で人を使う。 類:●顎(あご)で人を使う
・頤を叩く
(おとがいをたたく)[=鳴らす] 1.良く喋(しゃべ)る。勝手なことを言う。 類:●大口を叩く骨箱を叩く頬桁を叩く 2.悪口を言う。 用例:滑・膝栗毛−55「こなさんは、えらい頤たたかんすな」
・頤を解く
(おとがいをとく) 顎(あご)が外れるほど大きな口をあけて笑うこと。大笑いすること。 類:●頤を脱す●頤を放つ ★「頤」は、したあごのこと。
・男が上がる
(おとこがあがる) 男としての風采や容貌が良くなる。また、男としての価値が高くなる。 類:●男が立つ●男が成る 
反:■男が下がる■男が廃(すた)る■男が潰(つぶ)れる
・男が廃る
(おとこがすたる) 男としての面目が立たなくなる。 類:●男が下がる●男が潰れる
・男心と秋の空
(おとこごころとあきのそら) 秋の空模様が変わり易いのと同様に、男の心は変わり易い。男の浮気な心を言った言葉。 ★女は貞節なものとするので、「女心と秋の空」とは言わなかった。しかし、現代では、言う。 参考:A woman’s mind and winter wind (change often).女心と冬の風はよく変わる<英国の諺>
・男所帯に蛆が湧く
(おとこじょたいにうじがわく)・男鰥(やもめ)に〜 男だけで女のいない家では、碌(ろく)に掃除もせず、散らかり放題であるということ。蛆が湧くほど汚くなっているという喩え。
・男好きのする
(おとこずきのする) 女の容姿や性格が、男の好みに合う。多くの男が好い女だと思う。 例:「男好きのする古風な性格」 ★「男好きな(=男との情事を好む意)」との混同は避けるよう。
・男になる
(おとこになる) 1.元服(げんぷく)して大人の男になる。 用例:大鏡−六「殿のきむだちのまだおとこにならせ給はぬ」 2.転じて、一人前の稼(かせ)ぎが取れる男になる。立派な男になる。3.僧が俗人に戻(もど)る。4.女が年老いて月経がなくなる。
・男の心と川の瀬は一夜に変わる
(おとこのこころとかわのせはいちやにかわる) 男の愛情は変わり易いものだよいうこと。
男の心と大仏の柱は太うても太かれ(おとこのこころとだいぶつのはしらはふとうてもふとかれ)[=大黒柱は〜] 男は大胆であれ、という喩え。
・男の子と杉の木は育たぬ
(おとこのことすぎのきはそだたぬ) 男の子は、杉の木同様に成育が遅いということ。
・男の目には糸を貼れ、女の目には鈴を貼れ
(おとこのめにはいとをはれ、おなごのめにはすずをはれ) 男の目はきりりとまっすぐなのが良く、女の目はぱっちりと大きいのが良い。
・男は当たって砕けろ
(おとこはあったってくだけろ) 1.男は、いつまでもくよくよ考えたり、恨みに思ったりしないで、さっぱりするものだということ。2.事のなりゆきは分からないにしても、男はまず決行することが大事である。
・男は気で食え
(おとこはきでくえ)[=せい・持て・行け・渡れ] 男は気性で生きよ。男は世の中を意気で押して行くことが大切である。
・男は閾を跨げば七人の敵あり
(おとこはしきいをまたげばしちにんのてきあり・かたきあり)[=踏み出すと〜] 家庭の中にいる子供の時分には敵はないが、男が社会に出て大人として活動すれば、常に多くの敵ができるものである。男は厳しい世間の中でも、へこたれず生活しなければならないということ。 ★「七人」は、数が多いことの喩え。
・男は辞儀に余れ
(おとこはじぎにあまれ) 男は謙遜の気持ちを十分に持て。男の遠慮はし過ぎるくらいで良いということ。
・男は裸百貫
(おとこははだかひゃっかん) 男は無一物でも働いて富を作る子とができるから、裸でも百貫の値うちがある。
・男は松、女は藤
(おとこはまつ、おなごはふじ) 松に藤が絡(から)まるように、女は男を頼みにして生活するものである。
・男前
(おとこまえ) 1.男としての風采(ふうさい)や容姿。また、面目(めんぼく)。 類:●男振り●男っぷり 例:「散髪に行って男前が上がった」 2.男として、風采が良いこと。好男子。 類:●美男子●男振り●男っぷり 用例:伎・思花街容性−三幕「槍持ちにしては惜しい男前じゃ」 ★「前」は、人に関する語について、その属性、機能を強調していう。「腕前」「男前」など<国語大辞典(小)> ★「前(まえ)」は、そのものとしての「面目(めんぼく)」のこと。 用例の出典:思花街容性(おもわくくるわかたぎ) 歌舞伎。並木五瓶(初世)。天明4年(1784)。2幕。大坂河内屋太助店出版。最初の絵入根本(歌舞伎の脚本を印刷刊行したもの)。享和3年(1803)京都再演時に、松好斎半兵衛画で『戯場言葉草(しばいことのはぐさ)』(5巻)としても刊行された。・・・詳細調査中。
・男勝り
(おとこまさり) 女でありながら、男以上に気性がしっかりしていること。また、その女。 類:●女丈夫(じょじょうふ)●お転婆 用例:浄・長町女腹切−下「おとこまさりの自害の体」
・男鰥に蛆が湧く
(おとこやもめにうじがわく)[=集(たか)る] 男鰥は、世話をする者がいなくて、自然に身の周りや環境が不潔になる。 類:●男所帯に蛆が湧く●男鰥に雑魚集る●男後家には襤褸下がる 反:■女寡(やもめ)に花が咲く■後家花咲かす ★「おとこやもめにぼろが下がる」とも<国語大辞典(小)> 参考:鰥夫(やもめ) 男の場合は「鰥」「鰥夫」の字を当て、女の場合は「寡」「寡婦」「孀」の字を当てる。
・男を上げる
(おとこをあげる) 立派な行為で男としての名誉を得る。男子の面目(めんぼく)を施(ほどこ)す。 反:■男を下げる 例:「昨日の火事騒ぎで、彼は男を上げた」
・男を売る
(おとこをうる) 1.男らしい気質の者として、評判を広める。2.男気がある人間として世間を渡っていく。
・男を拵える
(おとこをこしらえる・こさえる) 女が愛人や情夫を持つ。 類:●男を作る
・男を下げる
(おとこをさげる) 男として恥ずかしい行為をして自分の価値を下げる。 反:■男を上げる
・男を知る
(おとこをしる) 女が、男と初めて肉体関係を持つ。
・男を立てる
(おとこをたてる) 1.一人前の男としての体面を保つ。男としての意地を通す。2.女が、夫や兄弟などを尊重した言動をする。
・男を作る
(おとこをつくる) 1.男が、髪や姿を飾り整える。男振りを良く見せる。 類:●男を磨く 2.女が愛人や情夫を持つ。 類:●男を拵える
・男を磨く
(おとこをみがく) 1.男が、髪や姿を飾り整える。 類:●男を作る 2.男の名誉を重んじて、義侠心を養(やしな)う。多く、侠客(きょうかく)の世界で言う。
・男を持つ
(おとこをもつ) 1.夫を持つ。2.情夫を持つ。

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・音沙汰無し
(おとさたなし)[=が無い] 消息がない。連絡がない。 類:●音信不通 用例:人情・恋の若竹−下「其の後一向音沙汰無く」
・落とし前(おとしまえ) 1.露店などで、商品の値段を適当なところまで落とすこと。2.転じて、揉(も)めている人たちの間に入って、話を付けること。3.失敗や事故・無銭飲食などの後始末を付けること。無礼な言動の責任を取ること。また、そのための金銭。 例:「この落とし前はきっちり付けてもらうからな」 ★やくざなどが用いる語<国語大辞典(小)>
・音高し
(おとたかし) 1.音や声が高く響く。2.噂が広まる様子。 用例:万葉−3555「韓楫(からかぢ)の於登太可思(オトダカシ)もな寝なへ児ゆゑに」
・一昨日来い
(おとといこい)[=お出(い)で・失(う)せろ] もう二度と来るな。人を罵(ののし)って追い返すときに言う。 ★「おととい(をとつひ)」の原義「遠い日」として言われた言葉か。「遠い日に来い」→「ずうっと来るな」。
・大人気ない
(おとなげない) 大人としての思慮分別がない。大人らしくない。つまらないことに向きになって、ばかげている。 用例:平家−七「わか殿原に争ひて、先をかけんもおとなげなし」 例:「子供を相手に大人気ないことをするな」
・音無し
(おとなし) 1.音がしない。静かである。2.人に断わりを言わない。返事や音沙汰(おとさた)がない。 用例:蜻蛉−中「それより後も、をとなし」 3.秘密などを人に知られないように黙っている。隠して、言わない。 用例:源氏−夕霧「年経にけることを、をとなく、けしきももらさで過ぐし給うけるなり」 4.世間に評判されない。世評にのぼらない。 用例:源氏−真木柱「をとなく、いづかたにも人のそしり恨みなかるべくをもてなし給へ」
・大人しい
(おとなしい)・温和しい 1.一族の長らしい、また、年長者らしい思慮や分別がある。主要な人物である。年配である。 用例:蜻蛉−上「返りごとは、かしこなるおとなしき人して、書かせてあり」 2.成人している。大人びている。一人前のようである。 用例:源氏−紅葉賀「今日よりは、おとなしくなり給へりや」 3.温和である。穏やかである。落ち着いている。また、従順である。 用例:虎清本狂言・猿座頭「そなたが何共いひだされぬが、おとなしいほどに、花見につれていて」 ★名詞「おとな(大人)」の形容詞化で、「大人」らしいが原義<語大辞典(小)> 用例の出典:猿座頭(さるざとう) 狂言。各流。清水(きよみず)で夫の勾当(こうとう)と花見をしている女に、猿回しが勾当が盲目なのを良いことに言い寄る。勾当が女の挙動を怪しんで帯で結びつけるが、猿回しは女と猿を結び替え、女を連れて逃げる。鷺流(さぎりゅう)では「花見座頭」、「狂言記」では「猿替勾当」。
・音無しの構え
(おとなしのかまえ) 1.音を全く立てない姿勢。また、そのような態度。2.転じて、働き掛けに対して何の反応も示さないこと。なんの音沙汰(おとさた)もないこと。 類:●梨の礫 例:「催促しても音無しの構えだ」
・大人びる
(おとなびる) 1.大人らしくなる。体(からだ)付きや考え方、態度などが、一人前の感じになる。老成(ませ)てくる。 用例:源氏−乙女「子のおとなぶるに、親のたちかはり痴れゆくことは」 2.女性が、結婚したり子を産んだりして、一人前の女になる。 用例:源氏−東屋「はじめの腹の二三人は、みなさまざまに配りてをとなびさせたり」 3.かなりの年配になる。年功を積んで、重々しい人になる。老(ふ)けている。 用例:宇津保−国譲中「まさご君の御乳母、おとなびにたれど、かたち宿徳にてあり」 ★現代語の「大人びる」には、2.3.の意味はない。
・音に聞く
(おとにきく) 1.人伝(づて)に聞く。噂に伝え聞く。 用例:万葉−1105「音聞(おとにきき)目にはいまだ見ぬ吉野川」 2.世間の評判が高い。有名である。 用例:
金葉−501「音に聞く高師の浜のあだ波は」 用例の出典:金葉和歌集(きんようわかしゅう) 平安後期の歌集。10巻。白河天皇の命による源俊頼の撰。二度の改修を経て大治2年(1127)成立。三次にわたる各撰集を初度本、二度本、三奏本と区別し、二度本がもっとも流布した。勅撰和歌集の5番目。源俊頼、源経信、藤原顕季ら227人の歌約650首を収録。四季、賀、別離、恋、雑、および連歌一九首を雑下に分類。客観的、写生的描写が多く、新奇な傾向も目立つ。
・音に聞こゆ(おとにきこゆ) 1.世間の噂に上る。動静が人々に知られる。 用例:源氏−宿木「この年頃、をとにも聞え給はざりけるが」 2.評判が高い。有名である。
・驚き桃の木山椒の木(おどろきもものきさんしょのき) これは驚いた、吃驚(びっくり)したということ。 ★「おどろき」の語呂合せで樹木の名を続けたもの。
・驚くなかれ(おどろくなかれ) 驚いてはいけないよ。これから驚くべきことを言うという前触れとして使う語。 例:「驚くなかれ、二人は実の兄弟だった」

−−−−−−−おな(#ona)−−−−−−−
・御中を拵える
(おなかをこしらえる) (近頃は、「御腹」・「お腹」とも書く) 食事をして腹を一杯にする。 用例:伽・福富草紙「これかまへて、すき腹にすかせ給ふな。ちとおなかをつくろひて」 ★「御中」は、飯、食事をいう女房詞。食卓のまん中に飯を置き、そのまわりに副食物を置いたところから<国語大辞典(小)> →転じて、腹を指す女性語となったという。 用例の出典:
福富草紙(ふくとみぞうし) お伽草子。1巻。作者未詳。南北朝頃の成立か。放屁の上手な福富織部の富み栄えるのを羨んだ隣の男が真似て大失敗する話。
・御長物
(おながもの) 饂飩(うどん)を言い表す女房詞。
・お流れ
(おながれ) 1.酒席で、目上の人が飲んだ杯を受けて酒を飲むこと。また、その酒。 ★元は、貴人や主君の杯に残った酒を貰った。 2.目上の人から、不要な品を貰うこと。 類:●お下がり●お滑り 3.予定していた行事や会合が中止になること。 類:●流会●沙汰止み
・お慰み
(おなぐさみ) お楽しみ。結構なこと。期待しながらも失敗するであろうことをやや予期し、からかい半分で使う。また、皮肉の意味を込めても言う。 用例:雑俳・
湯だらひ「のうれんを首尾よう取たらおなぐさみ」 用例の出典:湯だらひ(ゆだらい) 雑俳。・・・調査中。
同じ穴の狢
(おなじあなのむじな)
同じ釜の飯を食う
(おなじかまのめしをくう)
・同じ土俵に上がる
(おなじどひょうにあがる)[=乗る・立つ] 1.話し合いの場で同じ議題について話し合う。 反:■一人相撲を取る 例:「新人のA君もやっと同じ土俵に上がってきたね」 2.あることが行なわれる場に、同等の立場で臨(のぞ)む。 例:「正会員と認められて初めて同じ土俵へ上がれる」
・同じ流れを汲む
(おなじながれをくむ)[=掬(むす)ぶ] 別々の人が同じ流れの水を手で掬(すく)って汲んだということで、同じ因縁に繋(つな)がる者ということ。 参考:一樹の陰一河の流れも多生の縁 出典:「説法明眼論」「或処一村、宿一樹下、汲一河流、一夜同宿、一日夫婦、皆是先世結縁」
・同じ蓮
(おなじはちす) 共に極楽浄土で生れ変わる意味で、死後もその運命を共にすること。類:●一蓮托生
・お涙頂戴
(おなみだちょうだい) 芝居や映画で、観客の涙をそそるのを目的として作られたもの。また、その場面。
・おなら
 1.屁(へ)。 類:●出物 ★もと女房詞。「ならす(鳴)」の連用形の名詞化した「ならし」に接頭語「お」の付いたものから転じた語という<国語大辞典(小学館)> 2.屁を放(ひ)ること。 類:●放屁(ほうひ)
・おならし 
葱(ねぎ)を言い表す女房詞。

−−−−−−−おに(#oni)−−−−−−−
・鬼が棲むか蛇が棲むか
(おにがすむかじゃがすむか) どんな恐ろしいものが居るかどうか分からないということ、また、人の心の底にはどんな考えがあるか想像のつかないということ。
鬼が出るか蛇が出るか
(おにがでるかじゃがでるか)
鬼が笑う
(おにがわらう)
・鬼瓦にも化粧
(おにがわらにもけしょう) 醜い者も化粧すれば、結構美しく見える。 類:●馬子にも衣装
・鬼とも組む
(おにとくむ) 鬼とでも組み打ちしそうだという意味ら、強くて元気に満ち満ちている様子。非常に勇猛な様子。また、剛勇なだけで、少しも人の情を解しない者のこと。
鬼に金棒
(おににかなぼう)
・鬼に衣
(おににころも) 1.鬼は裸で衣類を必要としないところから、不必要なこと。あるいは、不釣り合いなこと。 2.表面はしおらしく見えるが、内面は恐ろしいことの喩え。 類:●狼に衣
・鬼に神取らる
(おににたましいとらる)[=肝(きも)取らる] 酷(ひど)く恐れることの喩え。
鬼の居ぬ間の洗濯
(おにのいぬまのせんたく)
・鬼の霍乱
(おにのかくらん) 普段非常に丈夫な人が珍しく病気に罹(かか)る。 
★「霍乱」は日射病や暑気あたり<国語大辞典(小)>
鬼の首を取ったよう
(おにのくびをとったよう)
・鬼の衣
(おにのきぬ) 死者に着せる着物のこと。
・鬼の閉てたる石の戸も情けに開く
(おにのたてたるいしのともなさけにあく) 無情な鬼が閉じた戸でも、人の情けによって開く。どんなに頑(かたく)なに閉ざされた心も、誠意によって解(ほぐ)されるものだということ。また、誠意が通じないことはないということ。
・鬼の手形
(おにのてがた) 借金の証文のこと。
・鬼の中にも仏が居る
(おにのなかにもはとけがいる) 情け知らずの悪人の中にも、仏のように優しい心の持ち主はいるものだということ。
鬼の念仏
(おにのねんぶつ)
鬼の目にも涙
(おにのめにもなみだ)
・鬼一口
(おにひとくち) 1.甚だしい危難に会うこと。また、その危難。 類:●鰐の口●虎口 用例:謡曲・
通小町「さて雨の夜は目に見えぬ、鬼ひと口も恐ろしや」 参考:伊勢物語」第六段の、雷雨の激しい夜、女を連れて逃げる途中で、女が鬼に一口で食われてしまったという説話。 2.鬼が人を飲み込むように、激しい勢いがあること。ものごとを手っ取り早く処理してしまうこと。 用例:俳・鶉衣−後「鬼一口のいきほひもなく」 用例の出典①:通小町(かよいこまち) 謡曲。四番目物。観阿弥改作。古名「四位少将」。小野小町と深草少将の百夜通(ももよがよい)の説話に材を得たもの。 用例の出典②:鶉衣(うずらごろも) 江戸後期の俳文集。12冊、225編。横井也有著。前編に天明5年(1785)の跋(ばつ)、続編に文政6年(1823)の序があるが、刊行年未詳。和漢の故事、諺を初め、自然や人事など広い主題について、技巧を凝らした軽妙な文章で書かれている。
・鬼も十七茨も花
(おにもじゅうしちいばらもはな)[=山茶(やまちゃ)も煮端(にばな) 刺(とげ)のある茨も、時期が来て花を付ければ美しい。「山茶」は粗末な茶のこと。 類:●鬼も十七●鬼も十七山茶も煮端●鬼も十八番茶も出花
鬼も十八番茶も出花
(おにもじゅうはちばんちゃもでばな)
・鬼も頼めば人食わず
(おにもたのめばひとくわず) 1.鬼に正面切って自分を食べてくれと頼むと、却(かえ)って食べないものだということ。得意なことだから当然承知してくれるだろうと思って頼むが、もったいぶってやらないことの喩え。 類:●勿体を付ける●犬も頼めば糞食わず●猿も頼めば木に登らぬ●頼めば越後から米搗きにも来る●頼めば乞食が味噌汁吸わぬ●頼めば乞食が馬に乗らぬ 2.非情な鬼でも頼まれれば嫌と言えないものである。況(ま)して、情のある人間なら、誠意をもって頼めば酷(ひど)い扱いはしないものだということ。
・お荷物
(おにもつ) 「荷物」を丁寧に言う言葉で、転じて、負担と感じられる邪魔な物。厄介(やっかい)者のこと。 例:「病気がちですので、皆様のお荷物になってはいけませんから遠慮します」
・鬼も角折る(おにもつのおる) 鬼のような悪人でも、何かの切っ掛けで善人に変わるということから転じて、我を折ること。閉口すること。
・お庭の桜で見たばかり
(おにわのさくらでみたばかり) 他人の庭の桜は見るだけで、触れることもできない。ちらりと見るだけで手を付けないことの喩え。 用例:伎・「佐倉義民伝」「ほんのお庭の桜、見たばかりで出して置きさへすりやァそれで勘定が取れるのでございます」 用例の出典:佐倉義民伝(さくらぎみんでん) 歌舞伎脚本。お家世話物。明治27年(1894)東京新富座初演。11幕。「東山桜荘子(ひがしやまさくらそうし)」以来、増補改作された佐倉宗吾劇の決定版。
・鬼を欺く
(おにをあざむく) 鬼と間違えるほど勇猛で力が強いこと。また、鬼のような恐ろしい容貌をしていること。
・鬼を酢にさして食う
(おにをすにさしてくう)[=漬けて食う] 鬼を酢漬けにして食うということで、恐ろしいことを何とも思わないことの喩え。


−−−−−−−おの(#ono)−−−−−−−

・御上りさん
(おのぼりさん) 1.見物などのために、地方から都会に出て来た田舎者を揄(からか)って言う言葉。2.比喩的に、都会に職を得て、その近郊に住むようになった田舎出身の者。また、都会の習慣に中々馴染めない者。
・己達せんと欲して人を達せしむ
(おのれたっせんとほっしてひとをたっせしむ) 自分が事を成し遂げようと思うなら、その前にまず人を助けて目的を遂げさせてあげなさい。仁者は、事を行なうとき自他の分け隔てをしないということ。 出典:「論語−雍也」「夫仁者己欲立而立人、己欲達而達人
・己に克ち礼に復る
(おのれにかちれいにかえる) 私欲を克服して、人間生活の基本である「礼」に立ち返るのが、仁の精神である。 出典:「論語−顔淵」「克己復礼為仁、一日克己復礼、天下帰仁焉」
・己に如かざるを友とする勿れ
(おのれにしかざるをともとするなかれ) 自分より劣った者は、善を求めたり道を修めたりする助けにならないから、友人として交わらない方が良い。 出典:「論語−学而」「主忠信、友不如己者、過則勿憚改」
・己の欲せざるところは人に施す勿れ(おのれのよくせざるところはひとにほどこすなかれ) 自分が好まないことは、きっと他人も好まないことであるから、他人に向かって実行してはいけない。 出典:「論語−衛霊公」「其恕乎、己所不欲、勿施於人
・己を枉ぐ(おのれをまぐ) 自分の信念を捨てる。節を曲げる。また、自分の主張を取り下げる。 出典:「孟子−万章・上」
・己を空しゅうす
(おのれをむなしゅうす) 私情を捨て去り、蟠(わだかま)りのない状態になる。 類:●虚心になる 出典:「漢書−五行志・上」

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