ことわざの意味
生活が豊かになり、着るものや食べるものに不自由しなくなって初めて、人は礼儀や節度をわきまえる余裕ができるということ。
用例
かつては荒れていたその国も、経済発展によって国民の生活水準が向上するとともに犯罪が減り、マナーも向上した。まさに「衣食足りて礼節を知る」の通りだ。
ことわざの由来
中国の春秋時代の思想書『管子(かんし)』にある一節、「倉凜(そうりん)実(み)ちて則(すなわ)ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱(えいじょく)を知る(穀物庫が満ちて初めて礼儀を知り、着るもの食べるものが十分にあって初めて名誉と恥を知る)」に由来します。
類似のことわざ
- 恒産(こうさん)なくして恒心(こうしん)なし(安定した財産や職がないと、安定した道徳心も持てない)
- 稼ぐに追いつく貧乏なし ・金持ち喧嘩せず
英語の類似のことわざ
- Well fed, well bred.(十分に養われてこそ、育ちが良くなる)
- It is hard for an empty sack to stand upright.(空の袋がまっすぐ立つのは難しい=貧しい人が正直でいるのは難しい/ベンジャミン・フランクリンの言葉)