【ゆた】~【ゆを】

−−−−−−−ゆた(#yuta)−−−−−−−
油断大敵(ゆだんたいてき)
・油断は怪我の基
(ゆだんはけがのもと) 油断は、禍(わざわい)を齎(もたら)す原因である。

−−−−−−−ゆて(#yute)−−−−−−−
・茹蛸
(ゆでだこ・うでだこ) 1.茹でて赤くなった蛸。2.風呂に入ったり、酒を飲んだり、激怒したりして赤くなった顔をからかって指す。

−−−−−−−ゆの(#yuno)−−−−−−−
・湯の辞宜は水になる
(ゆのじぎはみずになる) 入浴を遠慮してお互いに譲り合えば、その間に折角(せっかく)沸(わ)かした湯が水になる。遠慮も時と場合によるべきであるということ。
・湯の山の道連れ(ゆのやまのみちづれ) 1.まともな者がいないことの喩え。2.誰もいないよりは、誰かしら道連れがあった方が良いということ。

−−−−−−−ゆひ(#yuhi)−−−−−−−
・指一本も差させない
(ゆびいっぽんもささせない) 他人の非難、干渉、嘲笑などは少しも許さない。また、そうならないように行動を慎(つつし)む。
・指折り
(ゆびおり) 1.指を曲げること。一つずつ指を折り曲げて数えること。 例:「指折り数えて待つ」 2.多くのものの中で、特に指を折って数えあげるほど優れていること。 類:●五指に入る屈指 例:「指折りの名人」
・指切り
(ゆびきり) 1.小指を切断すること。主として、遊女と客との間において、誓約の証(あかし)として、或いは心中の程を見せようとして、女が小指を切って男に贈ったことを指す。2.子供などが、お互いに約束を違(たが)えないことを誓うとき、小指と小指を絡み合わせてすること。 類:●拳万(げんまん) 例:「指切り拳万、嘘吐いたら針千本飲ます」 ★「拳万」は、拳骨(グー)で一万回殴るという意味。
・指にも足らず
(ゆびにもたらず) 極めて小さいものごと。また、手足は勿論のこと、指先で捻(ひね)り潰(つぶ)すほどの価値もないという意味で、価値が極めて低いこと。
・指を惜しみて掌を失う
(ゆびをおしみてたなごころをうしなう・てのひらを〜) 少しばかりの損を惜しんだばかりに、大損をすること。 類:●足を削って履に適せしむ本末転倒 出典:「侍児小名録」「惜指失掌、遂諷有司、以公事弾恢坐免」 南朝時代、宋の阿恢(あかい)には張燿華(ようか)という愛妓があった。権力者のゲン[言+元]佃夫(でんふ)が譲るように求めたが、承知しない。結局阿恢は、職務上の過失を弾劾されて、免職にされてしまった。 出典:侍児小名録(じじしょうめいろく?) ・・・調査中。
・指を折る
(ゆびをおる)[=屈(くっ)する] 1.指を一本ずつ曲げて、確認しながら物を数える。2.多くのものの中で、特に指を折り曲げて数え上げるほど優れている。 類:●五指に入る
・指を銜える
(ゆびをくわえる)・咥える 1.羨ましく思いながらも、傍観するだけで手出しができないでいる。空(むな)しく傍観する。また、なすことなく引き退がる。 例:「見す見す盗られるってのに指を銜えて見てられるか」 2.恥ずかしそうにする。決まり悪そうにする。
・指を差す
(ゆびをさす) 1.指でそれと指し示す。指示する。指点する。指差す。2.その人を指して嘲(あざけ)る。陰で悪口を言ったり非難したりする。 類:●後ろ指を差す 3.指で触れる。手を出す。手出しをする。関与する。
・指を絞る
(ゆびをしぼる) 血判・血書などのために、指に切り傷を付けて、血を絞り出す。
・指を染める
(ゆびをそめる) 物に指を触れる。転じて、初めて手を付ける。やり始める。 類:●着手する●手を染める手を付ける
・指を詰める
(ゆびをつめる) やくざなどが、詫びの印として、指の先端を切る。

−−−−−−−ゆみ(#yumi)−−−−−−−
・弓折れ矢尽きる
(ゆみおれやつきる) 戦いに散々に負けた状態。また、力尽きてどうにもしようがなくなった様子。 類:●刀折れ矢尽きる
・湯水のように使う
(ゆみずのようにつかう) 金銭を、あるに任せて無駄遣いすること。 類:●銭を用いること水の如し
・弓と弦
(ゆみとつる) 曲がっているものと真っ直ぐなもののこと。また、回り道と近道のこと。
・弓取る方(ゆみとるかた) 弓を持つ方(ほう)。左方や左手のこと。
・弓の弦を切る
(ゆみのつるをきる) 弓の弦を断ち切って、降服の意向を示す。
・弓は袋に太刀は鞘
(ゆみはふくろにたちはさや) 天下が穏やかで、武力を振るう必要がないこと。太平な世。
・弓は袋を出ださず
(ゆみはふくろをいださず) 天下が太平になって、弓の用がなくなる。 類:●
弓を弓袋にす
・弓も引き方
(ゆみもひきかた) 1.矢は、弓の引きようによって、的に当たったり外れたりするということ。2.また、自分に関係のある者を贔屓(ひいき)にすること。 類:●相撲も立つ方
・弓を鳴らす
(ゆみをならす) 悪霊、魔、汚(けが)れなどを退散させる呪(まじな)いとして、弓の弦を引いて鳴らす。 類:●鳴弦する●弦打ちをする
・弓を外す
(ゆみをはずす) 弓の弦を外す。戦闘や武装を解除する。
・弓を引く
(ゆみをひく) 1.悪霊、魔、汚(けが)れなどを退散させるために、弦の音を響かせる。2.弓に矢を番(つが)えている。3.手向かう。反抗する。敵対する。 類:●楯突く歯向かう 例:「主人に弓を引く」
・弓を弓袋にす
(ゆみをゆみぶくろにす) 天下が太平になって、兵器の用がなくなる。 類:●
弓は袋を出ださず

−−−−−−−ゆめ(#yume)−−−−−−−
・夢合う
(ゆめあう) 夢に見たことがその後の事実と符合する。夢が現実となる。 類:●正夢
・夢か現か
(ゆめかうつつか) 夢の中のことなのか現実に起こったことなのか、定かでない。意外な事態に驚き疑う気持ちを表わす。 例:「これは夢か現か幻か」
・夢が覚める
(ゆめがさめる) 1.眠りから覚めて夢が消える。2.心の迷いが消える。正常な精神状態に戻る。 類:●正気付く●目覚める
・夢通う
(ゆめかよう) 夢の中で往き来する。お互いに夢の中で行き来する。互いに夢に見合う。
・夢騒がし
(ゆめさわがし) 夢見が悪くて胸(むな)騒ぎがする。不吉な夢を見て心が落ち着かない。 類:●夢見騒がし
・夢になれ
(ゆめになれ) 目(ま)の当たりにしている災難が、現実でなく夢になれ、ということ。悪事や災難を払う呪(まじな)いの言葉。
・夢に牡丹餅
(ゆめにぼたもち) 夢ではないか、と思うほどの幸運に巡り合うことの喩え。都合が良いことばかりで、夢のようである。「夢に牡丹餅食べたよう」とも言う。 類:●夢に餅食う
・夢にも
(ゆめにも) あとに打消・禁止の語を伴って用いる。すこしも。つゆばかりも。いささかも。夢ほど。 用例:大和−御巫本附載「夢にも立ちしりぞかず」
・夢に夢見る
(ゆめにゆめみる) 夢の中で、また夢を見る。はっきりしないこと、儚(はかな)いことの喩え。
・夢の跡
(ゆめのあと) 1.夢からさめてなおその気分の残ること。夢の名残(なごり)。2.現実にあった事が少しの痕跡も残さないで消え去ったことのたとえ。 用例:
奥の細道「夏草や兵(つわもの)どもが夢の後」 用例の出典:奥の細道(おくのほそみち) 俳諧紀行文。1冊。松尾芭蕉。元禄7年(1694)以前に成立し、死後の元禄15年(1702)刊。元禄2年(1689)3月27日、門弟曾良(そら)を伴って江戸深川を出発、奥州、北陸の名所旧跡を巡り、同年9月6日伊勢に向うため大垣に到着するまでの紀行を記したもの。
・夢の浮橋
(ゆめのうきはし) 夢の中の危うい通い路。また単に、夢。転じて、儚いこと、また、世の中が儚くて渡り難(にく)いことを表わす言葉。 類:●
夢の通い路 用例:新古今−三八「春の夜の夢のうきはしとだえして」
・夢の中
(ゆめのうち) 眠っているうちに見る夢の中。転じて、極めて儚いこと、また、月日などが瞬(またた)くうちに過ぎていくこと。 類:●夢裏●夢中
・夢の通い路
(ゆめのかよいじ) 夢の中の道。また、夢の中で行き来すること。夢に見ること。
・夢の徴
(ゆめのしるし) 何かの前兆を夢で見ること。
・夢の手枕
(ゆめのたまくら) 夢の中で恋しい人がしてくれる手枕。また、仮寝(うたたね)の間に見る夢。極めて儚いことの喩え。
・夢の告げ
(ゆめのつげ) 夢の中に神仏が現れて、告げ知らせること。また、そのお告げ。
・夢の夢
(ゆめのゆめ) 夢の中で見る夢。極めて儚いこと。 類:●夢のまた夢●夢に夢見る●
夢の手枕
・夢の世
(ゆめのよ) 夢のように儚い世の中。
・夢ばかり
(ゆめばかり) 夢かと思われるほど。極めて少し。ほんの僅(わず)か。 用例:宇津保−菊の宴「などか今は、ゆめばかりの御返りもなき」
・夢は五臓の疲れ
(ゆめはごぞうのつかれ)[=心(しん)の疲れ][=煩(わずら)い] 夢を見るのは、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の疲れが原因であるということ。
・夢は逆夢
(ゆめはさかゆめ)[=逆実(さかまこと) 悪い夢を見たときに縁起直しにいう言葉。夢に見たことが現実に起きるとは限らないということ。また、夢とは往々にして逆夢で、実際には反対のことが起こるものだということ。
・夢枕に立つ
(ゆめまくらにたつ) 夢の中で、神仏や死んだ人が夢に出てくる。また、枕元に現れて、何かを告げ知らせる。
・努々
(ゆめゆめ) 1.努めて。精を出して。 用例:日本書紀−皇極四年六月(岩崎本平安中期訓)「努力努力(ユメユメ)、急須(あからさま)に斬る応し」 2.禁止の語句と共に用いる。決して〜するな。絶対〜するな。 用例:落窪−二「ゆめゆめけしき見え奉り給ふな」 
★副詞「ゆめ」を重ねて強めた語。「努努」「努力努力」などと書く。平安時代以降「夢」との混同が見られる<国語大辞典(小)>
・夢を合わす
(ゆめをあわす) 夢を考え合わせて吉凶を占う。夢を判断する。
・夢を買う
(ゆめをかう) 1.自分の身に幸運が巡り来るようにと、他人の見た吉夢を買い求める。2.富籤(とみくじ)や宝くじを買う。
・夢を託す(ゆめをたくす) 自分の希望を他人に委(ゆだ)ねて期待する。
・夢を違える
(ゆめをちがえる) 悪い夢を見たとき、それを忌(い)んで、呪(まじな)いや呪文を唱える。
・夢を取る
(ゆめをとる) 他人が見た幸運の夢を聞いて、自分に幸運を齎(もたら)すものとして譲り受ける。
・夢を見る
(ゆめをみる) 1.睡眠中に、夢を見る。2.夢のように儚い、または思い掛けないことに遭う。3.空想を描いて夢中になる。空想に耽(ふけ)る。4.未来について空想する。
・夢を結ぶ
(ゆめをむすぶ) 夢を見る。また、眠りに就く。

−−−−−−−ゆも(#yumo)−−−−−−−
・ゆ文字
(ゆもじ)[=湯文字] 「ゆ」の女房詞。 1.入浴のときに巻き付けた布帛(ふはく)。湯具。湯帷子(ゆかたびら=ゆかた)。湯巻。2.腰巻。湯巻。

−−−−−−−ゆや(#yuya)−−−−−−−
・踊躍歓喜(ゆやくかんぎ) 《四熟・仏教用語》 躍り上がって、大いに喜ぶこと。信仰を得た際の喜びの表現。 類:●狂喜乱舞欣喜雀躍 ★「ゆ」は「踊」の呉音。

−−−−−−−ゆゆ(#yuyu)−−−−−−−
・由々しい
(ゆゆしい) 触れると重大な結果を齎(もたら)すので、触れてはならないこと。憚(はばか)るべきであるものごと。 1.神聖であるから触れてはならない。恐れ慎むべきである。 類:●恐れ多い●恐ろしい 用例:古事記−下・歌謡「由由斯伎(ユユシキ)かも白檮原童女(かしはらをとめ)」  2.穢(けが)れているので忌み避けねばならない。心配すべきことである。 類:●不吉である●縁起が悪い 用例:万葉−2893「忌忌久(ゆゆしク)も吾は嘆きつるかも」 3. 嫌な感じである。忌々(いまいま)しい。 類:●疎(うと)ましい 用例:落窪−二「翁の文見む事のゆゆしうて」  4.気掛かりである。心配である。 用例:蜻蛉−中「ゆゆしとおもふ人も、ただひとりいでたり、胸うちつぶれてぞ、あさましき」 5.そのままにしておくととんでもない結果を招(まね)き兼ねない。程度が甚(はなは)だしい。一通りでない。大変である。 類:●容易ならぬ 例:「由々しき問題」 用例:宇津保−祭の使「ゆゆしき物羨みをのみもとなん」 6.不吉に感じるほど優れている。怖いくらい美しい。非凡である。素晴らしい。立派である。 
★「ゆ(斎)」を重ねたものの形容詞化<国語大辞典(小)>

−−−−−−−ゆを(#yuwo)−−−−−−−
・湯を引く
(ゆをひく) 湯浴みをする。入浴する。
・湯を立てる
(ゆをたてる) 風呂を沸かす。また、湯立てするという意味から、巫女(みこ)が神前で、自分の体に笹の葉で熱湯を振り掛けて祈ることを指す。
・湯を沸かして水に入る(ゆをわかしてみずにいる)[=する・なす] 折角(せっかく)の苦労を無駄にする。

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