百花繚乱(ひゃっかりょうらん)

ことわざの意味
「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」とは、さまざまな種類の花が色とりどりに咲き乱れる様子を表す言葉です。転じて、優秀な人物や優れた業績が一時期に数多く現れることのたとえとしても用いられます。また、美しく着飾った人々、特に女性が多く集まっている華やかな様子を指すこともあります。「百花」は多くの様々な花、「繚乱」は花などが入り乱れて咲いている様を意味します。

用例

  • 春の訪れとともに、庭園はチューリップやパンジーなど、まさに百花繚乱の様相を呈していた。
  • 今年の映画祭は、才能あふれる若手監督の作品が百花繚乱で、どれを観るか迷ってしまうほどだ。
  • アイドル業界は、個性豊かなグループが次々と登場し、百花繚乱の時代を迎えている。
  • 彼女の誕生日パーティーには、華やかにドレスアップした友人たちが集い、会場は百花繚乱の賑わいだった。

ことわざの由来

「百花繚乱」という言葉は、特定の故事成語に由来するものではなく、「百花(多くの花)」と「繚乱(咲き乱れるさま)」というそれぞれの言葉の意味を組み合わせてできた表現です。文献としては、室町時代の『再昌草(さいしょうそう)』(1507年)に「彷彿百花撩乱辰」という記述が見られるなど、古くから用いられてきました。明治時代には、戸川秋骨(とがわ しゅうこつ)が評論「近年の文海に於ける暗潮」の中で「明治の文壇に百花繚乱の春を来らしめよ」と用いており、優れた人物や作品が多く現れる比喩としての用法もこの頃には確立していたと考えられます。