ことわざの意味
遠くから見るだけで、手に入れることのできないもののたとえ。憧れるだけで、自分には不相応なもの。
用例
- 彼女は才色兼備で、僕にとってはまさに高嶺の花だ。
- 学生の頃、あの高級車は高嶺の花だったが、ついに購入することができた。
- 都会のタワーマンションなんて、庶民には高嶺の花でしかない。
ことわざの由来
高い山の嶺(みね)に咲く花に由来します。 高い山の頂(いただき)や断崖絶壁に咲く美しい花(シャクナゲなどがその代表とされる)は、遠くから眺めることはできても、実際に登って手折ることは困難です。このことから、見ることはできても、自分のものにすることができない憧れの対象を指すようになりました。
類似のことわざ
- 雲の上の人(くものうえのひと): 身分や地位が高すぎて、自分とは縁遠い人のこと。
英語の類似のことわざ
- Out of one’s league. (自分のリーグの外にいる=格が違いすぎて手が届かない) ※恋愛対象に対して「高嶺の花だ」と言う際によく使われる表現です。
- A reach. (手を伸ばしても届かない距離=高嶺の花)
- Cry for the moon. (月に焦がれて泣く=無い物ねだりをする)
ことわざを使った文学作品
- 内海信之『高嶺の花』 明治から昭和初期にかけて活動した詩人、内海信之の第二詩集のタイトルおよび表題作。「高嶺の花」という言葉が持つ、美しくも孤独で、人を拒むような崇高なイメージが描かれています。