生殺与奪(せいさつよだつ)

ことわざの意味
生殺与奪(せいさつよだつ)とは、他人の生命や財産などを自分の思いのままに支配する絶対的な権力を持っていることを意味します。「生かすも殺すも、与えるも奪うも自由自在である」という、他者に対する絶対的な支配権や影響力を指します。多くは「生殺与奪の権(けん)を握る」という形で用いられます。

用例

  • かつての独裁者は、国民の生殺与奪の権を握っていた。
  • あの部長は、部下の昇進に関して生殺与奪の権を持っていると言っても過言ではない。
  • 人質を取った犯人は、人質の生殺与奪を盾に警察と交渉した。
  • 親会社は、子会社の経営方針に対して生殺与奪の権を振りかざした。

ことわざの由来

「生殺与奪」の語源は、古代中国の思想家である荀子(じゅんし)が記した『荀子』王制篇にあるとされています。そこでは、理想的な君主が民衆を治める権力について述べられており、「生かすこと(生)と殺すこと(殺)、与えること(与)と奪うこと(奪)」を思いのままにできる絶対的な権力を持つことが示唆されています。 この「生殺」と「与奪」という、それぞれ相反する意味を持つ二つの言葉を組み合わせることで、対象を完全に支配し、意のままにできる状態を表すようになりました。

類似のことわざ

  • 生かすも殺すも: 相手を自分の意のままにどうにでもできること。