【めい】~【めと】

−−−−−−−めい(#mei)−−−−−−−
・銘打つ(めいうつ) 1.品物に銘を付ける。銘を刻む。2.転じて、名目を掲げる。看板として掲げて宣伝する。 例:「地球に優しいと銘打った洗剤」
・迷宮入り(めいきゅういり) 犯罪事件などで、真相や犯人がまったく分からず、解決の見込みが立たないこと。 類:●お宮入り
・明鏡止水
(めいきょうしすい) 《四熟》 曇りのない鏡と静かな水という意味で、澄み切った静かな心境のこと。疚(やま)しさがない静かな心。 類:●虚心坦懐●風光霽月●心頭滅却●則天去私●大悟徹底●無想無念●無念無想 反:■疑心暗鬼意馬心猿 出典①:「荘子−徳充符篇」「人莫鑑於流沫、而鑑於止水者。鑑明則塵垢不止。止則不明也」 出典②:「淮南子−俶真訓」「人莫鑑於流沫、而鑑於止水者、以其静也、莫窺形於生鉄、而窺於明鏡者、以其易也」
・明鏡も裏を照らさず
(めいきょうもうらをてらさず) 賢明な人にも、目が届かない所があるということの喩え。 類:●知者も一失
・名実相伴う
(めいじつあいともなう) 評判と実際とが一致している。 類:●名実相適(かな)う
・名実共に
(めいじつともに) 名声と功績が共に釣り合っている。評判と実際とが一致していること。 類:●
名実相伴う 例:「名実共に大作曲家だ」
・名所に見所なし(めいしょにみどころなし) 世間で、景勝の地と言われるところには、これといって見るべきものはないものである。名は必ずしも実(じつ)を伴わないことの喩え。 類:●
名物に美味いものなし
・迷津慈航
(めいしんじこう) 《四熟・仏教用語 迷津から悟りの彼岸に渡す慈悲の船という意味で、仏法や仏の慈悲を喩えていう言葉。 類:●無縁の慈悲
・名人は人を謗らず
(めいじんはひとをそしらず) 名人と言われる人は、他人の未熟さや短所を一々咎(とが)め立てしたりしない。名人は、自分の力に自信があるから、他人のことは気にしないし、他人の長所を認める余裕すらあるということ。 類:●泰山は土壌を譲らず大海は芥を択ばず 出典:「俚言集覧
・明窓浄几
(めいそうじょうき)・明窓浄机 《四熟》 明るい窓と綺麗に片付けられた机。明るく整然とした書斎を表わす言葉。
・命旦夕に迫る
(めいたんせきにせまる) 臨終のときが今夜か明朝かという状態になる。 類:●旦夕に迫る●死が迫る
・明哲保身
(めいてつほしん) 《四熟》 1.聡明で道理を弁(わきま)えている人は、危険に陥(おちい)らないようにものごとを処理し、安らかに身を全(まっと)うするということ。 出典:「詩経−大雅・烝民」「既以保其身<既に明且つ哲、以て其の身を保つ> 2.賢明に世に処して、己の地位を守ること。特に、世の中の大勢(たいせい)に逆らわないことを言う。 ★本来悪い意味はなかったが、「保身」を誤解して、自分の身の安全のみを考える小賢(こざか)しい処世術にも言うようになった。
・冥途にも知る人
(めいどにもしるひと)[=冥土にも〜] 1.どのような所でも、知己はできるものだ。2.どんな遠い未知の土地に行っても知人に巡り会えるものだ。 類:●地獄にも知る人
・冥途の旅
(めいどのたび)[=冥土の〜] 「冥途」は、仏教用語で、死者の霊魂が行き着く世界のこと。死んであの世に行く旅。 類:●死出の旅
・冥途の使い
(めいどのつかい)[=冥土の〜] 出掛けたまま、帰ってこないこと。 類:●薩摩飛脚鉄砲玉 参考:「冥途の飛脚
・冥途の土産
(めいどのみやげ)[=冥土の〜] 死ぬに当たっての楽しい思い出にする。生きているうちには叶えられそうになかった望みが、思い掛けなく叶い、それを冥土への土産として悔いなく死んでいけるという喜びの気持ちを表わす。 類:●黄泉苞(よみづと) 例:「冥土の土産に真相を聞かせてやろう」
・命は天にあり(めいはてんにあり) 運命は天が定めるものであり、人間の力ではどうすることもできない。 ★地口で「牡丹餅は棚にあり」などと続けたりもする。
・名馬に癖あり
(めいばにくせあり) 優秀な馬は、何かしら変な癖を持っているものである。人間も同様で、優れた才能の持ち主は一般的な価値観では計れない個性を持っているものである。また、そのくらい強い個性がないと、突出した成功は望めないということ。 類:●名馬に難あり●癖なき馬は行かず
・名物に美味いものなし
(めいぶつにうまいものなし) 名は必ずしも実を伴わないということの喩え。 類:●
名所に見所なし
・明眸皓歯
(めいぼうこうし) 《四熟》 美しく澄み切った眸(ひとみ)と白く整った歯。美人の形容。
・命脈を繋ぐ
(めいみゃくをつなぐ)[=保つ] 1.命を保ち、生き長らえる。2.転じて、ものごとが絶えることなく継続している状態の喩え。 例:「血族が細々と命脈を繋いできた」
・冥々の裡(めいめいのうち) 知らず知らずのうち。ものごとが、はっきりとした形になる前の状態。 類:●暗暗裏●冥冥裡(めいめいり)
・明々白々
(めいめいはくはく) 《四熟》 「明白」を重ねた言葉で、非常にはっきりしていて、少しも疑わしい点がないこと。 例:「明々白々な事実」
・名誉挽回
(めいよばんかい) 《四熟》 一度失った名誉や信用を取り戻すこと。  類:●面目一新面目躍如
・滅入る
(めいる) 1.気勢がなくなり塞(ふさ)ぎ込む。元気なく陰気になる。憂鬱になる。沈む。 類:●落ち込む 用例:中華若木詩抄−上「指たる恩賞にあつからず貧にめいる也」 例:「気が滅入る話」 2.衰える。落ち目になる。減る。 用例:浮・好色盛衰記−二「久しく此里めいりけるが、人は移気にして、又色も狂ば、若やぎて」 3.深く入り込む。減(め)り込む。 用例:浮・武家義理物語−四「見しうちにめいりて、柱もゆがみ壁もこぼれ」 4.酒色などに耽(ふけ)る。嵌(は)まり込む。
・命を革む
(めいをあらたむ) 天命が改まる。王朝が変わる。革命が起こる。
・命を知る者は天を怨みず(めいをしるものはてんをうらみず) 人間の運命は天の定めるものだと知っている者は、自分の悲運を怨むようなことはしないということ。 類:●天を怨みず人を尤めず●天を怨まず人を咎めず 出典:「荀子−栄辱篇」「自知者不怨人、知命者不怨天

−−−−−−−めう(#meu)−−−−−−−
・目移り(めうつり) 1.視線が種々の物に移り変わること。2.好ましいものがたくさんあって、それらに惹(ひ)かれて心が迷うこと。 例:「目移りして決められない」

−−−−−−−めえ(#mee)−−−−−−−
・メートルを上げる
(めえとるをあげる)[=回す] 酒を飲んで気炎を上げる。勢いが良くなる。 類:●気炎を上げる●気炎を吐く

−−−−−−−めか(#meka)−−−−−−−
・目が合う
(めがあう) 1.上瞼(まぶた)と下瞼とが合うという意味で、眠ること。多く、打消しを伴って、良く眠れないことを表わす。 用例:蜻蛉−上「よる、めもあはぬままに、歎きあかしつつ」 
反:■目も合わず 2.視線が合う。
・目顔で知らす
(めがおでしらす) 目付きで知らせるという意味で、目配せをして意図するところを相手にそれとなく伝える。
・目顔を忍ぶ(めがおをしのぶ) 人目に付かないようにする。見付からないようにする。
・目が堅い
(めがかたい) 子供などが、夜が更(ふ)けても眠くならない。
・目が利く
(めがきく) 1.鑑識力が優れている。鑑定が上手である。 類:●
目が高い 2.監督が行き届く。
・目が曇る
(めがくもる) 判断力が鈍る。
・目が眩む(めがくらむ)・眩(ま) 1.目が霞む。2.眩暈(めまい)がする。目がくらくらとする。 例:「吊り橋で目が眩む」 3.強い光に打たれたり、神仏の忌諱(きい)に触れたりして、一時、目が見えなくなる。4.あるものに心を奪われて、正常な判断ができなくなる。 例:「金に目が眩む」 類:●
目が眩れる
・目が眩れる
(めがくれる) 1.眩(まぶ)しくて、くらくらする。眩暈(めまい)がする。 類:●
目が眩む 2.目が曇る。涙で目も霞むほどである。3.金品などに、心を奪われて正しい判断ができなくなる。
・目が肥える
(めがこえる) 同じ種類のものをたくさん見て、その価値を見分ける力が付く。良いものを見慣れて鑑識力が増す。
・目が冴える
(めがさえる) 神経が昂(たか)ぶって眠れなくなる。また、目がはっきりと覚める。
・目が覚める
(めがさめる) 1.眠りから覚める。眠気が去る。2.眠気が去るような思いがする。新鮮な感じがする。目新しさに驚く。 用例:徒然草−一五「しばし旅だちたるこそ、めさむる心ちすれ」 例:「目の覚めるような美人」 3.驚き呆れる。また、興醒(ざ)めする。 用例:俳・本朝文選−四「首筋のあたりより、燕の舞ありく景気こそ、目さむる心地はせらるれ」 4.心の迷いが去って、本来の姿に立ち返る。自覚して、罪や非を悔い改める。 例:「母親に泣かれて目が覚めた」
・目賢し
(めかしこし) 目聡(ざと)い。 類:●目端が利く●目早(ばや)い 用例:源平盛衰記−二二「秀郷、目(メ)かしこく見咎めて」
・目が据わる
(めがすわる) じっと一点を見つめて視点が動かなくなる。酒に酔ったり怒ったりした様子を現わす。
・目が高い
(めがたかい) 鑑識力が優れている。 類:●
目が利く 例:「流石(さすが)お目が高い」
・目が近い
(めがちかい) 近視である。
・目が付く(めがつく) 1.目が止まる。気が付いて見る。2.賽子(さいころ)賭博(とばく)で、良い目が出る。
・目が出る
(めがでる) 1.値段があまりにも高くて、非常に驚くことの喩え。 類:●目の玉が飛び出る 2.振った賽子(さいころ)に良い目が出ることから、幸運が巡ってくる。
・芽が出る
(めがでる)[=吹く] 1.草木の芽が萌(も)え出る。芽吹く。2.幸運が回ってくる。成功の兆しが見える。 類:●
目が出る
・目が点になる
(めがてんになる) 俗語。驚き呆れたときの表情。 例:「出し抜けに指名されて目が点になった」 
★語源は、福田幾太郎(さだまさしのバンド・ギタリスト)らの楽屋話から。それを芸人・笑福亭鶴瓶が気に入って広め、「流行語(1987年)」にまでなった。漫画の驚いたときを示す表現から取った言葉。
・目角が強い(めかどがつよい) 1.物を確実に見る。ものごとを見抜く。2.良く見て忘れない。細部まで見覚えている。
・目が届く
(めがとどく) 注意が行き届く。監視が行き渡る。
・目が飛び出る
(めがとびでる) 1.驚いて目の玉が飛び出すような感じになる。値段が驚くほど高いこと。2.激しく叱られる様子。 例:「目が飛び出るほど叱られた」 類:●目が抜け出る●目の玉が飛び出る
・目角を立てる
(めかどをたてる) 鋭い目付きで見る。 類:●目に角を立てる
・目がない(めがない) 1.心を奪われて、思慮・分別をなくすほどである。我を忘れるほどそれが好きである。 例:「甘い物には目がない」 ★1つのことに心を奪われて、対象を見る目を失うことから。 2.正しく判断したり、見極めたりする知恵がない。ものごとを的確に判断する能力がない。 例:「あいつは人を見る目がない」
・眼鏡が狂う
(めがねがくるう) 物や人を見て、良否の判断を誤る。目利きに失敗する。
・眼鏡に適う
(めがねにかなう) 目上の人の気に入る。認められる。 類:●お眼鏡に適う 例:「養父の眼鏡に適った」
・眼鏡を掛ける
(めがねをかける) ここでの「眼鏡」は、色眼鏡と同意。「色」には、偏見・先入観という意味があることから、先入観や予断を以って物を見ること。 類:●色眼鏡で見る
・目が離せない(めがはなせない) いつも、注意、監督をしていなくてはならない。常に見守っていなければならない。 例:「台風の進路情報から目が離せない」
・目が光る
(めがひかる) 監視が厳しくなる。 例:「警察の目が光っている」
・目が回る
(めがまわる) 1.目が眩む。眩暈(めまい)がする。2.非常に忙しい様子の形容。 例:「忙しくて目が回る」
・目が物を言う
(めがものをいう) 目付きや目配せなどで相手に気持ちを伝える。
・目から鱗が落ちる
(めからうろこがおちる) 何かがきっかけとなって、急にものごとの事態が良く見え、理解できるようになる。 類:●開眼(かいがん・かいげん) 出典:「新約聖書−使徒行伝・9章」 「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」という、キリストの奇跡により、盲目の男の目が見えるようになった記述による。
目から鼻へ抜ける
(めからはなへぬける)
・目から火が出る
(めからひがでる) 顔や頭などを強く打ち付けたとき、一瞬光が交錯して見えたりすることから出来た言葉。

−−−−−−−めく(#meku)−−−−−−−
・目串が付く
(めぐしがつく) 1.見当(けんとう)が付く。2.犯人の目星が付く。
・目串が抜ける
(めぐしがぬける) 掛かっていた疑いが晴れる。 用例:伎・
三人吉三「悪く口を利きなさると目串は抜けませぬぞ」 用例の出典:三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい) 歌舞伎脚本。世話物。7幕。河竹黙阿弥。万延元年(1860)江戸市村座初演。和尚吉三・お坊吉三・お嬢吉三と異名をとる三人の盗賊が義兄弟の契りを結ぶのを発端に、百両の金と名刀庚申丸(こうしんまる)の行方をめぐって複雑な因果関係が展開する。作者の代表作の一つ。別名「三人吉三巴白浪」。
・目くじらを立てる
(めくじらをたてる)[=立つ] 目を吊り上げる。 1.怒る。むきになる。また、些細なことを取り立てて謗(そし)り罵(ののし)る。 類:●目角に立てる●目角を立てる●目口を立てる ★「目くじら」は、「目くじり」からの変化。 2.他人の欠点を探し出して咎(とが)め立てをする。
・目串を付ける
(めぐしをつける) 目当てを付ける。見当を付ける。目を付ける。 類:●目星を付ける●目串を立つ
・目薬ほど(めぐすりほど) 目薬は一滴ずつ使うところから、ごく少量であることの喩え。 用例:洒・
田舎談義「さういふ気は目薬ほどもねえよ」 用例の出典:田舎談義(いなかだんぎ) 洒落本。竹塚東子(とうし)。寛政2年(1790)。・・・詳細調査中。
目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう)
・目口乾かす
(めくちかわかず) 良く目が利き、口が回るという意味で、人の粗(あら)探しをし、口煩(うるさ)く言ってやろうと狙っている様子。
・目口開かる(めくちはだかる) 目や口が大きく開く。驚き呆れたときの様子。 用例:今昔−28「奇異(あさまし)く目口はだかりて居たり」
・目配せ
(めくばせ) 瞬(まばた)きして意志を伝えること。目を動かして合図すること。 用例:浄・国性爺合戦−五「たがひにきっとめくばせ、つっと出て」 ★「めくわせ()」の変化した語<国語大辞典(小)>
盲蛇に怖じず
(めくらへびにおじず)
・盲滅法
(めくらめっぽう) 少しも見当を付けないで、出鱈目(でたらめ)に事をすること。 類:●盲滅法界●盲滅相●当たるを幸いに闇雲 例:「盲滅法走り回る」
・目眩く(めくるめく) 目が眩(くら)む。眩暈(めまい)がする。 類:●めくるべく 用例:古本説話集−六四「めくるめく心地すれば、しばしもみえず」 例:「目眩めく常夏の海」 用例の出典:古本説話集(こほんせつわしゅう) 説話集。平安末期か、遅くとも鎌倉初期には成立したと見られる。前半は世俗説話46話、後半は仏法説話24話を収録。赤染衛門・和泉式部・清少納言などにまつわる和歌説話、霊験譚等70話から成る。昭和18年(1943)発見され、暫定的に「古本説話集」と命名された。

−−−−−−−めこ(#meko)−−−−−−−
・目溢し(めこぼし) 1.咎(とが)めるべきことを、わざと見逃すこと。大目に見ること。 例:「初めてですから、お目溢しを」 2.米などが、俵(たわら)の目から零(こぼ)れ落ちること。 類:●目溢れ

−−−−−−−めさ(#mesa)−−−−−−−
・目先が利く
(めさきがきく) 先の見通しが利く。当座の処置が巧くできる。 類:●気転が利く●目端が利く
・目先を変える
(めさきをかえる) 当座の趣向を変えて、目新しくする。
・目先を眩ます
(めさきをくらます) その場の事情を誤魔化して、当座を分からないように逃(のが)れる。
・目敏い(めざとい) 1.見付けることが早い。目が早い。 類:●目早い 用例:狭衣−四「ひき隠し給を、例のめざとく見てけり」 2.目が覚めるのが早い。眠りから覚め易い。 類:●いざとい 用例:雑俳・
童の的−一「居なじまぬ内は女の目ざとくて」 3.ものごとを見抜くのが早い。抜け目がない。 用例の出典:童の的(わらわのまと) 雑俳。1冊。竹翁散人遺編。 宝暦4年(1754)。・・・詳細調査中。
・目覚しい
(めざましい) 1.ものごとが心外であり、目も覚める思いがする。驚き呆れたり、不快に思ったりするほどのこと。 類:●
目障りである●気に食わぬ 用例:蜻蛉−上「めさましと思ひしところは、いまは天下のわざをしさはぐときけば、心やすし」 2.ものごとが素晴らしく目も覚めるほどである。驚くほど素晴らしい。驚くほど立派である。また一般に、評価すべき状態が際立っている様子。 用例:源氏−若菜下「めさましき女の宿世かな」 例:「目覚ましい躍進」 ★動詞「めざむ」の形容詞形。古くは「めさまし」とも。<大辞林(三)>
・目障り(めざわり) 1.物を見るのに邪魔になること。また、その物。2.見て気に障ること。見て不愉快に感じること。また、その物。


−−−−−−−めし(#mesi)−−−−−−−
・飯に付く(めしにつく)・有り付く 三度の御飯に有り付くという意味で、生計を立てる道を得ること。仕事に有り付く。
・飯の食い上げ(めしのくいあげ)[=お飯(まんま)の〜] 収入がなくなり、生活ができなくなること。生計の道を失うこと。
・飯の種
(めしのたね) 生計を立てるための手段。生きて食っていくための仕事。 例:「飯の種をなくす」
・飯櫃の底を叩く
(めしびつのそこをはたく・たたく) 米を買う金もなくなる。生計が立たなくなること。
・目じゃない(めじゃない) 問題にならない。大したことはない。 例:「あんなやつ目じゃない」 ★「目を掛けるに値しない」ということ。
・目尻を上げる
(めじりをあげる) 眦(まなじり)をきっと上げる。目を見張った様子や、緊張した顔付きをすること。
・目尻を下げる(めじりをさげる) 1.満足して相好を崩す様子。2.女に見蕩(と)れたり、溺れたりすることの形容。好色そうな顔付きをする様子。
・目白押し
(めじろおし) 1.子供の遊び。大勢横に並んで押し合い、押し出された者はまた外側について押し合う。2.大勢の人が先を争って並ぶこと。3.人や物がたくさんあって、押し合うようであること。 例:「秋の新作映画が目白押しだ」 類:●目白の押し合い 
★メジロが木にとまるとき、多く並んで押し合う性質のあるところから<大辞林(三)> 
・飯を食う
(めしをくう) 1.食事をする。2.生計を立てる。生活する。 例:「ペン1本で飯を食う」

−−−−−−−めす(#mesu)−−−−−−−
・雌豚の耳から絹の財布は作れない(めすぶたのみみからきぬのさいふはつくれない) 1.粗悪な材料で上等品はできない。素材の悪さは変えようがないということ。また、人の本性は変えられないということ。 類:●You cannot make a silk purse out of a sow’s ear.●甲冑を着せても豚は豚だ●蝦で鯛は釣れない●瓜の蔓に茄子はならぬ 2.成果を上げるには、それなりの元手が必要だということ。
・メスを入れる
(めすをいれる) 1.医師がメスで患部を切開する。2.転じて、災いの根を除くために、或いは、ものごとを是正するために、思い切った手段を取る。事態を徹底的に分析し批判する。 例:「政界にメスを入れる」

−−−−−−−めせ(#mese)−−−−−−−
・目千両(めせんりょう) 千両もの値打ちがある美しい目。また、魅力的な目。特に、歌舞伎役者の目について言った。 ★「目千両胴三百文」の略<学研国語大辞典> 参考:三百文(さんびゃくもん) 僅(わず)かな金額の喩え。転じて、価値の低いものの喩え。

−−−−−−−めた(#meta)−−−−−−−
・目高も魚の内(めだかもととのうち) メダカのような小魚でも魚には違いない。 1.どんなに小さく頼りないものでも、仲間の一部であるということ。 類:●蝙蝠も鳥の内 2.取るに足りない者が、優れた者の中に交じっていること。 類:●蝙蝠も鳥の内雑魚の魚交じりゴマメの魚交じり
・目玉が飛び出る(めだまがとびでる)[=抜け出る] 酷(ひど)く驚く様子。目を見開くほど驚くこと。主に、値段が高過ぎるときや、酷くおこられたときなどに言う。 類:●目の玉が飛び出るほど
・目玉の黒い内(めだまのくろいうち) 生きている内。存命中。 類:●目の黒い内
・目玉商品(めだましょうひん) 《四熟》 1.商店などで、客を集めるために値引きした商品。特価品。2.特に目立たせたい品物。 類:●イチオシ

−−−−−−−めち(#meti)−−−−−−−
・滅茶苦茶
(めちゃくちゃ) 《四熟》 1.まったく筋道が立たないこと。非常に度外れていること。 類:●目茶目茶●滅茶●無茶苦茶 例:「滅茶苦茶な振る舞い」 2.どうにもならないほど壊れること。非常に混乱した状態になること。 類:●打(ぶ)ち壊し台なし 例:「雰囲気が滅茶苦茶になる」 
★「くちゃ」は語調を整えるために添えたもの。「滅茶苦茶」「目茶苦茶」は当て字<国語大辞典(小)>

−−−−−−−めつ(#metu)−−−−−−−
・メッカ
(めっか) 英語のMeccaから。 1.マホメットの生地とされる土地。サウジアラビアの主都。サウジアラビアの西部、ヘジャズ地方の都市。イスラム教の第一の聖地で、カーバ神殿がある土地。 ★アラビア語名は「マッカ」。 2.学問や芸術など、ある分野の中心地として、その方面の人が一度は行ってみたいと思っている憧(あこが)れの場所。 例:「ラスベガスはギャンブルのメッカ」
・鍍金が剥げる
(めっきがはげる)[=剥がれる] 外面の飾りが取れて、悪い中身が現れる。上辺の誤魔化しが利かなくなって、本性が現われる。 類:●地金が出る箔が落ちる 
★「鍍金」は、「めつきん(滅金)」の転<大辞林(三)>
・滅鬼積鬼
(めっきしゃっき) 《四熟》 1.地獄の獄卒である鬼の名前。阿防(あぼう)。牛頭(ごず)。2.厳しく責めて問い正すこと。強硬に談判すること。 用例:浄・新版歌祭文「今夜は後家に逢うて滅鬼積鬼」
・鍍金をさす
(めっきをさす) 鍍金を施(ほどこ)す。〔日葡辞書
・目っけ物
(めっけもの) 1.偶然に見付けた物。 類:●掘り出し物 2.偶然に得た幸運。 類:●儲け物 例:「怪我をしなかったのが目っけ物だ」
・滅相もない
(めっそうもない) とんでもない。思い掛けないことである。あるべきことではない。 ★「ない」は接尾語。「滅相もありません」「滅相もございません」等は、誤用。
 ★接尾語「ない」は、性質・状態を表す語(多く、形容詞語幹・形容動詞語幹など)に付いてその意味を強調し、形容詞化する。「苛(いら)なし」「うしろめたなし」「切(せつ)ない」「はしたない」など。また、「大層もない」「滅相もない」など、「も」のはいった形でも用いられる<国語大辞典(小)> 参考:滅相(めっそう) 有為の四相の一つ。因縁によって生じた一切の存在を過去の存在として滅し去るもの。現在が滅して過去に入るという相。 参考:四相(しそう) 事物が出現し消滅していく四つの段階。生相、住相、異相、滅相。
・滅多打ち
(めったうち) 1.度を越して打つこと。過剰に打ち据えること。 例:「村人から滅多打ちにされた」 2.野球で、投手がパカスカ打たれること。 例:「死球を出してから崩れて滅多打ちにされた」 ★「めった」は、「めた」「めたと」と同源。「滅多」は当て字<大辞林(三)>
・滅多切り
(めったぎり)・滅多斬り 度を越して切ること。滅茶苦茶に切ること。刀などで、あたり構わず斬り付けること。 例:「滅多切りにされた死体」
・滅多刺し
(めったざし) 度を越して刺すこと。滅多矢鱈に刺すこと。 ★以前は使われなかった言葉。昭和中後期に報道から出た言葉。
・滅多矢鱈
(めったやたら) 《四熟》 訳も分からず、ただ無闇矢鱈にという意味で、前後の事を考えない無茶苦茶な様子。多く、「に」を伴って、無闇に。 類:●滅多無性●滅多無心●闇雲無闇矢鱈
・滅法(めっぽう) 状態や程度が、並の水準を逸脱している様子。甚(はなはだ)しく。 用例:滑・浮世風呂−前「今朝はめっぽう寒(さぶ)いナア」 例:「滅法足が速い」 
・目褄を忍ぶ
(めつまをしのぶ) 1.人の目を憚(はばか)ってこっそりとものごとをする。人目を盗む。 用例:滑・浮世風呂−2「私の目褄を盗んでは休みたがります」 2.男女が密会する。 類:●人目を忍ぶ人目を盗む
・目面も明かぬ
(めづらもあかぬ) 非常に忙しくて、慌ただしいことの形容。 類:●目面を掴む 用例:浄・心中宵庚申−上「目面も明かぬ取り込みに」
・目面を掴む
(めづらをつかむ) 忙しい様子。 用例:柳多留−19「目面を掴む最中あばた嫁入」

−−−−−−−めて(#mete)−−−−−−−
・目で殺す
(めでころす) 色目を使って相手を悩殺する。
・目で見て口で言え
(めでみてくちでいえ) 見もしないことを喋ってはいけないということ。事情を見極めてから他人に語れという戒(いまし)め。
・目で目は見えぬ(めでめはみえぬ) 自分の目で自分の目は見ることができない。自分の欠点には気付かないものであるという喩え。 類:●目は豪毛(ごうもう)を見るも睫(まつげ)を見ず●自分の盆の窪は見えず
・目で物を言う
(めでものをいう)目配せしをて意思を通ずる。

−−−−−−−めと(#meto)−−−−−−−
・目処が付く
(めどがつく)[=立つ] 見当が付く。予測が付く。狙いどころがはっきりする。将来の見通しがはっきりする。 例:「解決の目処が付く」
・目と鼻
(めとはな)[=鼻の間・鼻の先] 二箇所の間の距離が極めて近いこと。 類:●目と鼻の間●目睫(もくしょう)の間
・目処を付ける
(めどをつける) 見当を付ける。狙いどころをはっきりさせる。 類:●目星を付ける
・目処を取る
(めどをとる) 1.見当を付ける。ものごとを行なう際の目標をはっきりさせる。2.これからの見通しを付ける。


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