柳暗花明(りゅうあんかめい)

ことわざの意味
柳暗花明(りゅうあんかめい)とは、柳の葉が茂って辺りが薄暗く見える一方で、花が明るく咲き誇っている美しい春の景色を表す言葉です。また、この言葉は転じて、困難な状況や行き詰まりを感じていた中で、ふと新たな道が開け、希望が見えてくるような状況のたとえとしても用いられます。さらに、花柳界(かりゅうかい)や遊里、色町を指す場合もあります。

用例

  • 長いトンネルを抜けると、そこには柳暗花明の美しい景色が広がっていた。
  • 研究が行き詰まっていたが、ふとしたきっかけで柳暗花明の解決策が見つかった。
  • 幾多の困難を乗り越え、ついに柳暗花明の境地に至った。
  • 昔、この辺りは柳暗花明の巷として賑わっていたという。

ことわざの由来

「柳暗花明」は、中国南宋の詩人である陸游(りくゆう)が詠んだ「遊山西村(さんせいそんにあそぶ)」という詩の中の一節、「山重水複(さんちょうすいふく)路無(みちな)きかと疑えば、柳暗花明(りゅうあんかめい)又一村(またいっそん)」に由来します。 この詩句は、「山が幾重にも重なり、川が曲がりくねって、もう道はないのではないかと疑うほどだったが、柳が茂り薄暗い道の向こうに花が明るく咲き誇り、また一つの村が現れた」という意味です。この情景から、春の美しい景色や、困難の後に新たな展望が開けることのたとえとして使われるようになりました。 また、柳や花が遊里や色町を連想させることから、花柳界を指す意味も持ち合わせています。

類似のことわざ

  • 山窮水尽(さんきゅうすいじん): 山が尽き、水の流れもなくなること。転じて、物事が行き詰まることのたとえ。「柳暗花明」は、この「山窮水尽」のような状況から一転して道が開ける様子を表す際に対比的に用いられることがあります。
  • 暗雲低迷(あんうんていめい)の後に光明(こうみょう)を見出す: 長く続いた困難な状況の後に、ようやく希望の光が見えてくること。