【たよ】~【たん】
・便りがないのは無事な証拠(たよりがないのはぶじなしょうこ) 何か良くないことがあれば連絡が来るはずであるから、連絡がないことはむしろ、先方が無事な証拠である。 類:●No news is good news.(便りのないのは良い便り)<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
・頼りない(たよりない) 1.頼りとして身を任(まか)すことのできる者がない。頼みにする人や家がない。 類:●寄る辺(べ)ない 用例:伊勢−二三「女、親なくたよりなくなるままに」 2.大丈夫という安心感がない。しっかりした手応えがない。頼みにならない。 類:●心許ない 用例:浮・好色五人女−五「朽木のたよりなき丸太を二つ三つ四つならべてなげわたし」
−−−−−−−たら(#tara)−−−−−−−
・盥回し(たらいまわし) 1.足で盥を回す曲芸。仰向けに寝て、足で盥を回しながら受け渡していくもの。2.一つのものごとを、熟れ合いで、または順送りに、移し回すこと。 例:「政権の盥回し」「中元のいただき物を盥回しにする」 ★曲芸の「盥回し」から。
・だらし 「だらしがない」「だらしのない」のように、打ち消しの形で使われる。ものごとのけじめがはっきりしていること。きちんとしていること。 類:●締まり 用例:滑・浮世床−初「なんの、だらしもねへくせに」 ★「しだら」の「し」と「だら」を逆にした言葉。「自堕落(じだらく)」からとも、梵語の「修多羅」(秩序の意)からともいう<国語大辞典(小)>
・誑し込む(たらしこむ) 甘言や色仕掛けなど、色々な手段を使って、すっかり騙(だま)す。まんまと誑(たぶら)かす。うまうまと騙して自分のものにする。 用例:談・根無草−前「愚癡無智の姥(うば)かかをたらしこみ」
・だらしない 1.服装などが、きちんとしていない。整っていない。秩序がない。締まりがない。 用例:人情・仮名文章娘節用−前「帯をだらしなく結び」 2.気力や体力が弱過ぎる。だらしがない。節度がない。毅然としていない。しっかりしていない。 類:●しだらない 例:「お金にだらしない」 参考:しだらない 行ないや状態に締まりがないこと。 ★「しだら」は、「自堕落(じだらく)」からとも、梵語の「修多羅」(秩序の意)からともいう<国語大辞典(小)> ★手拍子の意味の「しだら(したら)」が合わないことから、纏(まと)まりがないことを言ったともいう。 ★近世以降の語<大辞林(三)>
・足らず余らず子三人(たらずあまらずこさんにん) 1.収入は少な過ぎず多過ぎずで、子供は三人というのが、楽しく暮らしていくのに丁度良い。中流の家庭が理想的だということ。 類:●負わず借らず子三人●余らず過ぎず子三人 2.(誤解から) 子供の数は、三人くらいが少なくもなく多くもなくて丁度良い。 類:●余らず過ぎず子三人
・鱈腹(たらふく) 腹一杯。飽き足りるほど。堪能するほど。 例:「鱈腹食う」 ★「鱈腹」は当て字<国語大辞典(小)>
−−−−−−−たり(#tari)−−−−−−−
・他力本願(たりきほんがん) 《四熟》 1.「他力すなわち本願」の意味。仏教用語。自分の修行の功徳(くどく)によって悟りを得るのでなく、阿弥陀仏の本願の力によって救済されること。2.事をなすのに、ひたすら他人の力を当てにすること。他人に任せること。
・足りない(たりない) 1.頭の働きが普通以下である。愚かである。 例:「少々足りない奴」 2.欠点がある。3.する価値がない。値しない。 例:「取るに足りない」
−−−−−−−たる(#taru)−−−−−−−
・樽抜き渋柿を笑う(たるぬきしぶがきをわらう) 「樽抜き」は、酒の空き樽に入れて酒気で渋味を抜いた渋柿のこと。元を糺(ただ)せば同じものなのに、樽抜き柿が渋柿を嘲笑(あざわら)う。自分の欠点を棚に上げて、他人の欠点を嘲笑うこと。 類:●目糞鼻糞を笑う
・達磨さん(だるまさん) 地口(じぐち)の一つ。 1.手も足も出ないこと。2.お足(=お金)が無いこと。
・足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ) 今を満ち足りたものとし、現状に不満を持たない者は、満ち足りた心で生きていける。己の身の程を知り、それ以上を望まないことが、豊か生きるということである。 類:●知足●A contented mind is a perpetual feast.(満足は永遠のご馳走である) 出典:「老子−三三」「自勝者強、知足者富」
−−−−−−−たれ(#tare)−−−−−−−
・誰か烏の雌雄を知らん(たれかからすのしゆうをしらん) 烏はただ黒いだけで特徴がなく、雄雌(おすめす)を見分けるのが難しい。ものごとの是非・善悪や、人の心などが、判断し難いことの喩え。 類:●烏の雌雄 出典:「詩経−小雅・正月」「召彼故老、訊之占夢、具曰予聖、誰知烏之雌雄」
−−−−−−−たわ(#tawa)−−−−−−−
・たわいない・たあいない 1.酒に酔ったり、寝入ったりして正体がない。正気がない。たわいがない。 用例:雑俳・俳諧帑−13「たわいなし・枕はづして子は寐入」 2.考えにしっかりしたところがない。幼くて思慮分別がない。誤魔化したり、言い包(くる)めたりするのが簡単である。 用例:洒・志羅川夜船「あいかたのしんぞうたわいなきをさいわいに」 3.手応えがない。張り合いがない。取るに足りない。相手にするのに容易である。 例:「たわいなく負ける」 用例:雑俳・ちへ袋「功者は角力たはいなう見へ」 ★近世以降の語<大辞林(三)> ★「他愛」と書くのは当て字<国語大辞典(小)> 参考:たわい 確固とした態度や考え。跳ね返ってくるような手応え。 用例の出典①:俳諧帑(はいかいけい?) 雑俳。明和5年(1768)〜文政10年(1827)頃。・・・調査中。 用例の出典②:志羅川夜船(しらかわよふね) 洒落本。・・・調査中。 用例の出典③:ちへ袋(ちえぶくろ) ・・・調査中。
・戯けを尽くす(たわけをつくす) 酷(ひど)く馬鹿げたことを言ったり行なったりする。 ★「戯け」の語源について、田畑を子に分与することの愚を言った「田分け」からという説があるが、明らかに後から作られたものであり、誤解。単に、常識外れの意味の「戯(タハ)」から。
−−−−−−−たん(あ)(#tan1)−−−−−−−
・暖衣飽食(だんいほうしょく) 《四熟》 → 飽食暖衣
−−−−−−−たん(か)(#tan2)−−−−−−−
・啖呵売り(たんかうり) 啖呵を切って品物を売ること。口上を述べ立てて物を売ること。威勢よく効能を述べて物を売ること。また、その人。 類:●香具師(やし) ★「啖呵」は、「弾呵(だんか)」か。「痰火(たんか)」の転とする説もある<大辞林(三)>
・胆が座る(たんがすわる) ものごとに動じないようになる。 類:●肝が据わる●肝が太い
・丹果の唇(たんかのくちびる) 「丹果」は、赤い果実。特に頻婆果(びんばか)のこと。仏の唇のことを赤い果実に喩えて形容したもの。
・丹花の唇(たんかのくちびる)[=口付(くちつ)き] 赤い花のように、赤く美しい唇。美人の唇の喩え。 類:●朱唇 ★「丹果(たんか)の唇」の転用か<国語大辞典(小)>
・痰火を切る(たんかをきる)[=啖呵を〜] 痰火(たんか)を治療するのを「痰火を切る」といい、これが治ると胸がすっきりするところから、胸のすくような、鋭く歯切れ良い口調で話す。鋭い勢いで捲(まく)し立てる。また、激しく罵(ののし)り立てる。 類:●痰(たん)を切る
・弾丸黒子の地(だんがんこくしのち) 弾き玉や黒子(ほくろ)のように、非常に小さく狭い土地。 類:●弾丸之地●黒子之地●尺寸(せきすん)之地●猫の額ほどの地 出典:ユ[广臾]信「哀江南賦」「地は惟黒子、城は猶お弾丸のごとし」
・断簡零墨(だんかんれいぼく) 《四熟》 断ち切れてしまって、書物の一部分のみが残ったものを「断簡」といい、墨跡が僅(わず)かに断片的に残ったものを「零墨」という。そこから、元の形がなく、僅かにその破片だけが残っている書物や書簡を指して言う。
・断機の戒め(だんきのいましめ)[=教え] ものごとを、途中でやめてはならないという戒め。特に、学問について言う。 類:●孟母断機の教え 故事:「列女伝−母儀伝・鄒孟軻母」「母以刀断其機曰、子之廃学、若吾断斯機矣」 昔孟子の母は、学舎の隣りを選んで住み、息子が学ぶのを怠(おこた)ると、機(はた)を刀で断ち切り、「学業を中途でやめることは織りかけた布を断ち切るようなものだ」と戒めて、孟子を学舎へ返した。
・短気は損気(たんきはそんき)
・短気は未練の元(たんきはみれんのもと・はじめ)[=相(そう)] 短気を起こせば、後で後悔して、未練の振る舞いをする原因になる。
・短気は身を亡ぼす腹切刀(たんきはみをほろぼすはらきりがたな) 短気を起こせば自滅を招くということ。
・丹棘(たんきょく) 1.「萱草(かんぞう)」の異名。2.萱草が憂いを忘れさせるために贈る草であるところから、転じて、憂いを忘れること。3.棘(いばら)の心(しん)は赤いといわれるところから「赤心(せきしん)」になぞらえて、真心(まごころ)のこと。 類:●赤心
・断金の契り(だんきんのちぎり)[=交(まじ)わり] 「断金」は、鉄をも切断するほど友情が強固に結ばれていること。非常に厚い友情。非常に親密な友情・交際。 類:●水魚の交わり 出典:「易経−繋辞・上」「二人同心、其利断金」
・断琴の交わり(だんきんのまじわり) 非常に親密な交際。そのような友情。 出典:「列子−湯問」 参考:絶絃
・端倪すべからず(たんげいすべからず) ものごとの始めと終わりが見えず、その全貌(ぜんぼう)が測り知れない。事の成り行きは、容易には推測できないものだということ。 類:●予断を許さない 例:「今後の成り行きは端倪すべからざるものがある」 出典:韓愈「送高閑上人・序」「旭之書変動猶、鬼神不可端倪」 ★「端倪」の出典は「荘子−大宗師」「仮於異物、托於同体、忘其肝膽、遺其耳目、反覆終始、不知端倪」で、「端」はこちらの端、「倪」は向こうの端を意味する。動詞化して「推測する」という意味にな った 。
・淡交(たんこう) 1.あっさりした交際。2.蟠(わだかま)りのない君子同士の付き合い。君子の交際を評していう言葉。 出典:「荘子−山水」「君子之交淡如水」
−−−−−−−たん(さ)(#tan3)−−−−−−−
・単細胞(たんさいぼう) 1.単一の細胞。一つの細胞から成り立っている生物。2.比喩的に、思想や考え方が単純な人。ものごとを一面的に捉(とら)えて、なんでも単純化してしまう人。 例:「新聞が全て正しいと信じる単細胞」
・箪食壺漿(たんしこしょう) 《四熟》 竹製の器に盛った食物と、瓢(ひさご)や壺に入れた飲み物のこと。転じて、飲食物を携(たずさ)えて軍隊などを歓迎すること。 出典:「孟子−梁恵王・下」
・単糸線とならず(たんしせんとならず) 糸は縒(よ)り合わせなければ物にならないということで、人間は一人だけでは、生きてゆくことも、事を成し遂げることもできないということ。 類:●弧掌(こしょう)鳴らし難し●片手で錐は揉めぬ
・丹漆は文らず(たんしつはかざらず) 赤漆(あかうるし)の器はそのままでも十分美しい。元々美しさを持っている者は、それ以上飾り立てる必要などないということ。 出典:「孔子家語−好生」「吾聞丹漆不文、白玉不雕、何也、質有餘不受飾故也」 ★「丹漆」は、赤色の漆のこと。
・断じて敢行すれば鬼神もこれを避く(だんじてかんこうすればきじんもこれをさく)・行なえば〜 強く決心して断行すれば、鬼神も路を避け、なにものもそれを妨げ得ない。 類:●成敗は決断にあり●石に立つ矢のためしあり 出典:「史記−李斯伝」 秦の始皇帝が急死したとき、宦官の趙高(ちょうこう)が第二子の胡亥(こがい)に即位を決心させようとして言った言葉。
・男子の一言金鉄の如し(だんしのいちごんきんてつのごとし) 男が一旦口に出して言ったことは、金や鉄のように堅(かた)く揺るぎないものであって、絶対に破られることがあってはならないということ。 類:●武士の誓詞は金鉄の如し●金諾●武士の一言●武士に二言はない●My word is my bond. ★「金鉄」は、堅固でしっかりしている喩え。また、頑(かたく)なで非情な喩え。
・箪食瓢飲(たんしひょういん) 《四熟》 竹器に盛った飯と、瓢(ひさご)に入れた飲み物。簡素な飲食物のこと。また、貧しい生活に満足すること。 類:●一箪の食一瓢の飲 出典:「論語−雍也」「賢哉、回也。一箪食一瓢飲、在陋巷、人不堪其憂、、回也、不改其楽」
・男子三日会わざれば刮目して見よ(だんしみっかあわざればかつもくしてみよ) 「刮目」は、目を擦(こす)って良く見るということ。 1.男の子は三日も会わないでいると驚くほど成長しているものだという意味で、人の学業や仕事・人間性などがいかに向上したか、良く見なさいということ。 出典:三国志の『呉書』 ★呂蒙伝」呂蒙(りょもう)が魯粛に言った言葉。 参考:「呉下の阿蒙」 2.或いは、どのように成功・成就するかを注目して待ちなさいということ。 類:●刮目して待つ
・男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず) 七歳にもなれば男女の別を正しくすべきである。 出典:「礼記−内則」「七年男女、不同席、不共食」 ★「席」は、布団のことで、7歳になったら同じ布団で眠らせてはいけないということ。
・淡水の交わり(たんすいのまじわり)[=交情(こうじょう)」 君子同士の交友。淡泊でしかも変わることのない友情。 出典:「荘子・山水」
・箪笥の肥やし(たんすのこやし) 買ったはいいが、殆ど着ることもなく箪笥に仕舞い込まれている衣料。 ★箪笥の内容ばかりを充実させるもの、ということから。
・丹誠無二(たんせいむに) 《四熟》 他に類例のないほど、偽りのない誠実な心を込めて、ものごとを成し遂げようとすること。 類:●赤心無比
・丹精を凝らす(たんせいをこらす)[=尽くす] 真心を込めて、一つの事を行なう。一心に精を出す。 類:●丹精を致す●丹精を尽くす
・旦夕に迫る(たんせきにせまる) 今晩か、明朝かというほどに時機や危急が迫る。時に、臨終のときが迫っているときに使う。 類:●命(めい)旦夕に迫る
・?[ニンベン+澹-サンズイ]石の儲け(たんせきのもうけ)[=貯(たくわ)え] 「タン石」の「石」は中国古代の量目の単位、「タン」は二石。人が担(かつ)ぐことのできる程度の量のこと。僅(わず)かな穀物の蓄え。また、僅かな貯蓄。 出典:「漢書−揚雄伝」
・?[ニンベン+澹-サンズイ]石の禄(たんせきのろく) 僅(わず)かな給与。少しばかりの扶持(ふち)。
−−−−−−−たん(た)(#tan4)−−−−−−−
・胆大心小(たんだいしんしょう) 《四熟》 1.度胸は大きく持ち、注意は細かくすべきであること。2.文章を作るときには、大胆かつ細心であるべきこと。 反:■小胆大心 出典:「唐書−隠逸伝・孫思?」「胆欲大、心欲小」
・断腸の思い(だんちょうのおもい) 腸(はらわた)が千切れるほどの悲しさや辛さを味わうこと。 故事:「世説新語−黜免(ちゅつめん)」 中国、晋(しん)の武将桓温(かんおん)が舟で三峡を渡ったとき、従者が猿の子を捕らえて舟に乗せた。母猿が悲しい泣き声を立てながら岸沿いにどこまでも追ってきて、終(つい)に舟に跳び移ることができたが悶死した。その腹を割(さ)いてみると腸がずたずたであったという。
・単刀直入(たんとうちょくにゅう) 《四熟》 1.ただ一人で刀を執り、敵陣に斬り込むこと。2.転じて、前置きを抜きにして、直ちに要点に入ること。遠回しな表現をしないで、問題の核心を突くこと。 例:「単刀直入に聞く」 出典:「伝燈録」
・胆斗の如し(たんとのごとし) 「斗」は10升入る枡(ます)のこと。肝(きも)が非常に大きいこと。また、胆力が極めて大きいこと。肝っ玉が据わっていることの喩え。 類:●大胆
・断トツ(だんとつ) 俗語。 1.断然の一番である。競走などで、他を引き離した先頭である。 ★「断然トップ」の略語から。 ★「断トツ1位」という言い方は重複表現。 2.標準よりも飛び抜けて優れている。多くの者(物)の中で、際立って良い。 類:●飛び抜ける●ずば抜ける●図抜ける●並外れる●抜群である ★「断トツの最下位」という言い方も許容されている。
・段取り(だんどり) 1.芝居や小説などで、筋の運びや按配のこと。 ★もと歌舞伎の楽屋通言<国語大辞典(小)> 2.一般にものごとの手順。事を運ぶための順序。 例:「段取りを付ける」 3.事が巧く運ぶように、前もって手順を整えること。 類:●手筈●用意●工夫 用例:人情・閑情末摘花−四「お前承知なら、その段取にとりかからう」
−−−−−−−たん(な)(#tan5)−−−−−−−
・旦那を取る(だんなをとる) 芸者などが、自分の面倒を見てくれる男を持つ。パトロンを持つ。
・胆は大ならんことを欲し心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、しんはしょうならんことをほっす) 人は、胆力があり細心でありたいものである。度胸は大きく持ち、注意は細かくすべきであること。 類:●胆大小心 出典:「旧唐書−孫思?伝」
−−−−−−−たん(は)(#tan6)−−−−−−−
・貪夫は財に徇ず(たんぷはざいにじゅんず・どんふは〜) 貪欲な者は、財貨のためなら命をも棄(す)てるものである。 出典:「史記−伯夷列伝」「貪夫徇財、烈士徇名」 前漢の賈誼(かぎ)が伯夷(はくい)や叔斉(しゅくさい)を評して言った言葉。 参考:烈士は名に徇ず
・短兵急(たんぺいきゅう) 1.刀剣や手槍などの短い武器を持って、敵を急に攻めるという意味。息も吐(つ)かせず、いきなり攻撃を仕掛けること。2.転じて、突然ある行動を起こすこと。余裕なく、せっかちに事を行なうこと。 類:●出し抜け●いきなり 例:「短兵急な質問に面食らう」
・短兵急に(たんぺいきゅうに)[=直(ただ)ちに] 刀剣などを持って、いきなり敵に攻撃をしかける様子。 用例:太平記−一〇「敵三千余騎の真中に取籠て、短兵急に拉(とりひし)がんとす」
−−−−−−−たん(ま)(#tan7)−−−−−−−
・断末魔(だんまつま) 《仏教用語》 1.死に際。臨終(りんじゅう)。2.息を引き取るときの苦しみ。 用例:浄・曾根崎心中−道行「だんまつまの四苦八苦」 ★「末魔」は梵marmanの音訳。死節、死穴と訳す。体内に特殊な末摩と呼ばれる極小の部分があって、命の終わるときにはこれが分解して苦痛を生じ、死に至るという<国語大辞典(小)>
・たんまり 1.ゆったりとした様子。満足な様子。 用例:滑・浮世風呂−二「たんまりと湯へも這入れません」 2.十分に多いこと。たくさん。 類:●どっさり 用例:人情・春情花の朧夜−二「首尾よくいけば礼は沢山(タンマリ)」 例:「手間賃をたんまりせしめる」 ★寛政から文政・天保へかけての流行語という<国語大辞典(小)> 用例の出典:春情花の朧夜(しゅんじょうはなのおぼろよ) 人情本、艶本。吾妻雄兎子(吾妻男一丁・梅亭金鵞)。墨摺中本3冊。梅亭金鵞晩年の作で、人気は相当あったが、「真情春雨衣」に較べて文学的価値は低い、と言うのが一般的な評価。 参考:真情春雨衣(しんじょうはるさめぎぬ) 艶本。吾妻雄兎子。人情本風の墨摺3編9冊の中本。
−−−−−−−たん(ら)(#tan9)−−−−−−−
・短慮軽率(たんりょけいそつ) 《四熟》 考えが浅はかで、行動が軽はずみなこと。 類:●軽率短慮●軽挙妄動●軽佻粗暴●直情径行 反:■隠忍自重■深謀遠慮■思慮分別
−−−−−−−たん(を)(#tanwo)−−−−−−−
・胆を奪う(たんをうばう) 驚かせて意気を喪失させる。肝を潰(つぶ)させる。また、意気を喪失する。
・短を捨て長を取る(たんをすてちょうをとる) 短所を除いて、長所だけを参考として学び取る。欠点を捨てて美点を選び取る。是非や善悪を考えて、適当に取捨する。 類:●採長補短 出典:「漢書−芸文志」「舎短取長」
・暖を取る(だんをとる) 身体が暖かくなるようにする。身体を暖める。暖かくする。
・胆を練る(たんをねる) ものごとに動じないように胆力を養う。ものごとに恐れ驚かないように修養する。
・端を発する(たんをはっする) そのものごとから、また、そのものごとが原因で、始まる。起こる。 類:●糸口となる 例:「天城山系に端を発する狩野川」
・端を開く(たんをひらく) 「端」は、始まりの意味。新しいことが始まる原因を作る。新しくものごとを始めるきっかけを作る。
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