意味
ことわざの意味
公平で私心がなく、少しもやましいところがないこと。また、そのさま。隠し事がなく、言動が正しく堂々としている様子を指します。
用例
- 今回の選挙は、公明正大に行われなければならない。
- 彼は常に公明正大な態度で仕事に取り組むため、部下からの信頼が厚い。
- 審判の判定に対し、公明正大であることを疑う声が上がった。
ことわざの由来
「公明」と「正大」という二つの熟語を組み合わせて強調した言葉です。
- 公明(こうめい): 公平で、私心(自分だけの利益を願う心)がなく、隠し事がないこと。明るくはっきりしていること。
- 正大(せいだい): 言動が正しく、堂々としていること。
この二つを合わせることで、心が公平で曇りがなく、態度が極めて立派であることを表しています。
類似のことわざ
- 公平無私(こうへいむし): 自分の利益や感情を挟まず、公平に判断・行動すること。
- 清廉潔白(せいれんけっぱく): 心が清く、私欲や不正が全くないこと。
- 正々堂々(せいせいどうどう): 態度や手段が正しく立派で、卑怯な点がないこと。
- 是是非非(ぜぜひひ): 良いことは良い、悪いことは悪いと、公平な立場で判断すること。
英語の類似のことわざ
- Fair and square. (公明正大に、正々堂々と)
- Open and aboveboard. (隠し立てせず、公明正大に) ※”Aboveboard”はトランプゲームで手をテーブルの上に出して不正がないことを示すことに由来します。
ことわざを使った文学作品
- 太宰治『鉄面皮』 「自分ひとりで、こっそりきめて、こっそり実行するなんて、そんなの、いけない。公明正大の論理でなければいけない。」
- 坂口安吾『日本文化私観』 「誰に遠慮することなく、また、何物をも恐れず、ただ、その好むところに従つて生活してゐるといふことは、公明正大なる生活態度である。」