獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)

ことわざの意味
1. 獅子の体内にいる虫が、その寄生している獅子の肉を食って、終には倒してしまうということ。
2. 仏徒でありながら仏教に害を為す者のこと。転じて、味方でありながら内部から禍をもたらすこと。恩を受けた者に仇で報いること。

類似のことわざ

  • 人は近親によってのみ裏切られる

出典について

梵網経-下」・「仁王経-嘱第八」 「如師子身中蟲、自食師子肉」

出典の詳細

梵網経(ぼんもうきょう) 経典。2巻。鳩摩羅什(くまらじゅう)の漢訳と伝えられる。特に下巻は大乗菩薩戒の根本聖典で、菩薩戒としては下巻だけを用い、直接戒を説く部分は戒本とされる。

仁王般若経(にんのうはんにゃきょう) 大乗仏教の経典。2巻。後秦の鳩摩羅什訳の「仁王般若波羅蜜経」と唐の不空訳の「仁王護国般若波羅蜜多経」とがある。この経を受持することによって、災害を祓い、福を齎すと信じられ、法華経・金光明経とともに護国三部経として尊ばれた。「仁王経」。