群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)

ことわざの意味
群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)とは、多くの英雄や実力者が各地でそれぞれ勢力を張り、互いに対立し合っている状況を指す言葉です。「群雄」は多くの英雄や実力者たち、「割拠」はそれぞれが土地を分かち取り、そこを本拠地として勢力を張ることを意味します。もともとは中国や日本の戦国時代のように、多くの武将が各地で覇権を争う乱世の状況を表す言葉でしたが、現代では、同じような実力を持つ者や企業などが多数現れて、互いに競争し合っている状況のたとえとしても用いられます。

用例

  • 戦国時代は、まさに群雄割拠の世であった。
  • 近年、この業界は新規参入が相次ぎ、群雄割拠の様相を呈している。
  • 次期社長の座をめぐり、社内では各派閥が群雄割拠している。
  • プロスポーツの世界では、毎年多くの若手選手が台頭し、群雄割拠の時代が続いている。
  • 東京のラーメン業界は、個性的な店が群雄割拠し、しのぎを削っている。

ことわざの由来

「群雄割拠」という言葉の明確な故事成語としての由来を特定するのは難しいですが、その概念は中国や日本の歴史における戦乱の時代、特に「戦国時代」と称される時期の状況を的確に表しています。

  • 群雄(ぐんゆう): 多くの英雄や実力者。
  • 割拠(かっきょ): 土地を分割してそれぞれが本拠地とし、勢力を張ること。

これらの言葉が組み合わさり、多くの実力者がそれぞれ一定の地域や分野で力を持ち、互いに覇権を争って対立している状態を指すようになりました。中国の春秋戦国時代や三国時代、日本の戦国時代などが典型的な「群雄割拠」の時代とされます。日本語としては、明治時代に出版された「日本政体史」にも「群雄割据ノ治」という項目が見られるなど、比較的一般的に使われる表現です。

類似のことわざ

  • 三国鼎立(さんごくていりつ): 三つの強大な勢力が互いに対立し合っている状態。中国の三国時代が代表例。