【いつ】~【いつ】

−−−−−−−いつ(か)(#itu2)−−−−−−−
・一攫千金
(いっかくせんきん) 《四熟》 千金は巨額の金銭のこと。一掴みで千金を掴み取るという意味から、一度に巨額の金銭を得ること。 類:●濡れ手で粟
・一家言
(いっかげん) その人独自の意見や主張。また、一角(ひとかど)の見識のある意見、論説。
・一家相伝
(いっかそうでん) 《四熟》 一つの家に代々伝わってきたこと。また、その物。
・一家団欒
(いっかだんらん) 《四熟》 家族全員が集まって、睦まじく楽しむ様子。
・一家は習慣の学校なり、父母は習慣の教師なり
(いっかはしゅうかんのがっこうなり、ふぼはしゅうかんのきょうしなり) 子供は両親や家族の日常の在り方を見て学ぶものだということ。 類:●子は親の鏡●子供は親の背中を見て育つ 出典:「教育論」(福沢諭吉
・一花開きて天下の春を知る
(いっかひらきててんかのはるをしる) 一片の花が開くのを見て、春の訪れを知るということ。 類:●一葉落ちて天下の秋を知る 出典:「華厳経演義鈔−四十四」「如観一葉落、知天下秋、見一花開知天下春矣」 →いっけあけててんがのはる
・一家を機杼す
(いっかをきちょす) 独自の言説や文章などを作り出して自分の学派を立てる。 
★「機杼」は、はたを織るように文章を構成すること<国語大辞典(小)>
・一家を成す
(いっかをなす)[=立てる] 1.家庭を持つ。2.学問や芸術などで権威となる。また、新しい学派や流派を立てる。 用例:
十問最秘抄「諸道に一家を立つる人」 用例の出典:十問最秘抄(じゅうもんさいひしょう) 連歌書。二条良基。至徳元年(1384)。・・・調査中。
・一巻の終わり
(いっかんのおわり) 1.一巻から成る物語などが終わる、ということから、ものごとが決着してしまったということ。全てが終わること。 2.既に手遅れであること。取り返しが付かない状態になること。 類:●万事休す 例:「不渡りを出して一巻の終わり」 3.死ぬこと。 例:「河豚の毒に中(あた)って一巻の終わり」
・一竿の風月
(いっかんのふうげつ) 俗事を忘れ、一本の釣り竿だけを友として、釣りをしながら自然の風物を楽しむこと。のんびりとした人生を送ることの喩え。
・一喜一憂
(いっきいちゆう) 《四熟》 喜び、また、憂えること。喜びと心配とが交互に訪れること。情況の変化につれて喜んだり心配したりすること。 例:「試合の経過に一喜一憂する」
・一貴一賎交情乃ち見わる
(いっきいっせんこうじょうすなわちあらわる) 人の交情は、生死・貧富・貴賎などが変化することによって、その実体が見えてくるものである。 故事:史記−汲黯・鄭当時列伝」「一死一生乃知交情、一貧一富乃知交態、一貴一賎交情乃見」 漢の?公(てきこう)が廷尉だったとき、賓客たちは先を争ってご機嫌伺いに来たが、官を退いた途端誰も来なくなった。そのとき?公が門に大書した言葉の一節。 参考:門外雀羅を設くべし
・一騎打ち
(いっきうち) 1.一騎ずつ一列になって進むこと。 ★「打ち」は、鞭を打って馬を走らせること。 2.敵味方とも、一騎ずつで戦うこと。また一般に、一人対一人の勝負。 例:「保守派と急進派の一騎打ちになった」 ★「打ち」は、武器を使って戦うこと。
・一気呵成
(いっきかせい) 《四熟》 1.一息に詩や文章を作り上げること。 例:「一気呵成の句」 2.大急ぎでものごとを成し遂げること。 例:「一気呵成に駆け上る」
・一掬の涙
(いっきくのなみだ) 両の手の平で水を掬(すく)ったときのような涙という意味で、手の平で水を汲めば指の間から漏れてしまい少しも残らないところから、ほんの少しの涙。 
★また逆に、両手で掬うほどのたくさんの涙という意味を表すこともある<国語慣用句辞典(集)>
・一騎当千(いっきとうせん) 《四熟》 一人で千人分に値すること。また、一人で千人の敵に対抗できるほど強いこと。転じて、人並み以上の技術や経験のあること。 類:●一人当千一人当百 用例:「太平記−5・大塔宮熊野落事」「是皆一騎当千の兵とはいへ共」 例:「一騎当千の兵(役者)」 
★「一人当千」から。古くは「いっきとうぜん」<国語大辞典(小)>
・一饋に十度立つ
(いっきにとたびたつ)[=七度(ななたび)立つ] 一度食事をする間に10回(7回)も中座するということから、落ち着いて食事もできないほど熱心に政治を行なうことの喩え。 
故事:淮南子−夊論訓」など 聖王と呼ばれた夏の禹(う)王は、士を迎えるのに熱心であった。
・一簣の功
(いっきのこう) 1.最後の一骨折り。完成直前の努力。 出典:「書経−旅娉」「為山九仞一簣」 2.土などを一もっこ運ぶ骨折り。事業を完成させるための一つ一つの努力。
・一虚一実
(いっきょいちじつ) 《四熟》 急に空(から)になったり満ちたりして、その変化を予測し難いこと。
・一挙一動
(いっきょいちどう) 《四熟》 手を上げたり、体を動かしたりするという意味から、ちょっとした動作や振る舞い。
・一去一来
(いっきょいちらい) 《四熟》 あるときは去り、あるときは来て、その動向が定まらないこと。
・一驚を喫する
(いっきょうをきっする) 驚かされる。
・一挙手一投足
(いっきょしゅいっとうそく) 1.僅かばかり骨を折ること。少しの努力。2.細かい一つ一つの動作や行動。 類:●
一挙一動 出典:韓愈の詩「応科目時与人書」
・一挙両全
(いっきょりょうぜん) 《四熟》 一つをすることによって、二つが巧くゆくこと。
一挙両得
(いっきょりょうとく)
・一簣を以て江河を障ぐ
(いっきをもってこうがをふせぐ) もっこ一杯の僅かな土で大河の水を堰き止めるという意味から、微力で戦争などを防ぐことの喩え。 出典:「漢書−何武・王嘉・師丹伝賛」「武嘉区区、以一簣障江河、用没其身」
・一口同音
(いっくどうおん) 《四熟》 1.大勢の人が声を揃えて言う。2.大勢の人が揃って同じことを言う。 類:●異口同音

−−−−−−−いつ(か2)(#itu2-2)−−−−−−−
・一花開けて天下の春
(いっけあけててんがのはる)[=四方(よも)の春] 僅かな花が開くのを見て、春の訪れを知る。ものの兆しを見て全体を知る。 類:●一葉落ちて天下の秋を知る →いっかひらきててんかのはるをしる
・一鶏鳴けば万鶏歌う
(いっけいなけばばんけいうたう) 1羽の鶏が鳴くと、周りにいる鶏も釣られて鳴き始める。群集は暗示に掛かりやすいものだということの喩え。 類:●付和雷同一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ
・一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ
(いっけんかたちにほゆればひゃっけんこえにほゆ) 一匹の犬が物の形を見て吠え出すと、百匹の犬がその声を聞いて皆吠え出すという意味から、一人が好い加減なことを言い出すと、世間の多くの人々は、それを本当の事として広めてしまう。 類:●一人虚を伝うれば万人実を伝う 出典:潜夫論(せんぷろん) 論書・史書。中国・後漢。王符(おうふ)。10巻35篇。<気>を万物の根源と論じ、農業や養蚕を富国の基と説いた。王符は当時の政治を批判し、世を厭い生涯官吏にはならなかった。「潜夫」はそれを意味する。後に、この論の半分が正史の「後漢書」に引用転載された。
・一見旧の如し
(いっけんきゅうのごとし) 一度会っただけで、意気投合して旧知のように親しくなること。
・一犬虚を吠ゆれば万犬実に伝う
(いっけんきょにほゆればばんけんじつにつたう) 一匹の犬が物の形を見て吠え出すと、百匹の犬がその声を聞いて皆吠え出すという意味から、一人が好い加減なことを言い出すと、世間の多くの人々は、それを本当の事として広めてしまう。 類:●
一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ一人虚を伝うれば万人実を伝う 出典:「潜夫論−賢難」 ★「万犬」が「十犬」「千犬」など、また、「実に伝う」が「実にほゆる」「実を伝う」などさまざまな形に表現される<国語大辞典(小)> 
・一口に出ずるが如し
(いっこうにいずるがごとし) 大勢の人の言葉が、まるで一人の口から出たように同じである。
・一口両舌
(いっこうりょうぜつ) 《四熟》 前に言ったことと後で言ったこととが違う。 類:●二枚舌
・一弧裘三十年
(いっこきゅうさんじゅうねん) 極めて倹約なことの喩え。 
故事:礼記‐檀弓・下」 春秋時代、斉の晏子(あんし)が一枚の狐の皮衣を三十年も着た。
・一国一城の主
(いっこくいちじょうのあるじ・ぬし) 一国、または一城を領有している人という意味から、他人からの援助や干渉を受けずに、独立している者。一戸建て住宅に住む家族の長を指しても使う。
・一国一人を以って興り、一人を以って亡ぶ
(いっこくいちにんをもっておこり、いちにんをもってほろぶ) 一国は、一人の力によって盛んにもなり、また滅びもする。国家には、優れた宰相が必要だということ。 ★北宋の蘇洵(そじゅん)が、春秋時代の名臣・管仲を評した論の中の言葉。 出典:蘇洵「管仲論」「一国以一人興、以一人亡。《略》彼管仲者、何以死哉」(管仲は死ぬとき、しかるべき後継者を推挙しなかった)
一刻千金
(いっこくせんきん)
一刻千秋
(いっこくせんしゅう)
・一国者
(いっこくもの) 頑固で片意地な人。 類:●一国(いっこく)
・一石六斗
(いっこくろくと) 《四熟》 初め見てはっと(八斗)驚き、二度見てまたはっと(八斗)驚くということを洒落で、二度びっくりすること。特に、後ろ姿の美しいのに反して、顔の醜い女の形容に言う。 類:●バックシャン

−−−−−−−いつ(さ)(#itu3)−−−−−−−
・一切合切
(いっさいがっさい)・一切合財 《四熟》 1.何もかも全部。残らず。全てのもの。 類:●一切 例:「洪水で家財の一切合切を失くす」 2.後ろに打消しを伴って副詞的に、全然、一切。 ★同じ意味の「一切」と「合切」を重ねて強めた語<国語大辞典(小)>
・一妻多夫
(いっさいたふ) 《四熟》 一人の妻に、二人以上の夫がいること。また、そのような婚姻形態。 反:■一夫一婦■一夫多妻
・一切の男子をば生々の父とたのみ、よろずの女人を生々の母と思え
(いっさいのなんしをばしょうじょうのちちとたのみ、よろずのにょにんをしょうじょうのははとおもえ) 全ての人は、無限の過去から生まれ変わり、死に変わって互いに父母となってきたのだから、全ての男を父と思い、全ての女を母と思って大切にしなければならないという教え。 出典:「梵網経−下」「一切男子是我父、一切女人是我母。我生生無不従之受生」
・一粲に供する
(いっさんにきょうする) 贈り物をしたり自作の詩文などを読んだりすることを遜(へりくだ)っていう。 類:●お笑い種(ぐさ)にする
・一粲を博す
(いっさんをはくす) 自作の詩文などがを人に読んで貰うことを謙遜して言う。 類:●一笑に供える●お笑い種になる●お笑い種までに
・一糸一毫
(いっしいちごう) 《四熟》 極めて僅かな分量。極めて僅かなこと。
・一死一生すなわち交情を知る
(いっしいっしょうすなわちこうじょうをしる) 死、生などのことある度に、人情の表裏を知る。 
故事:史記−汲鄭伝賛」「一死一生乃知交情、一貧一富乃知交態、一貴一賤交情乃見」 中国、前漢の時代、?(てき)公が、一時官を罷(や)め、後に復職した。廷尉にあるときは先を争ってご機嫌伺いに来たのに、罷めるときは誰一人来なかった。その時々によって人の態度が異なるのを見て、門前に書き付けた言葉。
・一子相伝
(いっしそうでん) 《四熟》 学問や武道などで、奥義を自分の子の中の一人にだけ伝えて、他の者には秘密にすること。 類:●門外不出
・一視同仁
(いっしどうじん) 《四熟》 誰彼の差別なく、全ての人を平等に見て一様に愛すること。 類:●平等慈愛●博愛衆に及ぼす 出典:
韓昌黎集(かんしょうれいしゅう) 「昌黎(しょうれい)先生集」とも。中唐。成立年不詳。韓愈の詩文集。40巻。外集10巻・遺文1巻。韓愈の死後、門人の李漢が編集したもの。 人物:韓愈(かんゆ) 中国、唐代の文人、政治家。768〜824。唐宋八大家の一人。弖州、南陽の人。字は退之。号は昌黎。諡は文公。徳宗、憲宗、穆宗に仕え、官は吏部侍郎に進む。四六駢儷文を批判し、散文文体(古文)を主張。儒教を尊び、仏教、道教を排撃した。詩をよくし、白居易とともに「韓白」と並び称された。著「昌黎先生集」40巻、「外集」10巻など。
・一死報国
(いっしほうこく) 《四熟》 命を賭けて国のために尽くすこと。自分の身を顧みずに祖国のために働くこと。 類:●尽忠報国 ★「一死」は、死ぬことを強調する語。
・一糸乱れず
(いっしみだれず) 秩序正しく整然としている。
・一瀉千里
(いっしゃせんり) 《四熟》 ものごとの進み具合いの勢いが激しく、淀(よど)みなく速く捗(はかど)ること。 類:●立て板に水●立て板に豆 出典:
福惠全書(ふくけいぜんしょ) 清。黄六鴻撰。30巻。福を地方に与え,恵みを民衆に施 すべき地方行政の要訣を説いたもの。 ★「瀉」は水が流れ下る意。川の水が一度流れ始めると一気に千里も流れるというところから<国語大辞典(小)> 
・一種一瓶
(いっしゅいっぺい) 《四熟》 「ひといろの肴(さかな)」と「一本の徳利の酒」。酒と肴。転じて、簡単な酒宴。
・一宿一飯
(いっしゅくいっぱん) 《四熟》 一晩泊めて貰い、一度食事を振る舞われること。旅の途上などで通り掛かりにちょっと世話になること。 例:「一宿一飯の恩義」 類:●一飯の徳
・一生懸命(いっしょうけんめい) 《四熟》 1.命懸けで事に当たること。一心に骨折りすること。一途な気持ちになること。 類:●一所懸命 例:「一生懸命に勉強する」 用例:浄・仮名手本忠臣蔵−三「主人一生懸命の場にも有合さず」 2.引くに引けない切羽詰まった様子。事が決する瀬戸際。 用例:浄・
摂津国長柄人柱−四「今が一生懸命、生死の境」 3.重大なこと。大変なこと。 用例:伎・油商人廓話−四幕「揚代が無駄になっては一生懸命ぢゃ」 ★「一所懸命」の変化<国語大辞典(小)> 用例の出典:摂津国長柄人柱(せっつのくにながらのひとばしら) 浄瑠璃。享保12年(1727)。並本宗輔・安田蛙文作。長柄橋の人柱伝説を素材にしたもの。
一将功なりて万骨枯る
(いっしょうこうなりてばんこつかる)
・一笑千金
(いっしょうせんきん) 《四熟》 美人の微笑は、千金に価するほど貴重なものだということ。また、それほどに美しい女性のこと。 類:●一顧傾城●傾城傾国 出典:崔因の詩「七依」「廻顧百万、一笑千金
・一笑に付す
(いっしょうにふす)[=付する] 笑って、問題にしないで受け流す。馬鹿にして相手にしない。
・一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう) 一升入りの容器には、どうやっても一升以上は入らない。ものには限度がある。 
★「壺」以外に「瓶(かめ)」「徳利」「柄杓(ひしゃく)」「瓢箪(ひょうたん)」「袋」などともいう<国語大辞典(小)>
・一触即発
(いっしょくそくはつ) 《四熟》 ちょっと触ると直ぐ爆発しそうであるという意味から、小さな切っ掛けで直ぐある事態が発生しそうな危機にある。差し迫った危機。 類:●危機一髪
・一緒くた
(いっしょくた) 1.色々なものごとを秩序なく一つに纏(まと)めること。ごちゃ混ぜにすること。 例:「色々な書類が一緒くたに置かれている」 2.同一視すること。 例:「あいつと俺を一緒くたにするな」 ★「くた」は、「腐(くた)す」「芥(あくた)」などの「くた」と同源。
・一所懸命
(いっしょけんめい) 《四熟》 1.一か所の所領に命を掛けて、生活の頼みとすること。2.生死を掛けるような、差し迫った事態。命懸けのこと。 類:●必死●一生懸命 用例:浄・
舎利−四「一しょけんめいの難をまぬがれ」 用例の出典:舎利(しゃり) 浄瑠璃。近松門左衛門。延宝5年(1677)?。・・・調査中。
・一所懸命の地
(いっしょけんめいのち)[=領地(りょうち) 一所の領地で、死活に関わるほど貴重な土地。 類:●懸命の地 
★元来は、自分の名字の由来する土地(本拠地)を指したが、後には恩給地をも含め、自分の所領地全部をいうこともあった。<国語大辞典(小)>
・一緒になる
(いっしょになる) 1.ある場所で出会う。二つ以上のものが合わさって一つになる。2.夫婦になる。結婚する。
・一所不住
(いっしょふじゅう) 《四熟》 主に僧などが、諸所を行脚(あんぎゃ)して一か所に定住しないこと。居所が一定しないこと。 類:●無宿

−−−−−−−いつ(さ)2(#itu3-2)−−−−−−−
・一指を染める
(いっしをそめる) ちょっとだけ関与する。ほんの少し手を出す。
・一矢を報いる
(いっしをむくいる) 1.敵からの攻撃に対して、矢を射返す。 類:●反撃する 2.転じて、他から向けられた議論などに対して反論する。
・一心岩をも通す
(いっしんいわをもとおす) 心を集中し、思いを込めてすれば、どんなことでもできるというたとえ。 類:●石に立つ矢●念力岩をも徹す
・一心同体
(いっしんどうたい) 《四熟》 二人以上の人間が心を一つにして、一人の人間のように力を合わせること。 類:●異体同心表裏一体相即不離 
★誤って「一身」とも表記<国語大辞典(小)>
・一心不乱
(いっしんふらん) 《四熟》 唯一つのことに心を集中していて、他に注意を奪われないでいる様子。 類:●
一生懸命脇目も振らず 例:「一心不乱に勉強する」 ★古く、「いっしんぷらん」とも<国語大辞典(小)>
・一身を誤まる
(いっしんをあやまる) 身の処し方を間違え、一生を台無しにする。 類:●身を誤まる
・一新を画す
(いっしんをかくす) 古い事を全て改め、まったく新しい事を行なって、前の時代とは明確に区切りを付けるということ。 類:●新世紀を画す
・一炊の夢
(いっすいのゆめ) 「枕中記」の故事から、枕をして眠ること。また、人の世の栄枯盛衰が儚(はかな)いことの喩え。 類:●邯鄲の夢一場春夢
一寸先は闇
(いっすんさきはやみ)
・一寸下は地獄
(いっすんしたはじごく) 船乗りの仕事の危険なたとえ。 類:●板子一枚下は地獄
・一寸戸
(いっすんど) 1.戸や障子をきちんと閉めないで、少し開けたままにすること。また、無作法なこと、締まりがないことなどの喩え。2.下衆の一寸鈍夫の三寸馬鹿の開け放し」の諺(ことわざ)から、下男、下女の類(たぐい)のこと。下衆(げす)な者。 用例:雑俳・柳多留拾遺−一○「奥様も元を尋ねりゃ一寸戸」
一寸の光陰軽んずべからず
(いっすんのこういんかろんずべからず)
・一寸伸びれば尋伸びる
(いっすんのびればひろのびる) (一尋は約六尺。) 今一寸伸びておくことが、後で六尺伸びることと同じ結果に繋がるという意味から、当座の困難を切り抜ければ、先に行って楽になるということの喩え。
一寸の虫にも五分の魂
(いっすんのむしにもごぶのたましい)
・一世一代
(いっせいちだい) 《四熟》 一生のうち唯一度であること。 類:●一代一世●一世一度 例:「一世一代の大仕事」 
★「一世一度」の類推、転化から生じた語という<国語大辞典(小)>
・一石二鳥(いっせきにちょう) 一つの石で二羽の鳥を撃ち落とすという意味から、一つの事をして、二つの成果を得る喩え。 類:●一挙両得 ★語源は、英語のkill two birds with one stone.から。
・一席打つ
(いっせきぶつ) 聴衆に向かって、演説や威勢の良い話などをする。 例:「会議で一席打ってきた」
・一席設ける
(いっせきもうける) ちょっとした集まりや宴会を開き、人を招(まね)く。また、その用意をする。 例:「先生のために一席設けました」
・一石を投じる
(いっせきをとうじる) 石を水に投げ込むと波紋ができて次第に外へ広がっていくことから、反響を呼ぶような問題を投げ掛けること。 例:「彼の作品は画壇に一石を投じた」
・一線を画す
(いっせんをかくす) 境界をはっきりさせる。はっきりと区切りを付ける。
・一草一木各一因果
(いっそういちぼくかくいちいんが) 草や一本の木に至るまで、あらゆるものはその原因と結果があって存在しており、全てにそれなりの個性があるということ。
・一巣一枝の楽しみ
(いっそういっしのたのしみ) 鷦鷯(みそさざい)は一本の枝に巣を作って満足し、溝鼠(どぶねずみ)は小さな腹一杯に水を飲んで満足するところから、分を知り分に安んずることのたとえ。 類:●分相応 出典:「荘子−逍遥遊」
・一足飛び
(いっそくとび) 1.両足を揃(そろ)えて飛ぶこと。2.別の地点まで一気に移動すること。また、急いで走る様子。 用例:浄・
孕常盤−四「一足とびにかけあがり」 3.順序を踏まないで、飛び越えて進むこと。 用例:浮・世間胸算用−三「一足とびに分限に成事を思ひ」 用例の出典:孕常盤(はらみときわ) 浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門。宝永7年(1710)大坂竹本座。清盛の子を宿し、館を逃れ捕えられた常盤御前を、牛若丸と弁慶が助ける段が中心。五条橋での牛若と弁慶の主従契約、牛若と浄瑠璃姫の恋物語なども盛り込む。
・いっそのこと 1.普通では取らないような手段を選ぶときの気持ち。思い切って。 類:●却(かえ)って●寧(むし)ろ 例:「いっそのこと、さぼっちまおうか」 2.望ましいものを諦(あきら)めて、嫌な方を選ぶときの、投げ遣りな気持ち。どうせ駄目(だめ)なら。ええい、もうどうとでもなれ。 類:●いっその腐れに●儘(まま)よ 用例:浄・井筒業平河内通−三「仏神もいっその事、畜生並みにおぼしめし」 例:「いっそのこと、燕尾服でも着込んで参列するか」

−−−−−−−いつ(た)(#itu4)−−−−−−−
・一体全体
(いったいぜんたい) 《四熟》 結論的になんだか全く分からないという、「一体」を強調した言い方。
・一旦緩急あれば
(いったんかんきゅうあれば) ひとたび大事が起きたときには、という意味で、緊急事態になればいつでも、という覚悟を示す。 故事:史記−袁(えんおう)?錯(ちょうそ)列伝」「今、公常従数騎、一旦有緩急、寧足恃乎」 休職中の袁が劇孟(げきもう)という博徒を厚遇した。ある金持ちがそれを窘(たしな)めたのに対して袁は、「人の危急を救えるのは、季心(きしん=季布の弟)と劇孟しかいない。あなたは数騎もの人を抱えているが、そんなもの、いざとなったらなんの役に立たない」と答えた。 
★「緩」は意味がなくなって語調を整える働きとなったもの<国語大辞典(小)>
・一箪の食一瓢の飲(いったんのしいっぴょうのいん) 窮めて貧しい生活のこと。 出典:「論語−雍也」「一箪食、一瓢飲、在陋巷人不堪其憂回也不改其楽」
・一知半解
(いっちはんかい) 《四熟》 ちょっと知っているだけで十分には分かっていないこと。 類:●生齧(かじ)り●半可通●知ったか振り 出典:
滄浪詩話(そうろうしわ) 中国の詩論書。1巻。宋の厳羽著。1230年代に成立。当時の散文化した詩風を批判し、詩の理想を杜甫李白らの盛唐詩におく。
・一着を輸する
(いっちゃくをゆする) 相手に勝ちを取られる。遅れを取る。 類:●
一籌を輸する ★「いっちゅう(一籌)を輸する」に倣(なら)って慣用されるようになったもの<国語大辞典(小)>
・一籌を輸する
(いっちゅうをゆする)[=遜(ゆず)る] 「輸する」は負けるの意味で、一段階劣る。遅れを取る。 例:「敵に一籌を輸する」 類:●
一着を輸する
・一朝一夕
(いっちょういっせき) 《四熟》 「一日か一晩か」の意味から、僅かの時間。ほんの少しの間。また、後に否定の語を伴って、簡単に。 例:「一朝一夕には解決しがたい」「一朝一夕には論じられない」
・一長一短
(いっちょういったん) 《四熟》 長所もあるが短所もあるということ。 例:「一長一短があって甲乙決めがたい」 類:●帯に短し襷に長し
・一町に三所
(いっちょうにみところ)[=二所(ふたところ) 1.極めて稀(まれ)なこと。2.疎(まば)らに、点在して在ること。 用例:浮・永代蔵−三「人倫絶えて、一町に三所ばかり」
・一朝の怒りに其の身を忘る
(いっちょうのいかりにそのみをわする)[=一生を過(あやま)つ] 一時の怒りのために前後を忘れて行動し、自分の身を滅ぼす。 出典:「論語−顔淵」「一朝之忿、忘其身、以及其親」
・一丁前
(いっちょうまえ・いっちょまえ) 1.成人であること。また、成人としての資格や能力があること。 類:●一人前 例:「一丁前の口を利くじゃないか」 2.技能などが人並みの域に達すること。 類:●一人前 例:「これでやっとお前も一丁前だ」
・一張羅
(いっちょうら)[=一丁羅] 1所有している衣服の中で、たった一着きりの上等のもの。取って置きの晴れ着。「羅」は「うすもの」の意味。 類:●替え着なしの晴れ着なし 用例:浮・
男色大鑑−六「一てうらを取出して思ひ思ひに立出」 2.たった一枚きりの衣服。または、たった一つだけで掛け替えのないもの。 ★語源は「一丁蝋燭(ろうそく)」とされる。中世になって蝋燭が出回ったが、非常に高価なものであった。蝋燭が一本だけで、予備がない状態が一丁蝋燭である。それが「一丁ろう」「いっちょうら」と訛(なま)ったもの。江戸時代になって、晴れ着の場合にもその表現が使われて「一張羅」という字が当てられた。なお、方言には、一張羅のことを今も一丁蝋燭と言う地域もあるらしい。 用例:滑・浮世風呂−二「なけ無し一(イ)ってうらを着殺に着切て仕まふだ」 類:●取って置きの晴れ着 用例の出典①:男色大鑑(なんしょくおおかがみ) 浮世草子。8巻40章。井原西鶴。貞享4年(1687)。傍題「本朝若風俗」。前半は武家社会を中心に男色の意気地に絡む話、後半は歌舞伎界の内実などを素材にした随想風のものが多い。当時の男色を巡る話題を総合的に取り上げた作品。 用例の出典②:浮世風呂(うきよぶろ) 滑稽本。式亭三馬。4編9冊。文化6年(1809)〜10年(1813)。江戸町人の社交場でもあった銭湯を通して、庶民生活の種々相を描写している。
・一丁字を識らず
(いっていじをしらず) 全く文字が読めない。無学文盲である。 類:●眼に一丁字なし●無学文盲●一文不知 
★「丁」は「个(か)」の字の篆書(てんしょ)から誤ったもの。「个」は個・箇に同じで、一つの文字の意<国語大辞典(小)>
・一擲乾坤を賭す
(いってきけんこんをとす) 賽子(さいころ)を投げてその一回で天地を賭けるという意味から、天下を取るか失うか、全てを運に任せて思い切ってやる。伸るか反るかの冒険をする。 類:●千番に一番の兼ね合い●一か八か●一か六か●伸るか反るか●出たとこ勝負
・一滴舌上に通じて大海の塩味を知る
(いってきぜつじょうにつうじてたいかいのえんみをしる) 海水の一滴を舌で味わえば、海全体の潮水が塩辛いことが分かる。ものごとの一部を知れば、全体が推測できるということ。
・一擲千金
(いってきせんきん) 《四熟》 一度に惜しげなく大金を使うこと。豪快な振る舞い。 出典:
呉象之(ごしょうし) ・・・調査中。
・一滴万粒
(いってきまんりゅう) 《四熟》 その一滴が多くの米粒からできているところから、酒は高価であるということ。
・一徹者
(いってつもの) 一途に思い込んで、どこまでもそれを押し通そうとする人。 類:●一徹人
・逸哲者
(いってつもの) 賢人ぶって振る舞う人のこと。似非(えせ)賢人を罵っていう言葉。
・一点素心
(いってんそしん) 《四熟》 人として、世俗に汚されない素直な心を持ち続けねばならないということ。 類:●虚心坦懐明鏡止水 出典:「菜根譚−前集15項」「交友須帯三分侠気、作人要在一点素心
・一点張り
(いってんばり) 1.賭博で、一つ所にばかり金銭を賭けること。2.他を顧みないで、唯一つのことだけを対象としてすること。また、唯それだけを押し通すこと。 例:「知らないの一点張り」 類:●
一本槍
・一桃腐りて百桃損ず(いっとうくさりてひゃくとうそんず) 1つの桃が腐ると、周りの桃も腐り始める。集団の中に一つ悪い者が出ると、その影響が広く及ぶこと。悪いことは影響し易いことの喩え。 類:●朱に交われば赤くなる
・一燈照隅、万燈照国
(いっとうしょうぐう、ばんとうしょうこく) 一つの燈は一つの隅しか照らせないが、多くの燈が集まれば、点が線になり線が面になり、国全体を照らすであろうということ。 出典:伝教大師(=最澄)の言葉と言われる。 ★「一燈照隅、万燈遍照」は、安岡正篤がこれを準(なぞら)えて言ったもの。
・一頭地を抜く
(いっとうちをぬく) 多くの人よりも一段と優れている。 例:「同輩の上に一頭地を抜いている」 出典:「宋史
・一刀両断
(いっとうりょうだん) 《四熟》 1.一太刀で物をまっ二つに切る。2.比喩的に、曖昧なところを残さず、速やかに、決定したり処理したりすること。 例:「一刀両断の解決などありえない」 出典:「朱子語類
・一時三里犬走り
(いっときさんりいぬばしり) 一時(約二時間)で三里を行くためには、犬のように小走りに歩かなくてはいけない。転じて、足の速いこと。
・一得一失
(いっとくいっしつ) 《四熟》 あるものごとが、一方で利益があると同時に、他方では損失を伴っていること。 類:●
一長一短●一失一得
・一途を辿る
(いっとをたどる) ある一筋の道に向かって進む。ある一定の方向へその傾向で進んでいく。 例:「衰退の一途を辿る」

−−−−−−−いつ(な)(#itu5)−−−−−−−
・一無かるべからず二有るべからず
(いつなかるべからずにあるべからず) 一人は必要だが、二人はいらない。一人で十分である。

−−−−−−−いつ(は)(#itu6)−−−−−−−
・一杯一杯
(いっぱいいっぱい) 1.収支が釣り合っていること。過不足がない。損得がない。2.その人が持つ力量の上限一杯。
・一杯食う
(いっぱいくう) 人に騙(だま)される。 類:●牛に食らわる
・一杯食わせる(いっぱいくわせる)[=食わす・食らわす・参らす・つかます・計る] 巧く騙(だま)す。
・一敗地に塗る
(いっぱいちにまみる)・塗れる 再び立ち上がれないほど徹底的に打ち負かされる。「地に塗る」は、戦死者の肝臓や脳が大地に散らばって土に塗れることを意味する。 故事:史記−高祖本紀」「天下方擾、諸侯並起。今、置将不善、壱敗塗地<ここで適任者を選び損ねたら、大敗を喫し、再起不能になってしまう> 沛県の長老たちから県令になってほしいと請われたとき、劉邦が辞退して言った言葉。結局、推(お)されて「沛公」となった。
・一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む
(いっぱいはひとさけをのむ、にはいはさけさけをのむ、さんばいはさけひとをのむ) 少量の飲酒のときは自制心が残っているが、酔うに従って乱れ、終いには酒に飲まれてしまうということ。多量の飲酒を戒める言葉。
・一端
(いっぱし) 1.一度。一旦(いったん)。また、一先(ひとま)ず。 用例:評判・満散利久佐「一(イッ)ぱしは、人のかふて、みたがる、よそほひ也」 2.まだ未熟なくせに、さも一人前であるように振る舞うのを嘲(あざけ)って言う。まるで一人前のように振る舞う。人並みに。偉そうに。 用例:雑俳・柳多留−初「猿田彦いっぱし神の気であるき」 例:「駆け出しのくせに一端の口を利く」 3.一廉(ひとかど)の。相当な。かなりの。 2.のような嘲りの気持ちを含めないで言う。 例:「一端の学者である」
・一髪千鈞を引く
(いっぱつせんきんをひく) 一筋の髪の毛で千鈞(3万斤・約18トン)の重さのものを引くという意味で、極めて危険なことをするたとえ。 出典・人物:韓愈の詩
・一波わずかに動いて万波随う(いっぱわずかにうごいてなみしたがう) 一つの事件が起きたために影響が諸方面に及ぶ。事件が小さくても、その影響力が大きいときなどに使う。
・一飯の徳
(いっぱんのとく)[=恩] たった一度の飯を与えられた恵み。僅かな恩。
・一飯の徳も必ず償い、睚眦の怨みも必ず報ゆ
(いっぱんのとくもかならずつぐない、がいさいのうらみもかならずむくゆ) 「睚眦(がいさい)」は目を怒らせて睨(にら)むこと。一度食事をご馳走になったほどの恩でも必ず返し、ちょっと睨まれたぐらいの恨みにも必ず仕返しをする。人から受けた恩と恨みは必ず返すということ。 類:●信賞必罰 出典:「史記−范雎蔡沢列伝」「一飯之徳必償、睚眦之怨必報」 中国の戦国時代、秦(しん)の宰相・范雎(はんしょ)がモットーとしていた。
一斑を以って全豹を卜す
(いっぱんをもってぜんぴょうをぼくす)
・一匹狼
(いっぴきおおかみ) 群を離れて一頭だけで生きている狼。転じて、集団の力に頼らず、自分の力だけで、孤立して行動する人。
・一匹の馬が狂えば千匹の馬が狂う
(いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまがくるう) 人は兎角(とかく)他人の尻に付いて行動しがちであるということ。
・一臂を仮す
(いっぴをかす) 片方の臂(ひじ)と片腕を貸すという意味から、僅かな助力を与える。 類:●一臂の力を貸す●助太刀
・一顰一笑(いっぴんいっしょう) 《四熟》 顔を顰(しか)めたり笑ったりすること。表情のちょっとした動きのこと。 出典:「韓非子
・一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし) 一人が守れば、万人が力を揮っても通れない関所という意味から、極めて険しい山路や要塞。守り易く攻め難い、要害堅固な所のこと。 出典:李白「蜀道難」
・一夫多妻
(いっぷたさい) 《四熟》 一人の夫に、二人以上の妻がいること。また、そのような婚姻形態。 反:■一夫一婦■一妻多夫
・一偏漢
(いっぺんかん) 一方にだけ偏っている様子。一つの考えに凝り固まっていること。 用例:
周易抄「孔子の心は一辺漢にはあるまいぞ」 用例の出典:周易抄(しゅうえきしょう) 寛平9年(897)。宇多天皇筆。易経の抄。・・・詳細調査中。
鷸蚌の争い
(いつぼうのあらそい)
・一歩を譲る
(いっぽをゆずる) 1.力量、品位、性質などで、引けを取る。一段階劣る。 例:「一歩を譲る所がある」 2.自分の主張や意見の一部分を引っ込めて、相手の説を少し取り入れる。ちょっと譲歩する。 例:「仮に一歩譲っても」 類:●一目置く後塵(こうじん)を拝す
・一本気(いっぽんぎ) 1.純粋で、混じり気(け)がないこと。 用例:滑・膝栗毛−七「こないな一本木の米ばかりのめしは」 2.ものごとを一途(いちず)に思い込む性質。 用例:「料理に関しては一本気な男だ」
・一本立ち
(いっぽんだち) 1.広い所に樹木が唯一本生えていること。2.一人だけで、周囲に人がいないこと。 類:●孤立 3.家、山などが独立して離れていること。4.他人の助けを借りないで独力で仕事をしたり、生活したりすること。また、その人。 類:●独立●独り立ち 用例:雑俳・
生鱸「大坂で一本立の世帯する」 用例の出典:生鱸(なますずき?) 雑俳。・・・調査中。
・一本調子
(いっぽんぢょうし・〜ちょうし) 《四熟》 1.歌の調子に、抑揚や変化がないこと。2.文章・会話・行為などに、曲折や変化が乏しいこと。 類:●千篇一律●無味単調 3.一本気であること。
・一本取られる
(いっぽんとられる) 1.勝負などで、負けること。2.議論などで、相手の論に言い負かされる。また、相手の言ったことが言い得て妙であるときに、相手を褒めて言ったりもする。 例:「いやあ、こいつは一本取られましたな」
・一本槍
(いっぽんやり) 唯一つの手段や目的を押し通すこと。 類:●
一点張り●ひたすら 例:「勉強一本槍」 2.常に行なう唯一つの得意な技。唯一つしかない手段。

−−−−−−−いつ(ま)(#itu7)−−−−−−−
・何時迄草の釣り言葉
(いつまでぐさのつりことば) 口先だけの巧い言葉で人を釣って、いつまでたってもその約束を実行しないこと。
・何時迄も在ると思うな親と金
(いつまでもあるとおもうなおやとかね) 親は子供より早く死ぬのが常であり、財産も使えば減るものである。現状に甘えていないで、孝行と倹約に努めるべきだという戒め。後に「無いと思うな運と天罰(=災難)」などと続けて、道歌的に言うこともある。 類:●孝行をしたいときには親は無し ★近代〜現代の落語から出た語か。
・何時も正月
(いつもしょうがつ) 年中楽しく暮らす。また、気楽な様子。
・いつも月夜に米の飯
(いつもつきよにこめのめし) 1.月の夜と米の飯が毎日毎晩続けば、この世は極楽(ごくらく)であるということ。また、そのような気楽な生活の喩え。2.いつまで続けても飽きないことの喩え。 類:●米の飯 蜀山人(しょくさんじん)の狂歌「世の中は、いつも月夜に米の飯、さてまた申し金のほしさよ」から。 ★明かりの貴重な時代の月夜のありがたさと、米の飯の貴重さを言ったもの。
乙夜の覧
(いつやのらん)
・逸を以って労を待つ
(いつをもってろうをまつ) 鋭気を養って慌てることなく敵兵が疲れるのを待って襲撃するという意味から、相手の出方をじっくり見て十分に勝算を得てから事に当たること。 出典:「孫子

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