【よは】~【よん】
・世は相持ち(よはあいもち) 世の中は、人と人とが互いに助け合うことで成り立っているものである。お互いに助け合うことで、ものごとは円満に運ぶものである。 類:●世の中は相持ち●相身互い
・余白をを汚す(よはくをよごす) 自分の文章が掲載されることを、遜(へりくだ)って言う言葉。
・世は張り物(よははりもの) 世渡りをするには、見栄を張るのが普通であるということ。 類:●世間は張り物 用例:浮・永代蔵−7「世は張物なれば」
・世は回り持ち(よはまわりもち) 貧富などの運命は、固定したものではなく代わる代わる各人に巡ってくるということ。 類:●天下は回り持ち
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・呼び声が高い(よびごえがたかい) 良い評判が人々の噂に上(のぼ)るという意味で、「次期社長の呼び声が高い」のように、特に役職や地位などを示す語を伴って使われる。ある人が、その役職や地位に就くに違いないと取り沙汰されている。
・呼び捨て(よびすて・よびずて) 人を呼ぶときに、殿・君・さんなどの敬称を添えないで、その人の名前だけを呼ぶこと。 類:●呼び付け
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・予防線(よぼうせん) 1.敵の攻撃や侵入を防ぐために、または、警戒や監視のために、予(あらかじ)め手配しておく区域のこと。2.転じて、失敗したり非難されたりなどしないために、前もって打っておく手段・方策。 例:「予防線を張る」
・輿望を担う(よぼうをになう) 多くの人々からの期待を一身に背負う。 類:●衆望を担う
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・世迷い言(よまいごと) 独り言で愚痴を言うこと。不平を託(かこ)つこと。訳の分からない繰り言をいうこと。また、その言葉。取るに足りない愚痴や不平。人の発言や意見を罵(ののし)って言うのにも用いる。 例:「なに、世迷い言を並べてやがる」 ★「よまい」は、ぐちを言う意の動詞「よまう」の連用形の名詞用法<新明解国語辞典(三)>
−−−−−−−よみ(#yomi)−−−−−−−
・読み書き算盤(よみかきそろばん) 読むこと、書くことと、計算。学問一般のこと。 例:「寺子屋で読み書き算盤を習った」
・黄泉路の障り(よみじのさわり)[=妨(さまた)げ・絆(ほだし)] 冥土へ行く障(さわ)りになるものごと。成仏の妨(さまた)げとなるもの。
・夜道に日は暮れない(よみちにひはくれない) 遅れついでに、腰を落ち着けてゆっくりものごとに取り組もうということを勧めるときの言葉。
・黄泉苞(よみづと) 黄泉(よみ)へゆく土産物。 用例:栄花−音楽「あが君や、よみづとにし侍らんずるなり」
・読みと歌(よみとうた) 「読みガルタ」と「歌ガルタ」のこと。 1.似て非なるものの喩え。2.相手の出方によって、こちらの態度も決まること。相談ずくであること。互いに了解し合っていること。 類:●魚心あれば水心 3.ものごとには一長一短があること。ものごとにはすべて表裏があり、一面に利があれば、他面に害があること。 類:●歌と読み 4.勘定ずくであること。また、損得勘定で得のある方につくこと。 用例:伎・勧善懲悪覗機関「其所は又—、夫が死んで尼になり、生涯男を持たぬといふはそりや上つ方でいふことだ」 用例の出典:勧善懲悪覗機関 (かんぜんちょうあくのぞきからくり) 歌舞伎。世話物。8幕。河竹黙阿弥。文久2年(1862)江戸守田座初演。「大岡政談」の村井長庵を脚色したもの。吉原に売られた重兵衛の娘小夜衣(さよぎぬ)と愛人千太郎の道行きが常磐津の名曲として流行した。
−−−−−−−よめ(#yome)−−−−−−−
・嫁が君(よめがきみ) 鼠の異称。特に正月三が日の間、鼠をいう忌詞。 用例:虚子「三宝に登りて追はれ嫁が君」 人物:高浜虚子(たかはまきょし) 俳人、小説家。本名清。愛媛県松山市出身。1874(明治7年)〜1959。三高中退。正岡子規に師事。子規派の俳句雑誌「ホトトギス」を継承して主宰。「客観写生」を唱えて、俳句を花鳥諷詠の詩と主張し、大正・昭和の俳壇に君臨。著「鶏頭」「俳諧師」「風流懺法」「五百句」など。
・嫁座敷(よめざしき) 囲炉裏端(いろりばた)の嫁の座席。主婦権のない嫁が座る最も下位の席で土間に添った面。 類:●木尻(きじり)●猫の横座
・夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち) 女の容貌は、夜見るとき、遠くから見るとき、笠を被(かぶ)った顔の一部分を見るときは、姿形がはっきりしないので、より美しく見える。 類:●夜目山越し笠の内●嫁と反物は明るいところで選べ
・嫁と反物は明るいところで選べ(よめとたんものはあかるいところでえらべ) 女の容貌と、反物などの色柄は、暗いところでは実際よりも良く見える。 類:●夜目遠目傘の内●Choose neither women nor linen by candle light.(女性と下着は蝋燭の明かりの下では選べない)
・嫁に杓子を渡す(よめにしゃくしをわたす)[=譲(ゆず)る] 姑が主婦の座を嫁に渡す。 類:●杓子を渡す
・嫁の朝立ち娘の夕立ち(よめのあさだちむすめのゆうだち) 嫁が里帰りをする時は朝早くいそいそと出掛け、婚家へ帰る時は、夕方になってから、渋々と出ていく。嫁(とつ)いだ嫁にとって、実家は羽が伸ばせるということ。
・嫁の三日褒め(よめのみっかぼめ) 姑(しゅうとめ)も最初は嫁に好い顔をするが、長くは続かない。
・嫁は下から婿は上から(よめはしたからむこはうえから) 嫁は自分より家柄の低い家から迎えるのが良く、婿は家柄の高い家から迎える方が良いということ。 類:●嫁は座敷から貰え婿は庭から貰え●嫁は台所から婿は玄関から
・読める(よめる) 1.読むことができる。 用例:滑・浮世風呂−前「おれに読(ヨメ)ねへから誰にも読まい」 2.その意を悟(さと)る。合点が行く。理解できる。分かる。 用例:浮・好色一代男−六「此中の御仕方惣じてよめぬ事のみ」 例:「ははあ。読めたぞ。」 3.数えることができる。4.内容があったり、面白かったりして読む価値がある。 例:「彼の作品はなかなか読めるよ」 ★「よむ(読)」の可能動詞<国語大辞典(小)>
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・蓬が杣(よもぎがそま) 蓬が杣山のように茂っている所という意味から、自分の家を、庭の手入れも録にしてないとして、謙遜していう言葉。 参考:杣山(そまやま) 材木用の木が生えている山。
・蓬がもと(よもぎがもと)[=のもと] 蓬が生い茂っているところ。荒れ果てた宿。
・蓬の門(よもぎのかど)[=が門] 蓬が生い茂って荒れている門。また、瓦や萱でなく、蓬で葺(ふ)いた粗末な門。貧者や隠者の家の門。また、その家。或いは、自分の家を遜(へりくだ)って呼ぶ言葉。 類:●蓬門(ほうもん)
・蓬の髪(よもぎのかみ) 「蓬髪(ほうはつ)」の訓読み。蓬のように解(ほつ)れて乱れている髪。
・蓬の心(よもぎのこころ) 蓬が蔓延(はびこ)り茂るように、雑念や私意が心の中に生じること。また、その心。
・蓬の窓(よもぎのまど) 蓬が茂っている荒れ果てた家の窓。転じて、粗末な家。 類:●蓬窓(ほうそう)
・蓬の丸寝(よもぎのまろね) 蓬の宿で着物を着たままで寝ること。あばら家でごろ寝すること。
・蓬の宿(よもぎのやど)[=が宿] 蓬が生い茂った宿。荒れて寂しい宿。 類:●あばら屋●葎(むぐら)の宿
・世も末(よもすえ) この世もお終(しま)いである。救い難(がた)い世の中である。 類:●末法末世 例:「あんなズボンの穿き方が流行るなんて、世も末だな」 ★末法思想からの言葉。 参考:末法思想(まっぽうしそう) 仏教における一種の歴史観。釈迦の入滅後千年または千五百年、あるいは二千年後に仏法が衰え社会に混乱が起こると考えたもの。わが国では平安初期すでに現れているが、仏滅年次を周の穆王53年とし、仏滅後二千年とする考えが固定した平安中期から鎌倉期にかけて流行し、法然・親鸞・日蓮等による新仏教の基盤となった。
・夜もすがら(よもすがら) 「すがら」は、初めから終わりまで通すこと。暮れ方から夜明けまでずっと。一晩中。夜通し。 類:●終夜●夜の悉(ことごと) 反:■終日(ひねもす) 用例:土左「夜もすがら雨やまず」
・夜も日も明けない(よもひもあけない) その物がなければ片時も過ごすことができない。それがないと、少しの間も我慢できない。一つの物に非常に執着している様子。 例:「彼女なしには夜も日も明けない」
・四方の嵐(よものあらし) 辺(あた)りを吹き荒(すさ)ぶ嵐という意味で、転じて、浮世の波風。
・四方八方(よもやも) 四方八方(しほうはっぽう)。諸方。あちこち。 用例:釈日本紀−一八「名(な)四表八方(ヨモヤモ)に流しけり」
−−−−−−−よゆ(#yoyu)−−−−−−−
・余裕綽々(よゆうしゃくしゃく) 《四熟》 ゆったりと焦らない様子。悠然と落ち着き払っている様子。 類:●綽綽として余裕あり
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・由らしむべし知らしむべからず(よらしむべししらしむべからず) 人民は為政者の定めた方針に従わせることはできるが、人民全てになぜこのように定められたかという理由を知らせることは難しい。 出典:「論語−泰伯」
・寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)[=蔭] 同じ頼るなら、力のあるしっかりした人に頼るべきだということ。 類:●立ち寄らば大木の陰●大木に縋る
−−−−−−−より(#yori)−−−−−−−
・寄り合い所帯(よりあいじょたい) 1.多くの世帯が一か所に寄り合って住むこと。また、その集まり。2.雑多な派閥やグループが集まって、十分に組織化されないまま成り立っている団体。統制されていない雑多なものの集まり。
・縒りが戻る(よりがもどる)・撚りが〜 捻(ね)じって絡(から)み合わせたものが元通りになるという意味から、ものごとが以前の状態に復帰すること。特に、男女の仲が元の通りになることを表わす。 類:●元の鞘に納まる
・選り取り見取り(よりどりみどり) 自由に好きなものを選び出して取ること。
・選りに選って(よりによって)[=にも選って] 他にもっと相応(ふさわ)しいものがあるのに、敢えてそれを選ぶことはないのに。多く、選択した行為を非難する、前置きの言葉として用いる。 類:●事もあろうに 例:「選りに選って滓(かす)を掴むとは」
・縒りを掛ける(よりをかける)・撚りを〜 1.糸などを縒り合わせる。縒る。2.「腕に縒りを掛ける」の略。腕前を十分に発揮しようと、張り切る。
・縒りを戻す(よりをもどす)・撚りを〜 1.縒り合わせたものを元に戻す。縒り目を解(ほぐ)す。2.元通りにする。昔に返す。特に、男女の仲を元通りにするときに使う。 類:●元の鞘に収まる
−−−−−−−よる(#yoru)−−−−−−−
・寄ると触ると(よるとさわると) 一緒に寄り集まる度に。機会さえあれば。何かというと。 例:「寄ると触ると悪口ばかり言っている」
・寄る年波には勝てぬ(よるとしなみにはかてぬ) 寄せ来る年月は、誰も止めることができない。人は、老いには勝てないものであるということ。多く、加齢に伴(ともな)って、以前は簡単にできていたことが難しくなってくるという場合に使う。 ★「年波」は、年がつみ重なっていくことを波が幾重にも寄せるのにたとえていう語。また、年が寄ることを波がおし寄せるのにたとえてもいう<国語大辞典(小)>
・夜の衣を返す(よるのころもをかえす) 夜の衣を裏返しに着て寝る。 用例:古今−恋二「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣を返してぞきる」 俗信:こうすると、恋しい人に夢で会えると言われていた。
・夜の蝶(よるのちょう) 1.夜に舞い込んできた蝶。俗に、不吉の前兆とされた。 2.水商売の女性を、夜の世界の華やかな蝶に喩えて呼ぶ。バーやキャバレーで接客する女性。ホステスなどのこと。
・夜の帳が下りる(よるのとばりがおりる) 夜が暗くなる様子を、帳(=たれぎぬ)が下りたことに喩えていう言葉。夜になること。
・夜の鶴(よるのつる) 1.夜半に鳴く鶴。2.子を思う親の愛情が切であることの喩え。 類:●夜鶴(やかく)子を思う●焼野の雉子(きぎす)夜の鶴 出典:白居易「五絃弾」「第三第四絃冷冷、夜鶴憶子籠中鳴」から、
・夜の錦(よるのにしき) 夜に美しい錦の着物を着てもその美しさが分からない。その甲斐がないこと。一向に映(は)えないこと。また、その効果を示すことができず、惜しいものごとの喩え。 類:●闇夜の錦 用例:古今−秋下「見る人もなくて散りぬる奥山のもみぢは夜の錦なりけり」
・夜昼あって立つ世の中(よるひるあってたつよのなか) 夜だけでも、昼だけでも困ってしまう。正反対のものがあってこそ、世の中はうまくなり立つものだということ。
・夜を昼になす(よるをひるになす) 夜の時間でも昼の時間と同じように行動するということで、昼も夜も休まずにものごとを行なうこと。昼夜兼行で行なう。 類:●夜(よ)を日に継ぐ
−−−−−−−よろ(#yoro)−−−−−−−
・宜しきを得る(よろしきをえる) ものごとの程度が丁度良いということを表わす言葉。 用例:近世紀聞「教師の指導—を得て、その生徒は立ち直った」 用例の出典:近世紀聞(きんせいきぶん) 染崎延房(條野採菊・山々亭有人・狂仙亭春笑・二世為永春水)。明治7年(1874)。ペリーの浦賀来港以降の近世の歴史を詳細に綴った。
・万の兄(よろずのあに) 一番年上の兄。長兄。
・蹌踉く(よろめく) 1.足取りがふらついてよろよろする。 類:●よろける●よろぼう 用例:虎明本狂言・地蔵舞「右のかたへよろよろ、よろよろよろとよろめけど」 2.誘惑に乗る。特に、浮気をする。 例:「馴染みの客に蹌踉く」 用例の出典:地蔵舞(じぞうまい) 狂言。各流。宿を断られた旅僧が考えたすえ、笠を預かってもらい、後でこっそりあがって笠をかぶり、笠の下は自分の心のままといって自由に振舞う。亭主がそれをおもしろがって宿を貸すことになり、僧に酒を勧め、僧は地蔵の様子を滑稽に表現した舞を舞う。
−−−−−−−よわ(#yowa)−−−−−−−
・歯する(よわいする) 「歯(し)する」の音読み。仲間として交わる。並ぶ。同列に並び立つ。 用例:阿部一族「家中一同は彼等を…卑怯者として共に歯せぬであらう」 用例の出典:阿部一族(あべいちぞく) 短編小説。森鴎外。大正2年(1913)発表。細川家に伝わる「忠興以来御三代殉死の面々」により、武士社会の掟と意地の悲劇を描く。
・齢を重ねる(よわいをかさねる) 年を取る。年を経て老年になる。
・弱き者、汝の名は女なり(よわきもの、なんじのなはおんななり) 1.女とはなんと心の弱い者であり、なんと心の変わり易い生き物であることか。2.女性は男性に対して結局は弱い立場にあるものだということ。 ★英Frailty,thy name is woman.の訳。シェークスピア作の「ハムレット」で、ハムレットの母が、夫の死後、間もなく夫の弟と結婚したことを嘆いてハムレットが言った台詞。 出典:ハムレット 戯曲。5幕。シェークスピア。1601年ごろ成立、1602年ごろ初演。デンマーク王子ハムレットが、父王を毒殺して王位についた叔父クローディアスや不貞の母ガートルードへの復讐と、オフィリアとの悲恋の間に苦悩する運命を描く。作者の四大悲劇の一つ。
・弱蔵(よわぞう) 精力の弱い者。特に、性的に虚弱な男を人名のように表した呼び名。
・世渡りは草の種(よわたりはくさのたね) 世を渡っていく手段は、草の種のように至るところに散らばっているから、どこに行ってもなんとかなるものだということ。やる気があれば、食っていくための職はあるということ。 用例:浮・好色万金丹−五「世渡りは草の種とかや」 類:●生業は草の種
・弱った魚は目で判る(よわったさかなはめでわかる)[=知れる] 1.傷(いた)んだ魚は目の濁り具合いを見れば判るものである。2.囲碁でお決まりの愚痴。自分の形勢が不利になったときに言う。 類:●参った狸は目で判る 例:「弱った、弱った。弱った魚は目で判る」
・弱音を吐く(よわねをはく) 弱々しい調子で、気力のない言葉を漏らしたり、意気地(いくじ)のないことを言ったりする。 類:●音(ね)を上げる●悲鳴を上げる
・夜半の嵐(よわのあらし) 1.夜吹く嵐。 2.一夜のうちに桜を散らしてしまう嵐のことで、思い掛けずに起こる出来事のこと。 3.気付かないほんのしばらくの間に変化が起こるということで、明日はどうなるか分からないということ。人生は無常であるということ。 類:●無常の嵐●無常の風 参照:「親鸞上人絵詞伝」の上人の詠に「明日ありと思ふ心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは」とあるところから。 出典:親鸞上人絵詞伝(しんらんしょうにんえことばでん) 2巻。覚如上人。永仁3年(1295)。別名:親鸞聖人伝絵(でんね)・善信聖人絵・御伝鈔。宗祖親鸞聖人の曾孫にあたる第3代宗主覚如上人が、聖人の遺徳を讃仰するために、その生涯の行蹟を数段にまとめて記述された詞書と、各段の詞書に相応する図絵からなる絵巻物として成立させたもの。写伝される過程でその図絵と詞書とが別々にわかれて流布するようになった。そしてこの図絵の方を「御絵伝」、詞書のみを抄出したものを『御伝鈔』と呼ぶようになった。
・夜半の煙(よわのけぶり・けむり) 夜に立つ煙。多く、火葬の煙のこと。
・夜半の関守(よわのせきもり) 夜、関所を守る人。関所の夜番。夜、女の元に通う男を遮(さえぎ)るものの喩え。
・弱みに付け込む(よわみにつけこむ) 人の弱点に乗じて、巧く付け入ること。
・弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)
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・夜を明かす(よをあかす) 寝ないで、朝を迎える。一晩中寝ないでいる。 類:●徹夜する
・世を挙げる(よをあげる)[=挙(こぞ)る] 全国民が一致して事に当たる状況。
・世を出ず(よをいず) 俗世間を逃れ出る。 類:●隠遁(いんとん)する●出家する
・世を厭う(よをいとう) 煩(わずら)わしい俗世間を忌(い)み嫌う。また、そのような気持ちから俗世間を避けて隠遁する。
・世を倦む(よをうむ) この世で生きることに飽き、疲れる。生きることが嫌になる。用例:古今−六六九「世をうみべたにみるめすくなし」 ★多く和歌で、「倦(う)む」の連用形「うみ」と同音の語にかけて用いる<国語大辞典(小)>
・世を籠める(よをこめる) 老い先がまだまだある。年が若く、将来が期待される。
・夜を籠める(よをこめる) まだ夜が明けないでいる。夜明けまでに、まだかなりの時間がある。 用例:枕草子−136「夜を籠めて鳥のそら音ははかるとも」
・世を去る(よをさる) 1.この世を去る。死ぬ。2.世を捨てる。
・世を忍ぶ(よをしのぶ) 世間から隠れる。世間に知られないようにする。 例:「世を忍ぶ恋」「世を忍ぶ仮の姿」
・世を知る(よをしる) 1.世の中のことを知る。世情に通じる。また、男女の情を解する。 類:●世心付く 2.世を治める。国政を執る。
・世を捨てる(よをすてる)[=背(そむ)く・遁(のが)れる・離れる] 俗世を捨てる。隠遁(いんとん)または出家する。
・世を尽くす(よをつくす) 一生を終える。生涯を送る。 類:●他界する
・夜を徹す(よをとおす・てっす) 「徹夜」の訓読み。宵から夜明け方に及ぶ。一晩中ものごとを行なう。
・世を響かす(よをとどろかす) 世間に広く知れ渡る。世間の評判となる。
・世を張る(よをはる) 世間体(せけんてい)を繕(つくろ)う。体裁を繕って世間を渡る。 類:●見栄を張る
・夜を日に継ぐ(よをひにつぐ)[=籠(こ)める] 昼の時間に、夜の時間まで付け足すという意味で、昼も夜も休まないでものごとを行なうこと。昼夜の別なくものごとをする。 類:●夜を昼に成す
・世を日に増す(よをひにます) 日ごと夜ごとに、次第に増加する。
・世を渡す(よをわたす) 1.衆生を苦海から涅槃(ねはん)へ渡らせる。世の人を救う。 類:●済度(さいど)する 用例:栄花−鶴の林「仏の世に出で給ひて、世を渡し給へる」 2.隠居して跡目を譲る。 用例:浮・胸算用−5「子孫に世を渡し」
・世を渡る(よをわたる) 生活する。暮らしていく。 類:●生計を立てる
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・拠所無い(よんどころない) 「拠り所ない」からの変化。そうするより外(ほか)にどうしようもない。止(や)むを得ない。余儀ない。どうにも手を離せない。 例:「拠所無い事情のため欠席する」 用例:浄・惟喬惟仁位諍−二「もし薄手にても負ひ給はば後の嘲りよん所なし」 用例の出典:惟喬惟仁位諍(これたかこれひとくらいあらそい) 浄瑠璃。近松門左衛門。天和元年(1681)。・・・詳細調査中。
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