411.【ふ】 『覆水(ふくすい)盆(ぼん)に反(かえ)らず』
『覆水盆に反らず[=収め難し]』[=返らず]
一度離別した夫婦の仲は元には戻らないということ。転じて、一度してしまったことは取り返しが付かないということ。
類:●落花枝に帰らず●破鏡再び照らさず●覆水は定めて収め難し〔冠子
反:●破鏡重円
故事@:漢書−朱買臣伝」 中国・前漢の政治家朱買臣 (?〜前109)が、愛想をつかして出ていった妻が夫の出世を知って復縁を求めてきたときに妻に言った言葉。
故事A:拾遺記」 周の呂尚(太公望)が読書に耽(ふけ)ってばかりいるので、妻は離縁をして去った。後に呂尚が斉に封(ほう)じられると再縁を求めてきたが、呂尚は盆から水をこぼし、「その水を元に戻したら求めに応じよう」と言った。
出典:拾遺記(しゅういき) 古小説集。作者は東晋の王嘉(字は子年)。原本は19巻、220篇、後、戦乱の間に散逸し、南朝梁の蕭綺が収集・補綴して10巻とした。前9巻は伏羲・神農氏から東晋までの各代の歴史伝聞を記述し、最後の1巻は崑崙(こんろん)・蓬莱(ほうらい)・方丈(ほうじょう)などの仙山の事物を記述する。書中の多くの故事は神仙・方術を宣揚するための荒唐無稽な故事で、正史とは合わない。また神鬼の故事を借りて人民の願望を反映したものでもある。ストーリーの展開が巧みで、文章も優美であるために、後世よく典故として引用された。『稗海』本、『漢魏叢書』本があり、現代の斉治平に『拾遺記校注』がある。「王子年拾遺記」。
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