ことわざの意味
必要に迫られることこそが、新しいものを考え出したり、工夫を生み出したりする原動力になるということ。 何かがなくて困ったり、不便を感じたりすることが、それを解決するための発明につながるという教え。
用例
- コロナ禍で出社できなくなった「必要」が、便利なオンライン会議システムの急速な普及と進化を生んだ。まさに「必要は発明の母」だ。
- 料理の手間を少しでも省きたいという主婦の切実な願いが、画期的な時短家電を生み出した。「必要は発明の母」である。
- 彼は資金不足という逆境に立たされたが、そのおかげで低コストで製造できる新しい技術を開発した。「必要は発明の母」とはこのことだ。
ことわざの由来
このことわざは、英語の “Necessity is the mother of invention.” という格言を翻訳したものです。 その起源は非常に古く、古代ギリシャの哲学者プラトンの著書『国家』の中に、「我々の必要性が、真の創造者となるだろう(Our need will be the real creator)」という記述があり、これが元になっていると言われています。 その後、ラテン語や英語の文献で形を変えながら受け継がれ、16世紀頃には現在の定型句として定着しました。日本には明治時代以降、西洋文化の流入とともに広まりました。
類似のことわざ
- 窮すれば通ず: 絶体絶命の窮地に追い込まれると、かえって活路が開けるものだということ。(困った状況が解決策を生むという点で類似)
英語の類似のことわざ
- Necessity is the mother of invention.(必要は発明の母/直訳であり由来)
- Want is the mother of industry.(欠乏は勤勉の母/物が足りない状態が、人を勤勉に働かせる)
- Hunger sharpens the wits.(空腹は知恵を鋭くする/ひもじい思いをすると、何とかしようとして知恵が働く)