哀矜懲創(あいきょうちょうそう)

ことわざの意味
哀れみ、恵み、戒め、傷つけるという意味の漢字で構成された四字熟語です。罪を犯した者や敗れた者に対して、その事情を哀れみ、再び同じ過ちを犯さないように懲らしめ、戒めるという意味で使われます。また、失敗した人を見て、その人の状況に同情し、自分も同じような失敗をしないように戒めるという意味もあります。

用例

  • 彼は戦いに敗れた敵将に対し、哀矜懲創の念を持って接した。
  • 今回の失敗を哀矜懲創の教訓として、今後の糧にしていきたい。

ことわざの由来

出典は中国の古典『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』です。紀元前の中国、晋(しん)と楚(そ)が戦った際に、晋の将軍が敗れた楚の兵士たちの惨状を見て、「楚王は徳がないために民を苦しめている。我々はこの敗残兵を哀れみ、二度とこのようなことがないように戒めなければならない」と言ったという故事に由来します。

類似のことわざ

  • 前車の轍を踏む(ぜんしゃのてつをふむ): 前の車が通った轍の跡を、後の車が同じように通ることから、前の人と同じ失敗を繰り返すことのたとえ。失敗を繰り返さないように戒める意味で使われる点が似ています。
  • 殷鑑遠からず(いんかんとおからず): 殷の時代、前の王朝である夏の滅亡を教訓とすべきであったのに、同じように滅んでしまったという故事から、戒めとすべき手本は身近なところにあるという意味。