【こさ】~【こそ】

−−−−−−−こさ(#kosa)−−−−−−−
・小細工
(こざいく) 1.手先ですえう細々(こまごま)した細工仕事。ちょっとした手先の仕事。2.一時凌(しの)ぎの効果しかない方策や手段。すぐにばれてしまうような策略。 類:●姑息な手段 例:「下手な小細工を弄(ろう)する」
・小賢しい
(こざかしい) 1.差し出がましく利口ぶっている。 類:●生意気である●こましゃくれている 用例:
十訓抄−七「従者のこざかしくさし過ぎたるは、いと見ぐるしき事也」 2.狡(ずる)くて小才が利く。浅薄な抜けめのなさがある。卑劣なずるさを身に付けている。 類:●悪賢い 用例:史記抄−一九「こさかしい、ぬすびとげなる下部をば」 3.すばしこい。活気がある。 用例の出典:十訓抄(じっきんしょう) 鎌倉時代の説話集。3巻。六波羅二?左衛門入道編。建長4年(1252)成立。10綱の徳目を主題にたて、和漢の教訓的説話を各綱の例話として編成した幼少年用の啓蒙書。
・御座を直す
(ござをなおす) 若衆などが寝室や居室などで主君の身の廻りの世話をすること。また、主君の御伽(おとぎ)をすること。

−−−−−−−こし1(#kosi)−−−−−−−
・腰折れ文
(こしおれぶみ) 1.拙劣な詩文。下手(へた)な文章。2.自作の詩文を遜(へりくだ)っていう言葉。 類:●腰折れ歌●腰折れ句
・腰が重い
(こしがおもい) 無精(ぶしょう)で、まめに動かない。 例:「うちの女房は腰が重くて困る」
・腰が折れる
(こしがおれる) 邪魔されて、ものごとを中途で止(や)める。 用例:伎・幼稚子敵討−三「刀の詮儀で水責のこしがをれた」
・腰が軽い
(こしがかるい) 1.気軽に立ち働く。まめに働く。 類:●フットワークが軽い 2.軽率に行動する。 類:●尻が軽い
・腰が砕ける
(こしがくだける) 1.腰の姿勢が崩れる。2.ものごとが、途中で続けられなくなる。
・腰掛けOL
(こしかけおーえる) 結婚するまでの間、取り敢えず職に就いているオフィスレディー。長く勤める積もりなどなく、結婚相手探しに勤(いそ)しむOL。
・腰掛け仕事(こしかけしごと) 目標とする仕事に就くまでの間、一時の間に合わせでしている仕事。長く続けるつもりのない仕事。
・腰が据わる
(こしがすわる) 1.腰を落ち着けてものごとをする。2.一定の地位や職業を維持する。
・腰が高い
(こしがたかい) 1.腰の位置が高い。腰の据え方が高い。2.横柄である。尊大である。 類:●頭(ず)が高い 
反:■腰が低い
・腰が強い(こしがつよい) 1.腰の力が強い。物を持ち上げる時などに腰の力が強い。2.気が強く人に屈しない。押し通す力が強い。押しが強い。3.粘り気が強い。粘力がある。4.しなやかで折れにくい。弾力性に富む。
・腰がない
(こしがない) 1.度胸がない。胆っ玉が小さい。2.粘りがない。粘力がない。
・腰が抜けて一生立居のならぬ法もあれ
(こしがぬけていっしょうたちいのならぬほうもあれ) もし約束を違(たが)えたら一生の腰抜けになりましょう、という誓いの詞。 出典:狂・六人僧「身どもは腹をたてたれば、腰が抜けて一生立居のならぬ法もあれ。腹は立てますまい」 用例の出典:六人僧(ろくにんそう) 狂言。三人旅の道中で、何をされても怒らないという誓(ちか)いをしたが、悪戯(いたずら)されて寝ている間に丸坊主にされてしまった。誓いを立てた以上怒れないが、男は策を弄(ろう)して、二人の男のかみさんを丸坊主にさせしてしまう。落語「大山詣(おおやままいり)」の元にもなっている。
・腰が抜ける
(こしがぬける) 腰の骨の関節がはずれて立っていることができない。2.驚きのあまり足腰が立たなくなる。3.意気地がなくなる。心やものごとの、支(ささ)えとなっていたものがなくなる。
・腰が低い
(こしがひくい) 1.腰の位置が低い。腰の据え方が低い。2.他人に対してへりくだりの気持ちがある。謙虚である。
・腰が引ける
(こしがひける) 1.腰が後ろに引けている姿勢である。2.転じて、あまり率先してやりたくない様子。気が引ける場合や、怖気(おじ)ている場合にも使う。 例:「外務省は腰が引けている」
・腰が弱い
(こしがよわい) 1.腰の力が弱い。物を持ち上げるときなどに腰の力が弱い。2.意気地がない。弱気である。3.粘り気がない。最初の力が最後まで続かない。4.弾力性に乏しくて、折れやすい。
・乞食が赤包
(こじきがあかづつみ) 乞食が派手な赤い包みを持っている。不似合いなこと。身分不相応なものを持つことの喩え。 類:●乞食に朱椀●乞食に膳椀
・乞食が馬を買ったよう
(こじきがうまをかったよう) 身分不相応なものを手に入れて、持て余すこと。持ったは良いが、始末に困ることの喩え。
・乞食が米を零したよう
(こじきがこめをこぼしたよう) 1.些細(ささい)な事を大袈裟に騒ぐことの喩え。2.生活に困っている者が、より一層窮することの喩え。
・乞食に氏なし
(こじきにうじなし)[=筋なし・種なし] 乞食になるのは、その身の不始末のせいであって、生まれついた家が乞食というわけではない。心掛けの悪い者が零落(おちぶ)れて乞食になるということ。
・甑に坐するが如し
(こしきにざするがごとし) 「甑」は、蒸籠(せいろ)のこと。甑に座って下から蒸されているように暑い。暑気が甚(はなは)だしいことの喩え。 出典:韓愈「鄭羣贈簟詩」「自従五月困暑湿、如座深甑遭蒸炊」
・乞食に朱椀
(こじきにしゅわん)[=膳椀(ぜんわん) 乞食が立派な朱塗りのお椀を持っているという意味で、不似合なこと。また、身分不相応なことの喩え。 類:●乞食が赤包み
・乞食に貧乏なし
(こじきにびんぼうなし) 乞食にまで零落(おちぶ)れれば、もうそれ以上貧乏になることはない。何も持っていなければ、失うものはないということ。
・乞食にも門出
(こじきにもかどで) 乞食でさえ、仲間が旅立つときにはそれなりの祝いごとをするものである。どんなつまらないことにでも、それなりの式作法があるということの喩え。
・乞食の朝謡い
(こじきのあさうたい) 乞食は朝からでも謡いをうたう。乞食は普通の人より暇があって気楽な境遇だということ。
・乞食の系図話
(こじきのけいずばなし) 乞食が、零落(おちぶ)れる以前はこうだったと自分の系図の自慢話をする。言っても甲斐のない愚痴を零(こぼ)すことの喩え。
・乞食の空笑い
(こじきのそらわらい) 乞食が物欲しさに、心にもない笑顔を見せる。目前の利益を得るために、心にもないお世辞やおべっかを言うことの喩え。
・乞食の断食
(こじきのだんじき) 止むを得ずしている事を、まるで自発的に行なったように思わせ、殊更(ことさら)殊勝(しゅしょう)げに見せ掛けることの喩え。 類:●餓鬼の断食
・乞食も場所
(こじきもばしょ) 何ごとをするにも場所を選ぶ必要があることの喩え。
・乞食も袋祝い
(こじきもふくろいわい) 乞食でも初めて使う袋には祝いをする。どんなことにもそれ相応の祝いがあることの喩え。
・乞食も身祝い
(こじきもみいわい) 乞食の身でも、祝うべき時には祝いをする。だれでも祝うべき時には身分相応の祝いをする。 類:●牛蒡も身祝い
・乞食も身繕い
(こじきもみづくろい) 粗末なものを着ていても、身嗜(みだしな)みだけはきちんとすべきことの喩え。
・乞食を三日すれば忘れられぬ
(こじきをみっかすればわすれられぬ) 1.気楽な乞食の生活の味は、一度覚えたら止(や)められない。人に頼る怠惰(たいだ)な生き方は、気楽なため、なかなか直らないものである。 類:●Let a man once be a beggar and he will be a beggar all his life. 2.悪習には染まり易く、それを改めるのは困難であるということの喩え。 反:■君子は豹変す
・腰巾着
(こしぎんちゃく) 腰に付ける巾着の意味で、いつもある人に付き従って傍を離れない者。現在は、多く、目上の人の御機嫌を伺いながら、付き従っている者のことを指していう。 類:●腰刀●取り巻き●腰着け 
・腰砕け
(こしくだけ) 1.相撲で、腰の構えが崩れて自分から土俵に落ちてしまうこと。2.ものごとを進める途中で気力が抜け、後が続かなくなってしまうこと。 例:「計画は腰砕けに終わった」
・虎視眈々
(こしたんたん) 《四熟》 虎が獲物を狙って身構え、鋭く見詰めている様子。転じて、じっと機会を狙い、隙があれば付け入ろうと伺(うかが)っている様子。 例:「虎視眈々と帝王の座を狙う」
五十歩百歩
(ごじっぽひゃっぽ)
・五十歩を以って百歩を笑う
(ごじっぽをもってひゃっぽをわらう) 五十歩逃げた者が百歩逃げた者を臆病だと笑うということ。 1.自分と大差がないのに人の言動を笑うことの喩え。 出典:「孟子−梁恵王・上」「或百歩而後止、或五十歩而後止。以五十歩笑百歩、則何如」 2.本質的に違いはないことの喩え。 類:●五十歩百歩目糞が鼻糞を笑う●樽抜き渋柿を笑う●団栗の背比べ似たり寄ったり

−−−−−−−こし2(#kosi2)−−−−−−−
・腰に梓の弓を張る
(こしにあずさのゆみをはる) 老人などの腰が弓のように曲がる。
・五指に余る
(ごしにあまる) 5本の指では数え切れないという意味から、特別優れたものを数え上げていく場合、その数が5つ以上になるとき、特にその数の優位を強調していう。 例:「花嫁候補は五指に余るほどいる」
・腰に付ける(こしにつける) 1.物を腰に取りつける。2.自分の腰に付けているように人を自由に扱う。自分の手中のものとする。獲物とする。 用例:浮・人倫糸屑−逆臣「君の抜作成事をこしにつけてやがて主の国を我物にせんとたくむ」
・五指に入る
(ごしにはいる) 際立ったものを数え上げていくとき、5本の指で数えられる順位のもの。1位から5位までに入るということ。 類:●五本の指に入る●指を折る●屈指指折り
・腰抜け(こしぬけ) 1.腰に力が入らず、立つことができないこと。また、その人。 類:●腰居(こしい) 2.臆病で意気地がないこと。また、その人。 類:●臆病者●弱虫●意気地無し
・五指の更弾くは捲手の一坡に若かず
(ごしのこもごもはじくはけんしゅのいっちつにしかず)[=代わる代わる弾かんより一拳(いっけん)に若かず] 一本一本の指で弾(はじ)く力は、握り拳の一撃の力に及ばない。個々別々の力は、一致団結の力に及ばないということ。 出典:「淮南子−兵略訓」「五指之更弾、不若捲手之一坡、万人更進、不若百人之倶至也」
・腰伸ぶ
(こしのぶ) 1.腰を伸ばす。腰を伸ばして休む。休息する。2.家に閉じ篭もっていた人が外出する。 用例:源氏−須磨「位をもかへし奉りて侍るに、わたくしざまにはこしのべてなむど」
・腰のもの
(こしのもの) 1.鞘(さや)巻きの短刀。腰刀。脇差(わきざし)。2.腰に差す刀剣の総称。3.印籠、巾着など、腰に帯びるものの総称。4.婦人の腰巻(こしまき)。
・腰二重
(こしふたえ) 老人の腰が曲がって二重に見えるようになること。老人の腰が、ひどく折れ曲がった様子。 用例:宇津保−嵯峨院「頭はひた白に、こしはふたへなる女なれど」
・五車の書
(ごしゃのしょ) 五台の車に積むほどの、多くの書物。多くの蔵書のことを指す。 用例:杜甫「題栢学士茅屋詩」「男児須読五車書<だんじはすべからくごしゃのしょをよむべし>」 故事:「荘子−天下」 中国の戦国時代の恵施(けいし)は、色々なことを学び、たくさんの書物を持っていた。
・こ戯れる
(こじゃれる) 巫山戯(ふざけ)る。 用例:虎明本狂言・お茶の水「なんぼこじゃれたおしんぼちやな」 ★「こ」は接頭語<国語大辞典(小)> 用例に出典:お茶の水(おちゃのみず) 狂言。各流。住持(じゅうじ)に頼まれて野中の清水を汲みに出かけた門前の女を、思いを寄せる新発意(しんぼち)が追い、小歌で恋のやりとりをし、迎えに来た住持と争う。和泉流では「水汲(みずくみ)」、鷺流では「水汲新発意」という。
・小洒落る
(こじゃれる) 造語。 1.ちょっと洒落ている。ややお洒落である。 例:「小洒落た割烹料理屋」 2.ほどほどに洒落ているが、十分ではない。二流である。 ★「洒落た」に「ちょっと〜である」の意味の接頭語「小」を付けたもの。昭和末〜平成初頭頃になってからの新語。
・ご愁傷様
(ごしゅうしょうさま) 1.葬式の時などの挨拶(あいさつ)の言葉。 例:「この度(たび)はご愁傷様でした」 2.相手の期待が外れたことなどについて、軽く皮肉って言う言葉。 類:●お気の毒様 例:「当てが外れて、御愁傷様」
・小姑一人は鬼千匹に向かう
(こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう)・小舅〜 嫁の身にとっては、小姑の存在は厄介で厭(いと)わしいものであり、その一人が鬼千匹にも値するほど嫁の心を苦しめるものだということ。
・五十にして四十九年の非を知る
(ごじゅうにしてよんじゅうきゅうねんのひをしる) → 年五十にして四十九年の非を知る
・後生一生
(ごしょういっしょう) 現世、来世を通じてもただ一度。 類:●一生に一回 例:「後生一生のお願い」
・後生大事
(ごしょうだいじ) 《四熟・仏教用語》 1.来世の安楽を第一と考えること。信心を忘れないこと。 類:●後生一大事 2.後生まで大事に扱うという意味で、人やものごとを非常に大切に守り、保持すること。また、常に心を込めて努めること。 例:「臍の緒を後生大事に持っている」 用例:俳・
文化句帖−補遺「白露や後生大事に鳴雀」 用例の出典:文化句帖(ぶんかくちょう) 小林一茶。亨和4年(文化元年)1804。・・・詳細調査中。
・後生だから(ごしょうだから)[=ですから] お願いですから。また、どうか許してください。相手に哀願するときに言う言葉。 用例:洒・傾城買二筋道「後生だから、ちよつと物言はずにゐて」 ★近世語。後生の安楽を願う意から<古語辞典(学研)> ★「仏に帰依(きえ)して功徳(くどく)を積むよう心掛けますから」ということか。
・弧掌鳴らし難し
(こしょうならしがたし) 片方の掌だけでは音を鳴らすことができないという意味から、単独で事を成し遂げることは難しい、なにごとにも協力者が必要であるということ。 類:●一手の独り拍(う)つは疾(はや)しといえども声なし●弧掌みだりに鳴らず●単糸線を成さず●一文銭は鳴らぬ●一本薪(まき)は燃えぬ●片手で錐は揉めぬ
・股掌の上に玩ぶ(こしょうのうえにもてあそぶ) 弄(もてあそ)びものにする。自分の意のままにする。 出典:「国語−呉語」
・胡椒の丸飲み
(こしょうのまるのみ) せっかくの胡椒の味も、噛み砕いてこそ分かるのだが、丸呑みにしてはその味も分からない。転じて、表面だけ見て、真実の意味を理解しないことの喩え。物の真価は良く検討しなければ分からない。
・後生は徳の余り
(ごしょうはとくのあまり) 常日頃から熱心に徳行を積めば、自(おの)ずから来世の極楽往生も得られるものである。 
★一説に、信心も暮らしむきにゆとりがあってこそできるものであるの意とする<国語大辞典(小)> 類:●信心は徳の余り
・ご相伴に与かる
(ごしょうばんにあずかる) →お相伴に与かる
・孤城落日
(こじょうらくじつ) 《四熟》 孤立無援の城と、西に傾く落日。勢いが衰え、頼りなく心細い様子。滅び行く者の頼りなさを表わす。 類:●孤城落月●桐一葉落ちて天下の秋を知る 出典:王維の詩「送韋評事詩」「遥知漢使蕭関外、愁見孤城落日辺」 人物:
王維(おうい) 中国、唐代の詩人、画家。701頃〜761。字は摩詰。官は尚書右丞に進む。中国自然詩の完成者といわれ、また、水墨を主とした山水画、人物画をよくし、南宗画の祖とされる。
・故障を入れる
(こしょうをいれる) 不服を言う。邪魔をする。
・古色蒼然(こしょくそうぜん) 《四熟》 いかにも年月を経たように見える。古びた様子が現われている。 類:●大時代 例:「古色蒼然とした山門」

−−−−−−−こし(を)(#kosiwo)−−−−−−−
・腰を上げる
(こしをあげる) 1.座った姿勢から立ち上がる。 例:「勘定を済ませて腰を上げる」 反:■腰を下ろす 2.漸(ようや)くあることに取り掛かる。 例:「やっと重い腰を上げて外回りに出掛けた」
・腰を入れる
(こしをいれる) 1.腰の重心を低くする。 例:「腰を入れてバットを振れ」 2.本気になる。本気になってものごとに取り掛かる。 類:●本腰を入れる
・腰を浮かす
(こしをうかす) 立ち上がろうとして腰を上げる。
・腰を打ち抜く
(こしをうちぬく) 煽(おだ)て上げる。機嫌を取る。 類:●腰を抜く
・腰を押す
(こしをおす) 1.後援する。後押しする。2.唆(そそのか)す。嗾(けしか)ける。3.腰に手などを当てて押す。
・腰を折る
(こしをおる) 1.腰を曲げる。腰を屈(かが)める。2.人に屈服(くっぷく)する。頭を下げて人に仕える。従属する。 用例:浄・女夫池「小知に腰は折るまじと」 3.中途で邪魔をする。中途で妨げる。 用例:浄・
烏帽子折−四「大事の咄のこしをおる」 例:「話の腰を折る」 4.下手な和歌を詠(よ)む。 類:●腰折る●腰離る 用例の出典:烏帽子折(えぼしおり) 謡曲。四、五番目物。観世・宝生・金剛・喜多流。宮増作。古名「現在熊坂」か。奥州に下る途中の牛若丸を扱ったもので、前段でその元服を、後段では盗賊熊坂長範を討つ切組み(格闘)を見せ場とする。
・腰を下ろす
(こしをおろす) 立っていた人が座る。 類:●腰を掛ける 反:■腰を上げる
・腰を屈める
(こしをかがめる) 身体を前に傾けて礼をする。腰を屈めて会釈をする。
・腰を掛ける
(こしをかける) 尻を物の上に載せる。物の上に尻を下ろして休む。 類:●腰掛ける
・腰を据える
(こしをすえる) 1.腰を沈めるようにする。腰の重心を低くする。腰を落とす。2.他に気を移さないで落ち着いて一つのものごとをする。また、ある場所にすっかり落ち着く。 例:「腰を据えて執筆に取り組む」「居酒屋に腰を据える」
・腰を突く(こしをつく) 1.倒れて地に尻を打ち付ける。尻餅を搗(つ)く2.挫(くじ)ける。挫折する。
・腰を抜かす
(こしをぬかす) 1.腰骨の関節が外れて立つことができない。腰の番(つが)いを外して立てない。また、腰に力が入らなくて立てない。 2.驚きのあまり足腰が立たなくなる。非常にびっくりして体の自由を失う。また、非常に驚くこと。 類:●
腰が抜ける 用例:浄・吉野都女楠−かちぢの御幸「腰をぬかしきをうしなひ」 3.夢中になる。 用例:随・独寝−下「隠居までが、腰をぬかして此娘が噂すれば」
・腰を伸ばす
(こしをのばす) 1.曲がった腰を真っ直ぐにする。2.楽な姿勢で休息する。疲れを癒(いや)す。休む。
・腰を低くする
(こしをひくくする) 他人に対して遜(へりくだ)った態度を取る。
・腰を割る
(こしをわる) 相撲で、腰を低く落とし、両足を開き、膝を少し曲げた姿勢を取ること。

−−−−−−−こし(ん)(#kosin)−−−−−−−
・古人の糟魄(こじんのそうはく)[=糟粕] 昔の聖人の搾(しぼ)り滓(かす)である。 1.昔の聖賢が書いた書物の喩え。 出典:「荘子−天道篇」「曰、然則君之所読者、古人之糟魄已夫」 斉の桓公と車輪作りとの寓話。車輪作りの技は自分の手で学び取るもので、親から子へ教えられるようなものではない。同様に、聖人の本質も言語や文章で伝えることのできるものではないものだから、書物などは滓である。 2.学問や書物を軽蔑して、或いは否定して言う。また、昔の人の言い古された説についても言う。
・己心の弥陀
(こしんのみだ) 弥陀は極楽浄土にあるのではなくて、自分の心の中にあるということ。 類:●唯心の弥陀


−−−−−−−こす(#kosu)−−−−−−−

・狡っ辛い
(こすっからい) けちで狡(ずる)い。また、悪賢(わるがしこ)い。狡猾(こうかつ)だ。 例:「こすっからいやり方だ」 
★「こすからい」の変化<国語大辞典(小)>

−−−−−−−こせ(#kose)−−−−−−−
・古井無波
(こせいむは) 《四熟》 1.水が枯れた古井戸には水がないから波も立たないという意味で、肝(きも)っ魂(たま)がしっかりしていて心が動揺しないこと。2.転じて、未亡人が再婚しないこと。 類:●柏舟の操
・午前様
(ごぜんさま) 遊びや宴会のため、夜中の12時を過ぎてから家に帰ってきた人。 ★「御前様」の捩(もじ)りで、揶揄(やゆ)の調子を含む俗語。

−−−−−−−こそ(#koso)−−−−−−−
・五臓六腑
(ごぞうろっぷ) 《四熟》 1.漢方で、五つの臓器と六つの腑(はらわた)。肺、心、脾、肝、腎の五臓と大腸、小腸、胃、胆、膀胱(ぼうこう)、三焦の六腑。 類:●臓腑 例:「五臓六腑に染み渡る」 2.体内。腹の中。心の中。 例:「五臓六腑が煮え繰り返る」
・五臓を絞る
(ごぞうをしぼる) 五臓を強く締め付けるということで、甚(はなは)だしい苦しみや口惜しさ。
・五臓を煮やす(ごぞうをにやす) 内臓が煮えるという意味から、いらいらして憤慨した様子。全身で憤(いきどお)り嘆く様子。 類:●業を煮やす●業が煮える
・五臓を揉む(ごぞうをもむ) 1.非常に口惜しがったり、悲しんだりする様子。2.全力を注ぐ様子。3.真情を吐露(とろ)する。
・姑息
(こそく) 1.暫(しばら)くの間息を吐(つ)くこと。転じて、根本的な解決をせずに、その場だけの間に合わせにものごとをすること。 類:●一時凌ぎ●一時逃れ●その場逃れ 例:「姑息な手段を取る」 出典:「礼記−檀弓・上」「細人之愛人也以姑息」 ★「姑息」には、「卑怯」や「狡(ずる)い」の意味は含まれない。「姑息な手段」を「卑怯な手段」と解するのは≪現時点では≫誤解。 2.女と子供。
・御足労
(ごそくろう) 相手を敬って、その人にわざわざ来てもらったり、行ってもらったりすることをいう言葉。 例:「私どもの会社まで御足労願えますか」
・こそこそ三里
(こそこそさんり) ひそひそ話はあっという間に遠くまで伝わる。秘密が洩れ易く、速く広がることの喩え。 類:●ささやき千里
・こそばゆい 1.擽(くすぐ)られるなどして、むずむずした感じである。 類:●くすぐったい 用例:四河入海−五「西股—かけつくりをあるけば股がこそはゆい程に」 ★「こそ」は「こそぐる(擽)」の「こそ」と同根、「ばゆい」は「はゆし(映)」かという説がある。「こそばいい」とも<国語大辞典(小)> 2.相応以上の賞賛やもてなしなどを受けて、照れ臭い。また、決まりが悪い。 類:●くすぐったい 例:「秀才なんて呼ばれてこそばゆい」 3.気が揉めて落ち着かない。 用例:伎・雑石尊贐−三立返し「しくじりはしねえが、どうも尻がこそばゆい」 用例の出典:四河入海(しがにっかい) 抄物。笑雲清三。室町時代、享禄5年(1532)。五山僧による蘇東坡詩の注釈書。

次ページ