ことわざの意味
哀哀父母(あいあいふぼ)とは、自分を生み育ててくれた父母の苦労を思い、その深い恩に報いることができなかったことへの悲しみや、亡くなった父母を慕い嘆く情を表す言葉です。「哀哀」は、悲しみにうちひしがれる様を意味します。
用例
亡き両親の写真を見つめ、孝行できなかった無念さに「哀哀父母」の情が込み上げる。彼は、両親が生きていた頃にもっと孝行すべきだったと、今になって後悔の念に苛まれている。
ことわざの由来
この言葉は、中国最古の詩集である『詩経』の「小雅・蓼莪(りくが)」編にある一節、「哀哀たる父母、我を生みて劬労(くろう)せり」(ああ、我が父母よ、我を生むために苦労された)に由来します。この詩は、父母が子を育てるためにどれほど苦労したかを述べ、その恩に報いることができないまま父母を失った子の深い悲しみと嘆きをうたったものです。
類似のことわざ
- 風樹の嘆(ふうじゅのたん): 親孝行をしようと思ったときには既に親は亡くなっていて、孝養を尽くせなかったことを嘆くこと。「樹静かならんと欲すれども風止まず、子養わんと欲すれども親待たず」という句に由来します。
- 哀毀骨立(あいきこつりつ): 親の死などの深い悲しみのあまり、体がやせ細ってしまうこと。