【てあ】〜【てと】

−−−−−−−てあ(#tea)−−−−−−−
・手足を擂粉木にする(てあしをすりこぎにする) 手足が疲れて棒のように感じられるほど、奔走すること。 類:●足を棒にする
・手足を伸ばす
(てあしをのばす) 緊張した姿勢を解いて寛(くつろ)ぐ。気をゆったりとさせる。 類:●足を伸ばす膝を崩す
・手当たり次第
(てあたりしだい) あれこれと区別しないで、手に触れるものはどれでも構わないこと。それが何であるか、順序がどうであるかを考えないで行なう。 類:●手当たり放題●手当たり任せ●手当たり 例:「手当たり次第に投げ付ける」
・手合わせ(てあわせ) 1.勝負する。また、その勝負。 例:「お手合わせ願えますか」 2.初めて戦うこと。また、長く続く戦(いくさ)の初戦。 類:●緒戦 用例:太平記−16「菊池は手合わせの合戦に討勝つて門出吉と悦んで」 3.売買の契約を成り立たせる。 類:●手を打つ 4.剃(そ)る前に剃刀(かみそり)の刃を掌(てのひら)に当ててみる。また、研(と)ぐために手に擦(こす)り付ける。 用例:松の葉「櫛笥(くしげ)の眉垂(まゆだれ)手合わせし」 5.薬などを自分で調合すること。 用例:浮・日本永代蔵「秤(はかり)目の違ひなきやうに手合わせ念を入れ」

−−−−−−−てい(#tei)−−−−−−−
・棣鄂の情(ていがくのじょう) 「常棣」は庭桜(にわざくら)のこと。「鄂」は、花がぱっと開く形容。庭桜の花は幾つも集まり、外観が非常に美しいことから、兄弟が仲良くしていることの喩え。兄弟の情のこと。 出典:「詩経−小雅・常棣」「常之華、不イイ[韋+華][韋+華]、凡今之人、莫如兄弟」
庭訓
(ていきん・ていくん)
・丁固生松
(ていこせいしょう) 《四熟》 出世を暗示する夢を見ること。また、そのような夢。 類:●三刀の夢 故事:蒙求−213」 三国時代、呉の梓丁固はいたって下賤な仕事に従事していたが、ある時、自分の腹に松が繁茂する夢を見た。覚めてから考えてみるに、「松」の字は3つに分けると「十八公」である。これは、努力すれば自分も18年後に公になれるということであろうと判断し、青雲の志(こころざし)を立て、朝早くから夜遅くまで勉学修養に努力した結果、18年後に官位に就くことができた。
・涕泗滂沱
(ていしぼうだ) 《四熟》 涙と鼻水が止め処(ど)なく流れるという意味で、延々と泣く様子。 出典:「詩経−陳風・沢陂」「有美一人、傷如之何、寤寐無為、涕泗滂沱」 ★「滂」は、水が四方に広がる様。「沱」は、水が延々と流れる様。
・亭主関白
(ていしゅかんぱく) 《四熟》 亭主が一家で最高の位置にあることの喩え。 1.亭主が客より上座に着くこと。2.家庭内で、亭主が絶対的権威を握っていること。特に、妻に対して、夫が非常に威張っていること。 
反:■嚊天下
亭主の好きな赤烏帽子
(ていしゅのすきなあかえぼし)
・亭主の前の見せ麻小笥
(ていしゅのまえのみせおごけ) 嫁が、態(わざ)と亭主の前で、麻小笥を出して苧績(おうみ)の夜なべ仕事をして見せるということ。転じて、亭主の前で嫁が勤勉な振りをして見せること。また、人前で体裁だけ働き者らしく振る舞うことの喩え。 類:●姑の前の見せ麻小笥 
参考:麻小笥(おごけ) 細く裂いて長くつないだ麻を入れておく円筒形の器。桶。檜(ひのき)の薄板を曲げて作る。
・亭主八杯客三杯
(ていしゅはっぱいきゃくさんばい)[=三杯客一杯] 客を持て成すとき、主人が客より多く酒を飲むこと。客を出汁(だし)にして酒を飲むこと。
・亭主を尻に敷く
(ていしゅをしりにしく) 妻が夫を蔑(ないがし)ろにして、家庭内での実権を握っていること。 類:●尻に敷く嬶天下
・貞女は二夫を更えず
(ていじょはにふをかえず) 貞操の堅い女は、夫の死後に再婚して他の男を夫とすることはしない。 類:●貞女は両夫に見えず(男)忠臣は二君に事えず 出典:「史記−田単伝」「忠臣不事二君、貞女更二夫
・貞女は両夫に見えず
(ていじょはりょうふにまみえず)[=二夫(にふ・じふ)に〜]・[=並べず] 貞女は夫が死んだ後も再婚しないものである。貞女は二人の夫を持つことをしない。
・貞女を立てる
(ていじょをたてる) 女としての節操を貫くという意味で、一般に、女として一人の夫に対して貞操を守り通すこと。
・鄭人履を買わんとす(ていじんくつをかわんとす・ていひと〜) 本末を転倒した愚か者の喩え。融通(ゆうずう)が利かない者。なにごとにおいても杓子定規な考え方をする者。 類:●度を持つことを忘る愚の骨頂 出典:「韓非子−外儲説・左上」「鄭人有且買履者、先自度其足而置之其坐、至之市而忘操之」 鄭(てい)に、履き物を買おうとしている者があった。予(あらかじ)め足の寸法を測ったが、その寸法書きを持っていくのを忘れてしまった。履き物を手にしてからそれに気付き、家へ取って返し、寸法書きを持って再び来ると、既に市場は終わっていた。結局、履き物は買えずじまいだった。ある人が「どうして自分の足に合わせてみなかったのだ」と尋ねると、「寸法書きは信用できても、自分の足は信用できないからさ」と答えた。
・泥酔
(でいすい) 正体をなくすほど酷(ひど)く酒に酔うこと。 類:●泥(でい)の如し 出典:「後漢書−儒林列伝・周澤」の原注→「漢官儀」「一日不齋酔如泥<一日だけの齋(ものい)みをしない日は、酔っ払って泥のようになっている> ★泥土のようにぐにゃぐにゃになるからと言う。 ★「泥(デイ)」は、中国の空想上の虫のことで、南の海中に住み、身体には骨がなく、陸(おか)に上がると酔っ払って泥土のようになるとされるところからという説もあるが、こちらは後から作られたものらしい。 出典:漢官儀(かんかんぎ) 漢官典職儀式撰。後漢の応劭(おうしょう)撰。197年。10巻。戦乱で古い書物の多くが散逸したのを嘆き、朝廷の制度や百官・式典などを見聞して集め綴ったもの。
・鼎俎に免れず
(ていそにまぬかれず) 鼎で煮られ、俎(まないた)の上で切られること。死ぬべき運命にあることの喩え。 出典:「淮南子−説山訓」「ケイ知将旦、鶴知夜半、而不免于鼎俎
・手痛い
(ていたい) 1.程度が激しい様子。 類:●手酷い●厳しい 例:「手痛い打撃を受ける」 用例:平家−四「あれ御らん候へ。橋のうへのいくさ手いたう候」 2.損害が甚(はなは)だしく、心が動揺するほどである。 例:「最後の詰めのところで手痛いミスを犯す」
・体たらく(ていたらく) そのような体(=様子)であること。有り様。様子。状態。 例:「なんという体たらくだ」 用例:日葡辞書「コノセカイノテイタラク」 用例:源平盛衰記−35「此の山の体たらく、峰高うして」 
★近世以後は、あまりよくない有様や、その様子を軽蔑したり悪くいったりする場合に用いる<国語大辞典(小)> 
泥中の蓮
(でいちゅうのはちす)
・手一杯
(ていっぱい) 1.力の限りすること。自分の思う通りに、十分にすること。 用例:虎寛本狂言・
右近左近「さこは口ききには有り地頭殿は手一ぱいにする」 2.余裕がないこと。ぎりぎりであること。 類:●精一杯●手が離せない 例:「自分のことで手一杯で他を顧みる余裕がない」 用例の出典:右近左近(おこさこ) 狂言。各流。女狂言の一つ。田の稲を左近の牛に食われた右近は、妻を地頭に見立てて訴訟の練習をしているうちにとんだ泥仕合になってしまう。和泉・鷺流では「内沙汰(うちさた)」という。なお、「おこ」は愚者の意とする説もある。
・体の好い
(ていのいい・よい) 外から見た様子が良いという意味で、見掛けだけは良くて、内実が伴わないこと。体裁が好い。 例:「聞こえは良いが、体の好い断り口上でだ」
・泥の如し(でいのごとし) 人が酒に酔って正体を失った様子の喩え。 類:●泥酔 ★「泥(デイ)」は、中国の空想上の虫のことで、南の海中に住み、身体には骨がなく、陸(おか)に上がると酔っ払って泥土のようになるとされた。
・泥裏に土塊を洗う
(でいりにどかいをあらう) 1.泥の中で土の塊(かたまり)を洗っても汚れが落ちる道理はないという意味で、人の穢(けが)れや醜(みにく)さが、洗い落とせないほど酷(ひど)いことの喩え。2.無益な骨折りをすることの喩え。
・手入れ
(ていれ) 1.良い状態に保つために、整えたり繕(つくろ)ったりして、手を掛けること。 用例:浄・
鑓の権三重帷子−上「少身者の馬の手入、飼をろくにかはぬゆへ」 例:「庭木の手入れが行き届いている」 2.犯人の検挙や捜査のために、警官が踏み込むこと。 例:「賭博場に手入れがあった」 3.貴人や大名などに縁故を求めて、その屋敷に出入りすること。また、賄賂を贈ること。 用例:浮・日本永代蔵−一「今はん昌の武蔵野なれ共、隅から角まで出入して、更に冢(つかみ)取もなかりき」 4.囲碁で、自陣の欠陥部所の補完のために石を打つこと。 用例の出典:鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら) 浄瑠璃。世話物。近松門左衛門。享保2年(1717)。3大姦通物の一つ。茶道の師匠市之進の妻おさいと弟子の小姓笹野権三は、敵役の落とし穴にはまって姦通という濡れ衣を着せられ、不義者となって駆け落ち。市之進に女敵討ちを通じて名誉を立てさせるという筋書き近松門左衛門でござーい!> 堀川波鼓』『大経師昔暦』と共に、近松三姦通物の一つ。

−−−−−−−てう(#teu)−−−−−−−
・手打ち(てうち)[=手討ち] 1.武器を用いずに素手で打ち殺すこと。また、自分の配下を自分の手で斬り捨てること。 用例:金刀比羅本保元−中「筑紫の御曹司の御前にて、宗との侍二人手討(テウチ)にして罷出ぞや」 2.武士が家来や町人などを斬り捨てること。 用例:伎・韓人漢文手管始−一「モウ聞捨られぬ。手討にするぞ」 ★主に「手討ち」の字を使う。 3.蕎麦(そば)・饂飩(うどん)などを機械によらないで手で作ること。また、その蕎麦や饂飩。4.手を打ち鳴らすこと。拍子を取って手を叩くこと。5.歌舞伎用語。劇場で顔見世狂言のとき、劇の途中で贔屓(ひいき)の連中が土間に立って、祝いのため手を打ったこと。また、役者や芸人を抱える大夫(たゆう)元が自力で興行すること。6.約束・和解の成立のしるしとして、また、祝い事などに一同揃って手を打つこと。転じて、約束・和解が成立すること。 類:●手締め 例:「手打ち式」

−−−−−−−てお(#teo)−−−−−−−
・手落ち(ておち) 手続きや遣り方などに、不足や欠点があること。また、その不足や欠点。 類:●手抜かり●落ち度●手違い●遺漏

−−−−−−−てか(#teka)−−−−−−−
・手が上がる
(てがあがる) 1.技量が上達する。腕前が上がる。2.特に、字が上手になる。また、読み書きの力が付く。3.酒量が増える。4.方法がなくなる。お手上げとなる。 類:●手を上げる 用例:浄・心中二つ腹帯「こなたのやうに言ひ立つれば、詫言の手はあがれども」 5.仕事を失う。飯の食い上げとなる。
・手が空く
(てがあく・すく) 仕事の切れ目で、また、仕事が一段落して暇な時間ができる。
・手が空けば口が開く
(てがあけばくちがひらく) 1.仕事がなければ暮らしが立たない。2.暇になると無駄話が増える。
・手飼いの者
(てがいのもの) 目を掛けて養った部下。 類:●子飼いの部下●手勢●手の者
・手が要る
(てがいる) 人手を要する。 類:●人手が要る
・手が入れば足も入る
(てがいればあしもいるい・はいれば-はいる) 1.些細なことを一度許せば、ついには全く侵されてしまうということ。2.次第に深入りしてゆくこと。
・手が後ろに回る
(てがうしろにまわる) 後ろ手に縛(しば)られる。罪人として警察などに捕らえられる。
・手が掛かる
(てがかかる) 手数が要る。世話が焼ける。 類:●世話が焼ける
手が焼ける
・手書きあれども文書きなし
(てかきあれどもふみかきなし)・[=字書きあれども〜] 字の上手な人は多いが、優れた文章を書く人は少ない。字が上手いからといって、文章まで巧みなわけではない。 ★「手書き」は字の上手い人、「文書き」は文章の上手い人。
・手が利く
(てがきく) 手先の技が巧みである。器用だ。また、腕前が優れている。
・手が切れる
(てがきれる) 縁が切れる。関係がなくなる。 例:「悪い仲間とやっと手が切れた」
・手が込む
(てがこんだ)・手の込んだ 細工・技巧などが緻密(ちみつ)である。手間が掛かっている。また、ものごとが、込み入っている。 例:「手の込んだ計略」
・手が下がる
(てがさがる) 1.腕前が鈍(にぶ)る。2.特に、文字が下手になる。3.飲める酒の量が減る。酒量が落ちる。
・出来した
(でかした) あることを遣り遂げたとき、或いは巧くやったときの誉め言葉。 類:●でかいた 用例:虎寛本狂言・
墨塗「一段と出かいた」 用例の出典:墨塗(すみぬり) 狂言。各流。大名との別れに水入れの水を目に付けて泣く真似をする女の様子に気付いた太郎冠者が、水を墨に入れ替えると、女はそれと知らずに付けて、目の周りを真っ黒にする。
・手枷足枷
(てかせあしかせ) 《四熟》 手の拘束具と、足の拘束具。転じて、立場や自由な動きを束縛(そくばく)するものの喩え。 類:●桎梏(しっこく) 例:「家族が、却(かえ)って手枷足枷となっている」 ★「枷」は、刑具の一つで、首や手足にはめて自由に動けないようにするもの。 ★「枷」は「がせ」とも読む<新明解四字熟語辞典(三)>
・手が付かない
(てがつかない) 他の事が気になってその事に集中できない。また、事を始められない。 類:●手に付かない
・手が付く
(てがつく) 1.新しいものを使い始める。新しい仕事に取り掛かる。 2.使用人の女などが、主人との間に情交関係ができる。 例:「ご領主様の手が付いた」 3.マージャン・トランプなどで、自分のところへ手役が来る。
・手が付けられない
(てがつけられない) 処置のしようがない。どうしようもない。 類:●手に負えない手に余る●手に合わない●力に余る●力に負えない
・手が出ない
(てがでない) 相手があまりに優れていたり、情況があまりに酷かったりして、施す手段がない。 類:●手も足も出ない●二進も三進もいかない 例:「その値段ではとても手が出ない」
・手が届く
(てがとどく) 1.細かい所まで配慮されている。世話が行き届く。 類:●行き届く 2.能力・権力・勢力などの範囲内にある。また、その範囲内に到達する。 類:●手に負えない 例:「あまりに高度な話で私には手が届かない」 3.ある年齢、時期などにもう少しで達する。近付く。 例:「70に手が届きそうな老人」
・手がない
(てがない) 1.働き手がない。人手が足りない。2.施(ほどこ)すべき手段がない。どうしようもない。 3.平凡で面白味がない。野暮(やぼ)で愛想がない。 類:●手詰まり●策がない
・手が長い
(てがながい) 手癖が悪い。盗み癖がある。[日葡辞書] 類:●
手癖が悪い
・手が鳴る
(てがなる) 人を呼ぶための手を鳴らす音が聞こえる。
・手が入る
(てがはいる・いる) 1.捜査や逮捕のために、官警が立ち入ること。また、取り調べること。2.仕事や作品などを完成するまでの過程で、他人の訂正や補正が入る。
・手が離せない
(てがはなせない) 何かに掛かり切りで別のことが出来ない。非常に忙しくて余裕がない。 類:●手が塞がる手一杯
・手が離れる
(てがはなれる) 1.ものごとが一段落して、その仕事をしなくてもよくなる。また、その仕事が終わる。2.幼児が成長して、世話が楽になる。
・手が早い
(てがはやい) 1.ものごとの処理がてきぱきとして敏速である。手早い。2.すぐに女性に手を出す。女とすぐに関係を結ぶ。3.すぐ、殴(なぐ)るなどの暴力を揮う質(たち)である。
・手が塞がる
(てがふさがる) 仕事の最中で、他の事に手を出す余裕がない。何かを断るときの決まり文句としても用いられる。 類:●手が離せない 例:「今ちょっと手が塞がってるんだよ」
・手が回る
(てがまわる) 1.手配りが十分に行き届く。2.自由に遣り繰りする。巧く事が運ぶ。3.捜査や逮捕の手配がされる。犯人の立場からいう。 例:「もう警察(サツ)の手が回ってる」
・手が見える
(てがみえる) 1.他人に見せたくない欠点や弱点、秘密などが知られる。 類:●手の内が見える 2.力量・勢力などが分かる。特に、相手が大したことのないと分かる。 類:●底が知れる
・手が焼ける
(てがやける) 世話が焼ける。 類:●世話が焼ける
手が掛かる
・手が良い
(てがいい・よい) 1.遣り方が巧(うま)い。洒落ている。巧みだ。2.字が上手(うま)い。
・手柄を立てる(てがらをたてる) 他に抜きん出た働きをして栄誉や賞賛を受ける。また、事を立派に成し遂げる。
・手が悪い(てがわるい) 1.遣り方が良くない。質(たち)が悪い。2.字が下手である。悪筆だ。3.トランプや麻雀で、持ち札や配牌が良くない。

−−−−−−−てき(#teki)−−−−−−−
・出来上がる(できあがる) 1.完成する。成就する。竣工(しゅんこう)する。 用例:滑・浮世床−初「けふか翌(あす)は出来上(デキアガ)らうと思ったに」 例:「もうすぐ我が家が出来上がる」 2.酒に酔って、すっかり良い気持ちになる。 例:「30分ですっかり出来上がってしまった」
・出来心
(できごころ) 予(あらかじ)め計画していたのではなく、その場でふと起こした考え。主に、悪い考えや、他の人たちに迷惑を掛ける思い付きに使う。 例:「ふとした出来心で盗む」
・適材適所
(てきざいてきしょ) 《四熟》 ある事柄に適した才能を持つ者を、それに適した地位や任務に就けること。 類:●量才録用
・適者生存
(てきしゃせいぞん) 《四熟》 生存競争の結果、その環境に適するものだけが生き残り、適していないものは滅びるということ。 類:●自然淘汰弱肉強食優勝劣敗 ★イギリスの哲学者・社会学者ハーバード=スペンサーによって提唱された生物進化論<新明解四字熟語辞典(三)>
・出来ない相談
(できないそうだん) 話の当事者双方の条件が、初めから折り合わないと分かっている相談。纏まる筈がない相談。 類:●無理な相談無い物強請り
・敵に後ろを見せる(てきにうしろをみせる) 1.敵に背中を見せて逃げる。怖じ気付いて逃げること。2.敵に弱みを見せる。
・敵に糧(てきにかて) 災いの元になるものを助長すること。意図に反して、相手に利益を齎(もたら)す結果になること。
・敵に塩を送る
(てきにしおをおくる) 競い合っている相手の弱みに付け込まず、逆に助けること。 
故事:戦国時代の武将・上杉謙信は、敵の武田信玄が今川・北条の塩止めで苦しんでいるのを知り、塩を送らせたという。
・てきぱき・てきはき 1.
素早く手際(てぎわ)良くことを行なう様子。 用例:雑俳・柳多留拾遺−巻八・上「てきはきと嫁はそばから杖を出し」 例:「仕事をてきぱきと片付ける」 2.言葉や態度がはっきりしている様子。 類:●はきはき 例:「受け答えがてきぱきした生徒」
敵は本能寺にあり
(てきはほんのうじにあり)
・手厳しい
(てきびしい) 1.呆(あき)れるほど酷(ひど)い。または逆に、大したものである。 用例:伎・傾城忍術池−三段「この首をコロリ山椒味噌と抛り出すが心中ぢゃ…なんと手酷(テキビシ)いか手酷いか」 2.要求や批判など、容赦するところがなく非常に厳しい。手加減がない。 反:■手緩い 例:「手厳しい批難を受ける」
・敵も然る者引っ掻くもの
(てきもさるものひっかくもの) 競(きそ)ってる相手が、なかなかの実力者で、油断のならない者である。 類:●敵ながら天晴れ ★「然る」に「猿」を掛けて、「引っ掻くもの」と続けた言葉遊び。
・出来るだけ
(できるだけ) できる範囲のことは全て。可能な限り。 例:「出来るだけ早く帰る」
・出来レース
(できれえす) 予(あらかじ)め結果が決まっている競争。やる前から結果きが決まっている勝負ごと。 類:●八百長いかさま茶番 例:「今回のオーディションは出来レースだった」
・敵を欺くには先ず味方から
(てきをあざむくにはまずみかたから) 敵を騙(だま)そうとするのならば、味方をも騙すような謀(はかりごと)をすべきであるということ。 出典:不明
・敵を見て矢を矧ぐ
(てきをみてやをはぐ) 目前に必要が迫って来てから、初めて準備に取り掛かるような、手遅れの処置の喩え。 類:●後手に回る泥棒を見て縄を綯う

−−−−−−−てく(#teku)−−−−−−−
・手薬煉を引く
(てぐすねをひく) 1.弓が滑らないように弓手(ゆんで)に薬練(くすね)を塗る。弓返りを防ぎ、速射を可能にする。2.転じて、十分に準備して機会を待つ。予(あらかじ)め用意して待ち構える。 用例:浄・女殺油地獄−上「そりゃそりゃ来たぞと三人が、手ぐすね引たる顔色」
・手癖が悪い
(てくせがわるい) 盗みをする性癖がある。 類:●
手が長い
・木偶の坊(でくのぼう) 1.人形。操りの人形。木偶(でく)。傀儡(くぐつ)。2.役立たずの者、能力のない者、気の利かない者などを罵(ののし)っていう言葉。 類:●木偶 用例:宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」「ミンナニデクノボウトヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ」 3.他人の意のままに動く者。自分からは何もできない者。また、ロボット。

−−−−−−−てこ(#teko)−−−−−−−
・梃入れ(てこいれ) 1.取引市場で、相場の思惑によって株価を人為的に操作すること。主に、下落する相場を買い支えること。2.不振な者や弱いところに、助力や援助を与えて順調に運ぶようにすること。 例:「財政面を梃入れする」
・手心を加える
(てごころをくわえる) 相手との関係や事情によって、手加減をする。厳しさを緩(ゆる)める。 類:●手加減する●匙加減
・凸助(でこすけ) 1.出額(でびたい)の人を嘲(あざけ)って言う言葉。 類:●おでこ●でこ 2.人を罵(ののし)って言う言葉。 類:●でこぼこ野郎 ★「でこ坊」の、ぞんざいな言い方<新明解国語辞典(三)> 参考:でこ坊 〔「でくの坊」の変化「でこの坊」の略〕 将来が期待され、かわいくて仕方が無いが、育ちざかりで手のつけられない腕白小僧<新明解国語辞典(三)>
梃子でも動かぬ
(てこでもうごかぬ)
・手込め
(てごめ)・手籠め 1.力づくで拘束して、危害を加えること。また、手痛い目に遭わせること。 類:●手込み 用例:天草平家「これほど猪俣(いのまた)を手篭めにせうずる者こそおぼえぬ」 2.暴力で女性を犯すこと。強姦すること。
・手強い
(てごわい) 1.従わせるには骨が折れる。容易に打ち勝てないほど強い。見縊(くび)ると痛い目に遭いそうである。 類:●手に余る●てづよい 用例:孟子抄−一「惣じて手こはい内の者を、もってはさてぞ」 2.強く激しい。また、居丈高(いたけだか)である。 例:「手強く出る」 用例の出典:孟子抄(もうししょう) 「孟子」の訳本。室町、文明年間か。7冊、14巻。・・・詳細調査中。
・梃子を入れる
(てこをいれる) 1.不振を打開したり、弱い所を強化したりするために、外部から援助する。元気付ける。2.相場で、下落を食い止める。

−−−−−−−てし(#tesi)−−−−−−−
・手塩に掛ける(てしおにかける) 直接気を配りながら、手ずから世話をする。手に掛けて養育する。 用例:談・
化物判取牒−三「手塩にかけて育立し娘」 ★「手塩」は、昔の食膳に添えられていた少量の塩のことで、転じて、「手ずから面倒を見る」・「手ずから世話をする」の意味となった。 ★「手塩“を”掛ける」でなく“に”なのは、「手塩」と「手に掛ける」の混淆語であるからと考えられる。 用例の出典:化物判取牒(ばけものはんとりちょう) 談義本。・・・調査中。
・弟子七尺去って師の影を踏まず
(でししちしゃくさってしのかげをふまず) 弟子が師に随行する時には、七尺離れて影も踏まないようにするということで、弟子は師を尊敬し、礼儀を忘れてはならないという戒(いまし)め。 類:●
三尺去って師の影を踏まず
・出しゃばる
(でしゃばる) 自分に関係ないことに、余計な口出しや手出しをする。また、他人を押し退けて前へ出る。己の分際も弁(わきま)えず、厚かましく口出しをする。 類:●出過ぎる 用例:咄・鹿の子餅−唐様「『おらも一番書てもらいたい』と出しゃばり」

−−−−−−−てす(#tesu)−−−−−−−
・手ずから
(てずから) 1.他人にさせないで、直接自分の手を下してする。自分の手で。 例:「領主が手ずから下さった品物」 用例:蜻蛉−中「物食ひて、てづから水飯(すいは)などする心ち」 2.一般に、動作、行為を間接的でなく、直接すること。 類:●自分で●自ら●
手ずから自ら 用例:宇治拾遺−一・一八「てづから仰せさぶらふやう」 ★「つ」は助詞、「から」はそれ自体の意<国語大辞典(小)>
・手ずから自ら(てずからみずから) 自分自身で。自分みずから。 用例:平家−五「手づからみづから御願文をあそばひて」
・出過ぎる
(ですぎる) 1.程度を越えて出る。他よりも余計に出る。 例:「濃く出過ぎたお茶」 2.分際(ぶんざい)を越えて生意気な言動をする。差し出がましい言動をする。 類:●
でしゃばる 用例:人情・春色梅美婦禰−三「こんな事を言ふのは出過(デスギ)た事をいふ様で」 例:「出過ぎた真似をするな」
・出ずっぱり(でずっぱり) → 出突っ張り

−−−−−−−てた(#teta)−−−−−−−
・手立てに乗る
(てだてにのる) 策略に騙(だま)されるという意味で、相手が仕掛けた手段や策謀にうまうまと引っ掛かること。 類:●手に乗る●罠に掛かる
・出た所勝負(でたとこしょうぶ) 1.賽子(さいころ)博打(ばくち)で、出た賽の目で勝負を決めること。2.転じて、前もって手段を巡らさず、その場の成り行きで事を決めること。正否を運に任せてと、もかくやってみること。 例:「考えても埒が明かない。出たとこ勝負で行こう」 3.臨機応変に処理すること。 例:「どんな質問が出るか分からないが、出たとこ勝負でやるしかない」
・手玉に取る
(てだまにとる) お手玉のように投げ上げて弄(もてあそ)ぶ。転じて、他人をこちらの思い通りに操る。翻弄(ほんろう)する。 類:●てのひらで転がす 例:「何人もの男を手玉に取る」
・出鱈目(でたらめ) 好い加減で筋道から外れていること。思い付くままに勝手なことを言うこと。または、行なうこと。 類:●無軌道●無責任●杜撰出任せ怪誕不経 例:「出鱈目なことをいう」「出鱈目な生活」 
★「出鱈目」は当て字。さいころを振って出たら、その目にまかせるの意か<国語大辞典(小)>

−−−−−−−てち(#teti)−−−−−−−
・手違い(てちがい) 1.ものごとが、予想していた通りに運ばないこと。手順や段取りを取り違えること。 類:●行き違い●(俗)ぐりはま 2.ごく小さな間違いや、進行上のちょっとした支障。多く、言い訳などに言う。 類:●手落ち●手抜かり 例:「事務上の手違いがありまして」

−−−−−−−てつ(#tetu)−−−−−−−
・手付けを打つ
(てつけをうつ) 契約の保証として金額の一部を前もって渡すこと。
・鉄心石腸
(てっしんせきちょう) 《四熟》 鉄や石のように堅固な精神。どんなことにも動かされない強い心。鉄石心腸。
・捏っち上げる
(でっちあげる) ないことをあるように作り上げる。無理に作りあげる。捏造(ねつぞう)する。 例:「犯人を捏っち上げる」「空想で紀行文をでっちあげる」 
★「でっち」は動詞「でっちる(捏)」の連用形<国語大辞典(小)>
・鉄中の錚々
(てっちゅうのそうそう) 鉄の中では良い音のするものという意味で、凡人の中で少し優れている者の喩え。 出典:「後漢書−劉盆子伝」「帝曰、卿所謂鉄中錚錚、傭中佼佼者也」 光武帝が賊軍の丞相・徐宣(じょせん)を褒めて言った言葉。 ★「鉄」は、下等な金属の喩え、「錚」は、金属が打ち当たる音の形容。 ★「錚々」は、現代では「錚々たる人物」のように、「特に優れた人物」の意味で使われている。
・出突っ張り
(でづっぱり・でずっぱり) 1.芝居などで、同じ俳優が、初めから終わりまで、幕ごとに出続けること。また、一人の人がその日の出しもの全部に出場すること。2.転じて、一般に、出続けること。続けて外出や参加するときにも言う。 類:●出っ放し
・徹頭徹尾
(てっとうてつび) 《四熟》 始めから終わりまで同じ方針、考えを貫く。 類:●始終●どこまでも●すっかり●飽くまで
・手っ取り早い
(てっとりばやい) 1.遣り方が素早い。敏捷(びんしょう)である。 用例:浄・
近江源氏先陣館−九「四郎心得てっとり早く、畳をてうどはね退くれば」 2.手短(てみじか)で簡単である。手間が掛からない。簡略である。 例:「手っ取り早く言うと、この話はなしだ」 用例の出典:近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた) 浄瑠璃。時代物。9段。近松半二を中心に、八民半七らが合作。明和6年(1769)大坂竹本座初演。大坂の陣を鎌倉時代の事跡に仮託して脚色したもの。歌舞伎は、翌7年大坂中座初演。「近江源氏」。
・鉄のカーテン
(てつのかーてん) 英語の「the iron curtain」の訳語。 1.第二次世界大戦後、東欧の社会主義圏が西欧の資本主義圏に対して厳しく門戸を閉ざしていたことをイギリスの首相チャーチルが1946年3月の演説中で使った言葉。2.交際や交流を、強固に邪魔するもの。
・鉄は熱いうちに打て
(てつはあついうちにうて)[=赤いうちに〜] 英語の「Strike while the iron is hot」の訳語。 1.鉄製品は熱して軟らかいうちに鍛えて有用な形に作り上げることから、成長した後では教育効果が十分には上がらないから、柔軟性がある若いうちから鍛錬しておくべきであるということ。2.関心ややる気が薄らがないうちに対策を立てないと、後からでは問題にされなくなるから、時機を失しないように処置をせよということ。
・轍鮒の急(てっぷのきゅう) 「轍鮒」は、轍(わだち)の水溜りにいる鮒のこと。非常に苦しい境遇にある者は、ぐずぐずしていては救えないということ。また、差し迫った危険や困窮の喩え。 故事:荘子−雑篇・外物」 轍に鮒がいた。問うと、水を汲んできて助けてくれと言う。「これから呉か越に行って水を得て、それからお前を迎え入れよう」と言うと、鮒は大いに怒り、「今は一刻を争うところであり、後日の大量の水よりも一滴の水が必要なのだ。そうでなければ私は死ぬから、私を迎えたいのであれば、乾物屋にでも行って探し求めるが良い」と言った。
・轍鮒を枯魚の市に訪う
(てっぷをこぎょのいちにとう)[=見る] 危急・困窮が目前に迫っているときに、救いの手を差し伸べるのを躊躇(ためら)えば、後でいくら救おうと努力しても甲斐はない。
・鉄砲玉
(てっぽうだま) 1.鉄砲の弾丸。銃弾。2.飴を丸く固めたもの。飴玉。3.使いの者などが行ったまま戻って来ないこと。行ったきりであること。また、その人。 類:●冥途の使い 例:「まったく鉄砲玉なんだから」 4.水に沈んだまま浮き上がらないことから、泳ぎができないこと。また、その人。 類:●金槌 5.鉄砲店(てっぽうみせ)の玉という意味で、鉄砲店の遊女。最下級の遊女。 6.《俗》 特攻隊ややくざ社会で、敵を撃つために遣わされる者のこと。暗殺者。
・鉄砲を放す
(てっぽうをはなす)[=放つ・撃つ] 1.鉄砲を発射する。2.嘘を言う。 類:●法螺を吹く大言壮語する
・手詰まり
(てづまり) 1.打つべき手段や法が尽きて困ること。2.金銭の遣り繰りができなくなること。手元が苦しくなること。 例:「いよいよ手詰まりになる」 用例:雑俳・
蓬莱山「手づまりで・世間へしれた松をうる」 3.囲碁や将棋で、有利に局面を進展させる望みがない状態をいう。 類:●手詰め 用例の出典:蓬莱山(ほうらいさん) 雑俳。・・・調査中。
・鉄面皮
(てつめんぴ) 鉄でできている面(つら)の皮の意、恥を恥とも思わないこと。図々しいこと。また、その人。 類:●厚顔●鉄面
・轍を踏む
(てつをふむ) 先人のしたことをくり返す。また、前の人が陥った失敗を繰り返す。 類:●前車の轍を踏む●前轍を踏む●二の舞を演ずる

−−−−−−−てと(#teto)−−−−−−−
・手と身になる
(てとみになる) 財産をなくす。身一つになる。無一物になる。
 用例:浮・日本永代蔵−5「手と身になりての思案、何とも埒(らち)の明かぬ世渡り」 お足(銭)がなくなるの洒落からか。
・手取り足取り
(てとりあしとり) 1.多くの人が、力を合わせて人の手足を抱え持つこと。また、押さえ付けること。2.丁寧に教える様子。行き届いた世話をすること。 例:「新人を手取り足取り指導する」

<た行>―・―<慣用句のTOP>
―・―<次ページ>