【おや】~【おん】

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・親思う心に勝る親心
(おやおもうこころにまさるおやごころ) 子が親を思う気持よりも、子を思いやる親の気持ちの方が遥かに強く深いということ。 出典:吉田松陰の辞世の歌「親思ふ心にまさる親心、けふの音づれ何ときくらん」
・親が親なら子も子
(おやがおやならこもこ) 子供は親の生き方を見て育つものだから、善きにつけ悪しきにつけ、似てしまうものである。血は争えないものである。多く、悪癖が似ることに言う。 類:●この親にしてこの子あり●蛙の子は蛙瓜の蔓に茄子はならぬ●子を見れば親が分かる●Like father, like son.
・親が死んでも食休み
(おやがしんでもしょくやすみ) どんな場合でも、食後の休憩だけは取るべきだということの喩え。どんなに忙しいときでも、休憩なしで働くのはいけない。
・親方日の丸
(おやかたひのまる) 親方は日の丸すなわち日本国だということで、経営上破綻を来しても、国がその面倒を見て呉れるから大丈夫という意味で、公営企業などの安易な考え方を皮肉って言う言葉。
・お役御免(おやくごめん) ある役目を辞めさせられること。また、それまで使っていたものが、古くなったり、新しいものに変わったりして使われなくなること。
・親孝行したいときには親はなし
(おやこうこうしたいときにはおやはなし) 親に孝行しようと思ったときには、当の親は亡くなってしまった後だということ。失って初めて親の有り難味が分かるものだということ。 類:●石に布団は掛けられず子養わんと欲すれど親待たず
・親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんぜ) 親子の関係はこの世だけのものであり、夫婦関係や、主従(師弟)関係に比べて結び付きが弱いものであるということ。 類:●夫婦は二世 ★「世間は五世(せけんはごせ)」「他人は五世」などと続けたりもする。 ★親子→夫婦→主従と自然の順序『人情』に逆らって述べるところに、封建時代の人為的な道徳観『義理』が窺(うかが)える。 蛇足:「間男は四世(よせ)」は、志ん生落語の枕。「止せ」の洒落(しゃれ)。
・父子鷹
(おやこだか) 父親とその子が、共に優れていることの喩え。 ★昭和31年(1956)に刊行された、勝小吉・麟太郎(=海舟)父子を描いた子母沢寛の小説の題名による。 ★「親子鷹」とも書く。
・お安い
(おやすい) 1.自分に技量的に、訳ない。容易(たやす)い。簡単だ。人から依頼を受けたときなどに使う。 用例:咄・
富来話有智−吝い客「ヲヲお安い御用でござる」 2.扱いが粗略である。軽々しい。 例:「そうお安くするなよ」 用例の出典:富来話有智(ふくわうち?) 咄本。・・・調査中。
・お安くない
(おやすくない) 1.男女が特別の関係にある様子。 例:「あの2人はお安くない仲らしい」 2.その仲が良いのを羨(うらや)ましがって、また、冷やかして言う。 類:●ご馳走様 例:「2人きりで芝居見物とは、お安くないねえ」
・親擦れより友擦れ
(おやずれよりともずれ) 子供の性格の良し悪しは、親の影響よりも、友達に揉(も)まれて様々な影響を受けることの方が大きい。 類:●善悪は友による水は方円の器に随う
・親ならぬ親
(おやならぬおや) 実の父母でない親。養父母。継父母、舅(しゅうと)、姑(しゅうとめ)など。
・親の甘茶が毒になる
(おやのあまちゃがどくになる) 親が子をちやほや甘やかして育てると、却(かえ)って子供のためにならず、子は悪い人間に育ち易いということ。 類:●親の甘いは子に毒薬
・親の因果が子に報ゆ
(おやのいんががこにむくゆ) 親がした悪業の結果が、因縁によって罪のない子に報い、子が禍(わざわい)を受けること。
・親の恩は子を持って知る
(おやのおんはこをもってしる) 自分が子供を持って初めて、親がどれほど苦労して自分を育ててくれたかが分かるということ。 類:●子を持って知る親の恩
・親の敵のよう
(おやのかたきのよう) 1.人や物を憎悪の対象として扱うこと。2.物などを、これでもかこれでもかという風に、手荒に扱うこと。 例:「御飯を親の敵のように盛る」 3.(最近の使われ方) ものごとが容赦ないほど甚(はなは)だしい様子。また、好ましくない状態が、しつこく続く様子。 類:●物凄く 例:「親の敵のように雨が降る」
親の心子知らず
(おやのこころこしらず)
・親の言葉と茄子の花は千に一つの無駄もない
(おやのことばとなすびのはなはせんにひとつのむだもない)[=小言と〜・意見と〜]・[=徒(あだ)もない] 親の教訓というものは、茄子の花には徒花(あだばな)が極めて少ないように、千に一つも無駄がない。徒花が少ないというのは、だいたい間違いなく実を結ぶということで、意見(小言)は殆どが子の為になるものであるということ。 類:●親の意見と冷酒は後で効く

・親の十七子は知らぬ(おやのじゅうしちこはしらぬ) 親は自分の若い頃のことを引き合いに出して説教を垂れるが、十七歳辺りの若い時分に何をしていたかなど、子供は知る由(よし)もない。親を皮肉って言う言葉。 類:●姑の十七見た者なし
・親の脛齧り
(おやのすねかじり) 独立して生活できず、親に養って貰っていること。また、その人。
・親の脛を齧る
(おやのすねをかじる) 自分で独立して生活することができないで、親に養ってもらう。主に、経済面で自立できないことを言う。 類:●臑を齧る
親の光は七光り
(おやのひかりはななひかり)
・親の欲目
(おやのよくめ) 親は我が子が可愛いため、実際以上に贔屓目(ひいきめ)に見るものである。 類:●親の目は贔屓目●烏は自分の子が一番美しいと思っている
・親馬鹿
(おやばか) 我が子が可愛いあまり、欠点を見逃したり、過大に評価したりすること。子供のために、他人から愚かに見える行動をしたりすること。また、そういう親。
・親馬鹿ちゃんりん
(おやばかちゃんりん) 「
親馬鹿」な親のことを嘲(あざけ)って言った言葉。また、自嘲しても言われた。 例:「親馬鹿ちゃんりん蕎麦屋の風鈴(ふうりん)」 ★「おやまかちゃんりん」のもじり。この言葉は明治の初めに流行り、「おやまこちゃんりん節」という俗謡も流行した。その源流は秋田県仙北地方の民謡「おやまこ節」といわれる<国語大辞典(小)> 参考:おやまこ節「♪おやまこ三里はどこからはやた秋田の仙北角館」
・親は子の鑑
(おやはこのかがみ) 親は子供の模範(もはん)となるよう、言動に気を使わなければならないということ。 類:●子は親の鏡●子供は親の背中を見て育つ
・親はなくとも子は育つ
(おやはなくともこはそだつ) 実の親が育てなくても、子はどうにか成長していくものだということ。世の中のことは然程心配したものでもないということの喩え。
・お山の大将
(おやまのたいしょう) 小さな集団の仲間うちで、一番偉いと思って好い気になっている人。 
★低い盛り土などの頂上に他を押しのけて登った者が、「お山の大将おれ一人」と叫びながら、あとから来る者を突き落とそうとする子供の遊び<国語大辞典(小)>
・親譲り(おやゆずり) 親から財産や物を受け継ぐこと。また、体質や性癖などを遺伝で受け継ぐこと。 用例:坊っちゃん「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりして居る」

−−−−−−−およ(#oyo)−−−−−−−
・泳がす
(およがす)・泳がせる 1.水泳させる。自由にさせておく。特に、密かに監視しながら自由に行動させておくこと。 例:「容疑者を泳がせておけ」 2.遊里などで客を遊蕩に深入りさせる。 類:●沖を泳がす 用例:浮・男色大鑑−六「歴歴の帥中間(すいなかま)もおよがされて」
・泳ぎ上手は川で死ぬ
(およぎじょうずはかわでしぬ) 泳ぎの達者な者は、兎角(とかく)油断のために川で死ぬことが多いということ。得意な技を持つ者も油断すれば失敗し、そのために却(かえ)って身を滅ぼすものだという喩え。 類:●善く游ぐ者は溺る川立ちは川で果てる木登りは木で果てる
・及ばぬ鯉の滝登り
(およばぬこいのたきのぼり) 1.「鯉」に「恋」を掛けて、成就しそうにない恋のことを言った洒落(しゃれ)。2.一般に、到底(とうてい)不可能なことや及びも付かないことの喩え。
・及び腰
(およびごし) 1.腰を少し折り、物を取ろうと手を伸ばしたときのような、不安定な姿勢。2.比喩的に、自信なさそうなおどおどした様子。また、曖昧(あいまい)な態度。 用例:俳・毛吹草−五「くる春は及こしなり去年今年」 例:「及び腰で反論する」
・お呼びじゃない
(およびじゃない)[=でない] 誰からも招かれないという意味の俗語で、仲間に入れたくない、誘いたくないということ。また、関係ない、口出し無用ということ。 例:「お前なんかお呼びじゃない」
・及びも付かない(およびもつかない) とても敵(かな)わない。とうてい及ばない。また、ある段階までとても達するものではない。 例:「腕力では彼には及びも付かない」

−−−−−−−おり(#ori)−−−−−−−
・折り合う
(おりあう) 1.重なる。重なり合う。 用例:正徹物語−上「声韻とて句のはてに同字のおりあひたるをば嫌ふ也」 2.交渉などで、互いに譲り合って穏やかに解決する。妥協し合って、話が纏(まと)まる。 類:●妥協する●折れ合う 用例の出典:
正徹物語(しょうてつものがたり) 歌論書。小松正清(正徹)。永享元年(1429)?・文安5年(1448)? 2巻(下巻は蜷川親当の聞書き)。和歌について随筆風に記したもので、藤原定家を理想とし、独自の風体論を展開している。また歌人の逸話なども記されている。
・折り入って
(おりいって) 特に心を込めて。切(せつ)に。主に、ものを頼むときに前置きとして言う。 類:●達(た)って●是非とも 用例:浄・女殺油地獄−上「異見して下されと〈略〉折入てくどき事」 例:「折り入ってお願いがあります」
・折り紙付き
(おりがみつき) 1.書画や骨董の鑑定結果を証明する折り紙が付いていること。また、そのもの。 例:「折り紙付きの壷」 2.物の価値や、人の力量・資格などについて、保証するに足りるという定評があること。また、武芸や技芸などで、一定の資格を得た人。 類:●極め付き 例:「包丁の腕前は折り紙付きだ」
・折り紙を付ける
(おりがみをつける) 1.書画、刀剣、器物などの鑑定保証書を付けること。品質を保証したり、正当な評価をしたりすること。 ★特に刀剣については、元和(げんな)2年(1616)に本阿弥光徳が刀剣極所の役を与えられてから一般化した。 2.転じて、ものごとや人物などを信用できる確かなものとして保証する。 類:●太鼓判を捺(お)す 例:「彼の腕前には私が折紙を付けます」
・折りに触れる
(おりにふれる) 1.その時の事情に巧く合う。その場合に調和する。 用例:
徒然草−二一「折にふれば何かはあはれならざらむ」 2.「折りに触れて」の形で、何かの場合ごとに。何かというと。 用例:浄・源氏冷泉節−上「時に随ひ折にふれ御心を慰むる」 類:●折に付ける 用例の出典:徒然草(つれづれぐさ) 随筆。鎌倉末期。題名は序段冒頭の語による。2巻。吉田兼好。主要部分は元徳2年(1330)〜元弘元年(1331)頃の執筆。全244段から成る。無常観に根差す鋭い人生観、世相観、美意識を特徴とし、「枕草子」と共に古典随筆の双璧とされる。
・折り目正しい
(おりめただしい) 折り目がきちんしているということから、態度や服装などが礼義正しくきちんとしていること。 用例:浮・
好色貝合−下「十二因縁のひだ、折目ただしく」 用例:浄・雪女五枚羽子板−上「おりめただ敷正月詞」  類:●折り目高 用例の出典①:好色貝合(こうしょくかいあわせ) 浮世草子。吉田半兵衛作・画とみられる。2巻2冊。貞享4年(1687)。前年刊の「好色訓蒙図彙」の補遺と自序にあり、両書を併せて通俗好色百科とみることもできる。図と戯文調の解説から成っている。巻末に「好色乱体図」があり、滑稽味を交えて狂態振りを描く。 用例の出典②:雪女五枚羽子板(ゆきおんなごまいはごいた) 浄瑠璃。時代物。3段。近松門左衛門。宝永2年(1705)大坂竹本座初演と推定される。嘉吉元年(1441)赤松満祐が将軍足利義教を自宅に招いて暗殺した事件を脚色。藤内(とうない)太郎以下五人兄弟の働きで、逆臣赤沼入道父子を滅ぼす。
・折りを得る
(おりをえる) 好機がやって来た、チャンス到来という意味で、丁度良い機会に出会うこと。 類:●機会を捕らえる

−−−−−−−おる(#oru)−−−−−−−
・お留守になる(おるすになる) 1.外出して不在になる。また、出掛ける予定がある。2.注意が一方にばかり集中して、他方に及ばないこと。あることに心を奪われて、別のことに気が回らないこと。 例:「無駄話ばかりして手がお留守になる」

−−−−−−−おれ(#ore)−−−−−−−
・お礼参り
(おれいまいり) 1.神仏に懸けた願(がん)が成就(じょうじゅ)したお礼に参詣すること。 類:●願解(ほど)き●返り申し 2.刑期を終えて釈放されたやくざなどが、逮捕の誘因になった者の家に出掛けて、脅したり乱暴したりすること。

−−−−−−−おろ(#oro)−−−−−−−
・愚か者に福あり(おろかものにふくあり) 愚か者は欲や野心を抱かないから、人に憎まれたり恨まれたりすることもなく、平穏無事な一生を送ることができるということ。 類:●豚の亢鼻●God sends fortune to fools. (神は愚か者に幸運を与える)

−−−−−−−おわ(#owa)−−−−−−−
・負わず借らずに子三人
(おわずからずにこさんにん) 借金がなくて、子供が三人ぐらいいるのが幸せな家庭である。
・終わり良ければ全て良し
(おわりよければすべてよし) 過程でどのようなことがあっても、結末さえ立派にできていれば、途中の失敗などは問題にしないということ。 ★英国の諺All is well that ends well.から。
・終わりを告げる
(おわりをつげる) お終いになる。終わりになる。 例:「式も終わりを告げる頃」
・終わりを全うする
(おわりをまっとうする) ものごとを最後まできちんと遣り遂げて、恥ずかしくないようにする。成すべきことを成し遂げて一生を終える。

−−−−−−−おを(#owo)−−−−−−−
・尾を塗中に曳く(おをとちゅうにひく)[=泥中(でいちゅう)に〜] 亀は、殺されてその甲羅を「神亀」として大切に扱われるより、泥の中で尾を引き摺ってでも生きていたいだろうとういこと。貧しくとも田舎に引っ込んで心穏やかに暮らす方が、宮仕えで色々と拘束されるより良いという喩え。 ★荘子が、楚(そ)から宰相にと望まれたときに答えたとされる言葉。 出典:「荘子−秋水」「吾聞楚有神亀、死巳三千歳矣、王巾笥而蔵之廟堂之上。此亀者、寧其死為留骨而貴乎、寧其生而曳尾於塗中
・尾を引く
(おをひく) ものごとが過ぎ去ってもその名残りが後まで続く。また、後に影響を及ぼす。 例:「酒が尾を引く」
・尾を振る
(おをふる) 犬が尾を振るように、強い者などに愛敬を振り撒く。喜んで付き従う。
・尾を振る犬は叩かれず
(おをふるいぬはたたかれず) 杖を振り上げて折檻(せっかん)しようとしても、尾を振って擦り寄ってくる犬は、可愛くて打てない。縋(すが)ってくる者には残酷な仕打ちはできないという喩え。 類:●杖の下から回る犬は打てぬ窮鳥懐に入れば猟師も殺さず●水に落ちた犬は打つな
・尾を巻く
(おをまく) 犬は逃げるとき尾を巻くところから、逃げ出すこと。また、具合が悪くなって、手掛け始めていたことから手を引く。 類:●尻尾を巻く
・尾を見せる
(おをみせる)[=現わす・出す] 人目を誤魔化していた実態を表面に現わす。化けた狐などが正体を現わすのに喩えた表現。 類:●尻尾を出す化けの皮が剥がれる襤褸(ぼろ)を出す

−−−−−−−おん(#on)−−−−−−−
・温厚篤実
(おんこうとくじつ) 《四 穏やかな性格で情が厚く、誠実で優しさに満ちていること。また、そういう性格の人。 ★「篤実温厚」ともいう<新明解四字熟語辞典(三)>
・温故知新
(おんこちしん) 《四 昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見付け出すこと。 類:●往を彰わして来を察す
●He that would know what shall be must consider what has been. これからどうなるか知ろうと思う者は、これまでどうであったかをよく考えねばならない<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典> 出典:「論語−為政」「子曰、温故知新、可以為師矣」
・温柔敦厚
(おんじゅうとんこう) 《四 穏やかで親切、誠実な人柄。 
★古く中国で、「詩経」の教えによる、理想的な人格とされた<国語大辞典(小)>
・怨憎会苦
(おんぞうえく) 《四熟・仏教用語》 自分が恨んでいる相手や、憎んでいる相手とも会わなければならない苦しみ。 ★仏教で説く、人間界の八つの苦しみ「八苦」の一つ。
・御曹司
(おんぞうし)・御曹子 1.公家(くげ)や上流武家など、貴人のまだ独立していない子息を敬って呼ぶ言葉。2.源氏嫡流(ちゃくりゅう)の部屋住みの子息のこと。平家の「公達(きんだち)」に対して使い、多くは源義経(みなもとのよしつね)を指す。3.転じて、名門の家の子息。二代目や三代目。 ★「曹司」は部屋の意<国語大辞典(小)>
・温度差
(おんどさ) 1.場所や時間の違いによる、温度の差。寒暖の差。 例:「昼と夜の温度差が大きい」 2.二者間で、見解や熱意などに違いがあることの喩え。 例:「同じ党内でも若干の温度差がある」 2.は、平成初期頃から使われるようになった表現。出典は不詳。
・音吐朗朗
(おんとろうろう) 《四 音声が豊かで明るく澄んでいる様子。主として、詩や文章を読み上げるときに使う。
・音頭を取る
(おんどをとる) 1.合唱の調子を整えるために歌い始める。2.拍子を取る。 例:「足で音頭を取る」 3.他の人の先に立ってものごとをする。首唱者となる。 例:「誘致の音頭を取る」
・女心と冬の風はよく変わる
(おんなごころとふゆのかぜはよくかわる) 英国の諺から A woman’s mind and winter wind (change often). →男心と秋の空
女賢しうて牛売り損なう
(おんなさかしうてうしうりそこなう)
女三人寄れば姦しい
(おんなさんにんよればかしましい)
・女に五障三従あり
(おんなにごしょうさんじゅうあり・ごしょうさんしょうあり) 女は生まれつき五障(=女性が持っている五種の障)と三従(=女性が従うべき三つの道。仏教や儒教道徳で言われたもの。家にあっては父に従い、嫁(か)しては夫に従い、夫の死後は子に従うという女性としての心がまえを教えた言葉)を身に備(そな)えているということ。 類:●女子(おなご)に五障三従あり
・女に七去あり
(おんなにしちきょあり) 妻には、夫から一方的に離婚されても仕方がない七つの条件がある。即ち「一、父母に従順でない、二、子ができない、三、多言である、四、窃盗する、五、淫乱である、六、嫉妬深い、七、たちの悪い病気に罹る」の七つ。 
★昔、儒教や中国、日本の律令で認められていたもの<国語大辞典(小)>
・女に白い歯は見せられぬ
(おんなにしろいははみせられぬ) 女には優しい笑顔を見せてはいけないということ。甘やかすと付け上がって、男を馬鹿にするようになるという戒め。
・女に年を聞くもんじゃない
(おんなにとしをきくもんじゃない) なにかと差し障(さわ)りがあるから、女性に年齢を尋ねるものではないということ。とかく女性は年齢を気にするものだから、事細かに問い質(ただ)さないのが礼儀である。また、男女の間には、詳(つまび)らかにしない方が良いこともあるということ。
・女になる
(おんなになる) 1.女が、成長して嫁入りしても良い年齢になる。月経が始まって、成熟した女になる。2.処女でなくなる。 類:●男を知る
・女の足駄にて作れる笛には秋の鹿よる
(おんなのあしだにてつくれるふえにはあきのしかよる) どんな男も、女の色香には迷い易いものだという喩え。
・女の一念岩をも通す
(おんなのいちねんいわおもとおす) 女は腕力こそ弱いが、その執念は岩に穴を開けるほど強く執拗(しつよう)である。女が執念深いことの喩え。
・女の髪の毛には大象も繋がる
(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる) 女は男を惹(ひ)き付ける非常に強い力を持っているということ。女の色香が強いことの喩え。
・女の腐ったよう
(おんなのくさったよう)[=腐れ] ぐずぐずしていて、意志、態度などがはっきりしない男のこと。
・女の腰と猫の鼻はいつも冷たい
(おんなのこしとねこのはなはいつもつめたい) 女の腰部が冷えやすいところからきた喩え。 類:●男の膝頭と女の尻はいつも冷たい
・女の寒いと猫の饑いは手の業
(おんなのさむいとねこのひだるいはてのわざ) 女が寒がるのと、猫が空腹がるのはいつものことだという意。
・女の尻に敷かれる
(おんなのしりにしかれる) 男が妻などに軽んじられ侮(あなど)られて、女の言うが儘(まま)の状態になっている様子。 
・女の知恵は後へ回る(おんなのちえはあとへまわる) 女の知恵は浅はかで回りが遅いから、ものごとが解決した後になって良い考えが浮かんだりする。
・女の中の豆炒り
(おんなのなかのまめいり) 女の子の中に男の子が一人だけ混じっているのを囃す言葉。
・女の目には鈴を貼れ
(おんなのめにはすずをはれ) 女の目は、鈴のように大きく、ぱっちりしているのが好い。 類:●男の目には糸を貼れ
・女の利発牛の一散
(おんなのりはつうしのいっさん) 女はいくら利口でも、その考えは深い思慮もなく、無闇に逸(はや)るものだということ。

−−−−−−−おん2(#on2)−−−−−−−
・女は氏なくて玉の輿に乗る
(おんなはうじなくしてたまのこしにのる) 女は家柄が卑(いや)しくても、容姿や運などが良ければ、富貴な人の妻となって良い生活ができる。 類:●氏なくて玉の輿に乗る
・女は売り物
(おんなはうりもの) 娘は、息子と違って、まるで売り物のように、嫁として他所(よそ)へやらなくてはならないものだということ。主に、父親が嘆(なげ)いて言う。
・女は会釈に余れ
(おんなはえしゃくにあまれ) 女は全てのことに控え目にしなさい。
・女は門開き
(おんなはかどびらき) 天鈿女命(あまのうずめのみこと)が舞いを舞って天の岩戸を開いたという故事から、女は縁起が良いものだという言葉。特に、初産(ういざん)で女の子が生まれたときなどに言われる。 用例:狂言記・連尺「女は門開きと申してめでたいもので御ざる」
・女は下げて育てよ
(おんなはさげてそだてよ) 女はその家柄より低い程度に育てよということ。そうすれば、生家より生活程度が低いところへ嫁に行っても、苦しい思いをしたり、増長したりすることがない。
・女は三界に家なし
(おんなはさんがいにいえない) 女は、幼少のときは親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないものであるから、どこにも安住できるところがない。 類:●女に家なし●女に三つの家なし 
★「三界」は、全世界の意<国語大辞典(小)> ★または、過去・現在・未来の三世のこと。
・女は化け物(おんなはばけもの) 女は衣装や化粧、髪型などによって、すっかり変わるものである。 ★「化け物」は、「化ける生き物」の意味。化粧を落としたときの顔を指して言う諺ではない。
・女は魔物
(おんなはまもの) 女は、男を惑(まど)わせたり、外面とは異なった恐しいものを内に持った悪魔のような存在である。
・女は弱しされど母は強し
(おんなはよわしされどはははつよし) 女は母親になると、子供を守るために強い力を発揮するものである。 ★ヴィクトル・ユゴーの言葉。
・女日照り
(おんなひでり)・女旱 1.男が女に不自由をすること。 例:「このところ女日照りでね」 2.男が好ましく思う女の数が少ない場所や場面。 例:「混浴風呂は婆さんばかりの女日照り」
・女寡に花が咲く
(おんなやもめにはながさく) 女が寡婦(やもめ)になると、却(かえ)って身綺麗になり、男たちからも持て囃(はや)される。 ★「男鰥に蛆が湧く」の対句として言われる。 ★「やもめ」の「め」は、元来「女」のこと。古語では、未婚の男女にも、既婚で連れ合いを亡くした男女にも使った。「やも」は、「病人(やもうど)」或いは「山人(やもうど)」と関連のある語か?(未詳)
・女を拵える
(おんなをこしらえる) 男が、愛人を持つ。 例:「部長は、外に女を拵えているらしい」
・女を知る
(おんなをしる) 男が、女と初めて肉体関係を持つ。 類:●筆を下ろす
・恩に着せる
(おんにきせる) 他人に少しばかりの恩を施(ほどこ)したことを、殊更(ことさら)誇ったり、過剰に有り難がらせるような態度を取ったりする。 例:「恩に着せられるくらいなら借りない」
・恩に着る
(おんにきる) 他人から恩を受けて有り難く思う。
・御の字(おんのじ) 御の字を付けたいほどのものという意味から、1.特に優れた物や人。 用例:歌謡・
淋敷座之慰「是こそお町のおんのぢと」 2.大変結構なこと。極めて満足なこと。 用例:雑俳・柳多留−五「御の字に成ったと花見したくする」 例:「一万円なら御の字だ」 ★江戸初期の遊里語から出た語<国語大辞典(小)> 用例の出典:淋敷座之慰(さびしきざのなぐさみ・なぐさめ?) 歌謡集。延宝4年(1676)。別名「はやり小うた」。・・・詳細調査中。
・恩の死にはせねども義理の死にはする
(おんのしにはせねどもぎりのしにはする)[=情(なさ)けの死にはする] 恩のためには命を捨てる者はいないが、義理や人情のためなら命を捨てる者がたくさんいる。 類:●恩の腹は切らねど情の腰は切る
・恩の主より情けの主
(おんのしゅよりなさけのしゅ)・恩よりも情の主 恩を受けた人よりも、情けを受けた人の方を嬉しく思う。
・乳母日傘
(おんばひがさ・おんばひからかさ)[=御乳母日傘] 《四 1.我が子を可愛がって、乳母を付け、外出のときに日傘を差し掛けるほどである。幼い頃に大切に育てられること。2.過保護に育てられること。 類:●乳母(おんば)育ち 例:「御乳母日傘で育てられたせいか、押しが弱い」
・オンパレード
(おんぱれえど) 英語on parade。 1.俳優などの勢揃い。総出演。大行進。 類:●総出(そうで) 2.比喩的に、物や事柄がずらりと並ぶこと。また、華やかに引き続いて行なわれること。 例:「年金未払い議員のオンパレード」
・負んぶに抱っこ
(おんぶにだっこ) 一切合財を他人任せにすること。 類:●負んぶに抱っこに肩車 ★「負んぶ」は、他人に頼ること。特に、他人に金銭や品物を負担させること。「抱っこ」は、「負んぶ」を強調するために付けたもので、「抱っこ」自体には負担させるの意味はない。後に「肩車」まで添える場合もある。
・厭離穢土(おんりえど) 《四熟・仏教用語》 この娑婆世界を「煩悩に穢れた国土」として、それを厭(いと)い離れるのを望むこと。阿弥陀如来の極楽世界は清浄な国土であるから、そこへの往生を切望する。 出典:「往生要集」 ★浄土教の用語。「欣求浄土」と対句で使われることが多い。 ★読みは、「おんり」が一般的だが、辞書によっては「えんり」を採用している。 出典:往生要集(おうじょうようしゅう) 仏教書。寛和元年(985)。源信(恵心僧都)。1部3巻。浄土教の観点より、多くの仏教の経典や論書などから、極楽往生に関する重要な文章を集めた書。
・恩を仇で返す
(おんをあだでかえす)[=報ずる] 受けた恩に対して、恩で報いることをしないで、却(かえ)って相手に害を与えるようなことをする。 
反:■仇を恩で報いる
・恩を売る
(おんをうる) 功利心から恩恵を他人に与える。後々の自分の利益を考えて、他人に恩を施(ほどこ)しておく。