見ざる聞かざる言わざるみざるきかざるいわざる

ことわざの意味
「見ざる・聞かざる・言わざる」の三つの行いを示した言葉で、悪いことは見ない・聞かない・言わないという処世術を表しています。もともとは「悪いものを見聞きせず、悪いことを口にしない」という道徳的な教えとして伝わっていますが、現代では都合の悪いことに知らぬふりをするという、やや皮肉な意味でも使われることがあります。

用例

「職場のうわさ話には関わらないようにしている。見ざる聞かざる言わざるが処世術だと思って。」

「子どもの頃から悪い仲間づきあいをしないようにと親に言われてきた。見ざる聞かざる言わざるの精神で、トラブルには近づかないようにしている。」

「会社の不正を知っていても、見ざる聞かざる言わざるを決め込んで黙っている社員が多かった。」

ことわざの由来

このことわざは日光東照宮の有名な「三猿(さんざる)」の彫刻と深く結びついています。17世紀初頭に建てられた東照宮の神厩舎(しんきゅうしゃ)には、目・耳・口を手で塞ぐ三匹の猿が彫刻されており、「見ざる・聞かざる・言わざる」を体現しています。この教えはもともと中国の儒教思想や仏教の「三業(さんごう)」の概念に由来するとも言われており、日本には8世紀ごろには伝わっていたとされます。「猿(さる)」と否定の助動詞「ざる」の語呂合わせも、この表現を定着させた一因です。

類義語