ことわざの意味
手を加えた甲斐があって一旦良くなったものが、再び元のつまらない状態に戻ってしまうこと。折角(せっかく)の苦労や努力が無駄になること。
類似のことわざ
出典について
「和州諸将軍伝」 筒井順昭が病死したとき、嗣子の順慶が幼少だったので、遺言によって順昭の死を隠し、順昭と声のよく似た木阿弥という盲人を招いて薄暗い寝所に置き、順昭が病床にあるように見せ掛けていたが、順慶が長ずるに及んで木阿弥は元の市人の身に戻った。
和州諸将軍伝(わしゅうしょしょうぐんでん) 江戸時代の軍記物。宝永4年(1707)。閑雲子。大和国(現在の奈良県)の筒井氏に関する記載が中心。
諸説:朱塗りの朱が剥(は)げて木地が現われたという意味の「元の木椀」から転じたものかとも言われる。