ことわざの意味
乱離骨灰(らりこっぱい)とは、物事が秩序を失い、ばらばらに離れ散って、めちゃめちゃな状態になることを意味します。「さんざんな有様」や「だいなし」といった状態を表す言葉です。「乱離」は秩序が乱れてばらばらになる様子、「骨灰」は骨が灰になるように粉々になる様子を指します。
用例
- 戦争で街は破壊され、多くの家族が乱離骨灰となった。
- 大切にしていたコレクションが、地震で棚から落ちて乱離骨灰になってしまった。
- 彼の無責任な行動のせいで、長年築き上げてきた計画が乱離骨灰と化した。
- 敵の大将が討たれ、軍勢は乱離骨灰となって逃げ惑った。
ことわざの由来
「乱離骨灰」の明確な故事成語としての由来は特定されていませんが、「乱離」と「骨灰」という二つの言葉が組み合わさってできた言葉と考えられます。
- 乱離(らんり、らり): 秩序がなくなり、人々や物事がちりぢりばらばらになること。
- 骨灰(こっぱい、こつばい): 骨が燃えて灰になるように、物が粉々になること。転じて、物事がめちゃくちゃになること。
これらの言葉が組み合わさり、物事が原形を留めないほどに破壊され、散り散りになる悲惨な状況を表すようになりました。「らりこっぱい」という読み方は、「らんりこっぱい」が音変化したものと考えられています。また、「羅利骨灰」や「乱離粉灰」といった表記も存在します。
近世の浄瑠璃『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』(1745年)に「こなたにかかって大勢がらりこっぱい」という用例が見られることから、江戸時代には既に使われていた言葉であることがわかります。
類似のことわざ
- 支離滅裂(しりめつれつ): 物事の筋道が立たず、ばらばらでまとまりがないこと。言動がめちゃくちゃなさま。
- 滅茶苦茶(めちゃくちゃ): 順序や理屈が通らず、ひどく乱れた状態であること。
- 木っ端微塵(こっぱみじん): 物が細かく砕け散るさま。