ことわざの意味
水があまりに清らかすぎると、隠れる場所や餌がないため魚は棲みつかない。転じて、人があまりに潔癖すぎたり厳格すぎたりすると、かえって人に親しまれず、孤立してしまうことのたとえ。
用例
新任のリーダーは不正や妥協を一切許さない正義感の持ち主だが、あまりに厳格すぎて部下が離れていってしまった。まさに「水清ければ魚棲まず」だ。
ことわざの由来
中国の前漢時代の書物『韓詩外伝(かんしがいでん)』や『孔子家語(こうしけご)』にある一節、「水至って清ければ則(すなわ)ち魚なし、人至って察(さつ)なれば則ち徒(と)なし(水が透き通るほど清らかだと魚は棲めず、人が細かすぎて厳格だと仲間がいなくなる)」に由来します。
類似のことわざ
- 曲がらねば世が渡られぬ(多少は清廉潔白さを曲げるくらいでないと、世の中は渡っていけない)
- 玉に瑕(きず)(完全なものよりも、少し欠点があるほうが愛敬があるという文脈で)
英語の類似のことわざ
- Too much courtesy is discourtesy.(礼儀も過ぎれば無礼になる)
- A clear stream has no fish.(澄んだ小川に魚はいない=直訳的な表現)
- It is possible to be too honest.(正直すぎるということもあり得る)