三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)

ことわざの意味
1. 計略はたくさんあるが、困ったときはあれこれ考え迷うより、機を見て逃げ出し、身を安全に保つことが最上の方法である。身の安全を計って、後日の再挙を図れ、ということを教えたもの。
2. 転じて、面倒なことが起こったときは、逃げるのが得策であるということ。

ことわざの補足

「三十六計」は、古代中国の兵法で用いられた三十六の計略のこと。

類似のことわざ

  • 逃げるが勝ち
  • He who [that] fights and runs away lives to fight another day.(落ち武者となっても生き長らえれば、また戦う機会も巡ってくる)

出典について

南斉書-王敬則伝」「敬則曰、檀公三十六策、走是上計。汝父子唯応急走耳」 中国、南北朝。王敬則が、叛軍を率いて、成都・建康(今の南京)目指して攻め上っていたとき、「王敬則が逃げるらしい」という皇帝側が流した噂を耳にした。それに答えて「檀将軍の計略は数々あったが、逃げるのが一番の策だったそうな」と笑い、退こうとしなかった。やがて、斉の軍に囲まれ、逃げることもならずに首を討たれた。これは、宋の将軍・檀道済が魏軍を避けたのを謗(そし)って言ったものとされる。

出典の詳細

南斉書(なんせいしょ) 中国の正史。梁の蕭子顕(しょうしけん)撰。59巻。本紀8巻、志11巻、列伝40巻から成立。もと60巻で唐代に1巻を逸した。二十五史の一つ。南朝の斉の歴史を記したもの。