八方美人はっぽうびじん

ことわざの意味
誰に対しても愛想よく振る舞い、すべての人から良く思われようとすること。 元々は「欠点のない美人」という肯定的な意味でしたが、現在は「自分の信念がなく、誰にでも調子の良いことを言う人」という否定的なニュアンスで使われることが一般的です。

用例

彼はA案にもB案にも賛成してばかりで、自分の意見がない。「八方美人」な態度は、かえって周囲の信用を失うことになるぞ。

ことわざの由来

「八方」は東西南北とそれぞれの間の四隅を合わせた全方向のこと。「美人」は美しい人。 もともとは「どこから見ても難点のない、完璧な美人」を指す褒め言葉でした。しかし、欠点を隠して誰からも良く見られようとソツなく振る舞う様子が、次第に「本心を見せない」「日和見(ひよりみ)的である」と捉えられるようになり、現在のような皮肉を込めた意味に変化しました。

類似のことわざ

  • 内股膏薬(うちまたごうやく/あちこちに都合よくつくこと)
  • 風見鶏(かざみどり/状況に合わせて態度を変える人)
  • 阿付迎合(あふげいごう/相手にへつらい調子を合わせること)

英語の類似のことわざ

  • Everybody’s friend is nobody’s friend.(万人の友は、誰の友でもない=誰にでもいい顔をする人は、本当の友人はいない)
  • A friend to all is a friend to none.(すべての人に対する友は、誰に対する友でもない)