ことわざの意味
森羅万象(しんらばんしょう)とは、宇宙に存在するありとあらゆる事物や現象のすべてを指す言葉です。「森羅」は樹木が限りなく茂り連なっている様子から、数限りなく並び連なるもの、万物を意味します。「万象」は万物やあらゆる現象、形あるものすべてを指します。この二つの言葉を合わせることで、天地間のすべての存在や出来事を包括的に表現しています。「しんらまんぞう」または「しんらばんぞう」と読むこともあります。
用例
- 宇宙の森羅万象には、未だ解明されていない謎が多く残されている。
- 彼は森羅万象に関心を抱き、様々な学問を修めた。
- 芸術家は、森羅万象の美しさや儚さを作品で表現しようと試みる。
- 古代の人々は、森羅万象に神の存在を感じ、畏敬の念を抱いていた。
- 総理大臣は国会で「森羅万象すべて担当している」と発言し、その責任範囲の広さを強調した。
ことわざの由来
「森羅万象」の語源は、仏教の経典である『法句経(ほっくぎょう)』の一節、「参羅及万像、一法之所印(森羅万象は、一法の印する所なり)」に由来するとされています。これは、「宇宙のあらゆる存在や現象は、すべて仏法の真理によって貫かれている」という意味です。 「森羅」はもともと樹木がびっしりと茂り連なる様を表し、そこから転じて無数に存在するものを指すようになりました。「万象」は文字通りあらゆる形あるもの、現象を意味します。この二語が結びつき、宇宙の全存在と全現象を網羅する壮大な概念を表す言葉となりました。
類似のことわざ
- 天地万物(てんちばんぶつ): 天と地の間のあらゆるもの。森羅万象とほぼ同義。
- 有象無象(うぞうむぞう): 形のあるものもないものすべて。転じて、種々雑多なくだらない人々や物事を指す場合もある。
- 一切合切(いっさいがっさい): 残らず全部、何もかも。