対岸の火事たいがんのかじ

ことわざの意味
向こう岸の火事は、自分の方へ燃え移ってくる心配がないことから、自分には何の関係もなく、なんの苦痛や被害も及ばない物事のたとえ。また、他人の災難を単なる傍観者として見ている冷淡な態度のこと。

用例

海外での金融危機を対岸の火事だと思って静観していたが、やがて為替変動を通じて自社の経営にも深刻な影響が出始めた。

ことわざの由来

中国の兵法書『兵法三十六計』にある第九計、「隔岸観火(かくがんかんか/岸を隔てて火を観る)」に由来するとされています。 元々は「敵陣で内乱(火事)が起きている時は、攻め込まずに川の向こうから静観し、敵が自滅するのを待つ」という戦術を説いたものでしたが、日本では転じて「自分には被害が及ばない他人事」という意味で定着しました。

類似のことわざ

  • 高みの見物
  • 我関せず(われかんせず)
  • 他人の疝気(せんき)を頭痛に病む(これの対義語的な意味合いで、「無関係なことに悩む必要はない」という文脈で対比される)

英語の類似のことわざ

  • It is no skin off my nose.(私の鼻の皮が剥がれるわけではない=私には痛くも痒くもない)
  • Not my circus, not my monkeys.(私のサーカスじゃないし、私の猿でもない=私が解決すべき問題ではない/ポーランド語由来の表現)
  • Let sleeping dogs lie.(寝た子を起こすな=関わらないほうがいい)