不撓不屈(ふとうふくつ)

ことわざの意味
不撓不屈(ふとうふくつ)とは、強い意志を持ち、どんな困難や苦労に直面しても、決して心がくじけたり、志を曲げたりしないことを意味します。「不撓」はたわまないこと、くじけないこと、「不屈」は屈しないことを意味し、この二つの言葉を重ねることで、どんな困難にも負けずに立ち向かう強い精神力を強調しています。諦めないで困難を乗り越えようとする強い意志や態度のことを指します。

用例

  • 彼は不撓不屈の精神でリハビリに励み、再びグラウンドに立った。
  • 幾度となく失敗を繰り返したが、彼女は不撓不屈の努力でついに目標を達成した。
  • 我々は不撓不屈の決意をもって、この難局を乗り越えなければならない。
  • 彼の座右の銘は「不撓不屈」で、どんな逆境にも決して諦めない。

ことわざの由来

「不撓不屈」の由来は、中国の正史の一つである『漢書(かんじょ)』叙伝(じょでん)下にあるとされています。 この中で、前漢の時代の人物である楽昌(がくしょう、名は王商)の性格について、「篤実(とくじつ:情が厚く誠実であること)にして、撓(たわ)まず屈せず(決してくじけず諦めることはない)」と評されています。この記述がもとになり、「不撓不屈」という四字熟語が、どんな困難にもくじけない強い意志を表す言葉として使われるようになりました。

類似のことわざ

  • 百折不撓(ひゃくせつふとう): 何度失敗しても、志を曲げずにくじけないこと。
  • 堅忍不抜(けんにんふばつ): 我慢強く耐え忍び、どんな困難にも心を動かさないこと。
  • 七転び八起き(ななころびやおき): 何度失敗してもくじけずに立ち上がること。
  • 不退転(ふたいてん): 信念を固く持ち、決して退かないこと。