ことわざの意味
ひどすぎて手のつけようがないこと。また、何の取り柄もなく、どのように扱っても役に立たないことのたとえ。
用例
- いくら教えても仕事を覚えず、反省もしない。彼はまさに「箸にも棒にもかからない」状態で、上司も頭を抱えている。
- 自信満々で小説の新人賞に応募したが、一次選考すら通過せず、「箸にも棒にもかからない」結果に終わった。
- 企画書を出したが、内容が薄すぎて「箸にも棒にもかからない」と一蹴されてしまった。
ことわざの由来
物を掴んだり運んだりするとき、小さなものであれば「箸」でつまみ上げることができますし、大きなものであれば「棒」に引っ掛けて担ぐことができます。 しかし、形が悪かったり、ぬるぬるしていたりして、その箸にも棒にも引っかからないような物体は、どうやって移動させることも加工することもできず、扱いようがありません。 このことから、具体的な対処法がなく、どうしようもないほど質が悪いことや、何の役にも立たないことを表すようになりました。
類似のことわざ
- 帯(おび)に短し襷(たすき)に長し: 帯にするには短すぎ、襷にするには長すぎる。中途半端で、結局何の役にも立たないこと。
- 煮ても焼いても食えない: 手におえないほど強情であったり、ずる賢かったりして、どうにも扱いかねること。(※「箸にも~」は能力不足の文脈が多いが、こちらは相手が上手(うわて)で苦戦する文脈で使われる)
- 毒にも薬にもならない: 害もない代わりに、何の役にも立たないこと。平凡で価値がないこと。
- 手の施(ほどこ)しようがない: 病気や事態が悪化しすぎて、回復や解決の手段が全くないこと。
英語の類似のことわざ
- Good for nothing.(何のためにもならない/ろくでなし/役立たず)
- Beyond all hope.(あらゆる希望の向こう側にある=全く見込みがない、救いようがない)
- A chip in porridge.(お粥に入った木屑/あってもなくても味に影響しない、何の役にも立たないもの)