【たか】~【たそ】

−−−−−−−たか(#taka)−−−−−−−
・高い木には風が当たる
(たかいきにはかぜがあたる) 高い木は風が強く当たるので枝や幹が折れ易い。同様に、地位や名声が高い者は、他人から妬(ねた)まれ易いので、困難に遭いがちだということ。 類:●高い木は風が枝を折る●喬木風に折らる●高木風に倒る●出る杭は打たれる
・互いずく
(たがいずく) お互いに相談の上ですること。お互いに納得した上で行なう。 類:●納得ずく●相対ずく 用例:浄・傾城島原蛙合戦−二「此里の遊興は互づくと了簡してくれたるに」
・他界する
(たかいする) 死後の世界へ行く。死ぬ。 例:「妻が他界して5年が経つ」
・高が知れる(たかがしれる)[=つむ] 程度や限度が分かるという意味で、精々頑張ったところで行き付くところは知れている。大したことはない。 例:「彼の作品など高が知れている」
・箍が弛む
(たががゆるむ) 年を取って鈍(にぶ)くなる。また、緊張が弛んで締まりがなくなる。
・高きに登るには卑きよりす(たかきにのぼるにはひくきよりす)[=低きよりす] 高いところに登るには、まず低いところから始める。なにごとも、手近なところやできることから始め、順序立てて堅実に進むべきであるということ。ものごとは一足飛びにできるものではないということ。 類:●遠きに行くに必ず邇きよりす●千里の道も一歩から 出典:「礼記中庸」「君子之道、辟如行遠必自邇、辟如登高必自卑
・高く止まる
(たかくとまる)[=高(たこ)う〜] 気位(きぐらい)が高くて他人を見下すような態度を取る。気安く交わらないで取り澄ましている。 類:●お高くとまる●乙に澄ます●尊大に構える
・高腰を掛く
(たかごしをかく) 威張って腰を掛ける。傲慢な態度で腰掛ける。尊大に構えている。
・鷹匠の子は鳩を馴らす
(たかじょうのこははとをならす) 1.親の仕事はいつの間にか自然に子供が覚えるものだということ。 類:●門前の小僧習わぬ経を読む 2.子供は親の思う通りにはならないということ。
・高々
(たかだか) 十分に見積もっても、大した量(数)ではない。どう見ても〜程度だ。 類:●せいぜい●
高が知れる 用例:滑・浮世風呂−四「これをおめへに買云(かへてっ)たら、高々三文だらう」 例:「高々50人の兵で大軍に当たる」
・高手小手
(たかてこて) 《四熟》 「小手」は、手首から肘(ひじ)までのこと。両手を背の後ろに回し、首から肘(ひじ)、手首にかけて厳重に縛り上げること。
・高飛び
(たかとび)・高跳び 1.空中高く飛ぶこと。高く飛び上がること。2.犯罪を犯した者が、遠方に逃げ去ること。特に、国外などに逃げるときに使う。 類:●とんずらずらかる遠走高飛 例:「北海道に高飛びする」 3.陸上競技の1つ。走り高跳びと棒高跳びの併称。
・高嶺の月
(たかねのつき) 功成り名遂げて、心中に少しも思い残すことがないこと。
・高嶺の花
(たかねのはな) 見えてはいるが手の届かないもの。遠くから眺めるだけで、手に取って自分のものにすることができないもの。主に、身分違いの思い人(女性)などを指す。 例:「所詮彼女は高嶺の花」
・鷹は飢えても穂を摘まず(たかはうえてもほをつまず)[=死すとも〜] 節義を守る者はどんなに困っても不正の財を貪(むさぼ)らないということの喩え。高潔な人はどんなに窮しても節を曲げないということの喩え。 用例:伎・幼稚子敵討「コリヤやい、鷹は飢ゑても穂はつまず、渇しても盗泉の水は食はずといふに、人でなしと言はうか」 類:●渇すれども盗泉の水を飲まず武士は食わねど高楊枝
・高飛車
(たかびしゃ・たかひしゃ) 1.将棋で、浮き飛車のこと。飛車を定位置から二間または三間前に進めて攻勢をとる形。2.相手に対して高圧的であること。 類:●頭ごなし 例:「高飛車な態度に出る」
・鷹骨折る
(たかほねおる) 鷹が骨折って捕った獲物も、主人に取り上げられて鷹の口に入らないところから、徒(いたずら)に労ばかり多いこと。 類:●鷹骨(たかぼね)●犬骨折って鷹の餌食
・高みの見物
(たかみのけんぶつ)[=で〜] 事件のなりゆきを、直接関係しない安全な立場で、興味本位に眺めること。第三者として傍観すること。 類:●対岸の火事●川向こうの火事
・鷹も朋輩
(たかもほうばい) 狩猟用の犬と鷹とは、受ける待遇は違っていても、同じ主人を持つ仲間であるということから、役目や地位に違いがあっても、同じ主人を持てば同僚に変わりはないということ。 類:●犬も朋輩鷹も朋輩
・耕さずして獲んとす
(たがやさずしてえんとす) 努力もしないで、幸福を得ようとすることをいう。 出典:「易経」「世未有不耕而穫
宝の持ち腐れ
(たからのもちぐされ)
・高を括る
(たかをくくる) 1.その程度だろうと予測する。行き付く結果を安易に予想する。 類:●当て込む 例:「50個くらいは売れると高を括る」 2.高が知れていると見縊(くび)る。大したことはないと侮(あなど)る。 類:●見縊(みくび)る 例:「どうせたいした選手じゃないと高を括っていた」 ★「高で括る」とも<広辞苑第四版(岩)>
・箍を外す
(たがをはずす) 規律や束縛から抜け出る。しまりをなくす。 例:「箍を外しての大騒ぎ」 類:●羽目を外す 
反:■箍を締める

−−−−−−−たき(#taki)−−−−−−−
・抱き合わせ
(だきあわせ) 1.抱き合うようにすること。二つのものを組み合わせること。2.商売で、良く売れる商品とあまり売れない商品とを組み合わせて売ること。また、その物。 類:●抱き合わせ販売 例:「ExcelにWordを抱き合わせて売る」
・抱き入れる
(だきいれる) 1.抱いて入れる。抱(かか)えて入れる。2.仲間に引き入れる。巧く味方にする。 類:●
抱き込む 用例:俳・延享廿歌仙−六「かなわぬ恋に神を抱入れ」 用例の出典:延享廿歌仙(えんきょうにじゅっかせん) ・・・調査中。
・薪尽く(たきぎつく) 1.仏教用語。釈迦の入滅のこと。 用例:源氏−若菜上「御弟子のさかしき聖だに〈略〉猶たき木つきける夜の惑ひは深かりけるを」 2.転じて、人が死ぬこと指す。 類:●薪尽火滅 用例:源氏−御法「限りとてたききつきなんことの悲しさ」 出典:「法華経−序品」「仏此夜滅度如薪尽火滅」
・薪に油を添える(たきぎにあぶらをそえる) 勢いがあるものに、より一層勢いを加えること。 類:●火に油を注ぐ
・薪に花(たきぎにはな) 粗野で卑(いや)しい姿の中にも、床(ゆか)しい風情が篭もっていること。
・薪を抱きて火を救う
(たきぎをいだきてひをすくう)・薪を負うて火事場に赴く・薪を負うて火中に入る 害を除こうとしたのに、却(かえ)って害を助長してしまうこと。 類:●石を抱きて淵に入る 出典:「戦国策−魏策」
・抱き込む
(だきこむ) 1.腕の中にかかえるようにして抱く。2.仲間に引き込む。味方にする。 類:●
抱き入れる 例:「人事部長を抱き込む」 3.巻き添えにする。 用例:伎・勧善懲悪覗機関「どいつもこいつも抱き込んで皆んな泣面(ほえづら)を見せてやるぞ」
・焚き付ける
(たきつける) 1.火を点(つ)けて燃やし始める。特に、竈(かまど)の火を点ける。 用例:滑・浮世床−初「直に焚付(タキツケ)て茶漬を食せたり」 2.相手の感情を刺激して、ある行動に駆り立てる。煽(おだ)てたりして嗾(けしか)ける。 類:●藁を焚く●唆(そそのか)す 用例:浮・
男色十寸鏡−下「さては此若衆、そなたに心よせあるにやなど、焼(タキ)つけそやしければ」 用例の出典:男色十寸鏡(なんしょくますかがみ) 浮世草紙。貞享4年(1687)。男色の啓蒙書。・・・詳細調査中。
多岐亡羊
(たきぼうよう)
・惰気満々
(だきまんまん) 《四熟》 だらけた気分が満ち満ちている様子。惰気が一杯で締まりがない様子。 
反:■やる気満々

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・沢庵の重石に茶袋(たくあんのおもしにちゃぶくろ) 少しも効き目がないことの喩え。 類:●糠に釘豆腐に鎹暖簾に腕押し
・沢山
(たくさん) 1.数量的に多いこと。多数、多量。 用例:平家−八「宿々に十石づつの米ををかる。たくさんなるによって、施行にひきけるとぞ聞えし」 2.十分なこと。また、十分でそれ以上は要(い)らない状態。 類:●結構●お腹一杯 用例:洒・道中粋語録「十七八もくへば沢山だもし」 例:「お前の自慢話はもう沢山だ」 3.必要以上に多過ぎること。転じて、大事にしないこと。蔑(ないがし)ろ。ぞんざい。 用例:浮・日本新永代蔵−一「藁一すぢにても、沢山にすべき事にあらず」 用例の出典①:軽井茶話道中粋語録(かるいさわどうちゅうすごろく) 洒落本。山手馬鹿人(大田南畝)。安永9年(1780)。軽井沢の宿場遊女を題材にしたもの。 用例の出典②:日本新永代蔵(にっぽんしんえいたいぐら) 浮世草子。鳳条(北条)団水。正徳3年(1713)。6巻。団水の遺稿集で代表作。目録に暖簾を描く形態やその文句、内容まで、悉くに西鶴の『日本永代蔵』の模倣がみられるが、西鶴作品に比べると教訓的言辞がかなり多い。「今世長者鑑」。
・多口の阿師
(たくのあし) お喋りな坊さん。 出典:「碧巖録−第五十則・雲門塵塵三昧」「鉢裏飯桶裏水、多口阿師難下觜」
・逞しくする
(たくましくする)・逞しゅうする 1.他人から制約を受けることなく、思うままに行なう。 類:●縦(ほしいまま)にする 2.盛んな勢いでする。 例:「想像をたくましゅうする」 用例:太平記−二六「奇麗の壮観を逞(タクマシ)くせり」

−−−−−−−たけ(#take)−−−−−−−
多芸は無芸
(たげいはむげい)
・酣
(たけなわ)・闌 1.催事・行為・季節などが最も盛んな時。また、それらしくなっている状態。 類:●真っ最中●真っ盛り●ピーク 用例:書紀−神武即位前(北野本訓)「酒酣(タケナハ)の後に、吾は則ち、起きて歌はむ」 例:「宴もたけなわとなりました」 2.やや盛りを過ぎて、衰えかけている時。 例:「齢(よわい)たけなわなり」 ★「たける(長)」と同源<国語大辞典(小)>
・竹に油
(たけにあぶら)・竹に油を塗(ぬ)る 1.元々滑(すべ)りが良い竹に油を塗れば、一層良く滑るということで、口が達者である喩え。ぺらぺらとよく喋る様子。 類:●立て板に水海鼠の油揚げを食う 2.若竹に油を塗ると艶々(つやつや)と美しいところから、若々しく色艶が美しい喩え。
・竹に雀
(たけにすずめ) 1.取り合わせが良い二つのもの。 類:●
竹に虎●松に鶴●梅に鶯●卯の花と時鳥●桐に鳳凰●柳に燕●紅葉に鹿●牡丹に蝶●牡丹に唐獅子 2.家紋の一つ。
・竹に虎(たけにとら) 取り合わせが良い二つのもの。 類:●
竹に雀●松に鶴●梅に鶯●卯の花と時鳥●桐に鳳凰●柳に燕●紅葉に鹿●牡丹に蝶●牡丹に唐獅子
・竹の編戸
(たけのあみど)[=戸・扉(とぼそ) 細い竹を編んで作った戸のことで、貧しい家の喩え。
・筍医者(たけのこいしゃ) 下手な医者を藪医者というが、それにも至らない、技術が下手で未熟な若い医者のこと。藪医者よりも劣る医者のこと。
・筍生活
(たけのこせいかつ) 筍の皮を一枚ずつ剥ぐように、衣類やその他の持ち物を少しずつ売って生活費に当て、どうにか食い繋(つな)いでいるような暮らし。 
★特に、第二次世界大戦直後の窮乏生活の状態をいう<国語大辞典(小)>
・筍の親勝り
(たけのこのおやまさり) 筍は生長が目覚ましく、忽(たちま)ち親竹と同じほどの高さになることから、子供が親よりも優れていることのたとえ。
・竹の園(たけのその) 1.竹が生えている園。竹藪。2.皇族を指して言う言葉。 類:●竹の園生●竹園(ちくえん) 
故事:西京雑記」 中国、漢の時代、梁の文帝の子、孝王の庭園に竹を多く植え、修竹苑(竹園)と名付けた。
・竹の葉
(たけのは) 中国で、酒の異称を竹葉(ちくよう)というところから、訓読みして、酒のこと。
・竹の二股
(たけのふたまた) 二股に分かれた竹は滅多にないところから、滅多にないこと、殆どないことの喩え。
・竹の緑
(たけのみどり) 1.竹の葉の緑色。2.色が変わらないこと。長く変わらないものの喩え。
・竹八月に木六月(たけはちがつにきろくがつ) 木は陰暦6月に、竹は9月に切るのが最もよく、塀は10月に塗ると長持ちする、ということ。 類:●木六竹八塀十郎
・竹光
(たけみつ) 1.竹を削って作った刀身を取り付け、刀のように見せ掛けたもの。江戸時代、武家の下僕や折助(おりすけ)などが刀代わりに腰に差していた。 類:●竹刀(たけがたな) 2.切れ味の鈍い刀を嘲(あざけ)って言った言葉。 類:●鈍刀(なまくらがたな) 3.尺八(しゃくはち)の異称。 ★古来刀工の名に吉光、国光、兼光などと「光」の字が多いところからの造語<国語大辞典(小)>
竹屋の火事
(たけやのかじ)
竹薮に矢を射る
(たけやぶにやをいる)
・竹を割ったよう
(たけをわったよう) 1.竹を縦に割ると、真っ直ぐに割れるところから、人の性質がさっぱりしていて、蟠(わだかま)りがないこと。 類:●唐竹を割ったよう 2.素直で、悪いことができない性格。気性に陰険さや曲がったところがないこと。 類:●真実一路一意直到

−−−−−−−たこ(#kako)−−−−−−−
・多幸多福
(たこうたふく) 《四熟》 幸福が一杯という意味で、この上なく幸せな状態。
・胼胝が入る(たこがはいる) 1.胼胝ができるという意味で、長く座っていて足の感覚がなくなること。2.同じことを繰り返し聞かされて興味が薄れてしまうこと。 類:●耳に胼胝ができる
・他国三界(たこくさんがい) 《四熟》 余所(よそ)の国の遠く離れたところ。
・胼胝擦れのする
(たこずれのする) 1.皮膚に胼胝ができるほど繰り返し行って、ある事柄に精通すること。2.一般には、ものごとなどに慣れ過ぎて悪擦れしていることを指す。
・蛸に骨無し水母に目無し(たこにほねなしくらげにめなし)[=蚯蚓(みみず)に目なし] 蛸に骨が無いのは誰もが知っていることだということから、言うまでもない当然のこと。分かり切ったこと。 類:●犬が西向きゃ尾は東
・蛸の糞で頭へ上がる
(たこのくそであたまへあがる) 蛸の糞は頭にあるという俗説から、自分は思い上がって得意顔でいるが、他人からは卑(いや)しめられていること。
・蛸の共食い(たこのともぐい) 同類のものが互いに食い合うことの喩え。
・蛸配当
(たこはいとう) 蛸は空腹のとき自分の脚を食うという俗信から、配当するだけの利益を上げていない会社が、架空の利益を計上して資産から不当に株主へ配当すること。自滅行為のようであることから言う。 類:●蛸配

−−−−−−−たさ(#tasa)−−−−−−−
他山の石
(たざんのいし)

−−−−−−−たし(#tasi)−−−−−−−
・出し遅れる
(だしおくれる) 1.物を出すのにちょうどよい機会をのがす。出すきっかけに遅れる。 用例:滑・
浮世床−初「出(ダ)しおくれたる誤証文」 2.言い出すのをためらう。言いそびれる。 用例:浮・好色一代男−六「出しおくれてゐる中に、吉田方より申し出して」 用例の出典:浮世床(うきよどこ) 江戸時代後期の滑稽本。2編5冊。式亭三馬。歌川国直画。文化10年(1813)〜11年刊。社交場としての髪結床に集まる江戸庶民の会話を中心として活写したもの。三馬死後の文政6年(1823)、滝亭鯉丈(りゅうていりじょう)が、渓斎英泉画で第3編3冊を発表。
・出し惜しむ
(だしおしむ)・出し惜しみする 出すことを惜しむ。けちで、なかなか物を出さないこと。
・多士済々(たしせいせい・さいさい) 《四熟》 「済々」は多くて盛んなこと。優れた人が大勢いること。 例:「多士済々の教授陣」
・たじたじ 1.
足元が定まらないでよろめいて歩く様子。 類:●よろよろ 用例:浄・神霊矢口渡−三「深手に弱る足たぢたぢ」 2.困難に直面したり、相手に威圧されたりして尻込みする様子。挫(くじ)けて怯(ひる)む様子。 例:「相手の威勢にたじたじとなる」
・多事多端
(たじたたん) 《四熟》 仕事や処理すべき事が多く、忙しいこと。 類:●多事多忙 ★「端」は物事の始めの意で、「多端」は仕事が多く忙しいさまをいう<新明解四字熟語辞典(三)>
・多事多難
(たじたなん) 《四熟》 事件や困難、また災難が多く起こること。 類:●多事多患 反:■平穏無事
・他事ない
(たじない) 1.一つのことに熱中して他のことを顧(かえり)みない。 類:●余念がない 用例:
宇治拾遺−一二・一「ただ囲碁を打ほかは他事なし」 2.親しい。打ち解けている。 類:●隔意ない 用例:浄・頼光跡目論−二「たじなき体に見へけれども」 用例の出典①:宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり) 鎌倉初期の説話集。15巻。作者不明。建保年間の成立という。貴族説話、仏教説話、民間説話など約200編を収める。中世初期の人々の生活感情をよく伝える。文体は当時の口語を含む和文。 用例の出典②:頼光跡目論(らいこうあとめろん) 金平浄瑠璃(金平=頼光四天王のひとり坂田金時の息子)。岡清兵衛。寛文3年(1663)頃か。重病の将軍源頼光(よりみつ)の跡目相続を議論の末次男としたが、これを不服とする長男が叛逆するので、頼光が四天王をして長男を討(う)たせる。
・他事ながら
(たじながら) あなたには関係ないことですが、の意味。手紙で、自分のことを述べるときに用いる。 例:「他事ながら御安心ください」
・出汁に使う
(だしにつかう)[=する] 出し汁として用いるという意味から、自分の目的を果たすための方便・方法として他人を利用すること。 類:●口実にする
・出し抜く(だしぬく) 1.他人の隙(すき)に乗(じょう)じたり、騙(だま)したりして、自分だけが先に利益を納(おさ)める。 類:●鼻毛を抜く裏をかく 例:「警察を出し抜く」 2.約束を破って無断で先にものごとをする。 用例:金刀比羅保元−中「義朝はだしぬきけるよな」 例:「みんなを出し抜いて結婚する」
・蛇首を見て長短を知る
(だしゅをみてちょうたんをしる) 蛇の長さを知るのに、その頭がどのくらいの高さまで上がるかを見て推(お)し量(はか)る。ものごとの一部を見て、その全体を推察することの喩え。 類:●一斑を見て全豹を卜す●You may know the lion by its claw.(爪によってライオンであることを知る) 出典:「淮南子−氾論訓」「故尺、而脩短也」
・多情多恨
(たじょうたこん) 《四熟》 1.愛情が深まれば、またそれだけ後悔や恨み心も深いという意味で、ものごとに敏感に反応する移り気な者は、また、自ずから恨みの心情も多いということ。 2.
小説。尾崎紅葉。→「多情多恨
・多生の縁
(たしょうのえん) 多くの生を経る間に結ばれた因縁。前世からの縁。 例:「袖振り合うも多生の縁」 
★誤りではあるが、「他生の縁」とも書く。
・たじろぐ 
たじたじ」の「たじ」と同源。 1.ある水準から後退したり、衰えたりする。衰微して駄目になる。劣る。 用例:宇津保−俊蔭「ふみの道はすこしたちろくとも」 2.衰えて傾く。また、多く打ち消しの形で、重い物あるいは固い物が少し動くことをもいう。 用例:月詣−七「風ふかばかかるまがきもたしろきて」 3.前から押されたり、自ら動謡したりして、後退したり、よろめいたりする。また、困難や予期しないことにぶつかって困惑する。 類:●怯(ひる)む 例:「相手の勢いにたじろぐ」 用例:幸若本能寺「散々に討退け、嗷(タジロク)処について出」 ★室町時代ごろまで「たじろく・たぢろく」<国語大辞典(小)> 参考:幸若舞(こうわかまい) 大成者と伝えられる桃井直詮(もものいなおあきら)の幼名幸若丸から付けられた。室町中期から末期にかけて流行した簡単な動作を伴う語り物。単に「舞(まい)」ともいい、その詞章を集めたものを「舞の本」、演者を「舞(まい)まい」という。軍記物語に題材をとり、戦国時代の武将に愛好された。曲舞(くせまい)の系統に属する。現在は、僅かに福岡県山門郡瀬高町大江に残る。役柄や扮装はなく、三人の語り手が烏帽子、素襖(すおう)、長裃(ながかみしも)姿で小鼓を伴奏に演じる。「幸若」。 用例の出典:本能寺(ほんのうじ) 幸若。・・・調査中。

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・襷掛け
(たすきがけ) 1.和服の袖をたくし上げるため襷紐を十字に掛けてきびきび働くこと。その姿。 類:●裾を肩に結ぶ 2.紐や縄で物を束ねるとき、斜め十文字に打ち違えること。また、模様が斜め十文字になっていること。3.相撲の決まり手の一つ。相手の腋の下に首を差し入れ、反対の手で相手の足を内側から取り、腰を伸ばしながら後ろに反り落とす技。4.幼児の髪置きの祝いに用いる麻糸の称。開いた扇の柄に麻を長く下げ、色の付いた水引で髪に結び付ける。
・助け船を出す(たすけぶねをだす) 困っているときに助力すること。また、その人やものごとを提供すること。
・出すことは舌を出すも嫌い(だすことはしたをだすもきらい) 非常にけちなこと、ひどく出し惜しみすることの喩え。 類:●けち

−−−−−−−たせ(#tase)−−−−−−−
多勢に無勢
(たぜいにぶぜい)

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・黄昏れる
(たそがれる) 1.夕暮れになる。暮れ方になる。 用例:雑俳・柳多留−八「通町ごふく店からたそかれる」 2.比喩的に、人生などの最盛期を過ぎる。没落する。3.(俗語) 人が、うらぶれたような様子になる。元気のない様子になる。また、物思いに耽(ふけ)る。 類:●(俗語)斜が掛かる
蛇足
(だそく)

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