【こな】~【こん】

−−−−−−−こな(#kona)−−−−−−−
・粉屋の泥棒(こなやのどろぼう) 粉屋に入った泥棒は粉塗(まみ)れになって真っ白になるところから、婦人が白粉(おしろい)を塗りたくって、真っ白になっているのを嘲(あざけ)る言葉。 類:●厚塗り
・粉を掛ける(こなをかける) 俗語。遊びを目的に、異性に対して声を掛け誘惑する。 類:●軟派する言い寄るモーションを掛ける ★楽屋語からという。

−−−−−−−こぬ(#konu)−−−−−−−

・小糠雨
(こぬかあめ) 小糠のように細かい雨。細雨。 類:●糠雨●絹雨●霧雨
・小糠三合あるならば入り婿すな(こぬかさんごうあるならばいりむこすな)・粉糠〜・米糠(こめぬか) 男は、僅(わず)かでも財産があるならば、他家への入り婿や養子などをしないで独立して一家を立てるべきであるということ。婿はとかく気苦労が多いということ。
・小糠喜び
(こぬかよろこび) 喜んでいたのに、当てが外れてがっかりするような、一時的な喜び。 類:●糠喜び●粉糠祝い

−−−−−−−こね(#kone)−−−−−−−
・コネを付ける(こねをつける) 就職、入学、商取引きなどに利用できる縁故関係を作る。手蔓(てづる)を作る。 類:●足掛かりを作る ★「コネ」は、「コネクション」の略。

−−−−−−−この(#kono)−−−−−−−
・この上ない
(このうえない) これより勝るものはない。これ以上のことはない。最上である。 類:●こよなし 例:「この上ない幸せ」、「寒いことこの上なし」
・子の心親知らず
(このこころおやしらず) 1.親は我が子をいつまでも幼いままに見てしまうので、年々成長している子供の気持ちがなかなか理解できないということ。 反:■親の心子知らず 2.子供が親のためを思って努力しているのに、親の方は、ただ子供を無思慮だと思い込んでいること。 反:■親の思うほど子は思わぬ
・木の葉を隠すなら森の中
(このはをかくすならもりのなか) ある物を隠したいと思うなら、同じ物がたくさんあるところに隠せば見付け難いということ。 
参考:ブラウン神父の童心−折れた剣」 「賢い人は葉をどこへ隠す? 森の中だ。森がない時は、自分で森を作る。一枚の枯れ葉を隠したいと願う者は、枯れ葉の林をこしらえあげるだろう。死体を隠したいと思う者は、死体の山をこしらえてそれを隠すだろう」 出典:ブラウン神父の童心(どうしん) 推理小説(短編集)。G・K・チェスタトン。1911年。ブラウン神父は、頭に大きな黒い僧帽、手には蝙蝠傘、ずんぐりとした小柄な体と、無邪気な顔の持ち主。外見から侮られることの多い彼が、遭遇する数々の事件に隠された巧妙で奇想天外なトリックを、独特の人間の心理を深く考察する推理で次々と解き明かす。

−−−−−−−こは(#koha)−−−−−−−
・子は親の鏡(こはおやのかがみ) 子は親の言動を見て育つので、親に似るものである。 類:●親は子の鑑●子供は親の背中を見て育つ●一家は習慣の学校なり父母は習慣の教師なり 出典:ドロシー・ロー・ノルト「子どもが育つ魔法の言葉」
・子は鎹
(こはかすがい) 夫婦の縁は、往々にして、子供に対する愛情によって繋(つな)ぎ止められるものである。 類:●子は夫婦の鎹●子は縁の繋ぎ●縁の切れ目は子が繋ぐ
・御破算
(ごはさん・ごわさん) 1.算盤(そろばん)で、次の計算に移るとき、先に置いた珠を全部払って0の状態にすること。新しい計算に移ること。 例:「御破算で願いましては」 2.今までのことをすっかり破棄して、白紙の状態に戻す。初めの状態に戻す。 例:「これまでのことは御破算にする」
子は三界の首枷
(こはさんがいのくびかせ)
・小馬鹿にする
(こばかにする) いかにも人を馬鹿にして、侮辱や軽蔑した扱いをする。ちょっと愚弄する。
・子は宝
(こはたから) 親にとって、我が子は何物にも替えがたい宝物であるということ。 用例①:山上憶良「銀(しろがね)も黄金(くがね)も玉も何せむに勝れる宝子に及(し)かめやも」 用例②:幸若「鎌田」「子に過ぎたる宝なし。千の倉より子は宝」
・御法度
(ごはっと) 1.「法度」を敬っていう言葉。ご禁令。ご禁制。 2.比喩的に、それをすると差し障(さわ)りがあるようなこと。 類:●御禁制 用例:浮・好色敗毒散「衣裳は御法度の緋繻子の金入をめされ」 例:「うちではギャンブルの話は御法度だ」 ★「ご」は接頭語<国語大辞典(小)>
・小鼻が落ちる
(こばながおちる) 小鼻の肉が削(そ)げ落ちるという意味で、病人などが衰弱して死に近づいた様子。 
参考:小鼻(こばな) 鼻の先の左右のふくらんだところ。
・小鼻を蠢かす
(こばなをうごめかす) 得意そうにしている様子。 ★「小鼻」は、鼻先の左右に膨らんだ部分。
・小鼻を膨らます
(こばなをふくらます) 不満そうな様子。気に入らないことがありそうな様子。
・小腹が空く(こばらがすく) 腹がちょっと減っていること。
・小腹が立つ
(こばらがたつ) 少し腹が立つ。妙に癪(しゃく)に障(さわ)る。 類:●癪に障る
・小春日和
(こはるびより) 冬の初めの、暖かい穏やかな気候。陰暦10月頃(=11月頃)の春のような天気。 類:●インディアンサマー ★「小春」は、陰暦10月の異称。

−−−−−−−こひ(#kohi)−−−−−−−
・媚びを売る
(こびをうる) 1.相手の機嫌を取る。 類:●諂(へつら)う 例:「部長に媚を売る」 2.特に、商売女が色っぽい態度で客に接すること。

−−−−−−−こふ(#kohu)−−−−−−−
・五風十雨(ごふうじゅうう) 《四熟》 5日に一度程度風が吹き、10日に一度程度雨が降るという意味で、天候が順当なこと。転じて、世の中が太平なこと。
鼓腹撃壌
(こふくげきじょう)
・五分五分
(ごぶごぶ) 《四熟》 1.半分半分であること。 類:●二分の一ずつ●半分こ 例:「儲けは五分五分だからな」 2.お互いに優劣や可否がないこと。 類:●五分●互角●とんとん 例:「二人の実力は五分五分だ」
・ご無沙汰
(ごぶさた) 長い間訪問しなかったり、連絡を取らなかったりすること。また、それを詫びるときに言う言葉。 用例:咄・
聞上手二編−熊革「大きに御ぶさた致しました」 ★「無沙汰」の丁寧語<国語大辞典(小)> 用例の出典:聞上手二編(ききじょうずにへん) 小咄本。不知足散人編。安永2年(1773)。落語「茗荷宿」の原型などが納められている。
・小節を利かせる
(こぶしをきかせる) 民謡や歌謡曲などで、譜(ふ)には表わせない微妙な装飾的節回しを使う。 例:「小節を利かせた歌い方」
・瘤付き
(こぶつき) 1.瘤が付いている様子。2.嫁入りする時に、前夫の子供を連れていること、またその女。転じて、一般に子供を連れていること。 例:「同窓会に瘤付きで参加する」 
★「こぶ」は厄介なよけい者の意<国語大辞典(小)>
・五分も透かない
(ごぶもすかない) ごく僅(わず)かの隙間もない。転じて、何事にも配慮が行き届いていて、少しの手抜かりもない。

−−−−−−−こへ(#kohe)−−−−−−−
・御幣持ち
(ごへいもち) 主君に随従して御幣を持ち歩くことから、他人に付き従って阿(おもね)ること。また、その人。 類:●太鼓持ち 
参考:御幣(ごへい) 裂いた麻や畳んだ紙を細長い木に挟んだ祭具。ぬさ。
・御幣を担ぐ
(ごへいをかつぐ) 御幣を担いで不吉なものを祓(はら)ったところから、つまらない迷信を気に掛けたり、縁起を担いだりする。 類:●担ぐ●縁起を担ぐ験を担ぐ

−−−−−−−こほ(#koho)−−−−−−−
・孤峰絶岸
(こほうぜつがん) 《四熟》 山が高く聳(そび)えている様子。また、詩文などが他に抜きんでて優れていることの喩え。 ★「孤峰」は他に抜きんでてそびえ立つ峰。「絶岸」は高く切り立った岸壁<新明解四字熟語辞典(三)>
・牛蒡抜き
(ごぼうぬき) 1.牛蒡を土中から抜くように、棒などを一気に抜き取ること。2.多くの中から一つずつを勢い良く抜き出すこと。人材を他から引き抜いたり、競走で数人を一気に抜き去ったり、ピケ隊の人員を検挙や排除のために一人ずつ引き抜いたりするときに使う。 例:「ゴール前で後方一気の牛蒡抜き」
・枯木寒巌
(こぼくかんがん) 《四熟》 1.枯れ木と冷たい岩。世俗に超然とした悟りの境地の喩え。 ★仏教、特に禅宗で「枯木」「寒巌」を、情念を滅却した悟りの境域に喩える。 2.心身に活気や生気がない様子。 類:寒巌枯木●寒灰枯木●槁木死灰●枯木死灰 3.情味がなく、冷淡で取っ付きにくい人間の喩え。
・枯木に花開く
(こぼくにはなひらく)[=栄(えい)を発す] 老人、または社会的に逆境にある者が、再び世に出て栄えること。また、心の願いが通じて、ありそうもないことが実現すること。 類:●枯れ木に花●枯木花開く●枯木死灰花開く●炒り豆に花が咲く老い木に花
・枯木冷灰
(こぼくれいかい) 《四熟》 体は枯れ木のようであり、心は冷えた灰のようであるということ。心身に活気や生気がない様子。
・小骨が折れる(こぼねがおれる) 何かをするのに、ちょっと苦労をする。 例:「今回の会議には小骨が折れた」 ★「骨が折れる」の軽いものを言う。
・ご本尊
(ごほんぞん) 1.寺院や仏壇などで中央に祀(まつ)られ、信仰・祈りの主な対象となる仏像など。また、個人が特に信仰する仏。菩薩(ぼさつ)の像や曼荼羅(まんだら)なども言う。 類:●本尊仏 2.肝心な人物。事件の中心人物。当人。本人。物や事象についても用いる。 例:「知らぬは御本尊ばかり」
・五本の指に入る(ごほんのゆびにはいる) 指を折って数え上げるときに、上位五位までに入る。転じて、その存在が非常に際立っていることの喩え。多く、良い方に際立っていることを言う。 類:●五指に入る 例:「町内で五本の指に入る力持ち」

−−−−−−−こま(#koma)−−−−−−−
・誤魔化す
(ごまかす)・胡魔化す 1.自分の本心などを、他人に見破(みやぶ)られないように、その場を取り繕(つくろ)う。 用例:滑・浮世床−初「滝本様をごまかす人などが手本を書てわたすのさ」 2.人目を欺(あざむ)いて不正を行なう。人を騙(だま)して金品などを盗み取る。 例:「釣り銭をごまかす」 ★「胡魔化・誤魔化」などは当て字<国語大辞典(小)> 語源①:ゴマノハヒ(護摩灰)のゴマに、マギラカス、ダマカスなどのカスを付けたものか<大言海> 語源②:「ごまかし」を活用させた語。胡麻胴乱(ごまどうらん)をゴマカシ(胡麻菓子)と言ったことから<広辞苑> ・・・①が有力かという。
・こましゃくれる 
子供が、大人びた小賢(こざか)しい言動をする。子供が老成(ませ)た様子をする。 類:●こまさくれる●こまっちゃくれる 用例:浄・
娥歌かるた−一「経政さまもこましゃくれて、十四の春から声変はりせせこましうて」 用例の出典:娥歌かるた(かおようたがるた) 浄瑠璃。正徳4年(1714)。近松門左衛門。竹本義太夫最後の語り物。絵島・生島事件を当て込んだ際物。滝口入道・横笛と左京・苅藻の2組の男女の清らかな恋を描く近松門左衛門でござーい!
・胡麻擂り
(ごますり) その時々の都合で、どちらにでも、誰にでも迎合すること。他人に媚び諂(へつら)って自分の利益を図ること。また、そういう人。
・小股が切れ上がる
(こまたがきれあがる) 股が“ちょっと”切れ上がる、という意味。女性の、すらりとして粋な様子のこと。きりりとして小粋な婦人の容姿の形容。 類:●素股が切れ上がる ★接頭語「小」は、名詞の上に付いて、下の述語の表わす動作・状態の量や程度の小さいことを表現する。人体の一部を示す名詞に付くことが多い。すこし。ちょっと。「小耳にはさむ」「小首をかしげる」「小当たりに当たる」「小腹がすく」など<国語大辞典(小)> 井原西鶴の「本朝二十不孝」に、背丈の高い形容として「徒俣(すまた)切れあがりて」という表現があり、これとの関連などから、背丈がすらりとしている女性の形容とする説が有力。安永(1772〜1981)頃の流行語であったらしい<国語大辞典(小)>
・小股取っても勝つが本
(こまたとってもかつがほん)[=得(とく) 多少卑怯(ひきょう)な方法でも兎(と)に角(かく)勝つことが大切だ。勝つためには正々堂々の行き方でなくても止むを得ない。
・小股を掬う
(こまたをすくう)[=取る] 1.相撲で、相手の股を内側から掬い上げて倒す技。2.他人の欠点を突いて自分の利益を図る。人の油断や隙に乗じて自分の利を図る。
・小町(こまち) 小野小町(おののこまち)のように美しい娘の意味から、美人の評判高い娘の喩え。 類:●小町娘●美人 ★「○○小町」など、その時代やその土地の名の下に付けて、それを代表する美人とした。「天明小町」「日本橋小町」など。現在の、「ミス○○」と同じように使った。
・独楽鼠のよう(こまねずみのよう)・高麗鼠〜 独楽鼠のように忙(せわ)しく動き回る。特に、忙(いそが)しそうに、まめに働いていることを喩えて言う。 例:「独楽鼠のように働かされる」 参考:独楽鼠(こまねずみ) 「舞い鼠」とも呼ばれ、中国産のハツカネズミの飼育変種とされる。生まれつき平衡感覚に欠陥があり、自分の尾を追いかけてくるくる回る習性がある<国語大辞典(小)>
・護摩の灰
(ごまのはい) 1.密教で、護摩を修する時に焚く護摩木などの灰。2.高野聖(こうやひじり)の扮装(ふんそう)をして、弘法大師が修した護摩の灰と称して押し売りを行なった者の呼び名。江戸時代、人を騙(だま)して金品を取る坊主。 類:●売僧(まいす) 3.旅人を装い、旅客の金品を盗み取る者の称。 類:●護摩●
胡麻の蠅
・胡麻の蝿
(ごまのはえ) 旅人を脅したり、騙したりして金品を巻き上げる者。 類:●
護摩の灰
・独楽の舞い倒れ
(こまのまいだおれ) 独楽は、勢いよく回り続けているうちは支えがなくても直立するが、勢いが衰えるにつれてぐらぐらと揺れ始め、やがてばったりと倒れてしまう。自分だけが張り切って立ち働くが、結局は大した成果も得られないまま倒れてしまうことの喩え。 類:●独り相撲
?の魚交じり
(ごまめのととまじり) つまらない者が相応(ふさわ)しくない地位にいることの喩え。 類:●雑魚の魚交じり●海老の鯛交じり
田作の歯軋り
(ごまめのはぎしり)?の〜
・小間物屋を開く
(こまものやをひらく)[=広げる] 俗語。小間物屋が種種雑多な商品を広げて見せることに似ているところから、飲み食いしたものを吐くことをいう。 類:●反吐(へど)を吐く●犬を悦ばす
・胡麻を擂る
(ごまをする) 他人に媚び諂(へつら)って自分の利益を図る。 類:●よいしょする 例:「上役に胡麻を擂る」 ★煎り胡麻を擂ると、擂り鉢の側面や擂り粉木の先に、ぺったりと、まとまって張り付くことからか。
・ごまんと 俗な言い回し。非常にたくさんであること。 例:「元祖と銘打った店などごまんとある」 
★語源は「巨万と」からか。

−−−−−−−こみ(#komi)−−−−−−−
・込み入る
(こみいる) 1.大勢の人が無理矢理に、力尽くで入り込む。 類:●押し入る●侵入する 用例:太平記−一「後陣の大勢二千余騎、二の関(きど)よりこみ入って、同音に時を作る」 2.混雑する。入り混じる。 3.種々の要素が入り混じっていて、ものごとの様子や仕組みが複雑になる。 類:●縺(もつ)れる 用例:談・
当風辻談義−四「おれは浄瑠璃不案内ゆへ込いった訳はしらぬが」 用例の出典:当風辻談義(いまようつじだんぎ) 談義本。宝暦2年(1752)頃。静観坊好阿(じょうかんぼうこうあ)。仏教の講釈説教者の系を引いて、形式だけでも僧形を取った。
・小耳に挟む
(こみみにはさむ)[=聞き取る・聞き挟む] ちょっと聞く。聞くともなしに聞く。ふと耳にする。

−−−−−−−こめ(#kome)−−−−−−−
・米食い虫
(こめくいむし) 1.「穀象虫(こくぞうむし)」の異名。 類:●米の虫 2.役に立たない者や居候(いそうろう)などを嘲(あざけ)って言う。 類:●穀潰し米の虫
・米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる
(こめくったいぬがたたかれずにぬかくったいぬがたたかれる) 大悪人や主犯は捕まらずに、小物や従犯だけが罰を受けることの喩え。 類:●皿嘗(な)めた猫が利を負う
・米搗き飛蝗(こめつきばった) 1.精霊飛蝗(しょうりょうばった)の異名。 ★後脚をそろえて持つと、米を搗くような動作をするからいう<広辞苑第四版(岩)> 2.米を搗いているように見えることから、比喩的に、ぺこぺこと頭を下げて、人に諂(へつら)う者。嘲(あざけ)って言う。 類:●太鼓持ち阿附迎合
・米糠三合あるならば入り婿すな
(こめぬかさんごうあるならばいりむこすな) →小糠三合あるならば入り婿すな
・米の虫
(こめのむし) 1.「穀象虫(こくぞうむし)」の異名。 類:●米食い虫 2.米を主食とするところから人の喩え。時に、役に立たない者や居候(いそうろう)などを嘲(あざけ)って言う。 類:●米食い虫
・米の飯
(こめのめし・いい) 1.米を炊(た)いた飯。 類:●米飯(べいはん) 2.何度接しても飽きがこないものの喩え。 類:●いつも月夜に米の飯
・米の飯と天道様は何処へ行っても付いて回る
(こめのめしとてんとうさまはどこへいってもついてまわる) どんな所にも陽の光が当たるように、人間はどんな苦境にあっても食っていけるものであるということ。 類:●ここばかりに日は照らぬ
・米櫃を潤す
(こめびつをうるおす) 米櫃に米を満たすという意味で、利益を得ることや金を儲けること。
・御免なさい(ごめんなさい) 許しを請うときに言う言葉。 1.相手に許可を求める気持ちで言う言葉。 例:「ご免なさい、醤油を取って貰っても良いですか」 2.他家を訪問した時の呼び掛けの言葉。また、辞去するときに言う言葉。 類:●御免ください 3.特に、人込みに分け入ったり、それを掻き分けて進む時の言葉。 類:●御免なすって 4.過ちや非礼を詫びる時に言う言葉。 ★近親者や子供に対して使うことが多い。形式ばらない素直な気持ちを表わせる。半面、馴れ馴れしく聞こえてしまうことがあるので、公の場では「申し訳ありません」を使う方が無難。 参考:済みません申し訳ない  5.嫌だと拒否する言葉。 例:「御免なさい(お請けできません)」
・御免を蒙る
(ごめんをこうむる・こうぶる) 1.相手の許しを得る。2.官許を得て、相撲を興行する。木戸には「蒙御免」の三字を大書した札を立てるのが通例であった。3.相手の許しを得て退出する。失礼する。4.「…は御免蒙る」の形で、…は嫌である。…は断る。 例:「そんな会合なら御免蒙りたい」

−−−−−−−こや(#koya)−−−−−−−
・子養わんと欲すれど親待たず(やしなわんとほっすれどおやまたず) 子がその親に孝養を尽くそうとする頃には、親は既に亡くなっている。 類:●木静かならんと欲すれども風止まず 出典:「韓詩外伝−巻九」「樹欲静而風不止、子欲養而親不待也」

−−−−−−−こゆ(#koyu)−−−−−−−
・子故に迷う親心
(こゆえにまようおやごころ) 子供が可愛いあまりに、親は理性を失って正しい判断ができなくなることが多い。 類:●子故の闇●子を思う心の闇●子の道の闇
子ゆえの闇
(こゆえのやみ)
・小指の先
(こゆびのさき) 1.手軽にあしらえることの喩え。 例:「そんなことは小指の先さ」 2.量が少ないことの喩え。 例:「小指の先ほど」 類:●毛の末

−−−−−−−こよ(#koyo)−−−−−−−
・御用達(ごようたし・ごようだち・ごようたつ) 1.宮中(きゅうちゅう)や官庁に物品を納入すること。2.「御用商人(ごようしょうにん)」のこと。明治以降は官公省庁などに出入りする業者を指して言う。 例:「宮内庁御用達」 ★認可を得て、宮中、幕府、諸大名などに用品を納入する商人。また、金銭の調達、斡旋なども務めた<国語大辞典(小)> ★「ご用を足(た)す商人」の意味の「ごようたししょうにん」から。

−−−−−−−こり(#kori)−−−−−−−
・ごり押し
(ごりおし) ものごとを強引に押し進めること。特に、理に合わないのを承知で考えを押し通すこと。 類:●無理押し ★鰍(かじか)を捕る方法「鮴押(ごりお)し」と関係ある語ともいう。
・孤立無援
(こりつむえん) 《四熟》 独りぼっちで助けがないという意味で、人からの援助が全く得られずに、孤立している状態。 類:●四面楚歌
・ご立派
(ごりっぱ) 「立派」の丁寧語。 1.とても素晴らしい。見事(みごと)である。 例:「ご立派はお宅ですね」 2.賞賛、尊敬に値する。 例:「ご立派なスピーチでした」 3.軽蔑・侮蔑を込めて、呆れるほど高潔であり、常識的には受け入れ難(にく)いものである。 例:「ご立派なお説だこと」
・五里霧中
(ごりむちゅう) 《四熟》 深い霧の中で方角が分からなくなってしまうこと。転じて、ものごとの事情がまったく分からず、すっかり迷ってどうして良いか分からなくなってしまうこと。 類:●暗中模索途方に暮れる 出典:「後漢書−張楷伝」「性好道術。能作五里霧。時関西人裴優、亦能作三里霧」

−−−−−−−こる(#koru)−−−−−−−
・孤塁を守る
(こるいをまもる) 孤立した砦(とりで)を守ること。転じて、孤立無援の状態にありながらも、一人、或いは僅(わず)かな人数で事を進めて行くこと。ただ一つの根拠地を守る。 例:「革新の孤塁を守る」

−−−−−−−これ(#kore)−−−−−−−
・此れ幸い
(これさいわい) 何かしようとして、偶然、それに都合の良い状況になること。また、思いも寄らぬ好都合になったときに言う言葉。 例:「これ幸いと便乗した」
・此れっ切り
(これっきり) 「此れ切り」を強調した言葉。 1.これで終わり。これが最後。この場限り。 例:「あんたとはこれっきりだよ」 ★物事を、これまでと終極的に限定し、後を捨てる意を示す<国語大辞典(小)> 2.この程度。僅(わず)かにこれだけ。 例:「給料日までの残金がこれっきりしかない」 ★これまでと限った範囲内の質、量、程度などを示す<国語大辞典(小)>
・これに懲りよ道才坊
(これにこりよどうさいぼう)・道才棒 これに懲りて二度と繰り返すな、ということを語調を整えて言ったもの。近世のいろはガルタの文句。 
★一説に、「撮棒(さいぼう)」に、ののしっていう語感を表わす接頭語「どう」を冠して人名に擬した語で、撮棒に打たれて懲りよの意という。「道才棒」は「道斎坊」とも書く<国語大辞典(小)>
・これ見よがし(これみよがし) 態度や動作が、これを見よと言わんばかりに得意そうであること。また、人目を憚らず当て付けがましい態度を示すこと。 用例:浮・傾城禁短気−五「大勢友達の中で、是見よがしに膝枕しながら」 例:「これ見よがしにブランド物で着飾る」 
★「がし」は接尾語<国語大辞典(小)>

−−−−−−−ころ(#koro)−−−−−−−
・転がり込む
(ころがりこむ)・転げ込む 1.丸いものが転がって入ってくる。転がりながら入り込む。また、倒れて入ってくる。 例:「ボールが庭に転がり込む」 2.慌てふためいて入って来る。 例:「時間ぎりぎりに教室へ転がり込む」 3.生活に困ったりして、他の家に入って世話になる。他人の厄介(やっかい)になるために入り込む。 例:「家出をして、友人の下宿に転がり込む」 4.予期していなかった幸運が巡ってくる。特に、大金などが思い掛けなく手に入る。 例:「伯父の遺産が転がり込んだ」
・転がる石には苔むさず
(ころがるいしにはこけむさず) →転石苔を生ぜず
・殺し文句
(ころしもんく) 男女間で、相手を魅了し悩殺(のうさつ)するような巧みな言葉。また、一般に、相手の気持ちを迷わせ惹き付けるような台詞(せりふ)。
・ごろつき
 1.ごろごろと音をたてること。転じて、雷の異称。 用例:柳多留−159「ごろつきの防ぎへ勅使三度来る」 2.一定の住所も職業もなく、あちらこちらをうろついたりして、脅しなどを働くならずもの。 類:●成らず者●無頼漢 ★「破落戸」の字を当てることもある<大辞林(三)> ★「破落戸」と書くのは当て字<広辞苑(岩)> ★動詞「ごろつく」の名詞化<国語大辞典(小)>
・破落戸
(ごろつき) 1.零落(おちぶ)れた旧家。また、その子弟。2.転じて、盛り場をうろつき、悪事を働く者。 類:●ならず者●無頼漢●やくざ 出典:「水滸伝
転ばぬ先の杖
(ころばぬさきのつえ)
・衣の袖から鎧が見える
(ころものそでからよろいがみえる) 僧衣の袖口から下に着けている鎧の端が覗いて見えること。 1.上辺を取り繕ってはいるが、本音がちらついて見えることの喩え。 類:●頭隠して尻隠さず 出典:「平家物語−巻二・教訓」 2.表向きは穏やかな態度を取っているが、影では武力で押さえ付けるような動きをちらつかせること。
・衣を掛ける
(ころもをかける) 1.事実以上に、大袈裟(おおげさ)に見せる。 類:●輪を掛ける之繞(しんにゅう)を掛ける 2.事実を知られないようにするために、別のもので覆い隠す。
・衣を振る
(ころもをふる) 中国、戦国時代、楚の屈原が追放されて江畔を彷徨(さまよ)っていたとき、漁夫と交わした言葉。世俗の塵を払い、志を高尚にすること。また、官を辞して野(や)に下ること。 類:●野に下る 出典:「楚辞−漁夫」「新沐者必弾冠、新浴者必振衣
・ごろを巻く(ごろをまく) 俗語。ごろ付く。 ★ごろついてとぐろを巻くこと、からか。
・転んでも只は起きぬ
(ころんでもただはおきぬ)[=只では〜]・[=起きない] 欲が深くて、どんな場合でも何か利益を得ようとすること。欲が深い者を嘲(あざけ)って言う。 類:●こけても砂●転んでも土を掴む
・コロンブスの卵(ころんぶすのたまご) 一見誰でも思い付きそうなことでも、それを最初に考えたり行なったりするのは至難であるということ。 ★西航して陸地にぶつかるぐらいは誰にでもできると評されたコロンブスが、それでは卵を立ててみよと周囲に問い、全員が失敗したあとで、卵の尻をつぶして立ててみせたという逸話による<国語大辞典(小)>

−−−−−−−こを(#kowo)−−−−−−−
・子を愛する者は之れに教うるに義方を以ってす
(こをあいするものはこれにおしうるにぎほうをもってす) 我が子を本当に愛するならば、愛情にばかり溺(おぼ)れず、正しい人の道を教え込まなければならない。 出典:「春秋左氏伝−隠公三年」「石[石+昔]曰、《略》愛子教之以義方」 石[石+昔](せきしゃく)が、衛の荘公を戒(いまし)めた言葉。 ★「義方」は、道義に従う道、正道のこと。
・子を思う鶴
(こをおもうつる) 鶴は子を思う心が強いと言われた。子を大事に思う母の愛情のこと。 類:●焼野の雉子(きぎす)夜の鶴
・子を易えて食らう
(こをかえてくらう) 食糧が極端に乏しく、我が子を他人の子と取り替えて食べ合うような、悲惨なありさまであること。 類:●骨を炊ぎ子を易えて食らう●骸を析きて以って爨ぐ 出典:「史記−宋微子世家」「王問、城中何如。曰、析骨而炊、易子而食」 ★篭城のとき、木の皮をむしり木の根を掘って生き延びてきたが、いよいよ食物がなくなったので我が子を食べざるを得なくなった。我が子を食うのは忍びないので、相互に他人の子と交換し合って食べた。
・子を棄つる藪はあれど身を棄つる藪はなし
(こをすつるやぶはあれどみをすつるやぶはなし) 困窮すれば最愛の子でも藪に捨てるけれども、自分の身を捨てることはできない。
・子を見ること親に如かず
(こをみることおやにしかず)[=知ること〜]・[=父に如かず] 子の性行や能力などについて最もよく観察し、その長所や短所を知っているのは親である。
・子を持って知る親の恩
(こをもってしるおやのおん)[=子を養いて〜] 自身が親となって初めて、自分を育てて呉れた親の有り難さが分かる。 類:●親の恩は子を持って知る 出典:「明心宝鑑」「養子方知父母恩、立身方知人辛苦」
・子を持てば七十五度泣く
(こをもてばしちじゅうごどなく) 親は子のために心配や苦しみが絶えない。

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・こんがらかる
 1.糸などが、縺(もつ)れ絡(から)まる。 類:●縺れる●こんぐらかる 2.転じて、ものごとが乱れて、ややこしくなる。紛糾(ふんきゅう)する。また、事件などが複雑になる。 類:●縺れる●こんぐらかる 例:「考えれば考えるほどこんがらかってくる」 ★「こんがらがる」とも<国語大辞典(小)>
・困苦欠乏
(こんくけつぼう) 《四熟》 生活に窮して、悩み苦しむこと。物資の不足などで、困難な状況に追い込まれ、生活に苦しむこと。
・言語道断
(ごんごどうだん) 《四熟》 1.仏教用語。言葉で表現する道が断たれる。教えの深遠な真理は、言葉で言い表わし切れるものではないということ。 用例:
東大寺文書−天喜4年11月11日「於今不参上之咎、更言語道断也」 出典:「瓔珞経−下」「言語道断、心行所滅」 2.あまり酷(ひど)くて言葉も出ないほどである。極めて悪くて、何とも言いようがない。もってのほかである。 類:●絶句●とんでもない 用例の出典:東大寺文書(とうだいじもんじょ) 奈良東大寺に伝来した8世紀から19世紀に至る古文書群。総数12,000点以上に及ぶ。・・・詳細調査中。 出典:瓔珞経(ようらくきょう) 仏典。後秦の竺仏念(じくぶつねん)訳とされる。2巻。8章から成り、菩薩の法である十波羅蜜(じっぱらみつ)、四諦(したい)、修行の階位(五十二位)などについて説いた経。正確な名前は「薩瓔珞本業経(ぼさつようらくほんごうきょう)」。
・言語に絶する
(ごんごにぜっする) 程度が甚(はなは)だしくて言葉で言い表せない。 類:●空前絶後
・こんこんちき 1.
狐の異称。 類:●こんちき 2.1.から)人やものごとの状態を強調したり、冷やかし半分に言ったりする言葉。 用例:滑・八笑人「大違ひこんこんちきサ」 例:「この大馬鹿のこんこんちきめ」 3.ばか囃子・里神楽などの音を表わす言葉。 例:「こんこんちきちきこんちきちき」
・崑山の玉
(こんざんのたま) 崑崙山で取れる玉という意味で、優れた人や、素晴らしい物の喩え。
・崑山の片玉(こんざんのへんぎょく) 僅かばかりの出世という意味。自分の地位が十分でないことの喩え。また、非凡でない、なんということもないということ。 出典:「晋書−郤
伝」「幀対日、臣挙賢良、対策為天下第一、猶桂林之一枝、崑山之片玉、帝笑」
・今昔の感
(こんじゃくのかん) 今と昔とを比べて、その違いの大きさにしみじみと感じ入る様子。 ★「昔日(せきじつ)の感」は、誤用。「昔日の面影(おもかげ)はない」のように使うべきもの。
・今生の暇乞い
(こんじょうのいとまごい) 死ぬ覚悟で別れを告げること。 用例:浄・絵本太功記「母様にもばば様にもこれ今生の暇乞い」 用例の出典:絵本太功記(えほんたいこうき) 浄瑠璃。時代物。寛政11年(1799)。近松柳、近松湖水軒、近松千葉軒の合作。13段。読本の「絵本太閤記」を題材に、天正十年(1582)六月一日から十三日までの明智光秀の叛逆の話を日を追って脚色したもの。
・今是昨非(こんぜさくひ) 《四熟》 今になって過去の誤まりに気付くこと。境遇が変わったために、考え方もすっかり変わってしまうことの喩え。また、是非の判断は相対的なものであること。 類:●昨非今是 出典:「帰去来辞」「実迷途其未遠、覚今是昨非
・今度とお化けは出た例が無い
(こんどとおばけはでたためしがない) →その内とお化けは出た例が無い
・蒟蒻問答
(こんにゃくもんどう) とんちんかんな会話。意味を成さない話の遣り取り。 ★落語「蒟蒻問答」は、二代目林家正蔵作と言われる出し物の一つ。蒟蒻屋の六兵衛と旅の僧との上辺は噛み合っているが、実はちぐはぐな問答を面白おかしく描いた作品。
・金輪際
(こんりんざい) (副詞的に用いて)
底の底まで、どこまでもという意味から転じて、絶対に。断じて。 類:●金輪奈落 例:「金輪際許さない」 用例:浮・風流曲三味線−六「金輪際すてぬ気と、戯れてかへる男をみれば」 ★現代では、普通下に打消を伴って用いる<国語大辞典(小)> 参考:金輪際  仏教用語。 1.仏教の世界観で、金輪の最下底の所で、水輪と接する所。 類:●金剛際●金輪奈落 用例:平家−七「其なかに金輪際よりおひ出たる水精輪の山あり」 2.ものごとの極限。 用例:浄・薩摩歌−中「あひそめし時のせいもんを、こんりんざいとおもひつめ」
・金輪奈落(こんりんならく) 《四熟・仏教用語》 1.地下の最も深い所。ものごとが極まるところ。 類:●極限●金輪際 2.(副詞的に用いて)どこまでも。底の底まで。絶対に。断じて。 類:●金輪際 用例:伎・東海道四谷怪談−四幕「女房となった上からは、金輪奈落お前と一緒に」
・根を詰める
(こんをつめる) 精神・肉体の疲労に耐えつつ一つのものごとを行なう。 類:●心血を注ぐ