ことわざの意味
付和雷同(ふわらいどう)とは、自分自身にしっかりとした考えや主義がなく、他人の意見や言動に安易に賛同し、軽々しく同調してしまうことを意味します。主体性がないまま、周りの意見や雰囲気に流されてしまう様子を批判的に表現する際に用いられます。
「付和」は、定まった自身の意見を持たず、すぐに他人の説に賛成すること。「雷同」は、雷が鳴ると周囲のものがそれに応じて響くように、深く考えずに他人の言動に同調することを指します。
用例
- 会議で多数派の意見に、彼は何も考えずに付和雷同した。
- 周りの友人がやっているからといって、安易に付和雷同するのは良くない。
- 彼女は自分の意見をしっかり持っており、決して付和雷同するようなことはない。
- 一部のメディアの報道に付和雷同して、誤った情報が拡散してしまった。
ことわざの由来
「付和雷同」の語源は、中国の古い書物である『礼記(らいき)』の曲礼(きょくらい)上篇にある一節「毋勦説(そうせつするなかれ)、毋雷同(らいどうするなかれ)」とされています。 これは、「他人の説を盗んで自分の説としてはいけない、むやみに他人の説に賛同してはいけない」という意味の戒めの言葉です。このうち「雷同」に、同じく他人の意見に安易に賛成するという意味の「付和」が組み合わさって「付和雷同」という四字熟語になったと考えられています。
類似のことわざ
- 尻馬に乗る(しりうまにのる): 深く考えもせず、他人の言動に軽々しく同調して行動すること。
- 長いものには巻かれろ: 力のある者や多数派には逆らわずに従うのが得策だということ。
- 右へ倣え(みぎへならえ): 個性や自主性がなく、ただ人の真似をすること。