【れい】~【れん】

−−−−−−−れい1(#rei)−−−−−−−
・冷灰(れいかい) 火の気がなくなって冷たくなった灰。欲が冷めて、名声や利益への欲がなくなった心を喩えても言う。
・例外のない規則はない
(れいがいのないきそくはない) どんな規則にも必ず例外がある。すべてが理屈だけで解決できるわけではないということ。 ★英語の“There is no general rule without exception.”の訳語。
・礼勝てば即ち離る
(れいかてばすなわちはなる) 礼儀に拘(こだわ)り過ぎ、作法(さほう)を重んじてばかりいると、 人と人の関係も堅苦しくなり、お互いの心が離れていくということ。
・冷眼
(れいがん) 1.冷ややかな目。冷淡な、または、他人を蔑(さげす)んだ目付き。2.冷静な目。
・冷汗三斗
(れいかんさんと) 《四熟》 非常に恥ずかしい思いをして、或いは恐ろしい思いをして、多量の冷や汗を掻くこと。 類:●汗になる ★「三斗」は、量が多いことを誇張していったもの。
・礼儀は富足に生ず
(れいぎはふそくにしょうず) 「富足」は、富んで満ち足りること。国が豊かになって生活にゆとりが出れば、人民は自(おの)ずと礼儀を重んじるようになるものだということ。そうなるようにするのが、為政者の務めであるという教え。 類:●倉廩満ちて礼節を知る●衣食足りて栄辱を知る 出典:「潜夫論−愛日」「礼儀生於富足、盗窃起於貧窮」 ★「礼儀は富足に生じ、盗賊は飢寒(きかん)より起こる」と続けても言う。
・冷吟閑酔
(れいぎんかんすい) 《四熟》 さりげなく詩を口ずさみ、のんびりと酔う。気楽な暮らしの喩え。 出典:白居易「舟中晩起」「冷吟閑酔二三年」
・冷血漢
(れいけつかん) 「漢」は男の意味。人間らしい温かみを持たない男。情の薄い男。冷酷な男。 類:●
冷血動物
・冷血動物(れいけつどうぶつ) 《四熟》 1.変温動物のこと。温度変化に応じて体温が変化する動物。無脊椎動物や魚類・爬虫類などで、昼間など、人が触って冷たく感じるので言われる。 
反:■温血動物 2.人間らしい温かい心を持っていないという意味。冷酷無情な人を罵(ののし)っていう言葉。
・黎元
(れいげん) 「黎」は黒、「元」は首の意で、冠を被(かぶ)らず黒髪を出している者の意味から、人民のこと。万民。民(たみ)。 類:●黎民 
★一説に、「黎」はもろもろ、「元」は善の意で、人はみな善であるとする考えから<国語大辞典(小)>
・例刻
(れいこく) 1.例の時刻。いつもの決まった時刻。2.金銭・性器・性行為など、はっきり口に出して言い難いものごとを指していう言葉。あのこと。例のこと。例のもの。 用例:黄・孔子縞于時藍染−下「ふんどしは、こっちのれいこくが見へるから、堪忍してやらう」
・冷酷無残
(れいこくむざん) 《四熟》 人間らしい情がなく、むごたらしく残忍なこと。 類:●血も涙もない●冷酷無情●冷酷非情●酷薄無残●酷薄無情●破戒無慙●無慙酷薄●無慙無愧 ★「冷酷無慙」とも書く。
・霊犀
(れいさい) ニ人の意思が互いに通じ合うこと。 類:●霊犀一点通ず 
参照:唐の李商隠の「無題詩」「身無綵鳳双飛翼、心有霊犀一点通」 角の根元から先端まで白い筋の通っている犀を通天犀と称し、特に霊力があるとされていたが、心と心が一筋通い合うのを、その白い筋に喩えた。
・醴酒設けず
(れいしゅもうけず) 客を待遇する礼が衰えることの喩え。 出典:「漢書−楚元王」 ★漢代、楚の元王は、酒の嫌いな穆生(ぼくせい)のために、特に甘酒を作って礼を篤くして楚に迎えたが、のち、甘酒を作らなくなったので穆生は楚を去った。
・令色
(れいしょく) 1.「令」は善のこと。「色」は顔色のこと。人に気に入られるように、顔色を繕(つくろ)い飾ること。 例:「巧言令色」 2.容儀を正した顔付き。
・令政
(れいせい) 1.よい政治。善政。2.「政」は家政のことで、他人の妻を敬った呼び方。 類:●令室●令夫人
・励声疾呼
(れいせいしっこ)
[雁垂+萬]声〜 《四熟》 声を張り上げ激しく呼び立てるという意味で、声を大にして叱り付けること。また、大きな声で戒め、励ますこと。 類:●叱咤励声(しったれいせい)●叱咤激励 出典:「後漢書
・冷戦(れいせん) 国際間における経済・思想・宣伝などの武力によらない激しい対立抗争。類:●冷たい戦争 
★第二次世界大戦後の新造語で、米ソ間の対立関係を称したことに始まる。
・礼銭
(れいせん) 1.礼をするために用いる金銭。礼物。2.室町時代、特定の祝儀(しゅうぎ)のときに、幕府へ奉った金銭。また、幕府の役人に贈った賄賂(わいろ)。
・霊台郎
(れいだいろう) 天文博士(てんもんはかせ)の唐名。
・冷暖自知
(れいだんじち) 《四熟・仏教用語》 水が冷たいか暖かいかは、飲めば自(おの)ずと分かる。自分のことは他人にとやかく言われなくても自分で分かるということ。真の悟りは、修行を積み重ね自分で会得するものであることの喩え。 出典:「景徳伝灯録−四」 ★「冷暖(れいだん)自(みずか)ら知る」と訓読する。
・冷腸
(れいちょう) 情愛のない心。思い遣りがないこと。同情心がないこと。 類:●薄情
・伶丁
(れいてい)[=零丁] 1.独(ひと)りで行くこと。独りよろよろと歩み行くこと。2.独りぼっちであること。志を失うこと。零落れて孤独なこと。 類:●零落●伶
(れいへい)

−−−−−−−れい2(#rei2)−−−−−−−
・例ならず
(れいならず) 1.普通と変わって、様子が違う。いつものようでない。2.身体が普通の状態でない。気分が悪い。 
★病気または妊娠などについていう<国語大辞典(小)>
・例になく
(れいになく) いつもと違って、という意味で、平常とは違った遣り方や様子をいうときの、前置きの言葉。 
反:■例によって 例:「今年は例になく台風が多い」
・例によって例の如し(れいによってれいのごとし) いつも同じことの繰り返しで、別に変わったところがない。いつもと同じ。
・例の
(れいの) 1.いつもの。慣わしとなっている。 用例:土左「あがたの四年五年はてて、れいのことどもみなしをへて」 2.いつものように。例によって。 用例:源氏−夕顔「例の急ぎ出で給て」 
★「例のごと」の略された用法とする説がある<国語大辞典(小)>  3.既に了解済みである特定のものごとや人を指していう。 用例:黄・長生見度記「今夜は新造買の明日までぐい寝にせう。貴公は例のであらう」 用例の出典:長生見度記(ちょうせい??) 黄表紙本。朋誠堂喜三二。未来記。・・・調査中。
・礼煩なれば則ち乱る
(れいはんなればすなわちみだる)[=礼煩わしければ〜] 儀礼の数が多く、込み入ってくると、却(かえ)って混乱して守られなくなるものである。また、束縛(そくばく)しているように受け取られて、人心が離れてしまうものである。礼は出来るだけ簡素な方が良いということ。 類:●礼煩則乱●礼も過ぐれば無礼になる 出典:「書経
・令聞令望
(れいぶんれいぼう) 《四熟》 優れた令名と声望。立派な人物だと広く知れ渡っていること。 出典:「詩経−大雅・巻阿」「如圭如璋、令聞令望。豈弟君子、四方爲綱」
・礼参り
(れいまいり) 1.謝礼に行くこと。特に祈願が叶(かな)ったお礼として神社仏閣に参詣すること。 類:●報賽(ほうさい)●願解き 2.俗に、刑期を終えて釈放されたやくざなどが、密告や不利な証言をした者の家に出掛けて、威したり乱暴したりすること。後から仕返しに行くこと。 類:●お礼参り
・黎明期
(れいめいき) 時代の夜明けに当たる時期。新しい時代や文化、新しい文学や芸術などが始まろうとする時期。 類:●萌芽期
・礼も過ぎれば無礼となる
(れいもすぎればぶれいとなる) 度を超した必要以上の礼儀は、不自然であり、却(かえ)って相手に失礼になる。 類:●礼煩則乱●慇懃無礼湯の辞宜は水になる
・零落
(れいらく) 1.草木の花や葉が枯れて落ちること。2.零落(おちぶ)れること。貧しくなること。零落れて地方に彷徨(さまよ)うこと。 類:●都落ち 3.死ぬこと。4.荒廃すること。寂れ、廃(すた)れること。
・令狸執鼠
(れいりしつそ) 《四熟》その人の長所特技を生かして使う喩え。 類:●適材適所 出典:「韓非子−揚権」「使[奚+隹]司夜、令狸執鼠、皆用其能、上乃無事」 ★「狸に令して鼠を執らしむ」狸は野猫のこと。
・零零細細
(れいれいさいさい) 《四熟》 非常に細(こま)かである様子。零細の強調。
・麗麗しい(れいれいしい) 殊更(ことさら)に目立つ。人目に付くように派手に飾り立てている。 例:「麗々しく看板を掲げている」
・玲瓏
(れいろう) 1.玉などが透き通っている様子。また、明るく光り輝く様子。 例:「玲瓏として曇りのない玉」 2.金属や玉などが触れ合って冴えた音で鳴ること。また、玉を思わせる冴えた音声の形容。 例:「玲瓏たる響き」

−−−−−−−れき(#reki)−−−−−−−
・歴史は繰り返す 過去に起こったことは、同じような経過を辿(たど)って、何度でも起こるものである。 類:●二度あることは三度ある
●History repeats itself. ★ローマの歴史家クルティウス=ルーフスの言葉による<大辞林(三)>

−−−−−−−れつ(#retu)−−−−−−−
・烈火の如し
(れっかのごとし) 燃え盛る火のようであるということで、炎のように激しく怒る様子。
・歴とした(れっきとした) 1.身分や家柄が高い。その存在や価値などが確かなものとして、世間に重んじられている。 例:「歴とした家柄の人」 用例:浄・
卯月の紅葉−上「在所にれっきと親も有」 2.疑う余地がないほど確かである。 例:「歴とした証拠」 3.整っていて立派である。きちんとしている。 用例:滑・八笑人−三「ヘンあんまりれっきともしねへけれどサ」 用例の出典:緋縮緬卯月の紅葉(ひぢりめんうづきのもみじ) 浄瑠璃。近松門左衛門。宝永3年(1706)。古道具屋の娘おかめの婿養子与兵衛が、家督相続をめぐっておかめの父の妾と弟に家を追い出され、おかめも後を追って脱出。梅田堤で夫婦心中するが、与兵衛だけ生き残る近松門左衛門でござーい!
・烈士は名に徇ず
(れっしはなにじゅんず)・徇(したが) 貪欲な人間は財貨のために命を捨て、節義の高い人間は名誉のために命を捧(ささ)げるものである。 出典:「文選−賈誼・フク[服+鳥]鳥賦」「貪夫殉財兮、烈士殉名」 参考:貪夫は財に徇ず
・烈女は二夫を更えず
(れつじょはにふをかえず) 気性が強く貞操の堅い女は、夫の死後に再婚して他の男を夫とすることはしない。 類:●貞女は両夫に見えず(男)忠臣は二君に事えず
・レッテルを貼られる
(れってるをはられる) 一方的に人格や能力などの格付けをされる。 類:●烙印を押される 例:「怠け者のレッテルを貼られる」 ★「レッテル」は、オランダ語のletterのことで、商品に貼り付けた紙片のこと。
・劣等感
(れっとうかん) 自分が他人より劣っているという感情、または、感情的反応。不安な感じ、失敗への恐怖、無力感、自信欠如感、嫉妬、羨望などを含む感情。 
反:■優越感

−−−−−−−れろ(#rero)−−−−−−−
・れろれろ 1.
酒の酔いや麻痺などで、舌が縺(もつ)れて何を言っているのかよくわからない様子。特に、泥酔している様子。 類:●呂律が回らない 用例:俳・口真似草−四「舌ぶりやあられろれろの酒の酔」 2.幼児の舌が良く回っていない様子。転じて、その真似(まね)をして幼児をあやすこと。

−−−−−−−れん(#ren)−−−−−−−
・連歌と盗人は夜が良い
(れんがとぬすびとはよるがよい) 連歌を詠むのは静かになった夜が適しており、盗人が仕事をするのも人が寝しずまった夜更けに限るということ。
・連木で重箱を洗う
(れんぎでじゅうばこをあらう) 擂り粉木で重箱の隅々まで洗える筈がない。極めて大雑把にものごとを行なうことの喩え。また、行き届かないことの喩え。 類:●重箱で味噌を擂る重箱の隅を杓子で払う四角な座敷を丸く掃く 反:■重箱の隅を楊子で突付く ★「連木」は、擂り粉木をいう近畿・中国・四国地方の言葉。
・連木で腹を切る
(れんぎではらをきる) 擂り粉木で腹を切るなど土台無理なことであることから、不可能なことの喩え。 類:●擂り粉木で芋を盛る
・輦轂の下
(れんこくのもと) 天子の車の下の意味から、皇居のある土地。天子のお膝元。 類:●首都●輦下(れんか)
・連鎖反応
(れんさはんのう) 《四熟》 1.ある一つの反応が起こったとき、その反応が次の反応を引き起こし、以後外部からのエネルギーの供給なしに繰り返し進行する反応。重合、爆発、原子核分裂などに見られる。2.転じて、一つの事件が原因となって、次々と同種のことが起こって広がること。 類:●芋蔓式
・連山の眉
(れんざんのまゆ) 横に長く引いた美しい眉毛のこと。
・連城の璧
(れんじょうのたま)[=宝(たから) 1.秦の昭王が十五の城と交換したいと申し入れた、趙の恵文王の所蔵していた璧。和氏璧(かしのたま)。 類:●卞和(べんか)の璧 出典:「史記−廉頗藺相如列伝」 2.転じて、またとない宝物の喩え。
・連戦連勝
(れんせんれんしょう) 《四熟》 戦う度に勝つこと。負けを知らずに勝ち続けること。 類:●百戦百勝 
反:■連戦連敗
・廉恥(れんち) 心が潔白・正直で、恥を知る心が強いこと。性行が潔(いさぎよ)く、節義を重んじている。 例:「廉恥心」 
反:■破廉恥
・連理の枝(れんりのえだ) 連理となった枝。転じて、夫婦、また、男女が仲睦(むつ)まじい様子。 類:●比翼の鳥比目(ひもく)の魚 参考:連理(れんり) 一本の木の枝が他の木の枝と相連なって、一本の木のように木目が同じになること。
・連理の契
(れんりのちぎり) 男女の間の、極めて親密な、永遠に変わらない契り。
・連理の枕
(れんりのまくら) 深い契りを込めて寝ること。
・恋恋
(れんれん) 1.恋い慕う情が切ない様子。2.心が惹(ひ)かれる様子。また、思い切りが悪くて、未練がましく、思い切れない様子。 例:「知事の席に恋恋として縋り付く」

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