羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)

ことわざの意味
熱かった吸い物に懲りて、ついつい膾や韲物(あえもの)のような冷たい料理も吹いて冷ますということから、一度しでかした失敗に懲りて、必要以上の用心をすること。

類似のことわざ

類似の英語のことわざ

  • A burnt child dreads the fire.(やけどした子供は火を怖がる)
  • Once bitten, twice shy.
  • A burnt child fears the fire.

対義のことわざ

出典について

「楚辞-屈原・九章・惜誦」「懲於羹者而吹韲兮、何不変此之志也」

出典の説明

楚辞(そじ)は中国の書。16巻。漢代。劉向(りゅうきょう)編と伝える。楚の屈原とその門下、及びその体に倣(なら)った作を中心に集めた詩歌集。のち、王逸が編集し直して17巻にした。楚地方の文学で巫史(ふし)の歌唱に起源を持ち、屈原によって文学的に高められ、集大成されたものと推定される。特に「離騒」は屈原の代表作。

ことわざに関連する人物の詳細

屈原(くつげん)は中国、戦国時代の楚の政治家・文人。名は平。字は原。前340頃~前278頃。楚王の一族で懐王(かいおう)に信任され、左徒、三閭大夫となる。傾襄王(けいじょうおう)のとき、中傷にあって江南に追放され、時世を憂えて悩みを苦しんだ末、5月5日汨羅(べきら)の淵に身を投じた。「楚辞」の代表作家で、その抒情的叙事詩「離騒」は後世の文学に大きな影響を与えた。ほかに「天問」「九歌」など。