国破れて山河あり(くにやぶれてさんがあり)

ことわざの意味
戦乱のために、国は滅びて元の姿はなくなってしまったが、山や川だけは昔のままの姿を残しているということ。

出典について

杜甫の「春望詩」

ことわざに関連する人物の詳細

杜甫(とほ) 中国盛唐の詩人。712~770。字は子美。少陵と号し、工部、老杜などと呼ばれる。若い頃、科挙に落第し各地を放浪し、李白らと親交を結ぶ。40歳を過ぎて仕官したが、左遷されたため官を捨て、以後家族を連れて甘粛・四川を放浪し、湖南で病没。安禄山の乱に遇って幽閉されるなど波乱の生涯を送った。「兵車行」「北征」「秋興」など多くの名作を残す。その詩風は写実的で力強く、沈痛の風趣があり、日本でも西行や芭蕉などが尊び愛唱した。後世、『詩聖』と呼ばれ、李白と共に李杜と並称される。詩文集に「杜工部集」。