【おは】〜【おも】

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・尾羽打ち枯らす
(おはうちからす)[=打ち枯れる] 鷹の尾羽が傷付いたみすぼらしい様子ということから、零落(おちぶ)れてみすぼらしい姿になる。 類:●零落する●尾も羽もなし 反:■羽振りが良い 用例:咄・
鹿の巻筆−二「永々の浪人にてをはをうちからし」 用例:浄・菅原伝授手習鑑−一「おは打かれし武部(たけべ)夫婦」 用例の出典@:鹿の巻筆(しかのまきふで) 江戸前期の噺本(はなしぼん)。5冊。鹿野武左衛門著、古山師重画。貞享3年(1686)刊。29の落語を収める。後に絶板を命ぜられ、著者は流罪となった。 用例の出典A:菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 浄瑠璃。時代物。5段。竹田出雲(二世)・並木千柳(宗輔)・三好松洛・竹田小出雲合作。延享3年(1746)初演。藤原時平の讒言による菅原道真の配流と北野天満宮の縁起を背景に、梅王、松王、桜丸という三つ子の兄弟夫婦や、武部源蔵夫妻の菅原家への忠節などを描く。省略して、「菅原」とも。
・十八番(おはこ) 1.取って置きの、得意とする芸。 類:●お家芸 用例:人情・
清談松の調−四「大津絵節の踊が、大の得意(オハコ)で」 2.転じて、その人が良くやる動作や良く口にする言葉。また、その人の癖。 類:●お家芸専売特許 例:「また、おはこの泣き言が出た」 ★箱に入れて大切に保存する意から。また、市川家の得意な芸「歌舞伎十八番」の台本を箱入りで保存したことに由来するともいう<国語大辞典(小)> 用例の出典:清談松の調(せいだんまつのしらべ) 人情物。・・・調査中。
・お鉢が回る
(おはちがまわる) 順番が回ってくる。 
★人が多いと飯櫃(めしびつ)がなかなか回ってこないからという<国語大辞典(小)>
・伯母の所に行くより秋山に行け
(おばのところにいくよりあきやまにいけ) 何もくれない親戚の家で粘っているくらいなら、さっさと秋山へ行って、茸や草木の実を採った方がよっぽど得だということ。
・お払い箱
(おはらいばこ) 1.伊勢神宮から頒布される御祓の大麻(たいま=お札)を入れてある箱。 ★江戸時代には、御師(おし)から諸国の信者へ年ごとに配った。 2.解雇されること。 用例:黄・
啌多雁取帳「寝御座一枚にておはらひばこの身となりしが」 3.不用品を捨てること。 例:「こわれた洗濯機をお払箱にする」 ★毎年新しいお札が来て古いお札は不用となるところから「祓(はらい)」を「払(はらい)」にかけたしゃれ<国語大辞典(小)> 用例の出典:啌多雁取帳(うそしっかりがんとりちょう) 黄表紙本。奈蒔野馬乎人。江戸の戯作絵本・初期黄表紙集。・・・詳細調査中。

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・お膝元(おひざもと) 1.貴人などの傍(そば)。また、そのお傍に仕えている者。 類:●側近●配下 2.君主や天皇、将軍などが居住している土地。江戸、東京を指すことが多い。 類:●首都 用例:雑俳・野の錦「さびしさの秋の届かぬ御膝元」 用例の出典:野の錦(ののにしき) 雑俳。明和4年(1767)。・・・調査中。
・お人好し(おひとよし) 1.大人しくて、または気が良くて、相手に逆らわない性格。そういう人。2.騙(だま)されやすい性格。そういう人。多く、嘲(あざけ)って言う言葉。 例:「だからあんたはお人好しだっていうのよ」
帯に短し襷に長し
(おびにみじかしたすきのながし)
・お百度を踏む
(おひゃくどをふむ) 1.祈願のためにお百度参りをする。2.頼みを聞いて貰うために、同じ人を何度も訪問する。3.同じことを何度も繰り返す。 類:●お百度を上げる●お百度を打つ
・お開き(おひらき) 1.開くことを丁寧にいう語。2.落ち延びること。また、逃げることの忌み詞。 類:●退却 用例:太平記−一五「只先づ筑紫へ御開(ヒラ)き候へかし」 3.宴会などが終わること。会が終わって帰ることの忌み詞。 類:●閉会 用例:滑・膝栗毛−発端「わっちらあもふおひらきにいたしやせう」
・尾鰭が付く
(おひれがつく) 事実以上に種々のことが付き加わる。複雑にする。 類:●尾に尾を付ける●尾に尾を添える 例:「話に尾鰭が付く」

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・オブラートに包む
(おぶらーとにつつむ) 苦い薬を苦く感じないようにオブラートで包むということから、比喩的に、人を強く刺激するような表現を避けて、婉曲な言い方をすることをいう。 類:●オブラートでくるむ

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・おべっか 
上司や強い人のご機嫌を取ること。また、その時の巧みな言葉。 類:●諂(へつら)い●
おべんちゃら●追従(ついしょう) 用例:「上役におべっかを使う」
・おべんちゃら 
口先だけの巧い言葉を言うこと。誠意のないお世辞。 類:●
おべっか

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・覚えが目出度い
(おぼえがめでたい) 目上の人から可愛がられている。とても気に入られている。寵愛(ちょうあい)を受ける、信用されるなど。 例:「社長の覚えが目出度い」
・おぼこ育ち
(おぼこそだち) 世間ずれしないで成長すること。また、その人。
・覚束ない(おぼつかない) 1.景色などがぼんやりしていて、はっきりしない。ぼうっとしていてよく見えない。 用例:万葉−1952「今夜(こよひ)の於保束無(オホつかなき)に霍公鳥(ほととぎす)鳴くなる声の音の遥けさ」 2.気掛かりだ。不安だ。心細い。 類:●頼りない●もどかしい 例:「暗くて足許がおぼつかない」 用例:万葉−1451「水鳥の鴨の羽色の春山の於保束無(オホつかなく)も思ほゆるかも」 用例:源氏−桐壺「若宮の、いとおぼつかなく、露けきなかに過ぐし給ふも」 3.疑わしい。不審である。また、不確かである。現代では、多くものごとが巧くいきそうにない。 類:●いぶかしい 例:「今日明日の復旧は覚束ない」 用例:蜻蛉−上「過ぎにし年、月ごろの事もおぼつかなかりければ」 用例:源氏−賢木「六十巻といふ文読み給ひ、おぼつかなき所々、解かせなどしておはしますを」 4.疎遠で相手の様子が分からない。訪れがない。無沙汰である。長らく対面していない。 類:●うとうとしい 用例:蜻蛉−下「それも著(しる)く、その後おぼつかなくて八九日許(ばかり)になりぬ」 5.会わずにいる状態がもどかしく待ちどおしい。早く会いたい。 用例:−六三「やがてもろともに率(ゐ)ていきて、昼のほどのおぼつかなからむことなども、言ひ出でにすべり出でなんは」 
★「おぼ」は、「おほに」「おほほし」「おぼろ」「おぼめく」などの「おほ(おぼ)」と同じく、ぼんやりした、不明確な状態を表わす。「覚束」は当て字。古くは「おほつかなし」。対象の様子がはっきりせず、つかみどころのないさまをいい、また、そのためにおこる不安な気持を表わす<国語大辞典(小)>
・溺るる者は墜を問わず、迷う者は路を問わず
(おぼるるものはみちをとわず、まようものはみちをとわず) 溺れた者は、川を渡る前に安全な渡河の場所を尋ねなかったのであり、道に迷った者は正しい道を尋ねなかったのだということ。転じて、道理を見失わないためには、自分の思い込みで行動する前に、賢者に相談すべきであるということ。 出典:「晏子春秋−内篇・雑・上」「夫愚者多悔、不肖者自賢、溺者不問墜、迷者不問路
溺れる者は藁をも掴む
(おぼれるものはわらをもつかむ)

−−−−−−−おま(#oma)−−−−−−−
・お前軽薄
(おまえけいはく)[=追従(ついしょう)] その人の面前で媚び諂(へつら)うこと。
・お前百までわしゃ九十九まで
(おまえひゃくまでわしゃくじゅうくまで) 貴方が100歳まで私が99歳まで、共に長生きしましょうということ。末永く一緒にいましょうという夫婦の誓(ちか)いの意味あいも込められる。後に「共に白髪(しらが)の生えるまで」と続ける。 出典:「伊勢音頭」など各種民謡 ★「お前(お前さま・お前さん)」が上級の尊敬語だった頃の言葉で、妻が夫に対して言ったもの。
・お負け
(オマケ) 1.商品の値を安く売ったり、景品、付録を付けたりすること。また、その付けた品。 例:「百円おまけしましょう」「おまけにキャラメル一箱」 2.大袈裟にものを話すこと。また、その話。 用例:雑俳・柳多留−一一「女郎屋のおまけは内義申ます」 3.お世辞。おべっか。 用例:滑・浮世床−初「おまへさんがたへお負(まけ)を申すぢゃないが」
・お負けに(おまけに) そのうえに。それにつけ加えて。そればかりでなく。 用例:人情・春色梅美婦禰−五「夫(それ)におまけにお百度を踏だので猶の事ネヱ」 ★先行の事柄に後行の事柄が添加されることを示す<国語大辞典(小)>
・御待ち遠様(おまちどおさま) 人を待たせた時の挨拶(あいさつ)にいう言葉。 例:「カツ丼2人前、お待ち遠様でした」

−−−−−−−おみ(#omi)−−−−−−−
・お見限り(おみかぎり) 人などに、愛想(あいそ)を尽かすこと。馴染みの店などに、まったく顔を出さなくなること。 類:●お見捨て●見切りを付ける 用例:滑・浮世床−初「亀さん、きついお見限りだネエ」 ★特に、遊里などで馴染の客がしばらく姿を見せない時にいう<広辞苑第4版(岩)>
・お神酒上がらぬ神はない
(おみきあがらぬかみはない) 「上がる」は、「供(そな)えられる」の意味。神社や神棚に酒を供(そな)えられ、神様でさえ飲むのだから、人間が酒を飲むのは当たり前だということ。酒飲みに都合の良い解釈。 ★「おみき」は「大御酒」とも書き、「お」「み」は接頭語。
・お神酒が上がっている(おみきがあがっている) 人を神様に見たてて、お酒を飲んで酔っている様子。 例:「昼間からお神酒が上がっている」
・お味噌(おみそ) →味噌(みそ)4.
・御見逸れ
(おみそれ)・御見外れ 「見過ごすこと」「見忘れること」の謙譲語。 1.人と会ったとき、うっかりして気が付かなかったことや、誰であるか思い出せないことを謙遜して言う挨拶(あいさつ)語。 用例:洒・嘉和美多里「これは大きにおみそれ申やした」 2.評価を間違えて軽く見ること。侮(あなど)ること。 類:●見違える 例:「お若いのに部長、これは御見逸れしました」 用例の出典:嘉和美多里(??) 洒落本。・・・調査中。
・お見舞いする(おみまいする) 1.訪問する。挨拶(あいさつ)に行く。 類:●弔(とぶら)う 2.病気や災害にあった人を訪ねて慰(なぐさ)める。また、書面で問い慰めたり、金品を贈ったりする。3.相手にとって好ましくないことをしたり、好ましくない状態にしたりする。 例:「鉄拳をお見舞いする」
・お宮入り(おみやいり) 「迷宮入り」を、言い換えた言葉。
・お宮の鈴(おみやのすず) 地口(じぐち)の一つ。お宮の鈴はいつも振られていることから、異性に振られ続けている人を嘲(あざけ)って言う。 例:「ヤツはお宮の鈴で、振られっ放しよ」

−−−−−−−おめ(#ome)−−−−−−−
・お眼鏡に適う
(おめがねにかなう) 目上の人から気に入られる。認められる。
・怖めず臆せず(おめずおくせず) 少しも気後れせずに。ものともしないで。堂々と。 類:●恐れず怯まず ★「怖める」は、臆(おく)する。気後れするの意<学研国語大辞典>
・お目玉
(おめだま) 叱られること。 類:●お小言●御目 例:「お目玉を食う」 ★目上の人から睨(にら)み付けられることから。
・お目出度い(おめでたい) 1.縁起が良い。お祝いをすべきである。 「おめでとうございます」などの形で、慶事や新年を祝福する言葉として使われる。 用例:
松翁道話−四・上「御目出たい御目出たいというて」 2.お人好しである。馬鹿正直である。また、愚かである。 例:「おめでたい人」「おめでたくできている」 3.考え方が甘い。楽観的過ぎる。 例:「おめでたい理想主義者」 用例の出典:松翁道話(しょうおうどうわ) 道話集。文化11年(1814)。八宮斎編。心学者布施松翁の道話を筆録したもの。5編。その後の心学者らに影響を与えた。
・お目に掛かる(おめにかかる) 1.「会う」の謙譲語。お会いする。目上の人に会う。 用例:狂言記磁石「明日御目にかからう」 2.目上の人から認められる。注目される。 類:●目に留まる 用例:曾我物語−一「院・内の御目にかかり」 用例の出典:磁石(じしゃく) 狂言。各流。上京の途中人買いに売られそうになった男が、太刀を持って追い掛けてくる人買いに、自分は磁石の精だと言い、太刀を飲み込むといって威かし、その太刀を奪う。
・お目に掛ける(おめにかける) 「見せる」の謙譲語。お見せする。 類:●ご覧に入れる
御目見え泥棒(おめみえどろぼう) 女中奉公などに住み込んで間もなく、金品を盗んで逃げ出すこと。また、その人。 類:●御目見え稼ぎ●御目見え

−−−−−−−おも(#omo)−−−−−−−
・思い余る
(おもいあまる) 1.あれこれ考えたがどうしても良い考えが浮かばない。 類:●思案に余る 例:「思い余って死を選ぶ」 2.恋しさに耐え切れなくなる。 用例:伊勢−五六「臥して思ひ、起きて思ひ、思ひあまりて」
・思い内にあれば色外に現わる
(おもいうちにあればいろそとにあらわる・ほかに〜) 心の中に思っていることがあると、それが自然に顔色や動作に現われる。 出典:「礼記大学」「此謂誠於中、形於外」 出典:
大学(だいがく) 中国の経書。四書の一つ。孔子の遺書とも子思または曾子の著作ともいう。もと「礼記」の一編(第42)で学問の根本義を示す。唐の韓愈、宋の二程子に推重され、朱熹が章句を作って四書の一となる。朱子の校訂によって現形に固定。明明徳・止至善・新民の三綱領を立て、それに至る格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の八条目の修養順序を挙げて解説したもの。
・思い立ったが吉日
(おもいたったがきちじつ) 何かをしようという考えが起きたら、直ちに着手すべきである。暦を見て吉日を選ぶまでもなく、思い立った日を吉日として行なえということ。また、何かを決めたら、直ぐにでも実行に移せということ。 類:●思い立つ日が吉日●思い立つ日に日咎(ひとが)なし●善は急げ 用例:謡曲・唐船「思ひ立つ日を吉日と船の纜(ともづな)解き始め」 用例の出典:唐船(とうせん) 能楽の曲名。四番目物。各流。外山(とび)吉広作と伝える。九州箱崎の男の捕虜となっている唐人・祖慶官人(そけいかんにん)を慕って、子ども二人が唐から来て、官人は帰国することになる。しかし、日本で儲けた二人の子どもが引き留めるので、海に身を投げようとする。最後は許されて父子五人喜んで船出する。
・思い半ばに過ぐ
(おもいなかばにすぐ) 考えてみて思い当たることが多い。凡(おおよ)そは推測できる。 出典:「易経−繋辞・下」「知者観其彖辞。則思過半矣」
・思いの丈
(おもいのたけ) 1.思いの全て。思慕や愛情のすべて。思いの限り。特に、男女間の恋愛に関して使う。 類:●思いの山 例:「思いの丈を綴る」 ★「丈」は、「有りっ丈」の上略。 2.(副詞的に)思い切り。思う存分。 例:「思いの丈大声で泣く」
・思いの外
(おもいのほか) 1.思い掛けないこと。 類:●意外 用例:
土左「いとおもひのほかなる人のいへれば」 2.上の句を「と」で受けて、「と思ったが意外にも」という意味で下を修飾する。 用例:談・古朽木−五「定めて影人形碁盤人形などの御馳走にこそと思ひの外、〈略〉能い物尽しの座敷狂言」 3.思い掛けず。思っていた以上に。案外にも。 用例:人情・閑情末摘花−初「女にかかっちゃア思ひの外強いかも知れねへ」 用例の出典@:土左日記(とさにっき・とさのにき) 紀行日記。1巻。紀貫之(きのつらゆき)。承平4年(934)12月21日、任国土佐を発して翌年2月16日に京都に着くまでの見聞や、海路の辛苦のさまに、亡児への追想や歌論などをおりまぜ、女性に仮託して仮名書きで作品化したもの。 用例の出典A:古朽木(ふるくちき) 談義本。5巻合1冊。朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)。安永9年(1780)。・・・詳細調査中。 用例の出典B:閑情末摘花(かんじょうすえつむはな) 人情本。松亭金水。天保10年(1839)〜12年。・・・詳細調査中。
・思いも寄らない
(おもいもよらない) まったく予想もしない。考えもしない。思い付きもしない。意外である。 用例:源氏−末摘花「ただ、おもひもよらずにはかにて」
・思い遣られる
(おもいやられる) →先が思い遣られる
・思いを馳せる
(おもいをはせる) 遠く離れている場所や人に自分の気持ちを向ける。思い遣る。
・思う事一つ叶えばまた一つ
(おもうことひとつかなえばまたひとつ) 望みが一つ達成されると、すぐに、次の一つが欲しくなるものである。人の欲望には際限がないことの喩え。 類:●望蜀隴を得て蜀を求む千石取れば万石羨む
・思うたり叶うたり
(おもうたりかのうたり) 思っている通りになる。 類:●願ったり叶ったり
・思う壺
(おもうつぼ) 予期した状態。目的としたところ。また、期待した通りになること。 類:●思う図 例:「思う壺にはまる」 
★「壺」は、賽子(さいころ)賭博で振る壺のことで、思った通りの賽子の目が出るという意味から転じて言う<国語慣用句辞典(集)>
・思うに別れて思わぬに添う
(おもうにわかれておもわぬにそう)[=思うに添わで〜] 思いを寄せている人とは夫婦になれず、思ってもいなかった相手と結婚する。男女の仲は思い通りにならぬものである。また、縁とは不思議なものだということ。 類:●思う人には遠ざかり思わぬ人のしげしげ
・思えば思わるる
(おもえばおもわるる) 人に好意を示せば、相手も自然に自分に好意を示すようになるものだということ。 類:●情けは人の為ならず●Love is love's reward.
・思えば呪う
(おもえばのろう) 人を愛するあまり、却(かえ)ってその人を憎み、また、呪うようになることがある。 類:●可愛さ余って憎さ百倍
・面影の人
(おもかげのひと) いつまでも思い出される懐かしい人。
・重きを置く
(おもきをおく) 多く「〜に重きを置く」の形で使われ、〜を重大なことと考える。貴重に思う。重視する。
・お文字(おもじ) 1.帯を指す女房詞。2.「恐(おそれ)」をいう女性語。 用例:浄・右大将鎌倉実記−五「おもじながら申上まゐらせ候」 ★「おもじながら」の形で、「恐れ多いが、失礼ながら」の意に用いる<国語大辞典(小)>
・面白い
(おもしろい) 1.見て楽しい。愉快だ。気持ちが良い。 用例:日本書紀−斉明四年一〇月・歌謡「於母之楼枳(オモシロキ)今城(いまき)の中(うち)は忘らゆましじ」 例:「同窓生と面白い夜を過ごした」 2.興味がある。興味をそそられる。 類:●興味深い 用例:霊異記−上・三〇(興福寺本訓釈)「甚だ(オモシロキ)国有り」 例:「明かりを消したら面白い反応を示した」 3.趣(おもむ)きがある。風流である。風情(ふぜい)がある。 類:●をかし 用例:万葉−3442「於毛思路伎(オモシロキ)野をばな焼きそ」 4.望ましい状態である。思う通りである。多く打消しの語を伴う。 例:「病状がどうも面白くない」 5.滑稽(こっけい)である。可笑(おか)しい。風変わりである。 用例:虎清本狂言・猿座頭「わごりょはおもしろい事を、ふしんさします」 ★目の前(=面・おも)がぱっと明るく(=白く)なるようにはっきりと目立つようす。現代語の「おもしろい」のこっけいだという意味は、近世以降のもの<古語辞典(学)> ★もと、美しい景色を形容する語<広辞苑第四版(岩)> ★上代では目の前の明るい景色についていうとみられる例が多いから、「面(おも)白(しろ)し」で、おもて(表面)が明るいが原義か。後に一般に情趣、風情また興趣のあるもの、さらに風の変わったものの意にも移った<国語大辞典(小)>
・面白くない
(おもしろくない) 1.望ましい状況ではない。 例:「どうも病状が面白くない」 2.つまらない。楽しくない。滑稽(こっけい)でない。 例:「面白くない映画」 3.気に入らない。 類:●気に食わない 例:「あいつだけもてるのが面白くない」
・お持たせ
(おもたせ)・お持たせ物 人が持ってきた贈り物や手土産(てみやげ)のこと。それを持ってきた人を敬(うやま)って言う。多くは、持ってきた客にそれを、茶菓子などとして勧(すす)める時に言う。 例:「お持たせで恐縮ですが」 ★「運んできていただいた物」の意味から。
・玩具にする
(おもちゃにする) 好い加減に弄(もてあそ)ぶ。相手を慰み物にする。
・面が立つ(おもてがたつ) 他に対して名誉が保たれる。 類:●顔が立つ面目が立つ
・表に金色の交わりを結び、心に是非の錐を使う(おもてにこんじきのまじわりをむすび、こころにぜひのきりをつかう) 表面は親密を装っているが、内心では相手を冷たく品評していること。
・面に泥を塗る
(おもてにどろをぬる) 面目丸潰れにする。名誉を傷付ける。恥を掻かせる。 類:●顔に泥を塗る
・面を犯す(おもてをおかす) 主君などの意に逆らうのも憚(はばか)らずに諫(いさ)めること。目上の人に、敢えて自分の考えを申し上げる。
・面を曝す
(おもてをさらす) 1.人々の面前に顔を露(あらわ)にする。 2.公衆の面前で恥ずかしい思いをする。恥を晒(さら)す。 用例:光悦本謡曲・
千手「あづまのはて迄も、かやうに面をさらす事」 用例の出典:千手(せんじゅ) 能楽の曲名。三番目物。各流。喜多流では「千寿」と書く。作者不詳。一谷の戦いで生捕られた平重衡を、手越の長者の娘千手が、歌い舞って慰める。やがて勅命によって都に送り返される重衡を千手は泣きながら見送る。
・面を汚す(おもてをけがす) 体面を傷付ける。 類:●面に泥を塗る●顔に泥を塗る●顔を潰す
・重荷に小付け
(おもににこづけ) 大きい荷物に小さな荷物を上乗せすること。重い負担があるところに、更に新たな負担が加わること。 類:●大荷に小付け●泣き面に蜂弱り目に祟り目 用例:浄・寿の門松「恋の重荷に小付して親子の哀れ打乗せて」
・重荷を下ろす
(おもにをおろす) 重大な責任、義務を果たして負担を免(まぬが)れる。心配事がなくなってほっとする。 類:●肩荷が下りる
・思惑話
(おもわくばなし) 思うところがあってする話。裏に何らかの目的を持ってする話。
・思わしい(おもわしい) 1.心に何かを思っている状態である。 類:●物思わしい 2.思い通りで望ましい。良いと思われる。普通、下に打ち消しの言葉を伴って使う。 例:「病状が思わしくない」 3.好ましいと感じる。良いと考えられる。 用例:
兼盛集「いとおもはしかりける女に」 用例:−四九「ただ口つき愛敬づき〈略〉声憎からざらん人のみなん思はしかるべき」 用例の出典:兼盛集(かねもりしゅう) 私家集。平兼盛(たいらのかねもり)。正暦元年(990)。後撰集時代の代表的歌人で、三十六歌仙に名を連ねる。恋歌が多いのが特徴。「平兼盛集」。
・思わせ振り
(おもわせぶり) 何か特別な意味がありそうに人に見せ掛ける言葉や態度。特に、期待を抱かせるような素振(そぶ)り。 用例:浄・釈迦如来誕生会−二「じっと寄ってはしみじみと好い中中の思はせぶり」 例:「思わせ振りなウインクをされた」 用例の出典:釈迦如来誕生会(しゃかにょらいたんじょうえ) 浄瑠璃。時代物。元禄8年(1695)。近松門左衛門。5段。釈迦の伝記に、様々な仏教説話を加えて脚色したもの。

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