油断大敵(ゆだんたいてき)

ことわざの意味
油断は失敗の原因であるから、何よりも恐ろしい敵であるということ。

ことわざの由来

油断(ゆだん)は、「北本涅槃経-二二」にある「王勅一臣、持一油鉢経由中過、莫令傾覆、若棄一当断汝命」からできた語とも、「寛(ゆた)に」からともという<国語大辞典(小学館)>

故事:「北本涅槃経-二二」 昔、ある王が家臣に油鉢を持たせて宮殿の中を歩かせ、一滴でも零(こぼ)せば命を絶つと命じて、抜刀した者を後ろから付いてゆかせた。

出典について

大般涅槃経(だいはつねはんぎょう) 1.原始仏教の経典。釈迦の晩年から死没前後までを伝記的に述べながら、仏教の基本的な立場を明らかにする。パーリ語の原典のほか、諸種の漢訳などがある。 2.大乗仏教の経典。北本涅槃経と南本涅槃経とがある。北本は40巻で、「北大涅槃経」・「大本涅槃」とも呼ばれる。北涼の曇無讖訳。真理そのものとしての仏は永遠であり、生きとし生けるものには全て仏の本性が備わっていると説く。一方、南本は36巻で、劉宋の慧観・慧厳・謝霊運が(1.)の漢訳のうち、東晋の法顕訳の大般泥経を参照して、北本を再治したもの。