ことわざの意味
侃侃諤諤(かんかんがくがく)とは、正しいと思うことをためらわずに堂々と主張し、盛んに議論する様子を表す言葉です。「侃侃」は意志が強く、信念を曲げないまっすぐな様子を、「諤諤」は遠慮せずに直言する様子をそれぞれ意味します。つまり、参加者がそれぞれ自分の意見や主張をはっきりと述べ、活発に議論を戦わせることを指します。多くの場合、真剣で建設的な議論の場面で使われます。
用例
- プロジェクトの改善点について、会議ではメンバー間で侃侃諤諤の議論が交わされた。
- 新しい校則を巡って、生徒と教師の間で侃侃諤諤とした話し合いが数時間に及んだ。
- 予算案の是非について、野党と与党は国会で侃侃諤諤の論戦を繰り広げた。
- あの二人は普段は仲が良いが、仕事のことになるといつも侃侃諤諤やり合っている。
ことわざの由来
「侃侃諤諤」は、二つの言葉が組み合わさってできています。
- 侃侃(かんかん): この言葉の直接的な由来は『論語』郷党篇に見られる記述とされています。孔子がくつろいでいる時ののびのびとした様子を「侃侃如たり」と表現したことから、気性が強くまっすぐで、くつろいでいるさまを表すようになりました。
- 諤諤(がくがく): こちらは、中国の歴史書『史記』の商君伝にある「千人の諾諾(だくだく)は一士の諤諤(がくがく)に如(し)かず」という言葉に由来します。これは、「千人がはいはいと従うよりも、一人の士が直言する方が良い」という意味で、遠慮なく正しいことを主張することの重要性を示しています。
これら二つの言葉が合わさって、現在の「侃侃諤諤」の意味となりました。