【しん】〜【しん】

−−−−−−−しん(あ)(#sin1)−−−−−−−
・瞋恚の角
(しんいのつの) 他人に対する恨みや怒りの恐ろしさを、物を突き刺す角に喩えた言葉。
・瞋恚の炎(しんいのほのお・ほむら)[=火・猛火(もうか・みょうか) 他人に対する激しい恨みや怒りを炎に喩えた言葉。
・瞋恚を燃やす
(しんいをもやす) 1.他人に対して激しく恨みや怒りの心を発する。2.煩悩(ぼんのう)・情欲などが極めて盛んである。また、やきもきする様子。
・深淵に臨んで薄氷を踏むが如し(しんえんにのぞんではくひょうをふむがごとし) 危険な立場に立たされていること。 類:●薄氷を踏む●刀の刃を歩む●剃刀の刃を渡る 出典:「詩経−小雅・小旻」

−−−−−−−しん(か)(#sin2)−−−−−−−
・心外
(しんがい) 1.思いも寄らないこと。考え通りでないこと。 類:●思いの外●意外●案外 例:「そんなことを言われるとは心外だ」 2.予期に反して悪い結果となり、残念であること。 類:●以ての外●遺憾 用例:浮・武家義理物語−六「御念比あそばす事。いかにしても心外なり」
・陣笠連
(じんがされん) 1.雑兵の仲間。また、手下の者たち。2.一定の主義・主張もなく、人の下風(かざしも)に立って甘んじている者たち。3.政党などで、幹部に追従し自分の主義・主張を持たない議員たち。幹部でない平(ひら)代議士たち。
・人間到る所青山あり(じんかんいたるところせいざんあり) 人間はどこで死んでも、骨を埋める場所ぐらいはあるということ。大望を達するため、郷里を出て大いに活動すべきであるということ。 出典:月性の詩「将東遊題壁」「男子志を立てて郷関を出ず、学もし成らざれば死すとも還らず。骨を埋むるにあにただ墳墓の地、人間到る処青山有り」 参考:青山(せいざん) 死んで骨を埋めるのに相応(ふさわ)しい土地。また、墳墓の地。 源典:蘇軾「予以事繋御史台獄…授獄卒梁成以遣子由・其一」「是処青山可埋骨」 人物:
月性(げっしょう) 幕末の僧。詩人。1817〜58。字は知円。号清狂。周防の妙円寺の住職。仏道、詩文を学び、京都、江戸に出て吉田松陰、梅田雲浜ら多くの志士とまじわる。海防を論じ、尊王攘夷論を主張。「男児立志出郷関」の詩は有名。没後「清狂遺稿」が編まれている。
・心願成就
(しんがんじょうじゅ) 《四熟》 心の奥に秘めていた希望や夢が、その通りに叶うこと。念願が達成されること。 類:●大願成就
・人間青山
(じんかんせいざん) 《四熟》 世の中は広く、死に場所などはどこにでもある。志を立てたら、故郷を捨てて大いに活躍すべきだということ。殻に篭もらず、広い世間に出て挑戦せよということ。 出典:月性の詩「将東遊題壁」
・人間万事塞翁が馬
(じんかんばんじさいおうがうま・にんげん〜) → 塞翁が馬
・心機一転
(しんきいってん) 《四熟》 ある事をきっかけに、気持ちがすっかり変わること。特に、好い方に変わるときに使う。 例:「心機一転、ぐうたらな生活を改める」
・心気が湧く
(しんきがわく) 心が惹(ひ)かれて、じっとしていられなくなる。
・辛気臭い
(しんきくさい) 1.思うようにならないで、じれったい。 類:●歯痒い間怠いもどかしい隔靴掻痒 用例:滑・七偏人−四「噫々(ああああ)しん気臭い」 2.気がくさくさして滅入(めい)ってしまうようである。 
★主に関西地方で<大辞林(三)> ★接尾語の「臭い」は、そのような傾向がある・そんなふうに思える・それに似ている・〜らしいなどの意。 例:「胡散臭い」「洒落(しゃら)臭い」「いんちき臭い」「面倒臭い
・新規蒔き直し
(しんきまきなおし) 改めて事をすること。初めに戻ってもう一度新たに遣り直すこと。 例:「新規蒔き直しを図る」 
★巻物を広げると、元に戻すためには初めから巻き直す必要があるというところから、「巻直」の字を当てるべきだともいう<国語大辞典(小)>
・神機妙算
(しんきみょうさん) 《四熟》 神が行なうような絶妙の謀(はかりごと)。常人にはとても思い付かない優れた謀。 類:●神機妙道●神算鬼謀●神籌妙算 用例:社会百面相「なお神機妙算わくがごとく候えども、次の汽車にて茅崎まで背進つかまつり候」
・仁義を切る
(じんぎをきる) 1.博徒・てきや・露天商・香具師(やし)などの仲間で、初対面の時に特殊な形の挨拶(あいさつ)を交わす。 
★「辞儀」の転か<大辞林(三)> 2.関係者に、予(あらかじ)め話を付けておく。 類:●仁義を通す
・心気を砕く
(しんきをくだく) 心を労する。色々と気を揉(も)む。
・心気を燃やす
(しんきをもやす)[=沸(わ)かす] 気を揉む。じれったく思う。 用例:浄・用明天皇職人鑑「ええまだ盃は取れまいと、心気を燃やしてゐる所に」
・真金は鍍せず
(しんきんはとせず・めっきせず) 本物の金であるなら、鍍金(めっき)する必要がない。真に才能があるなら、上辺(うわべ)を飾る必要がないということ。 出典:李紳「答章孝標詩」「仮金方用真金鍍、若是真金不鍍
・心血を注ぐ
(しんけつをそそぐ) 全精神、全肉体を込めてものごとを行なう。熱中する。苦心する。苦労する。 類:●根を詰める全身全霊
・人口に入る(じんこうにいる)[=落つ・乗る] 世間の人々の噂に上(のぼ)る。世人の噂になる。
・人口に膾炙す
(じんこうにかいしゃす) 膾(なます)と炙(あぶり肉)は誰の口にも美味く感ぜられ、多くの人に賞味されるというところから、詩文などが広く人々の口に上って持て囃されること。広く世間の人々の話題となること。 出典:林嵩(唐代)「周朴詩集序」「一篇一詠、膾炙人口」 参考:「膾炙」の出典=「孟子−盡心・下」「膾炙與羊棗孰美」
・沈香も焚かず屁も放らず
(じんこうもたかずへもひらず)[=線香も〜] お香を焚(た)くといった風雅なこともしないし、かといって不作法に人前でおならをするわけでもない。 1.特に目立つ特徴のない、極(きわ)めて平凡な人の喩え。また、どうでも構わないような者のこと。 類:●凡人 2.徳行もしなければ悪行もしない、役にも立たない代わりに害にもならない人の喩え。 類:●可もなく不可もなし毒にも薬にもならぬ 参考:沈香(じんこう) 熱帯産の沈香から製する天然香料。
・真骨頂
(しんこっちょう) 1.本来持っているありのままの姿。真実の姿。本当の様子。 類:●真面目(しんめんもく) 例:「真骨頂を発揮する」 2.「骨頂」の最上の意味から、その道の奥義や極意。 類:●真髄●真価 例:「これぞ北斗神拳の真骨頂だ」 ★「骨頂」は、「骨張る」の音読。「骨頂」の「頂」は当て字<国語大辞典(小)>
・心骨に刻す
(しんこつにこくす) 「心骨」は心の奥底のこと。心の奥底に刻み付けて長く忘れない。 類:●肝(きも)に銘じる
・身骨を砕く
(しんこつをくだく) 一所懸命で事に当たる。苦心の限りを尽くして事に当たる。 類:●粉骨砕身
・人後に落ちる
(じんごにおちる) 人より下位になる。他人に引けを取る。
 類:●牛後に付く 出典:李白「流夜郎贈辛判官詩」「気岸遥凌豪士前、風流肯人後」 人物:李白(りはく) 中国唐代の詩人。701〜762。字は太白、号は青蓮居士。若くして諸国を漫遊し、のち出仕したが、安史の乱などで不遇であった。玄宗と楊貴妃の牡丹の宴で酔中に「清平調」三首を作った話は有名。詩聖杜甫に対して詩仙と称される。詩文集に「李太白集」がある。
・心魂に徹する
(しんこんにてっする) 1.心に深く沁み込むほど、深く心に記す。 類:●肝(きも)に銘じる 2.信念を堅くする。堅く心に決める。

−−−−−−−しん(さ1)(#sin3)−−−−−−−
・辛酸甘苦
(しんさんかんく) 《四熟》 辛(から)さと酸っぱさ、甘さや苦さ。 1.辛(つら)さや苦楽。 類:●喜怒哀楽 ★「辛酸甘苦鹹」を五味という。 2.経験を積んで、世事や人情に良く通じていること。 類:●酸いも甘いも噛み分けた
・辛酸を嘗める
(しんさんをなめる) 辛(つら)い目に遭う。大変な苦労を経験する。 例:「世の辛酸を嘗める」 類:●苦杯を舐める塩を踏む
・真実一路(しんじついちろ) ひたすら真実だけを求めて生き抜くこと。 類:●一意直到竹を割ったような 
反:■巧言令色(こうげんれいしょく)
・人事は棺を蓋うて定まる(じんじはかんをおおうてさだまる) 一個の人間の是非善悪や価値は、死後になって初めて決定する。死んで初めて明らかになる。 類:●棺を蓋うて事定まる
・唇歯輔車
(しんしほしゃ) 《四熟》 「輔」は頬骨、「車」は歯茎のこと。一方が亡べば他方も立ち行かなくなるように、利害が密接で離れられない関係。互いに助け合い補い合っていくような間柄。 類:●唇亡びて歯寒し持ちつ持たれつ 出典:「春秋左氏伝−僖公五年」
・仁者に敵なし
(じんしゃにてきなし) 仁者は愛情をもって人と接するので、これを憎む人がいない。また、仁政を施す為政者には、民衆が心から従って敵対する者がいない。 類:●情けに刃向かう刃なし  出典:「孟子−梁恵王・上」 梁(りょう)の恵王が、国辱(こくじょく)を雪(すす)ぐにはどうしたら良いかと尋ねたとき、仁政を施(ほどこ)して民の心を安んじれば良いとして、孟子が言った言葉。
・仁者は憂えず
(じんしゃはうれえず) 仁者は心が広く、道理に従い天命に安んずるから、心を煩(わずら)わせることや、心配することが何もない。 出典:「論語−子罕」「知者不惑、仁者不憂、勇者不懼」
・仁者は山を楽しむ
(じんしゃはやまをたのしむ)[=好む] 仁者の、天命に安んじ欲に動かされずに自然を楽しむ心境を、山の静かで不動な様子に喩えた言葉。 出典:「論語−雍也」 
・神出鬼没
(しんしゅつきぼつ) 《四熟》 1.非常に素早く現れたり隠れたりすること。2.極めて巧妙に出没するため、所在が分からないこと。 類:●鬼出電入
・浸潤の譖
(しんじゅんのそしり・しん) 水が物に次第に沁み込むように、少しずつ讒言(ざんげん)して人を陥(おとしい)れること。 出典:「論語−顔淵」「浸潤之譖、膚受之愬不行焉、可謂明也已矣」
・尋常一様
(じんじょういちよう) 《四熟》 ごく普通で、他のものと特別な差がない。 類:●日常茶飯事
・信賞必罰
(しんしょうひつばつ) 《四熟》 功労があった者には約束通り賞を与え、罪を犯した者は必ず罰すること。情に囚われず賞罰を厳正に行なうこと。 出典:「韓非子−内儲説・上」「一曰、衆端参観、二曰、必罰明威、三曰、信賞尽能」
・針小棒大
(しんしょうぼうだい) 《四熟》 針ほどの小さいことを棒ほどに大きく言い立てること。ものごとを大袈裟に誇張して言うこと。 例:「針小棒大に言い触らす」
・寝食を忘れる
(しんしょくをわすれる) ものごとに熱中して、寝ることも食べることも忘れる。 類:●根を詰める現を抜かす 例:「寝食を忘れて実験に没頭する」
・人事を尽くして天命を待つ
(じんじをつくしててんめいをまつ)[=に委(まか)せる] 人間の力としてできる限りのことをして、その結果はただ運命に任せるのみ。 類:●天は自ら助くる者を助く 出典:
読史管見(とくしかんけん) 儒書。宋代。胡寅(こいん)。書名は「史書を読んでの愚見」の意味。・・・調査中。
・薪尽火滅(しんじんかめつ) 《四熟・仏教用語 薪(たきぎ)がなくなって、火が消える。 1.釈迦の入滅のこと。 類:●薪尽く 出典:「法華経−序品」「仏此夜滅度、如薪尽火滅」 2.転じて、一般に、人が亡くなること。
・心神耗弱
(しんしんこうじゃく) 《四熟・法律用語 。精神が衰弱して、識別力が乏しくなり、自分の行為の是非を判断する能力が劣っている状態。刑法上は減刑される。 心神喪失よりは軽い状態。
・信心過ぎて極楽を通り越す
(しんじんすぎてごくらくをとおりこす) 信心も度が過ぎると却(かえ)って邪道に陥(おちい)り、救われず、害になるばかりである。
・心神喪失(しんしんそうしつ) 《四熟・法律用語》 精神機能の障害により、自分の行為の是非を判断できない状態。 ★刑法上は責任無能力者として処罰されず、民法上は禁治産宣告の原因となる。
・信心は徳の余り
(しんじんはとくのあまり) 神仏を信心するのは、生活にゆとりがあって初めてできるものである。生活に追われていたら、信心している暇はない。 類:●後生は徳の余り
・人心の同じからざるはその面の如し
(じんしんのおなじからざるはそのおもてのごとし) 人の心は、その顔付きが銘々違っているように、それぞれ違っているものだ。 出典:「春秋左伝−襄公三一年」

−−−−−−−しん(さ2)(#sin3-2)−−−−−−−
・薪水の労
(しんすいのろう) 1.薪(たきぎ)を採り水を汲(く)んで、炊事(すいじ)をする苦労。 類:●薪を採り水を汲む●洒掃薪水(さいそうしんすい) 2.人に仕(つか)えて、日常の雑事を厭(いと)わずに働くこと。 用例:奥の細道「芭蕉の下葉に軒をならべて、予が薪水の労をたすく」 出典:「文選−陶靖節(とうせいせつ)」「今、此の力を遣はして、汝が薪水の労を助けしむ」
・甚助を起こす
(じんすけをおこす) 男が、他人の恋を嫉妬する。 類:●焼き餅を焼く ★「甚助」は、「腎張(じんば)り」・・・淫欲が盛んなこと、を人名のように言った言葉。
・人生意気に感ず
(じんせいいきにかんず) 人は、自分を理解して呉れる相手の潔(いさぎよ)さに感じて仕事をするもので、金銭や名誉など私欲のためにするのではない。 
参照:「唐詩選」の巻頭を飾る「述懐(魏徴の作)」という題の詩の一節。 出典:唐詩選(とうしせん) 中国の詩選集。7巻。中国、明の李攀竜撰と伝えられるが書籍商人の偽託という。唐代の詩人127人の作品465首を詩体別に収録。唐詩正統派の格調を伝える。日本には江戸初期に伝来。唐詩入門書として流布。
・人生行路難し
(じんせいこうろかたし) 人の一生には様々な苦労があり、決して容易なものではない。
・人生七十古来稀なり
(じんせいしちじゅうこらいまれなり) 七十歳まで長生きする者は昔から極めて稀(まれ)である。 類:●古稀 出典:杜甫「曲江」
・人生字を識るは憂患の始め
(しんせいじをしるはゆうかんのはじめ) 人は字を覚え、学問をして道理が分かるようになると、そのために何かと苦労が多くなるものである。無学で何も知らない方が、却(かえ)って気楽であるということ。 類:●知らぬが仏聞けば聞き腹  出典:蘇軾「石蒼舒酔墨堂」「人生識字憂患始、姓名粗記可以休」<姓名がどうにか書ければそれで良いではないか> ★「人生識字糊塗始」は、これを捩(もじ)った魯迅(ろじん)の言葉。
・人世の炎涼は除き難し
(じんせいのえんりょうはのぞきがたし) 季節の寒暖(かんだん)はなんとか凌(しの)げるものだが、人の世の人情の篤(あつ)さ冷たさからは、なかなか逃(のが)れられないものである。世を処していくうちに、人情の篤さ冷たさを否応(いやおう)なく感じさせられるものだということ。 出典:「菜根譚−後集・132」「天運之寒暑易避、人世之炎涼難除
 出典:菜根譚(さいこんたん) 中国の雑学書、処世訓。明(みん)末。洪自誠。成立年未詳。2巻。儒教を中心に仏教、道教を加味し処世法を教えた警句風の短文約350条から成る語録。「人間はいつも菜根(不味い食物)を齧(かじ)っていたら、万事が巧くいく」という語から付けられた書名。
・人生のための芸術
(じんせいのためのげいじゅつ) ギュイヨーやトルストイが唱えた、「芸術は人生に益する所があって初めてその存在意義がある」という主張。 人物:
ギュイヨー(ジャン・マリー) フランスの哲学者、詩人。1854〜88。社会連帯性の方向を目ざす生の原理に立ち、義務と強制のない道徳を提唱。また芸術を生に基づく社会的共感の発現とみなした。主著「社会学的見地から見た芸術」「将来の無宗教」。
・人生は朝露の如し
(じんせいはちょうろのごとし) 人間の一生は、朝の露が陽を受けてすぐに消えてしまうように、極めて儚(はかな)く脆(もろ)いものである。 類:●人生夢の如し●浮世の夢 出典:「漢書−蘇武伝」「人生如朝露、何久自苦如此」 季陵が蘇武に言った言葉。
・人生僅か五十年
(じんせいわずかごじゅうねん) 人間の一生は極めて短いということの喩え。
・人跡繁ければ山も窪む(じんせきしげければやまもくぼむ・ひとあと〜) 山頂への人の往き来が多くなれば、山さえもいつかは窪むであろう。小さなことでも、積み重なれば大きな結果になるということの喩え。 類:●砂長じて巌となる釣瓶縄井桁を断つ
・寝石を視て伏虎と為す
(しんせきをみてふっことなす) 転がっている石を見て、蹲(うずくま)る虎かと思って肝を冷やす。動揺している者はあらぬ物に怯えるものだということ。 類:●弓影を疑いて蛇蠍と為す●落ち武者は芒の穂にも怖ず 出典:「
菜根譚−後集四十八」 故事:史記−李将軍列伝」 漢の李将軍は、岩を虎が伏していると間違い矢を射掛けたら岩に矢が刺さった。後に、岩と分かってから再び矢を射掛けたら、今度は刺さらなかった。
・心臓が強い
(しんぞうがつよい) 恥知らずで遠慮がない。図々しい。また、恥ずかしがらないで平然としている。 類:●
心臓に毛が生える●肝に毛が生える 反:■心臓が弱い
・心臓に毛が生える(しんぞうにけがはえる) 極めて図々しく、平然としている様子。 類:●
心臓が強い
・深窓の佳人
(しんそうのかじん) 身分の高い家で大切に育てられ、世の穢(けが)れを知らない美女。 類:●箱入り娘
・迅速果断(じんそくかだん) 《四熟》 ものごとを素早く決断し、実行すること。思い切りが良く決行が素早いこと。 類:●即断即決●進取果敢●当機立断 反:■熟慮断行■優柔不断

−−−−−−−しん(た)(#sin4)−−−−−−−
・身代有り付く
(しんだいありつく)[=済む・取り組む] 俸禄を得る身分になる。出仕する、仕官する。 類:●身上済む
・身代打つ
(しんだいうつ)[=明(あ)く] 家の財産を注ぎ込む。全財産を投げ出す。
・進退これ谷まる
(しんたいこれきわまる) 進むことも退(ひ)くこともできないで途方に暮れる。窮地(きゅうち)に追い詰められる。 類:●二進も三進も手も足も出ない立ち往生 出典:「詩経−大雅・桑柔」「人亦有言、進退維谷
・身代畳む
(しんだいたたむ) 全財産を失う。家屋敷を処分する。 類:●破産する
・身体髪膚これを父母に受く
(しんたいはっぷこれをふぼにうく) 我々の身体(からだ)は、毛の一本、膚の一片に至るまで、両親からいただいた大切なものであるから、我が身を傷付けないように努めることが孝行の第一歩である。 用例:百座法談−三月二七日「身体髪ふは父母のたまはれる処也」 出典:「孝経−開宗明義」「子曰、《略》、身体髪膚受之父母、不敢毀傷、孝之始也」
・進退両難
(しんたいりょうなん) 《四熟》 進むも退くも両方ともに困難なこと。どうにもこうにもならないこと。 類:●二進も三進も行かない
・身代を棒に振る
(しんだいをぼうにふる) 財産を無駄に使い尽くす。資産を使い果たす。
・死んだ子の年を数える(しんだこのとしをかぞえる) 言っても仕様のない過ぎ去った事について、くどくどと愚痴(ぐち)を言うこと。 類:●死児の齢を数う
・死んだ猫の子で、にゃんとも言えぬ(しんだねこのこで、にゃんともいえぬ) 地口(じぐち)の一つ。死んだ猫(=猫の子)はにゃんとも鳴かないことから、それについてはなんとも言えないということ。
・心胆寒からしむ
(しんたんさむからしむ) 心から怖れて震え上がらせること。ぞっとさせる。
・人中の騏驥
(じんちゅうのきき) 人々の中にいる一日に千里も走る名馬という意味から、非常に優れた人物のこと。 出典:「南史−徐勉」 類:●人中の龍
・人中の獅子
(じんちゅうのしし) 傑出した人物。 類:●人中の龍
・人中の龍
(じんちゅうのりゅう・りょう) 才能が非凡で、計り知れないような人物。 用例:椿説弓張月拾遺「まことに御曹司は人中の竜(りよう)」 出典:「晋書−宋繊伝」「吾今而後知先生、人中之龍也」 用例の出典:椿説弓張月拾遺(ちんせつゆみはりづきしゅうい) 読み本。曲亭(滝沢)馬琴。葛飾北斎画。文化7年(1810)。椿説弓張月の第46−56回まで。後に残篇(第57〜68回)が出る(文化8年)。→「椿説弓張月
・尽忠報国
(じんちゅうほうこく) 《四熟》 忠義を尽くして国恩に報(むく)いること。また、それほどの忠節を尽くすこと。 類:●一死報国 出典:「北史−文苑・顔之儀伝」「公等備受朝恩、当尽忠報国、奈何一旦欲以神器仮人」 故事:宋史−岳飛伝」 南宋末の忠臣・岳飛(がくひ)は、この四文字を背中に刺青(いれずみ)していた。
・陣中見舞い
(じんちゅうみまい) 1.戦場に軍人を尋ね、金品を贈ってその苦労を労(ねぎら)うこと。また、そのとき持参した金品。 2.比喩的に、仕事で忙しい人や選挙運動中の人などを尋ねて、慰めること。
・沈丁花は枯れても香し
(じんちょうげはかれてもかぐわし) 沈丁花は、枯れてもなお良い香りを漂(ただよ)わせる。元々良いものは、仮令(たとえ)盛りを過ぎても値打ちを失わないものだという喩え。 類:●腐っても鯛破れても小袖●襤褸でも八丈●千切れても錦
・新陳代謝
(しんちんたいしゃ) 《四熟》 「陳」は、古いもののこと。「謝」は、辞し去る、衰えるなどの意味。 1.古いものが次第になくなって、新しいものがそれと入れ代わること。2.生体内で、必要な生活物質が摂取され、不用物は排泄(はいせつ)される作用。 類:●物質代謝
・人テイ(じんてい) 前漢の呂后(りょこう)の故事から、手足を切られて豚のようになった人間のこと。 故事:史記−呂后本紀」「使居厠中、命曰、人テイ[けいがしら/「比」の間に「矢」]」 高祖(劉邦)は、太子の盈(えい=後の恵帝)を廃して寵愛する戚(せき)夫人の子・如意(じょい)を立てたいと願っていた。実現こそしなかったが、呂后はそれを恨み、高祖の没後に如意を毒殺、更に、戚夫人の手足を切り、目と耳と喉を潰して殺した。そして戚夫人の死体を『人豚(ひとぶた)』と名付けて厠(かわや)に投げ込んだ。
・死んでの長者より生きての貧乏
(しんでのちょうじゃよりいきてのびんぼう) 死んだ後で金持ちになるよりは、貧乏でも生きている方が幸せだ。 類:●
死んで花実が咲くものか
・死んで花実が咲くものか(しんではなみがさくものか)[=花実は咲かぬ] 生きていればこそ良いこともあるだろうが、死んでしまったのでは再び良いことに巡り会うことも出来ない。死んだらお終(しま)いだ。 類:●死んでは花が咲かぬ●
死んでの長者より生きての貧乏死ぬ者貧乏
・死んでも命があるように
(しんでもいのちがあるように)[=ありますように] どうあっても生き延びたい。死地にあって、生への執着が非常に強い者の願い。また、危険を伴うことをしなくてはならないとき、死にたくない気持ちをおどけていったりもする。
・死んでも死に切れない
(しんでもしにきれない) 心残りがあって、このままでは死ぬことができない。
・震天動地(しんてんどうち) 《四熟》 天を震わせ、地を動かす。天を震わせ地を動かすほどの音や力のこと。音響、騒動、または威勢などが物凄いこと。転じて、世の中を驚かせるようなこと。 類:●驚天動地
・心頭に落とす
(しんとうのおとす) 心の中で色々と考えを巡らすこと、心に留めて思案すること。
・震動雷電(しんどうらいでん) 《四熟》 地震と地鳴りと雷と稲妻とが同時に起こったような騒々しさのこと。どよめき騒ぐこと。 類:●しだらでん
・心頭を滅却すれば火もまた涼し
(しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし) 無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられる。どのような苦難に遭遇しても、それを超越した境地に入っていれば、少しも苦難と感じない。 出典:杜荀鶴の七言絶句「夏目題悟空上人院詩」「三伏閉門披一衲、兼無松竹蔭房廊、安禅不必須山水、滅却心頭火亦涼」 
日本の故事:禅家の公案とされ、天正10年(1582)甲斐(かい)国の恵林寺が織田信長に焼き打ちされた際、住僧快川(かいせん)がこの偈(げ)を発して焼死したという話が伝えられる。
・しんどが利(しんどがり) 苦労したことだけが唯一の儲けであるという意味で、働いても何も得るところがないこと。 類:●骨折り損の草臥れ儲け ★「しんど」は、「しんろう(心労・辛労)」の変化した「しんどう」が、さらに変化した語か<国語大辞典(小)>

−−−−−−−しん(な)(#sin5)−−−−−−−
・信なき亀は甲を破る(しんなきかめはこうをやぶる) 約束を違(たが)えると災いを受ける。 
説話:約束を守らなかった亀が甲羅(こうら)を割って死んでしまったという「今昔物語」「塵添?嚢抄」所収の話など。  用例の出典:塵添?嚢抄(じんてんあいのうしょう) 室町中期の辞書。20巻。編者は釈氏某比丘とあるが未詳。天文元年(1532)成立。「?嚢鈔」に「塵袋(ちりぶくろ)」の一部を加え、取捨・補訂をほどこしたもの。俗語や神仏関係の語の意義・起源、和漢の故事などについて解説する。一種の百科辞書。
・神に入る
(しんにいる) 技術が非常に優れていて、人間の技とは思えない境地に達している。 例:「技、神に入る」
・心に障る
(しんにさわる) 神経に障る。感情を害すること。 類:●癇に障る
・紳に書す(しんにしょす) 万が一忘れてしまうことがないように、紳(=中国の正装のときの帯)の端に書き付けておくということ。転じて、よく覚えておき、いつも手本として参考にすること。 出典:「論語−衛霊公第十五」「子張
・真に迫る
(しんにせまる) 演技や文章などで表現されたものが、本物とそっくりに見える。いかにも現実のように感じられる。実感がある。
・之繞を掛ける
(しんにゅうをかける・しんにょうを〜) 程度を一層甚(はなはだ)だしくする。大袈裟(おおげさ)にする。 類:●輪を掛ける衣を掛ける
・真の一声
(しんのいっせい) 能楽の用語。脇能の前ジテが登場する時に演奏される大鼓・小鼓と笛との合奏の囃子(はやし)。静かにしかもさわやかに演奏する。この囃子で登場した役は、その直後に必ず一声を謡(うた)う。
・真の闇より無闇が怖い(しんのやみよりむやみがこわい) 真っ暗の闇は確かに怖いが、それよりも前後をよく考えない無鉄砲な者の方が、とんでもないことを仕出かしてしまうから恐ろしい。 類:●馬鹿と闇夜ほど怖いものはない

−−−−−−−しん(は)(#sin6)−−−−−−−
・信は荘厳より起こる
(しんはしょうごんよりおこる) 信仰心は、寺堂の装飾などが美しく立派であることを見て起きるということ。内容は形式によって導き出されるということ。 
★略して「信は荘厳」とも<国語大辞典(小)>
・信は豚魚に及ぶ
(しんはとんぎょにおよぶ) 人の信義の力は、豚や魚をも感動させられるものだ。信義はそれほどに偉大なものである。 出典:「易経−中孚」「信及豚魚也」
・親は泣き寄り、他人は食い寄り(しんはなきより、やにんはくいより) 家に凶事があった時、肉親や親類の者は悲しんで集まるが、他人は饗応に有り付くために寄り集まるということ。 類:●他人は食い寄り
・人馬辟易
(じんばへきえき) 《四熟》 相手の迫力に圧倒され、恐れ戦(おのの)いて逃げること。 出典:「史記−項羽本紀」 「項王瞋目而叱之、赤泉侯人馬倶驚、辟易数里」
・新風を吹き込む
(しんぷうをふきこむ) 1.部屋などに新鮮な風を入れる。2.比喩的に、古い因習に囚(とら)われた集団などに、新しい手法や風潮を齎(もたら)す。 例:「文壇に新風を吹き込んだ」
・心腹が立つ
(しんぷくがたつ) むかっ腹が立つ。 出典:浮・胸算用−3「此男扨(さて)も是非なしと心腹立て」
・心腹に落つ(しんぷくにおつ) 納得がゆく。 類:●腹に落ちる得心が行く合点が行く
・心腹の友
(しんぷくのとも) 互いに胸中を明かし合った真の友。最も親密な友。
・心腹の疾
(しんぷくのやまい) 胸の中にある病気は極めて治し難いところから 1.簡単には治療できない場所にある疾病。 類:●腹心の疾 2.転じて、除くのが困難な敵の喩え。 出典:「春秋左伝−哀公十一年」「越在我、心腹之疾也」
・心腹を輸写す
(しんぷくをゆしゃす) 心中を全て打ち明ける。真心(まごころ)を示す。 出典:「漢書−趙廣漢伝」
・人物臭い(じんぶつくさい) 一廉(ひとかど)の人物といった様子である。 用例:咄・鹿の子餅−剣術指南所「人物くさき侍来て」
・深謀遠慮(しんぼうえんりょ) 《四熟》 先々のことまで深く考えて計画を立てること。深い謀(はかりごと)。 類:●深慮遠謀
・唇亡歯寒
(しんぼうしかん) 《四熟》 互いに助け合う関係にある一方が滅びると、他の一方の存在まで危うくなる。 類:●唇亡びて歯寒し

−−−−−−−しん(ま)(#sin7)−−−−−−−
・新米(しんまい) 1.その年新たに収穫した米。 反:■古米 2.仕事・芸事などで、まだ従事してからの日が浅く慣れていない者。まだ未熟な者。 類:●新参者●見習い ★「新前(しんまえ)」の音変化。 ★江戸時代、商家の新しい奉公人を「新前掛け」と呼んだことから。
・神武以来
(じんむいらい)[=この方(かた)] 日本の第一代の天皇が神武天皇とされるところから、日本国が始まって以来。大昔からこの方。 類:●開闢(かいびゃく)以来 例:「西から日が昇るなど、神武以来起こっていない」
・神明に横道なし(しんめいにおうどうなし) 神様は邪(よこしま)なことや、悪事を働かない。 類:●鬼神に横道なし
・身命を賭する(しんめいをとする) 命を賭ける。命を擲(なげう)つ。 類:●死を賭す
・人面獣心
(じんめんじゅうしん) 《四熟》 顔は人間だが心は獣に等しいということで、恩義を知らない人、冷酷非情な人や義理人情を弁(わきま)えない者を罵(ののし)る言葉。 類:●人でなし 
★「人面」は、「にんめん」とも読む<国語慣用句辞典(集)>
・人面桃花(じんめんとうか) 《四熟》 1.思い出の娘の顔は、桃の花と映(は)え合って綺麗であった。以前出会った所に行っても、今はもうその娘には会えないということ。悲恋の喩え。 出典:崔護の七言絶句「題?城南荘」「去年今日此門中、人面桃花相映紅」 唐の崔護(さいご)が桃の花の下で美人に会い、忘れ兼ねて、翌年また訪ねたがその人に会えなかった。そこで、「人面桃花相映じて紅なり」の詩を、その門に残して去った。 2.また、思いながらも会うことが叶わない女性を指していう。3.転じて、単に、桃の花のように美しい女性の顔の喩えとしてもいう。 類:●佳人
・真面目
(しんめんもく・しんめんぼく) 1.そのものの本来のありさまや姿。 類:●真価●真骨頂 例:「真面目を発揮する」 2.真面目(まじめ)なこと。 類:●実直●真摯(しんし)
・陣門に降る
(じんもんにくだる) 敵に降参する。負ける。 類:●白旗を揚げる

−−−−−−−しん(ら)(#sin9)−−−−−−−
・迅雷耳を掩うに暇あらず
(じんらいみみをおおうにいとまあらず) 雷鳴が突如起こり、耳を覆う暇がない。事態が急で対策を講ずる暇がないことの喩え。 類:●疾雷耳を掩うに及ばず
・森羅万象
(しんらばんしょう・ばんぞう・まんぞう) 《四熟》 宇宙間に数限りなく存在する一切(いっさい)のものごと。 例:「森羅万象を網羅する」
・甚六(じんろく) 1.長男。跡取り息子。おっとりして気が好いところがあることから、少しぼんやりしていると揶揄(からか)う気持ちを込めて言う。 例:「総領の甚六」 2.一般(長男以外に)に、お人好し。ぼんやり。 類:●鈍間(のろま)●愚か者 ★「甚六」は順禄(じゅんろく)の転訛という。長男であれば少々頼りなくても順番で禄を継ぐことができるということ。

−−−−−−−しん(を)(#sinwo)−−−−−−−
・信を致す(しんをいたす) 深く信心する。
・真を打つ(しんをうつ)[=切る] 寄席(よせ)などで、最も芸の優れた者として、最後に高座(こうざ)に上(のぼ)って話をする。 類:●取りを務める
・信を置く
(しんをおく) 信頼の気持ちを向ける。信用する。 例:「仕事については絶対の信を置かれている」
・信を問う
(しんをとう) 自分を信用しているかどうかを相手に尋ねる。 例:「国民に信を問う」
・信を為す
(しんをなす) 本当だと信じる。信頼する。また、信仰心を起こす。信仰心を深める。
・真を保つ
(しんをたもつ) 「真」は、ここでは、「自然」を表し、自然を失わないという意味から、天から与えられた自然の状態をいつまでも保ち続けること。 出典:「楚辞−卜居」
・刃を迎えて解く(じんをむかえてとく) 竹を割る時、初めの節を切り割ると、後は刃物が進む前に容易(たやす)く割れてゆくように、敵の方から易々と敗れてゆくように見える様子。 類:●破竹の勢い 出典:「晋書−杜預伝」「譬如破竹数節之後、皆迎刃而解

<さ行>―・―<慣用句のTOP>
―・―<次ページ>