【にな】~【にん】
・担い手(にないて) 1.物を担(かつ)ぐ人。2.中心になって推し進めていく人物。 例:「次代のにない手」
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・二人口は過ごせるが一人口は過ごせない(ににんぐちはすごせるがひとりぐちはすごせない) → 一人口は食えぬが二人口は食える
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・二の足を踏む(にのあしをふむ) 一歩目は進みながら、二歩目を躊躇(ためら)って足踏みするという意味で、思い切ってものごとを進めることができないこと。どうしようかと迷う。
・二の腕(にのうで) 1.肩から肱(ひじ)までの間の腕。上膊(じょうはく)。 類:●一の腕 2.肱と手首との間の腕。〔日葡辞書〕
・二の句が継げない(にのくがつげない) 呆れたり、驚いたりして、言うべき次の言葉が出ない。 ★朗詠の二の句は高音に歌うので、独唱からその高音を続けて合唱に移ると、息の切れることもあり、「二の句を続けるのは容易でない」の意で<国語大辞典(小)>
・二の次(にのつぎ) その次。後回し。二番目。 例:「見て呉れなど二の次」
・丹の秀(にのほ) 赤い色が目立つこと。赤く美しいこと。 用例:万葉−八〇四「紅(くれなゐ)の<一云爾能保(ニノホ)奈須>面(おもて)の上に」 ★「ほ」は表面に現れること<国語大辞典(小)>
・二の舞(にのまい)・丹の穂 1.人の後に出てその真似(まね)をすること。 用例:万寿二年阿波守義忠歌合「闇はあやなしと詠めるは、色こそ見えねといふ歌のにのまゐのをこがましきに」 2.人の後から出てきて、その真似をすること。また、前の人が失敗したそのままを繰り返すこと。 用例:栄花−衣珠「今は二の舞にて、人の御まねをするになりぬべきが、いと口惜しきなり」 例:「二の舞を演じる」「二の舞を踏む」 ★二の舞は、元来「演じる」ものだが、「踏む」も許容される。 ★「踏む」は、「二の足を踏む」、或いは「前轍を踏む」からの誤用からか。 用例の出典:万寿二年阿波守義忠歌合(まんじゅにねんあわのかみのりただうたあわせ) 和歌集。藤原義忠。万寿2年(1025)。「東宮学士義忠歌合」。・・・調査中。
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・二番煎じ(にばんせんじ) 1.薬や茶などで、一度煎じたものを、もう一度煎じたもの。2.前の物の真似で、代わり映えのない同類のもの。前の繰り返し。 例:「二番煎じの企画」
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・二匹目の泥鰌(にひきめのどじょう) 柳の木の下で一度泥鰌を捕らえたことがあったからといって、いつもそこに泥鰌がいるとは限らない。一度まぐれ当たりの幸運を得たからといって、再度同じ方法で幸運が得られると思うのは間違いである。 類:●柳の下にいつも泥鰌は居らぬ
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・鰾膠ない(にべない) 粘り気がないという意味で、他人に親密感を持たないこと。お世辞がない。思い遣りがない。 類:●鰾膠もない 用例:浄・神霊矢口渡−三「足本の明い中とっととござれとにべなき詞」 ★「鰾膠」は、?[魚+免](にべ)の浮き袋から作った膠(にかわ)のこと。
・鰾膠もしゃしゃりもない(にべもしゃしゃりもない)[=つやもない・しべもない] 「しゃしゃり」は、さっぱりしているということ。愛想も素っ気もない。思い遣りがない。 類:●鰾膠もない 用例:浄・艶容女舞衣「にべもしやしやりも納戸口」
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・日本晴れ(にほんばれ) 1.少しの雲もなく、よく晴れ渡った空。 ★「日本晴れ」が初めて文献に登場するのは、「湯山千句」(室町末期〜江戸初期)。室町時代に「日本一」という言葉が最上級の褒め言葉として流行したらしい。 2.心配事や気兼ねがなくなって、心が晴れ晴れすること。
・二本棒(にほんぼう) 1.二本差しの武士を嘲って言った言葉。2.子供がだらしなく左右の鼻の穴から垂らしたままにしている鼻汁。また、そういう子供。3.間抜けな人。また、女房や女に甘い男。
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・二枚櫛(にまいぐし) 髪飾りとして櫛二枚を前頂左右に並べて差すこと。普通は遊女がしていたことから、遊女のこと。
・二枚腰(にまいごし) 相撲や柔道などで、粘り強い腰をいう。 例:「二枚腰で堪える」「土俵際の二枚腰」
・二枚舌(にまいじた) 矛盾したことを言う。一つのことを二通りに言う。また、嘘を吐(つ)くこと。 類:●一口両舌 例:「二枚舌を使う」
・二枚目(にまいめ) 1.枚数が二番目に当たること。また、そのもの。2.曾我十郎・紙屋治兵衛のように優しい仕草と言葉を使い、恋愛葛藤を主として演ずる美男役。また、演劇、映画などで美男役をする者。 ★江戸時代、劇場に掲げられた番付の二番目に名がしるされたところから<国語大辞典(小)> 参考:八枚看板(はちまいかんばん) 江戸時代、主に上方(かみがた)で、一座の主要な男役の俳優八人を、劇場の表飾りに八枚の看板として掲げたもの。順に、花形・色事師・つま師・中軸(なかじく)・敵役・実敵・実悪・座頭(ざがしら)。 3.転じて、美男。優男(やさおとこ)。 類:●ハンサム 例:「なかなかの二枚目だね」 4.稼ぎ高第二位の遊女。5.相撲の番付けで、前頭・十両・幕下などの、それぞれの上から二番目の力士。
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・に文字(にもじ) 大蒜(にんにく)を指す女房詞。
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・にやける 男が女のように色っぽい様子や姿をする。 用例:古文真宝前集抄−一「なまにやけたるなりをし」 ★「若気(にやけ)」の動詞化<国語大辞典(小)> 参考:若気(にやけ) 鎌倉・室町時代頃、貴人の側に侍(はべ)って、男色の対象のなった少年。 用例の出典:古文真宝(こぶんしんぽう) 中国の詩文集。2集20巻。宋の黄堅撰とされるが未詳。前集10巻に漢から宋代までの詩を、後集10巻に戦国時代末から宋代までの文を文体別に分類、収録した詩文集。日本でも広く読まれた。「古文」。
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・入境問禁(にゅうきょうもんきん) 《四熟》 他国に入ったら、まずその国の禁止事項を尋ねて、それを犯さないように心掛けることが大切だということ。その国のタブーには触れないようにしなさいということ。 類:●境に入りては禁を問う●郷に入っては郷に従え 出典:「礼記−曲礼・上」「入竟而問禁、入国而問俗、入門而問諱」
・入門(にゅうもん) 1.門の中にはいること。 例:「無断の入門を禁ず」 2.弟子(でし)となって、師の教えを受けること。弟子入りすること。 類:●入学 3.そのことに初めて取り掛かること。ものごとの最初の段階。 類:●初歩 4.初心者のために書かれた手引き書。 例:「釣りの入門書」 故事:「論語−子張篇」 魯(ろ)の太夫叔孫武叔(しゅくそんぶしゅく)が「皆は孔子が立派な人物というが、弟子の子貢(しこう)の方がもっと賢いのだ」と言った。それを人伝(ひとづて)に聞いた子貢は「宮殿に喩えれば、私の塀が人の背くらいの高さであるのに対し、先生の塀は数仞(すうじん)もあって、内が見えないのです。門から中へ入らなければその建物の美しさや、家人の素晴らしさは分かりません。ただ、その入り口に至る門を見付ける人が中々いないだけなのです」と語った。
・柔和忍辱(にゅうわにんにく) 《四熟・仏教用語》 仏の教えに帰依(きえ)し、その教えを心として柔順温和で、外からの恥辱や危害をよく堪え忍ぶこと。
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・女房貸すとも擂木は貸すな(にょうぼうかすともすりぎはかすな) 何かの手伝いの為に女房を貸しても減ることばないが、擂り粉木は貸せば減って返ってくる。使うと減るものは貸すなということ。また、そのようなけちな考えのこと。 類:●女房は貸すとも砥石は貸すな
・女房詞(にょうぼうことば) ★室町初期ごろ、御所や仙洞御所に仕える女房が使い始めた一種の隠語で、主として食物、衣服などに用いた。上品で優雅なことばとして、足利将軍家・徳川将軍家につかえる女性からしだいに町家の女性に普及し、また男性の用語にもはいるようになった。米を「うちまき」、豆腐を「おかべ」田楽を「おでん」、すしを「すもじ」、杓子(しゃくし)を「しゃもじ」という類<国語大辞典(小)>
・女房鉄砲仏法(にょうぼうてっぽうぶっぽう) 女性の力によって雰囲気(ふんいき)が和(なご)やかになり、鉄砲の威力によって治安(ちあん)が保たれ、仏法によって人は正しい心に導かれる。世の中は、愛と力と道の三つによってうまく治(おさ)まるものだということ。
・女房と畳は新しい方が好い(にょうぼうとたたみはあたらしいほうがよい) 1.畳は新しい方が快適で、女房もまた、結婚したばかりの新鮮なうちの方が、生活に喜びも多くて好い。時と共に新鮮味がなくなってくるということ。 類:●女房と茄子(なすび)は若いが好い●女房と菅笠(すげがさ)は新しい方が好い 反:■女房と鍋釜は古いほど好い■女房と味噌は古いほど好い■女房とワインは古いほど好い(フランスの諺)■女房と米の飯には飽かぬ 2.(俗) 取り替えられるものならば、古女房を若く綺麗な女と取り替えたいものである。亭主の願望を、都合(つごう)良く言う。
・女房の妬くほど亭主持てもせず(にょうぼうのやくほどていしゅもてもせず) 妻は自分の夫を持てるものと思って焼き餅を焼くが、女房の思うほど持てることはないということ。
・女房の悪いは六十年の不作(にょうぼうのわるいはろくじゅうねんのふさく) 悪い女房を持つことは、自分一生の不幸であるばかりでなく、子や孫にも悪い影響を及ぼすものである。妻選びは慎重にせよということの喩え。 類:●悪妻は百年の不作●悪婦破家 ★「六十年」は、三世代の喩え。
・女房は半身上(にょうぼうははんしんじょう) 女房は家の財産の半分の値打ちがある。家が栄えるか衰えるかは、半分は妻の働きや才能によるということ。 類:●女房は家の大黒柱●家に無くてならぬものは上り框と女房●女と俎板は無ければ敵わぬ
・女房を質に入れても(にょうぼうをしちにいれても) 江戸時代、江戸で特に珍重された初鰹(はつがつお)を、大金を使ってでも買うのが粋(いき)として言われた喩え。 出典:江戸川柳(詠み人知らず)「女房を 質に入れても 初鰹」 ★初鰹(はつがつお) 初夏の頃、市場に出回り始める走りの鰹。それを過ぎると、値は100分の1にも下がったという。
・如是我聞(にょぜがもん) 《四熟・仏教用語》 このように私は聞いたという意味。お経の冒頭に書かれている言葉。経典が編集されたとき、その経は間違いなく釈迦が言ったものであるということを示そうとした言葉。また、聞いたことを信じて疑わないということを示した言葉。
・如法暗夜(にょほうあんや) 《四熟》 「如法」とは、ここでは「文字通り」という意味で、文字通り全くの闇夜であること。転じて、悲しみに打ち拉(ひし)がれて心が真っ暗になること、また、足掻きが取れない迷妄(めいもう)の状態にあること。
・女夢幻泡影(にょむげんほうよう) 仏教用語。夢・幻・泡・影のようなこと。因縁によって生じたものは全て実体がなく、空(くう)であるということ。 出典:金剛般若波羅蜜経(こんごうはんにゃはらみっきょう) 大乗経典の一つ。一巻。般若(智)の見地から一切法の空、無我を説き、とらわれを去って清浄の心に住すべきことを説いた経文。六種の漢訳中、後秦の鳩摩羅什(くまらじゅう)訳がもっとも著名。「金剛般若」・「金剛経」。
・如来掛けて(にょらいかけて) 仏に誓って。 類:●神掛けて 用例:浄・女殺油地獄−中「みぢんもあいぢゃく残らぬと、にょらいかけての母がいひ分からは」 用例の出典:女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく) 浄瑠璃。世話物。3段。近松門左衛門。享保6年(1721)大坂竹本座初演。大坂天満の油屋河内屋の次男与兵衛が、放蕩の結果、金に困り同業豊島屋の女房お吉を殺して金をうばうが、捕えられる。
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・睨みが利く(にらみがきく) 相手を押さえ付けて、勝手なことを言ったりしたりさせない。
・二律背反(にりつはいはん) 《四熟・哲学用語》 相互に矛盾する二つの命題が、同等の権利によって主張されること。相等しい妥当性を持つ前提に立った二つの原理や推論が、互いに矛盾し合うこと。 ★カントが提出した「世界は有限である」と「世界は無限である」という矛盾した二つの命題同士の類<国語大辞典(小)>
−−−−−−−にる(#niru)−−−−−−−
・煮るなり焼くなり(にるなりやくなり)・煮るなと焼くなと どのような酷(ひど)い目に遭わされようとも。 例:「煮るなり焼くなり勝手にしろ」
・似るを友(にるをとも)・似たるを友 境遇や性質など、お互い共通点を持ち合わせる者同士が親友になるということ。
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・似れば似るもの(にればにるもの) 大変良く似ているということ。驚きや感嘆の気持ちを含む。 類:●生き写し
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・二六時中(にろくじちゅう) 《四熟》 昔は一日が一二刻(2×6=12)であったところから、一昼夜。終日。一日中。また転じて、いつも。年中。始終。 類:●四六時中●終日(ひねもす) ★一日が二四時間になってからは「四六時中」ともいう<国語大辞典(小)>
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・俄か分限(にわかぶげん) 賎しい者が急に金持ちになること。 類:●成金(なりきん)●梅の木分限
・鶏は三歩歩けば忘れる(にわとりはさんぽあるけばわすれる) 1.鶏は直ぐに物忘れする生き物である。2.転じて、ものごとを良く忘れる人を揶揄(からか)ったり、何度言っても同じ過ちを繰り返す者を嗜(たしな)めたりして言う。
・鶏を割くに焉ぞ牛刀を用いん(にわとりをさくにいずくんぞぎゅうとうをもちいん・うしのかたなを〜) 鶏を料理するのに、牛を切るような大きな包丁を使う必要はないという意味で、小事を処理するのに、大人物や大袈裟な方法を用いる必要はない。適用の仕方が間違っているということ。 類:●牛刀を以って鶏を割く 出典:「論語−陽貨」「子之武城、聞弦歌之声、夫子莞爾而笑曰、割?焉用牛刀」
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・荷を下ろす(にをおろす) 負担を解消して楽になる。 類:●肩荷が下りる
・荷を刎ねる(にをはねる) 船などの積荷の一部を捨てる。はねににする。
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・任重くして道遠し(にんおもくしてみちとおし) 役割は重く、道は遠い。役割を背負う者は、心が広くて力が強くなければならないということ。だから、雑事に一々心を動かされていてはいけない。 出典:「論語−泰伯」「曾子曰、士不可以不弘毅、任重而道遠」 参考:死して後已む
・人我無相(にんがむそう) 《四熟・仏教用語》 個体としての人間には、常住不変の我がないと考えること。他人と自分の区別・執着を離脱した境地のこと。人間には、定まった主催者である「我」がないということ。 反:■人我の相
・人間僅か五十年(にんげんわずかごじゅうねん) どんな人生を送ろうと、その長さはせいぜい五十年しかない。人生は短いものであるということ。 類:●人生は朝露の如し 用例:伎・青砥稿花紅彩画「人間の定めは僅か五十年、六十余州に隠れのねえ、賊徒の張本日本駄右衛門」 ★平均寿命が五十歳ほどだった頃の言葉。 出典:敦盛(あつもり) 幸若舞曲。一ノ谷合戦で、平敦盛は熊谷直実(なおざね)と一騎打ちで敗北し、討ち取られる。若い敦盛を討ち取った直実は世の無常を感じ、出家する。
・人間万事金の世の中(にんげんばんじかねのよのなか) この世のことは結局、全て金に左右され、人間は金のために齷齪(あくせく)し、追い使われる。
・人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま・じんかん〜) 人間の吉凶や禍福は、転変極(きわ)まりがないということ。 類:●塞翁が馬●禍福は糾える縄の如し●禍(わざわい)も福(さいわい)の端となる
・人参で行水(にんじんでぎょうずい) 朝鮮人参の煎じた汁を浴びるほど飲むという意味で、医薬の限りを尽くして治療すること。
・人参飲んで首縊る(にんじんのんでくびをくくる) 高価な朝鮮人参を飲んで病気を治したが、その出費のために借金ができて、返済できず首を括らなければならなくなる。前後のことをよく考えなかったり、身分不相応なことをしたりすると、自分の身のためにしたことでも却って身を滅ぼすことになるということ。
・忍辱の衣(にんにくのころも)[=鎧(よろい)・袈裟(けさ)] 宗教上の迫害や侮辱(ぶじょく)を受けても心を動かさないという「忍辱の心」は、一切の害難を防ぐものである。 1.忍辱の心を、身を護る衣や鎧に喩えた言葉。 用例:栄花物語−玉台「忍辱の衣を身に着つれば」 2.転じて、僧の袈裟。
・忍辱の徳(にんにくのとく) 単なる忍耐とは違い、宗教上の迫害や侮辱(ぶじょく)を忍ぶことによって身に付く徳。 ★大乗仏教が「布施の徳」に次いで重視したもの。 参考:六波羅蜜(ろくはらみつ) 仏教用語。大乗菩薩の六種の実践修行。布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)の六種で、これによって涅槃(ねはん)の境界に至ることができるとされる。「六度」とも。
・忍の一字は衆妙の門(にんのいちじはしゅうみょうのもん) 忍耐することは成功への第一の要件である。耐え忍ぶことを身に付ければ、どんなことでもできるということ。 類:●ならぬ堪忍するが堪忍●勤勉は成功の母 出典:宋の呂本中(りょほんちゅう)の「東莱集−舎人官箴(かんしん)」「忍之一字、衆妙之門」 ★「衆妙の門」は、宇宙の万物(=森羅万象)を生み出す根本のところの意味で、「老子−一」に「玄之又玄、衆妙之門」と見える。 出典:東莱集(とうらいしゅう) 宋。呂祖謙(東莱)撰。淳熙2年(1175)。40巻。・・・詳細調査中。
・人非人(にんぴにん) 1.人道(じんどう)に反する行ないをする者。人情や恩義を弁(わきま)えない者。酷い仕打ちや悪事をする者を罵(ののし)る呼び方。 類:●人でなし●忘恩の徒 2.人の数に入らない者。人でありながら人として認められない者。 用例:平家−一「此一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし」 3.仏教用語。 ①緊那羅(きんなら)の別名。 参考:緊那羅(きんなら) 仏法守護の八部衆の一つ。歌舞を以って帝釈天に仕える者。人頭鳥身、或いは馬首人身で、鼓(つづみ)を打つ姿、笛を吹く姿、琵琶を持って歌舞する姿などで表現された。 ②人と、人でない者。比丘(びく)・比丘尼など四衆は人で、天・竜などは非人とされる。 参考:比丘(びく) 出家して具足戒を受けた男子。転じて、一般に僧のことを指す。
・人を見て法を説け(にんをみてほうをとけ) →ひとを見て〜
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