ことわざの意味
その人の才能、性格、能力を正しく見極め、それに最もふさわしい地位や仕事を与えること。 元々は、建物を建てる際に、木材の性質に合わせて使い分けることを指していた言葉。
用例
- 彼は数字に強く几帳面なので経理部に配属された。まさに「適材適所」の人事だ。
- チーム全員が自分の得意分野で力を発揮できるよう、「適材適所」の役割分担をすることがリーダーの責任だ。
- どんなに優秀な人材でも、合わない部署に置かれれば力を発揮できない。「適材適所」こそが組織運営の要である。
ことわざの由来
本来は建築(大工)用語から来ています。 「適材」とは、適した木材のことです。家を建てる際、硬くて丈夫な木(ヒノキやケヤキなど)は建物を支える柱や土台に使い、木目が美しく加工しやすい木(スギなど)は天井や鴨居などの目に見える内装に使うといったように、木材の性質を見極めて適した場所に使うことが重要でした。 この「材(木材)」を「人材」になぞらえ、人の能力に合わせて適切なポストを与えるという意味で使われるようになりました。
類似のことわざ
- 餅は餅屋: 専門的なことは、やはり専門家に任せるのが一番であること。(専門性を重視する点で類似)
- 量才録用(りょうさいろくよう): その人の才能をよく量って、それに応じた仕事に登用すること。
- 器用貧乏: (※対義的な側面)何でも器用にこなすが、大成しないこと。適材適所は「特化した才能」を活かす文脈で使われることが多い。
英語の類似のことわざ
- The right man in the right place.(適材適所/正しい場所に正しい男)
- Square peg in a round hole.(丸い穴に四角い杭/不適材不適所。性格や能力がその場に合っていないことのたとえ)
- Horses for courses.(競馬場に合った馬/コースによって得意な馬を選ぶ=人には向き不向きがある)