腹八分目に医者いらずはらはちぶんめにいしゃいらず

ことわざの意味
食事を満腹になるまで食べず、八分目(80%)くらいで控えておけば、胃腸に負担をかけず健康を保つことができ、医者にかかる必要がなくなるということ。暴飲暴食を戒める言葉。

用例

  • 最近胃の調子が悪いので、「腹八分目に医者いらず」を心がけて、食事の量を少し減らすことにした。
  • 祖父は90歳を過ぎても元気だが、その秘訣を聞くと「腹八分目に医者いらずだよ」と笑って答えた。
  • ついつい食べ放題で限界まで食べてしまい、「腹八分目に医者いらず」という言葉が耳に痛い。

ことわざの由来

古くから、食べ過ぎが万病の元であることは経験的に知られていました。 胃腸は消化吸収を行う重要な器官であり、満腹になるまで詰め込むと消化活動に多くのエネルギーを使い、内臓を疲弊させてしまいます。その結果、免疫力が下がったり病気になりやすくなったりすることから、少し物足りないくらいで止めておくのが健康の秘訣であるとして語り継がれてきました。 江戸時代の儒学者・貝原益軒が記した健康指南書『養生訓』にも、食事の量を控えることの重要性が説かれており、日本の養生思想に深く根付いています。

類似のことわざ

  • 大食短命(たいしょくたんめい): 大食いの人は、胃腸を傷めて病気になりやすいため、早死にするということ。
  • 節制は最良の薬: 食事や生活を控えめに調節することは、どんな薬よりも体に良いということ。
  • 禍(わざわい)は口より出でて身を破り、病(やまい)は口より入りて腸(はらわた)を絶つ: 言葉の不注意は災難を招き、飲食の不摂生は内臓を痛めて病気になるということ。
  • 千の薬より一の養生: たくさんの薬を飲むよりも、日頃の健康管理(養生)の方が大切であるということ。

英語の類似のことわざ

  • Feed by measure and defy the physician.(ほどほどに食べれば、医者はいらない)
  • Gluttony kills more than the sword.(暴食は剣よりも多くの人を殺す)
  • Temperance is the best physic.(節制は最良の薬である)