【たた】〜【たの】

−−−−−−−たた(#tata)−−−−−−−
・叩き込む
(たたきこむ) 1.打って中へ入れる。打ち込む。 例:「ホームランを叩き込む」 2.乱暴に投げ込む。打(ぶ)ち込む。 例:「牢屋に叩き込む」 3.時間を掛けて技などを修得する。修行を積む。 用例:洒・箱まくら−中「市村さんもたたきこんであるさかい〈略〉目が高い」 4.覚え込ませる。よく飲み込ませる。 例:「頭に叩き込んでおけ」
・叩き出す(たたきだす) 1.叩くことを始める。打ち始める。2.叩いて外に出す。また、乱暴に追い出す。 用例:浄・女殺油地獄−中「たたき出して此方へ越さっしゃれ」 3.金属を叩いて、模様などを浮き出させる。
・叩き付ける
(たたきつける) 1.激しく投げ付ける。また、ぶつけるように強く叩く。転じて、徹底的に遣っ付ける。 類:●叩き伏せる 用例:浄・嫗山姥−四「呻哮る喉笛を二つ三つたたき付」 2.自分の考えを無理に押し付ける。高圧的に従わせる。 用例:浄・曾根崎心中「私合点致さぬを、老母をたらしたたきつけ」 3.激しい勢いで、ものを差し出す。また、憤然として相手にものを言う。 例:「辞表を叩き付ける」 4.幼児の背中を軽く叩いて寝かし付ける。 用例:伎・東海道四谷怪談−二幕「蚊帳の内へ入り、赤児をたたきつけてゐる」 5.仕事などを手早く片付ける。 用例:雑俳・川柳評万句合「松過ぎの駕一ち日にたたきつけ」
・叩き直す
(たたきなおす) 1.曲がったものを叩いて真っ直ぐに戻す。2.比喩的に、悪い性行、気持ちなどを正しく直す。邪悪に捻じ曲がった心を正しくする。 例:「腐った性根を叩き直してやる」 用例:浄・
心中刃は氷の朔日−上「皆人の地金をへらす焼釘は、たたきなをいて」 用例の出典:心中刃は氷の朔日(しんじゅうやいばはこおりのついたち) 浄瑠璃。世話物。3段。近松門左衛門。宝永六年(1709)大坂竹本座初演。大坂北野の藍(あい)畑で、鍛冶屋平兵衛と曾根崎新地平野屋の小かんが心中した事件を脚色したもの。
・叩きのめす
(たたきのめす) 1.徹底的に叩く。激しく叩いたり蹴ったりして、起き上がれないようにする。 用例:滑・浮世風呂−四「たたきのめしてやらう」 2.強い言葉などで責め立てて、意気をすっかり失わせる。 例:「彼女の言葉で叩きのめされた」
・叩けば埃が出る
(たたけばほこりがでる)[=立つ] 表面上は正しく見えていても、細かく詮索すれば、欠点や弱点が見付かる。 類:●垢(あか)は擦るほど出る
・叩けよさらば開かれん
(たたけよさらばひらかれん) 1.イエス・キリストの言葉。ひたすら神に祈り、救いを求めれば、神は必ず応えてくださる。 出典:「新約聖書−マタイ福音書7章」 2.転じて、一般的に、迷わずに、積極的に努力すれば自ずと道は開けるということを勧める教訓。
・只ならず
(ただならず)・只ならぬ 普通のことではない。只事ではない。 1.普通ではない。様子が曰(いわ)くありげである。様子ありげである。 用例:源氏−葵「かかる御有様を聞き給ひても、ただならず」 2.普通よりも優れている。並外れて秀でている。 用例:徒然草−二四「ものふりたる森のけしきもただならぬに」 3.身体の様子がいつもとは異なっているということで、妊娠している。 例:「ただならぬ身」 用例:宇津保−俊蔭「彼の女君ゆめのごとありしに、ただならずなりにけり」
・只の鼠でない
(ただのねずみではない) 普通の鼠ではないという意味で、油断のならない者だ。一癖ある奴だ。尋常の人物ではない。
・只の人
(ただのひと) 1.並みの人。常の人。 類:●常人 
★古くは、公卿殿上人など高貴な人でない者をさす<国語大辞典(小)> 2.専門家に対して、一般の人。3.僧侶に対して、俗人。
多々益々弁ず
(たたますますべんず)[=善(よ)し]
・畳み掛ける
(たたみかける) あることを続けざまに行なう。相手に余裕を与えず、矢継ぎ早に働きかける。 用例:評判・色道大鏡−四「たたみかけくぜつしかくるきゃくあらば」 例:「攻撃を畳み掛ける」
・畳水練(たたみすいれん) 畳の上で水泳の練習をするように、方法や理屈は知っているが、実地での練習をしないため、実際の役に立たないこと。 類:●畳の上の水練机上の空論
・畳の上で死ぬ
(たたみのうえでしぬ) 外にいて起こる事故死や変死などではなく、自分の家の中で変わったこともなく平穏に死ぬような、ごく普通の死に方をすること。主に、否定の形で「畳の上で死ねない」と使う。
畳の上の水練(たたみのうえのすいれん)
・畳の塵を毟る
(たたみのちりをむしる)[=縁(へり)を〜][=捻(ひね)る] 1.手持ち無沙汰で退屈な有様。 類:●
畳の目を読む 2.恥ずかしがっている様子。
・畳の目を読む
(たたみのめをよむ) することがなく、畳の編み目の数でも数えているより仕方がないという意味で、手持ち無沙汰で退屈している状態のこと。また、黙って俯(うつむ)き恥ずかしがっている場合にも用いる。 類:●
畳の塵を毟る畳の縁を毟る
・只より高いものはない(ただよりたかいものはない) 1.只で物を呉れるときは、往々にして条件が付いてくるものであり、その条件が難しいものだったりして、却(かえ)って高く付くものだということ。 類:●馳走終わらば油断すな 2.只で物を貰ったのが元で、禍(わざわい)を被(こうむ)ること。
・踏鞴を踏む
(たたらをふむ) 「踏鞴」は、足で踏んで風を送る大形の鞴
?(ふいご)のこと。勢いよく突いたり打ったりして的が外れ、力が余って、空足を踏むこと。勢い余って数歩先へ歩いてしまうこと。
・駄々を捏ねる
(だだをこねる)[=言う] 幼児などが、自分の望みが叶わないとき、親などに甘えて我が儘(まま)を言う。むずかって身体をくねらせる。拗(す)ねる。 類:●駄々を踏む●駄々を言う 
★「駄々」は当て字<大辞林(三)> ★「駄々」は、「じだたら(地蹈?)」が変化して「じだだ」「じだんだ」となり、それのさらに変化した語という<国語大辞典(小)>

−−−−−−−たち(#tati)−−−−−−−
・立ち居の人(たちいのひと) 周囲の大勢の人たち。 用例:虎明本狂言・
鱸庖丁「立居の人に笑はれ給ふな」 用例の出典:鱸庖丁(すずきぼうちょう・すすきぼうちょう) 狂言。各流。鯉を買うことを忘れ、獺(かわうそ)に食べられたと嘘を吐(つ)く甥(おい)への仕返しに、伯父は鱸をご馳走すると言ってその料理法を長々と語った後、鱸は北条(庖丁)という虫が食べたと言う。
・立ち居振舞い
(たちいふるまい) 立ったり座ったりするような日常の動作での身のこなし。身体の動かし方。挙動。 類:●起居動作●立ち振る舞い
・立ち入る
(たちいる) 1.その中へ入る。 用例:平家−灌頂「建礼門院は、東山の麓、吉田の辺なる所にぞ立ちいらせ給ひける」 2.深く関わり合う。ある事に関係する。携(たずさ)わる。また、干渉する。 例:「私生活に立ち入る」 用例:評判・難波物語「すべて賢愚貧富をわかたず、たちいる程のやぼすけは」
・立ち臼に菰
(たちうすにこも) 背が低く太った女が帯を締めた不恰好な様子を揶揄(やゆ)する言葉。 用例:狂・縄綯「後姿を見ましてござれば、そのまま立臼へ菰を巻いた様ななりで」
・立ち臼も二階へ登る
(たちうすもにかいへのぼる) あるはずがないと思われることが起こることの喩え。 用例:洒・辰巳之園「諺に云ふ、立臼も二階へのぼるの道理なり」
・太刀打ちができない
(たちうちができない) 相手が強くて太刀でまともに勝負することが出来ない。戦いや競争で、全く勝ち目がない相手に向かったときの様子。
・太刀打ちの技
(たちうちのわざ) 剣術。剣道。
・立ち往生
(たちおうじょう) 1.立ったまま死ぬこと。立ち死に。 例:「弁慶の立ち往生」 2.事故などで、電車や自動車が身動きのとれない状態になること。 例:「雪のため電車が立ち往生する」 3.ものごとが行き詰まりの状態になって、対処のしようがないこと。 類:●手も足も出ない二進も三進も
・質が悪い
(たちがわるい) 1.人の、生まれ付いての気質や性根(しょうね)が悪い。 例:「あいつの酒癖は質が悪い」 2.ものごとの性質が悪い。 例:「質の悪い風邪が流行っている」 3.ものの品質が悪い。上等でない。 例:「質の悪い冗談はよせ」 ★「質(たち)」は、「立ち」からか<国語大辞典(小)>
・立ち所に
(たちどころに) すぐその場で。時を置かずに。即刻。 類:●すぐに●即座に 例:「立ち所に黒山の人だかりができた」 用例:
百座法談−三月九日「もろもろの煩悩たちところにのそかる」 用例の出典:百座法談聞書抄(ひゃくざほうだんぶんしょしょう?) 「百座法談」は、百日間で、百の説法を行って仏の功徳(くどく)を祈念すること。・・・調査中。
・立ち直る
(たちなおる) 1.倒れそうだったものが持ち直し、元のようにしっかり立つ。 用例:類従本堀河百首−冬「難波潟つなでになびく蘆の穂のうらやましくも立ちなをるかな」 2.悪い状態になっていたものが、良い状態に回復する。 用例:徒然草−241「年月の懈怠を悔いてこの度もしたちなほりて命をまたくせば」 例:「リストラのショックから立ち直った」 3.姿勢を元のように直す。また、立て膝(ひざ)になる。 用例:浄・本朝二十四孝−一「不礼は御免と立直り」 4.場所を移る。〔日葡辞書〕 用例の出典:堀河百首(ほりかわひゃくしゅ) 和歌集。源師?(みなもとのもろより)藤原公實(ふじわらのきんざね)ら。長治2年(1105)。堀河天皇に奏覧されたもの。最初の応製百首和歌とされる。「堀河院御時百首和歌(ほりかわいんのおんときひゃくしゅわか)」・「堀河院太郎百首」。
・立ち退く
(たちのく) 1.その場から引き下がる。その場所や席を空けるために退(しりぞ)く。 用例:栄花−浦々の別「今日こそはかぎりと誰も誰もおぼすに、たちのかむともおぼさず」 2.遠く離れる。離れた所に住む。 用例:落窪−四「はるばると峰の白雲立のきて」 3.家や土地を明け渡して立ち去る。 用例:浮・武家義理物語−二「会津を惣並に立のき」 例:「地上げ屋の嫌がらせに堪え切れずに立ち退いた」
・立ち回り
(たちまわり) 1.立ち居振舞いの様子。挙動。2.能楽で歌詞を伴わないで、大・小(太)鼓の囃(はや)しに笛のあしらいで、シテが舞台の上を一回りする所作(しょさ)。『百万』『「巻絹』などにある。3.芝居や映画の演技で、斬り合ったり、格闘をしたりすること。4.喧嘩をすること。掴み合い取っ組みあって暴れること。 例:「深夜の大立回り」 5.立ち回ること。工作すること。
・立ち回る
(たちまわる) 1.あちこち歩きまわる。うろうろする。徘徊する。立ち巡る。 用例:
あさぢが露「いまおこなひのほどにて仏の御前に候と申ほどたちまはりたたずみありき給ふに」 2.奔走する。色々と世話をする。また、人々の間を歩き回って、自分に有利になるように工作する。 例:「如才なく立ち回る」 用例:評判・色道大鏡−五「かしこげにさへ立(タチ)まはる者は、功者なり粋なりとおもへり」 3.出向く。外出した人が出先である所に立ち寄る。また、犯罪容疑者や犯人が逃走中に立ち寄る。 例:「犯人の立ち回りそうな場所」 4.融通(ゆうずう)が利く。自由になる。また、生活などが成り立っていくようになる。 用例:滑・膝栗毛−発端「忽小銭の立まはる身分となり」 5.芝居や映画の演技で、格闘の場面を演じる。 用例の出典:あさぢが露(あさじがつゆ) 鎌倉期成立。弧本。小津桂窓の西荘文庫から発見された散逸古物語。異母兄弟が出自賤(いや)しからぬ一人の美しい女性の恋を争う、哀れにも悲しい物語。
・立ち向かう
(たちむかう) 1.立って、相手と向かう。面と向かって立つ。 用例:万葉−六一「丈夫(ますらを)の猟矢(さつや)手挿み立向」 2.人に手向かいする。相手に対抗する。 類:●反抗する●敵対する 用例:宇治拾遺−五・三「舎人二人ゐて人ないれそと候とて、たちむかひたりければ」 ★「たち」は接頭語<国語大辞典(小)> 3.比喩的に、事態や事柄を避けたりしないで、堂々と取り組む。敢然と対処する。 類:●直面する 例:「難局に立ち向かう」
・立ち寄らば大木の陰
(たちよらばおおきのかげ)[=大樹の陰] 頼るなら大きなものに頼るべきだということ。 類:●寄らば大樹の陰

−−−−−−−たつ(#tatu)−−−−−−−
・達者趣を嫌わず
(たっしゃおもむきをきらわず) ものごとの奥を極(きわ)めた達人は、なにごとにも風雅な趣きを感じ取れるものだ。
・達者作り
(たっしゃづくり) 生まれながらにして健康なこと。体の作りが丈夫なこと。
・達人は大観す
(たつじんはたいかんす) 達人は小事に惑わされることなく、ものごとの全体を良く見極め、正しく判断して、誤ることがない。 参照:「
冠子−世兵」 出典:冠子(かっかんし) 3巻。宋。著者・成立年代ともに不詳。陸佃(りくでん1042〜1102)解 。道家・法家の思想を元としながら、刑名家など諸家の説を交えた書。 ★「」とは雉(きじ)に似た野鳥で、その羽で飾った冠をかぶっていた人を豁冠子と呼んだのであろう<学研国語大辞典>
・立つ瀬がない
(たつせがない) 自分の立場がない。面目を失う。立場を失い、苦境に陥(おちい)る。 例:「それでは私の立つ瀬がない」
・獺多魚擾
(だったぎょじょう) 《四熟》 かわうそが多ければ、魚は恐れて乱れる。役人を多くすると、その応対に民衆が苦労するということの喩え。 出典:「抱朴子−詰鮑」「獺多魚擾、鷹衆則鳥乱」
・タッチの差
(たっちのさ) 「タッチ」はスポーツでゴールや人の身体・ボールなどに触れることをいう。主に、水泳や競走などで、ゴールに手や身体が触れる一瞬の違いを言い、転じて、「タッチの差で負ける」というように、ほんの僅かの後れで、目標に届かなかったり間に合わなかったりしたような場合を表わすのに用いる。 類:●間一髪
・立っているものは親でも使え(たっているものはおやでもつかえ) 急用の時には、誰でも良いから傍(そば)に立っている者を使った方が手っ取り早い。座っている者が手近な人に用事を頼むときいう言葉。
・脱兎の勢い
(だっとのいきおい) 逃げていく兎。転じて、極めて迅速な様子。 類:●
脱兎の如し
・脱兎の如し
(だっとのごとし) 逃げる兎のようにという意味で、逃げ足などが非常に早いこと。 用例:孫子−九地「始めは処女の如く後は脱兎の如し
立つ鳥後を濁さず(たつとりあとをにごさず)
・立つ鳥の落つるよう
(たつとりのおつるよう) 勢いよく飛んでいる鳥をも落とすような強い力を持っているということ。主として、権力や財力の勢いを指して使う。 類:●飛ぶ鳥を落とす空飛ぶ鳥も落とす
・手綱を締める(たづなをしめる)[=引き締める] 1.馬の手綱をしっかり締めて上手く操縦する。2.人が勝手な行動をしないように、しっかり注意する。良く監督(かんとく)する。 反:■手綱を緩める
・立つより返事
(たつよりへんじ) 人に呼び掛けられたら、立ち上がるよりも先に、先ず返事をしなさいということ。

−−−−−−−たて(#tate)−−−−−−−
立て板に水
(たていたにみず)
・立て板に水銀
(たていたにみずがね) 地口の一つ。 木に毒を塗るということから、木の毒=気の毒であることを言う洒落。
・伊達男
(だておとこ) 1.派手な男。洒落(しゃれ)た男。 ★伊達政宗が洒落者であったことからとも言われるが、誤謬。「男立て」などの「立て」からで、「伊達」は当て字。 2.侠客(きょうかく)。やくざ
・縦から見ても横から見ても
(たてからみてもよこからみても) どこから見てもという意味で、ものごとをどのような視点から見ても問題がないこと。また、どう見てもその人物に間違いないこと。
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
・立て込む
(たてこむ)・建て込む 1.人で混み合う。また、多人数が一ヶ所に集まって、混雑する。 用例:雑俳・俳諧−一「建込んで利そふもない灸を居」 2.同時にたくさんの仕事や用事が重なる。 例:「今、立て込んでいるので後にして下さい」 3.家屋が、隙間なくぎっしりと立ち並ぶ。 例:「建て込んだ家並」
・楯突く
(たてつく) 手向かう。反抗する。敵対する。 類:●刃向かう
楯を突く
・立て直す
(たてなおす) 1.家屋を作り直す。建て替えたり、改築したりする。2.悪い現状を改めて、嘗(かつ)ての良い状態にする。戦闘などで、体制を整え直す。 用例:甲陽軍鑑−品三七「家康なくてはたてなをす事ならずして」
・伊達に
(だてに) 見栄(みえ)や外聞(がいぶん)のために。 用例:浄・曾我五人兄弟−道行「この袈裟衣はだてに着るか」 例:「伊達に年を取っているわけではない」 ★伊達政宗が洒落者であったことからとも言われるが、誤謬。「男立て」などの「立て」からで、「伊達」は当て字。
・盾につく
(たてにつく)・楯につく 防護とする。頼りにする。力と頼む。 類:●楯に取る
・盾に取る
(たてにとる)・楯に取る 防御物とする。転じて、比喩的に、あるものごとを理由にして、相手の質問や追及を交(か)わしたり、また、自分の有利さを主張する手段にしたりする。言い訳にする。また、言い掛かりにする。 類:●
楯につく 例:「相手の弱みを盾に取って攻撃する」
・伊達の薄着(だてのうすぎ) 粋(いき)を気取る人は、着膨(きぶく)れを嫌って常に薄着をしているということ。なにごとに因(よ)らず、無理をして格好良く見せようとすることの喩え。
・盾の半面(たてのはんめん) 種々の見方ができるものごとの一面だけという意味で、全体を見ずにものごとの一面だけから判断を下す態度のこと。また、狭い視野に立って、不足のある判断を下すような場合、その手掛かりになるもの。
・縦の物を横にもしない(たてのものをよこにもしない)[=な事を〜] 面倒臭がって何もしない。 類:●横のものを縦にもしない
・盾の両面を見よ
(たてのりょうめんをみよ) 一面的な判断をせずに、ものごとの表裏全体を良く見た上で、正しい判断をせよ。
・立てば歩めの親心
(たてばあゆめのおやごころ) 子の成長を一日も早くと待ち願う親の切なる心をいう。 類:●這えば立て立てば歩めの親心
・立てば芍薬座れば牡丹
(たてばしゃくやくすわればぼたん) 美人の姿を形容する言葉。華麗な、または艶やかな美人のこと。通常、「立てば芍薬坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」の形で用いる。 
蛇足@:芍薬と牡丹の違い 芍薬は「草」であるのに対し、牡丹は「木」である。このことにも拠るが、芍薬は枝分かれせずに真っ直ぐな形(立つ)であるのに対し、牡丹は枝分かれし易く横張りの樹形(座る)になる。開花時期も、芍薬が初夏なのに対し、牡丹が春と、若干のずれがある。 蛇足A:牡丹ブーム」 元禄の頃(1700年頃)、ブームになり、競って品種改良が行われた。
・盾を突く
(たてをつく) 1.楯を地面に突き立てる。防御壁などを設ける。2.反抗する。 類:●刃向かう
楯突く
・盾を雌鶏羽に突く
(たてをめんどりばにつく) 「雌鶏羽」は雌鳥が左の翼で右の翼を覆うように、左を上に右を下にして重ねること。楯を重ね掛けて隙間なく立てること。

−−−−−−−たと(#tato)−−−−−−−
・たどたどしい 1.
学問や技芸に十分に習熟していない。その道に精通していない。未熟である。危なげである。不安定である。 用例:−八二「たどたどしき真名に書きたらんも、いと見ぐるし」 2.未熟なために進行などが、滑らかにいかない。未熟で、もたもたしている。 例:「たどたどしい司会」 3.機能などを十分に発揮していない。不確かである。はっきりしない。 類:●覚束ない 用例:宇津保−楼上上「眼もたとたどしく、今はおぼえ侍るを」 4.その場所の様子が良く分からない。地理的に不案内である。 用例:源氏−竹河「いざ、しるべし給へ。まろは、いと、たどたどし」 5.直接に、はっきりそれと知ることができない状態である。ぼんやりとして微(かす)かである。また、はっきり見えない。 用例:源氏−藤裏葉「なかなかに折りや惑はん藤の花たそがれ時のたどたどしくは」 
★「たづたづし」の転<大辞林(三)>
・辿り着く
(たどりつく) 1.尋ね求めて迷った末に、やっと目的地に行き着く。 用例:浄・曾根崎心中−道行「風しんしんたる曾根崎の森にぞ、たどりつきにける」 2.色々な紆余曲折を経て、難渋しながら漸(ようや)く行き着く。 例:「激論の末、結論に辿り付く」
・炭団に目鼻(たどんにめはな) 色が黒く醜(みにく)い容貌の喩え。不美人の形容。 反:■卵に目鼻 ★「炭団」は、宋音「タントン」の略訛。炭の団子の意か<国語大辞典(小)>

−−−−−−−たな(#tana)−−−−−−−
・棚上げ
(たなあげ) 1.需給関係を調節する目的で、商品を一時的に蓄えて市場に出さないこと。2.問題の解決や処理を一時保留すること。または、無視すること。 例:「住民の要望を棚上げにする」 3.表面的には敬意を払うが、遠ざけて関係が薄い立場に追いやること。 例:「名誉職に棚上げする」
・掌に握る
(たなごころににぎる) 手に入れる。自由に支配する。 類:●掌にする●手に握る●手中にする
・掌の中
(たなごころのうち) 1.物が手の中にあるように、目前にあること。または、思いのままになることの喩え。 類:●掌中 2.大切に育て、取り扱うこと。 類:●下にも置かず掌中の珠
・掌を反す
(たなごころをかえす)・返す 1.掌(てのひら)を裏返すこと。2.「…が如(ごと)し」「…よりも易(やす)し」などの形で、事態が容易にできること。或いは、安易に変化すること。 出典:「漢書−枚乗伝」「変所欲為、易於反掌、安於泰山」 3.態度などが急変すること。 類:●掌(てのひら)を返す
・掌を指す
(たなごころをさす) 掌中にあるものを指すように。 1.ものごとが極めて明白で、かつ正確にできることの喩え。 出典:「論語−八
?」「知其説者之於天下也、其如示諸斯乎、」 2.極めて容易である喩え。
棚から牡丹餅
(たなからぼたもち)
・棚晒し
(たなざらし) 1.商品などが、長い間店先に晒されたままになっていること。また、その商品。2.張り見世で売れ残った女郎。3.解決を要する問題が、全然手を付けられずに放置されていること。 例:「棚晒しになっている案件」
・棚に上げる
(たなにあげる)[=へ〜] 物を棚に上げておくという意味で、手を付けないでそっとしておくこと。特に、自分の不利や欠点など、不都合なことには態(わざ)と触れないでおくことにいう。 類:●棚へ放り上げる
・棚ぼた(たなぼた) → 棚から牡丹餅

−−−−−−−たに(#tani)−−−−−−−
・壁蝨
(だに)??・八脚子 1.蛛形(ちゅけい)類ダニ目に属する節足動物の総称。人畜に寄生して血を吸う。 ★古く「たに」とも<国語大辞典(小)> ★名称については、『倭名類聚抄−一九』に記載がある。 2.転じて、人を強請(ゆす)ったり集(たか)ったりすることから、嫌われ者。やくざ者。 例:「あいつは社会に寄生するダニだ」
・谷底の石
(たにぞこのいし) 地口(じぐち)の一つ。 これ以上落ちようがないという洒落。最低の状態にあること。 類:●どん底 ★オテシコオテチョルと続く(大分県)。
・谷の枯木は高けれど、峰の小松に影射さず
(たにのかれきはたかけれど、みねのこまつにかげささず) どんな権力者でも、その庇護の手を全ての民に差し伸べることはできないということの喩え。権威ある人だからとて頼みになるとは限らず、卑賤弱小の者でも頼りにならぬとは限らないということ。
・他人行儀
(たにんぎょうぎ) 赤の他人に対するように、改まった余所余所しい振る舞い。 例:「他人行儀の挨拶をする」
他人の疝気を頭痛に病む
(たにんのせんきをずつうにやむ)
・他人の空似
(たにんのそらに)[=猿似(さるに) 血縁が繋(つな)がっていないのに、顔付きなどが偶然良く似ていること。
・他人の不幸は蜜の味
(たにんのふこうはみつのあじ) →人の不幸は蜜の味
・他人の正目
(たにんのまさめ) 第三者の方が当事者よりものごとの真相や利害得失をはっきり見分けられるということ。 類:●傍目八目
・他人の飯には骨がある(たにんのめしにはほねがある)[=刺(とげ)がある] 他人の家に寄食したり住み込んだりすると、色々と辛(つら)いことがあるものである。 類:●隣の白飯よりうちの粟飯 ★他人の家には、焼き魚の骨を取ってくれる(甘やかす)親はいないということから。
・他人の飯は白い
(たにんのめしはしろい) 他人の物はなんでも良く見えるということの喩え。 類:●隣の芝生は青い隣の花は赤い
・他人の飯を食う
(たにんのめしをくう) 1.肉親の元を離れて、他人の家に寄食する。2.他家に奉公などして、他人の間で揉まれ、実社会の経験を積む。
・他人の飯を食わねば親の恩は知れぬ
(たにんのめしをくわねばおやのおんはしれぬ) 親元を離れて他人の家の飯を食い、世間で苦労をしてみなければ、親のありがたみは分からぬということ。 類:●若い時の苦労は買ってでもしろ
・他人の別れ棒の端
(たにんのわかれぼうのはし) 夫婦が離別すると、単なる他人というより、一層疎遠になって、棒切れ(木屑)のように互いに顧みないということ。
・他人は食い寄り
(たにんはくいより) 家に凶事があった時、肉親や親類の者は悲しんで集まるが、他人は饗応に有り付くために寄り集まるということ。 類:●親(しん)は泣き寄り、他人は食い寄り
・他人は時の花
(たにんはときのはな) 他人は、一時の花のようなもので、常に頼みになるというものではない。

−−−−−−−たぬ(#tanu)−−−−−−−
・狸親爺(たぬきおやじ)・狸親父 年老いて狡賢(ずるがしこ)い男。またそのような男を罵(ののし)って言う言葉。 類:●狸爺(たぬきじじい)
・狸寝入り
(たぬきねいり) 眠った振りをすること。 類:●空寝(そらね)●狸寝 ★元来性質が臆病な狸は、驚くと気を失って倒れてしまう。これを人を騙すための空寝と受け取って言ったもの。
・狸の睾丸八畳敷(たぬきのきんたまはちじようじき) 狸の陰嚢(いんのう)の皮が非常に大きく広がることをいう言葉。 ★金を槌で叩いて金箔を作るとき、昔は狸の皮に挟んで打ち延ばした。1匁(もんめ=約3.75グラム)の金が、八畳敷きの広さになったことからという。
・狸婆(たぬきばば・ばばあ) 1.狡賢(ずるがしこ)い老婆。また、そのような老婆を罵(ののし)って言う言葉。2.妖怪などに化けそうなほど年老いた婆あ。 ★年老いた動物や物は妖怪に変化するという俗信から。

−−−−−−−たね(#tane)−−−−−−−
・種が割れる
(たねがわれる) 絡繰(からく)りや真実が明らかになる。仕掛けや企(たくら)みがばれる。 類:●玉が上がる
・種を明かす(たねをあかす) 仕掛けを明らかにする。事実を明示する。
・種を蒔く(たねをまく) 何事かが起こったり発生したりする原因を作るという意味で、主に、それが元になって何か良くないことが起こること。 例:「喧嘩の種を蒔く」
・種を宿す(たねをやどす) 子を孕(はら)む。妊娠する。

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・楽しみ極まれば必ず哀しみ生ず(たのしみきわまればかならずかなしみしょうず) 楽しみの果てには、必ず悲しみがある。歓楽貴盛は長続きしないということ。 類:●歓楽極まりて哀情多し 出典:「三国志・呉志−諸葛恪伝」「人情之於品物、楽極則哀生」 ★「列女伝」に、「楽しみ尽きて哀しみ来たる」とあるという。
・頼み少ない
(たのみすくない・ずくない) 1.あまり頼みにならなくて心細い。 類:●覚束ない 2.先行きが短い。 用例:源氏−行幸「今年となりては、たのみすくなきやうにおぼえ侍れば」
・頼みの祝儀
(たのみのしゅうぎ)[=祝い] 結納(ゆいのう)の祝い。
・頼みの綱
(たのみのつな) 人がそれだけを当てにしているもの。頼りにされる人やものごとを綱に喩えて言う。 例:「最後の頼みの綱」
・頼みを掛ける
(たのみをかける) 望みが叶うことをその人に託すという意味で、力になってくれると当てにする。或いは、ものごとが巧くいくように願いを託す。 類:●期待を掛ける
・頼む木陰に雨が漏る(たのむこかげにあめがもる) この木の下なら大丈夫だと雨宿りをしようとしたら、そこも雨が漏る。頼みにしていたのに当てが外れて、がっくりすることの喩え。 類:●頼む木の下に雨漏る●He is doubly wet that shroud shimsel funder trees.(木の下の雨宿りは二重に漏れる)
・頼むと頼まれて犬も木へ登る(たのむとたのまれていぬもきへのぼる) どうしてもと頼まれると、木に登ることのできない犬でも登ってみようという気になる。相手に懇願されると、できないかもしれないと思いながらも、なんとかやってみようという気持ちになるという喩え。

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