【こえ】〜【こけ】

−−−−−−−こえ(#koe)−−−−−−−
・孤影悄然
(こえいしょうぜん)・孤影蕭然 《四熟》 独りぼっちで寂しそうな様子。しょんぼりして元気がない様子。 類:●孤影寥寥(りょうりょう)
・肥桶の紐通し
(こえおけのひもとおし・こえだごの〜) 肥桶(こえおけ)の紐通しの穴が二つ並んでいて、その形が鼻に似ているところから、低い、胡座(あぐら)鼻のこと。 類:●糞桶の紐通し
・声が掛かる
(こえがかかる) 1.呼び掛けられる。2.誘いや招(まね)きを受ける。3.声援を受ける。歌舞伎などで、舞台の俳優に観客から声援が飛ぶことをいう。4.目上の人から特別の計らいを受ける。 類:●お声が掛かる
・声掛かり
(こえがかり) 身分や地位の高い人から、特別な命令や処遇を受けること。また、それを受けた人。多く、接頭語「お」を付けて使う。 例:「社長のお声掛り」
呉越同舟
(ごえつどうしゅう)
・呉越の思い
(ごえつのおもい) 非常に仲が悪いこと。 出典:「孫子
・声なき声(こえなきこえ) 表立って声高に語らない人々の意見。また、社会の底辺の人々の意見。
・声無きに聴き形無きに視る
(こえなきにききかたちなきにみる) 1.子は、親が傍(そば)にいなくても何を言おうとしているか察し、親の姿をいつも心に描いていなければならない。親が言葉や言動に表わさないうちにその気持ちを汲み取り、孝養を尽くすべきだということ。 出典:「礼記−曲礼・上」「為人子者、〈略〉聴於無声、視於無形、不登高、不臨深」 2.転じて、注意が甚(はなは)だしく至ること。
・声の下から
(こえのしたから) その言葉を言い終わるか終わらないうちに。 類:●舌の根の乾かぬうちに
・声を上げる
(こえをあげる) 1.大きな声を出す。特に、今までの声の調子を急に大きくして言う。大声を立てる。 2.悲鳴を上げる。 3.弱音(よわね)を吐く。閉口する。 類:●音(ね)を上げる弱音を吐く
・声を荒げる
(こえをあらげる)・荒くする 怒ったような声を出す。声に怒気を含める。
・声を掛ける
(こえをかける) 1.言葉を掛ける。呼び掛ける。話し掛ける。2.掛け声を掛ける。声援を送る。注意を呼び掛ける。 例:「主役の俳優に、客席から声を掛ける」 3.一緒にするように誘う。 例:「次に飲みに行くときは声を掛けてくれ」
・声を嗄らす
(こえをからす) 声を出し過ぎて声が掠(かす)れる。
・声を殺す
(こえをころす) 声を抑えて低い声で言う。声を落とす。 類:●声を潜(ひそ)める
・声を絞る
(こえをしぼる) 1.出来る限りの大声を出す。 類:●声を振り絞る 2.声を小さくする。 類:●声を潜める声を殺す ★ラジオやテレビなどの「音を絞る(=音量のツマミを捻る)」からか。
・声を尖らせる
(こえをとがらせる)・尖らす 険しい声を出す。鋭い語調で言う。刺々(とげとげ)しい口調で言う。
・声を呑む
(こえをのむ) 1.声を出さず、黙る。なにかを言い掛けてやめる。 用例:十訓抄「博士ども声を呑みてやみにけり」 2.強い驚き、悲しみ、緊張など感動のあまり声が出ない。 類:●息を呑む
・声を励ます
(こえをはげます) 1.一段と声を大きくして言う。一際(ひときわ)声を高くする。2.声を荒げる。
・声を弾ませる
(こえをはずませる) 嬉しさや興奮のため、勢いよく話す。多く、喜んで浮き浮きと喋るときに使う。
・声を潜める
(こえをひそめる) 周囲の人に聞えないように声を小さくする。 類:●声を殺す●声を落とす
・声を振り絞る
(こえをふりしぼる) 出しうる限りの声を精一杯出す。 類:●声を絞る 例:「声を振り絞って応援した」
・声を帆に上ぐ
(こえをほにあぐ) 声を帆として高く上げるという意味。声を高く張り上げる。あらん限りの高い声を上げる。

−−−−−−−こお(#koo)−−−−−−−
・古往今来
(こおうこんらい) 《四熟》 昔から今に至るまで。 類:●古今
・五黄の寅(ごおうのとら) 九星(きゅうせい)の五黄土星と干支(えと)の寅年が重なる年で、36年置きに来る。また、その年に生まれた人。 俗信:日本では五黄の寅年生まれの人は特に気が強いとされ、女性は嫁に行けぬなどとも言われる。 ★生年が西暦1914・1950・1986・2022の人。 参考:丙午
・小男の腕立て
(こおとこのうでたて) たいして力がありそうもない小男が、力争いをしたがること。また、抵抗をしても力が弱くて問題にならないこと。 類:●蟷螂の斧
・小躍り
(こおどり) 1.小さく跳ねること。また、跳ねること。2.喜びのあまり躍り上がること。飛び上がらんばかりに喜ぶこと。 類:●雀躍 例:「小躍りして喜ぶ」  
★「こ」は接頭語<国語大辞典(小)>
・氷と炭
(こおりとすみ) 両者の性質が正反対なこと。また、両者が甚だしく仲の悪いこと。 類:●墨と雪水と油●相性が悪い
・氷に座す
(こおりにざす) 氷の上に座ると、溶けて水の中に落ち入り易いということ。甚だしく危険な状態、また、その地位が危ういこと。
・氷に鏤む
(こおりにちりばむ) 解け易い氷にものを刻むということで、骨を折っても甲斐がないこと。また、本質が良くないものをどんなに飾ったところで、何の益もないこと。
・氷に鏤め水に描く
(こおりにちりばめみずにかく) 氷に彫刻を施(ほどこ)してもすぐに溶けて形がなくなり、水に絵を描いても流れて形を留(とど)めない。苦労しても一向に効果のないことの喩え。「鏤む」は彫刻するの意。 類:●脂に画き氷に鏤む水に絵を描く行く水に数書く骨折り損のくたびれ儲け
・氷の魚
(こおりのうお・いお) 1.真心を込めて、得難いものを得ること。非常な孝行のこと。2.鮎の稚魚。氷魚(ひお)。 
故事:晋書−王祥伝」など 中国、24孝の一人である晋の王祥が、生魚を欲する継母のために、氷上に裸身を臥したところ氷がとけて鯉が踊り出たという。 
・氷の衣
(こおりのころも) 1.氷に覆8おお)われた衣。火に焼けず水に濡れないという。2.氷が張っている様子を、衣服が物を覆い包むのに喩えた言葉。冬の季語。 3.月の光に照らされて白く光る衣を氷に喩えた言葉。また、氷のように透き通った衣。
・氷は水より出でて水より寒し
(こおりはみずよりいでてみずよりもさむし) 元のものよりも程度が勝ること。弟子が師よりも勝ること。 類:●青は藍より出でて藍より青し 出典:「荀子−勧学」 
・氷を歩む
(こおりをあゆむ)[=踏む] 薄くて割れ易い氷の上を歩くという意味で、極めて危険で恐ろしいことの喩え。 類:●薄氷を踏む●氷を歩む●戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)●剃刀の刃を渡る●刀の刃を歩む

−−−−−−−こか(#koka)−−−−−−−
・子飼い
(こがい) 1.鳥やけものなどを子の時から飼い育てること。 用例:−二九「こころときめきするもの、雀の子がひ」 2.子供のときから雇い入れて養い育てること。また、そのようにして育てられた人。江戸時代、10歳前後から奉公した商家の雇人や職人の弟子をそう呼んだ。 用例:浄・重井筒−中「十のとしからこがひにて」 3.途中からでなく、初歩の段階から大切に教育すること。また、そのようにして育て上げられた人。「子飼いの弟子」
・湖海の士
(こかいのし) 民間にあって雄大な気性を持っている人物。
・木陰に臥す者は枝を手折らず
(こかげにふすものはえだをたおらず) 情けを掛けてくれた人に対しては、害を加えないのが人情である。 出典:「韓詩外伝−二」「食其食者不毀其器、陰其樹者不折其枝
・小刀が利く
(こがたながきく) ものごとに小器用である。技巧や修辞法などが巧みである。また、小細工が巧いということ。 類:●小技が利く
・小刀細工ではいかぬ
(こがたなざいくではいかぬ) 小刀細工で作った細々(こまごま)した細工物では駄目だという意味から転じて、小手先の器用さでその場を誤魔化そうとしても無理であるということ。
・黄金心中(こがねしんじゅう) この上なく尊(とうと)く誠実な心。また、そうした心を持つ人。
・黄金と侍は朽ちても朽ちぬ
(こがねとさむらいはくちてもくちぬ) 金(きん)がその輝きを失わないように、武士の誉(ほま)れの名も永く朽ちない。 類:●侍と黄金は朽ちても朽ちぬ
・黄金の釜を掘り出したよう
(こがねのかまをほりだしたよう) 思い掛けない幸いを得ること。 
故事:中国の二十四孝の一人である郭巨(かくきょ)が貧乏であったため、母を養うのに、自分の子を土中に埋めて口減らしをしようと地面を掘ったところ、黄金の釜を得た。
・黄金の銭
(こがねのぜに) 「撫子(なでしこ)」の異名。
・黄金の蔓
(こがねのつる) 金銭を得るための手蔓や手段。 類:●金蔓
・黄金の波
(こがねのなみ) 1.陽光を受けてきらきらと黄金色に輝いている波。 類:●金波 2.稲が黄色く実った田が一面に広がり、稲穂が風に揺れる様子を波に見立てて言う。
・黄金日車
(こがねひぐるま) 与謝野寛の造語で、「向日葵(ひまわり)」のこと。
呉下の阿蒙
(ごかのあもう)
・木枯らしの身
(こがらしのみ) 木枯らしに吹かれる身という意味で、侘(わび)しい生涯を送る身のこと。
・焦がれ死に
(こがれじに) 1.焼け焦げて死ぬこと。2.ある人を激しく恋い焦がれるあまりに、死ぬこと。
・五顔六色(ごがんろくしょく) 《四熟》 五つや六つの顔色(=色彩)。景色や物などが、色取り取りな様子。また、変化が多様である様子。

−−−−−−−こき(#koki)−−−−−−−
・古稀
(こき) 七〇歳。 出典:杜甫の詩「曲江」「人生七十
・扱き下ろす
(こきおろす) 1.花や葉などを枝から扱(しご)いて落とす。毟(むし)って落とす。吹き下ろす山風などを擬人化して言う。 用例:散木奇歌集−春「花こきおろす春の山風」 2.他人の欠点などを指摘して、酷く非難する。 類:●悪口を言う●貶(けな)す 例:「散々に扱き下ろす」
・御機嫌伺い
(ごきげんうかがい) 1.目上の人を訪問して、敬意を表したり安否を伺ったりすること。 類:●表敬訪問 2.機嫌を伺って、巧く取り入ろうとすること。
・御機嫌斜め
(ごきげんななめ) 機嫌が普通の状態ではないということで、機嫌が悪い状態。
・漕ぎ着ける(こぎつける) 1.舟などを漕いで目的の所に到着させる。2.努力して、やっとある状態にまで到達させる。また、自動詞的に用い、ある状態にまでやっと到達する。 例:「ようやく竣工に漕ぎ着けた」「とうとう開会にまで漕ぎ着けた」
・漕ぎ抜ける
(こぎぬける) 1.舟を漕いで、他の舟や島の間を通り抜ける。2.困難な状態を切り抜ける。 例:「不況を漕ぎ抜ける」
・狐疑の心
(こぎのこころ) 狐は酷(ひど)く疑い深い動物であるといわれるところから、何事に対しても疑い深く、怪しむような性質のこと。 類:●狐疑心●猜疑心(さいぎしん)
・小気味良い(こきみよい・いい) 1.ものごとの行なわれ方が、手際良く鮮やかで、見ていて気持ちが良い。また、見た目が引き締まっていて感じが良い。 例:「小気味よい勝ちっぷり」「小気味よく飲む」 2.相手が困ったり苦しんだりする様子を見て、好い気味である。なんとも痛快である。 類:●痛快 例:「小気味良い啖呵」 用例:滑・
和合人−二「グウの音も出ぬを、こきみよく」 用例の出典:和合人(わごうじん) 滑稽本。4編13冊。初編〜3編。滝亭鯉丈、4編為永春水作。渓斎英泉画。文政6(1823)〜弘化元年(1844)刊。書名は和合神のもじり。和次郎を中心とする6人の野放図な遊び振りを描く。別称、滑稽和合人。
・呼牛呼馬
(こぎゅうこば) 《四熟》 1.相手から牛と呼ばれれば自分は牛だと思い、馬だと呼ばれれば自分は馬だと思う。相手の言うがままになって逆らわないことの喩え。 出典:「荘子−外篇・天道」「昔者子也、而謂之牛、也、而謂之馬」 2.他人からどんなに批判されても平気でいることの喩え。 類:●対牛弾琴●対驢憮琴●馬耳東風
・呉牛月に喘ぐ
(ごぎゅうつきにあえぐ) 水牛が月を太陽と間違えて喘ぐということ。転じて、思い過ごして取越し苦労をすることの喩え。 類:●呉牛の喘ぎ●羹に懲りて韲を吹く杞憂(きゆう) 例:「蜀犬日に吠え、呉牛月に喘ぐ」 出典:
世説新語−言語」 呉牛(水牛)が暑さを嫌うあまり、月なのに、太陽と見誤って喘ぐ。
・狐裘にして羔袖す
(こきゅうにしてこうしゅうす) 高価な狐の皮衣に子羊の皮の袖を付ける。 1.全体としては立派に整っているが、一部に不十分な点があることの喩え。 類:●白壁微瑕 出典:「春秋左氏伝−襄公十四年」「辞曰、余不説初矣、余狐裘而羔袖」 2.少々の難点はあるが、全体を見れば立派であること。
・孤丘の誡め
(こきゅうのいましめ) 他人から恨まれないようにという誡め。 
故事:列子−説符」 狐丘という所の老人が、楚の孫叔敖(そんしゅくごう)の就任祝いに来て、人の妬(ねた)みに対する誡めを与えた。
・梧丘の魂
(ごきゅうのこん) 罪もないのに殺されることの喩え。 故事:晏子春秋−内篇・雑・下」「景公畋於梧丘、夜猶早、公姑坐睡而夢」 中国・斉の景公が梧丘(=道に突き当たる丘)で狩りをした時、仮寝の夢に五人の男が現れて、無罪で殺されたことを訴えた。
・呼吸を合わす
(こきゅうをあわす) 相手と調子を合わせる。
・呼吸を呑み込む(こきゅうをのみこむ) ものごとの微妙な具合いを良く理解する。微妙な調子を会得(えとく)する。 例:「仕事の呼吸を呑み込む」
・呼吸を計る
(こきゅうをはかる) ものごとを行なうのに適当な時機を見計らう。 類:●調子を整える 例:「呼吸を計って跳躍する」
故郷へ錦を飾る
(こきょうへにしきをかざる)[=に〜]
・故郷忘じ難し
(こきょうぼうじがたし) 故郷の懐しさはいつまでも忘れられないものだということ。

−−−−−−−こく(#koku)−−−−−−−
・刻一刻
(こくいっこく) 時間が次第に経過する様子。時間が経(た)つに従って。 類:●次第次第に●刻々●一瞬一瞬●時々刻々 例:「天候は刻一刻と悪化していく」
・虚空者
(こくうもの) 思慮分別がない者。
・虚空を掴む
(こくうをつかむ) 苦しさのために、手を上に突き上げて、指を固く握り締める。断末魔(だんまつま)に苦しみもがく様子。
・告朔の
キ[食+気](こくさくのきよう) 虚礼であっても害がなければこれを廃止すべきではないということ。また、その実を失って形式ばかり残っていること。 故事:論語−八?」 魯の国で、告朔の儀式が廃(すた)れ、ただ祖廟に羊を供える形式だけが残っていたのに対して、孔子が儀礼の記憶だけでも留めたいとした。
・国士無双
(こくしむそう) 《四熟》 1.国士の中で並ぶ者のない優れた人物。 
故事:史記−淮陰侯列伝」 漢の丞相蕭何(しょうか)は韓信の才能を見抜き、「韓信を漢軍の大元帥に」と推挙した。「何処の馬の骨とも判らぬ雑兵を大元帥になどできぬ」と拒(こば)む劉邦に、「韓信は国士無双。用いなければ漢は滅ぶ」と説得した。 参照:韓信の又潜り 2.麻雀の役満貫の一つ。 人物:韓信(かんしん) 中国、前漢初頭の武将。淮陰(わいいん)の人。?〜前196。張良、蕭何とともに漢の三傑といわれる。高祖に従い、蕭何の推薦で大将となり、趙・魏・燕・斉を滅ぼし、項羽を攻撃して大功を上げる。漢の統一後、斉王から楚王になったが、淮陰侯に左遷され、呂后(りょこう)によって殺された。
・刻舟求剣
(こくしゅうきゅうけん) 《四熟》 時勢の推移を知らず、旧習を固守する愚か者の喩え。 類:●舟に刻みて剣を求む●落剣刻舟
・国色天香
(こくしょくてんこう) 《四熟》 牡丹のこと。また、非常に美しい人の形容。 類:●天香国色 出典:「唐詩紀事−巻40・李正封」「国色朝酣酒、天香夜染衣」 ★「国色」は、国中で第一の美しい色。また、国一番の美人。「天香」は、天のものかと思うばかりの妙(たえ)なる香り。
・穀潰し
(ごくつぶし) 飯は一人前に食うが、何の働きも収入もない者のこと。働かずに遊び暮らす者のこと。多く、人を罵(ののし)るときに使う。 類:●穀盗人(ごくぬすびと)●無駄飯食い役立たず米食い虫
・極道者
(ごくどうもの) 悪行を重ねる者。放蕩、道楽に耽(ふけ)る者。また、そのような者を罵(ののし)る言葉。 類:●道楽者●放蕩者
・鵠は日に浴せずして白く、烏は日に黔めずして黒し
(こくはひによくせずしてしろく、からすはひにくろめずしてくろし) 白鳥は毎日水浴びしなくても常に白く、烏は毎日身体を染めなくても常に黒い。 1.生まれながらにして善なる者は教えられなくとも善良である。同様に、品性の卑(いや)しい者は何度教えても低俗である。 出典:「荘子−外篇・天運」「夫鵠不日浴而白、烏不日黔而黒、黒白之朴、不足以為弁」 2.生まれ付きの容姿や性質は、後から変えようとしてもできるものではないということの喩え。
・黒白の違い
(こくびゃくのちがい)[=差] 正反対であること。非常に掛け離れていること。
・黒白を明らかにする(こくびゃくをあきあかにする)[=付ける] 正と邪、曲と直、善と悪など、ものごとの道理をはっきりとさせる。 類:●白黒付ける
・黒白を争う
(こくびゃくのちがい) どちらが良いか、正しいかをはっきりとさせる。
・黒白を弁う
(こくびゃくをわきまう) ものごとの正邪善悪を識別する。 類:●道理を弁える
・小首を傾ける
(こくびをかたむける)[=かたぶける・かしげる・かたげる] 首をちょっと傾(かし)げて考えを巡らす。また、不審がったり不思議に思ったりする。
・小首を投ぐ(こくびをなぐ) 首を前に垂れる。思案に暮れた様子や、疲れ果てた様子を表わす。
・極楽往生
(ごくらくおうじょう) 《四熟・仏語》 1.死後、極楽浄土に生まれ変わること。 ★「往生極楽」ともいう。 2.安らかに死ぬこと。 例:「極楽往生する」
・極楽浄土
(ごくらくじょうど) 《四熟・仏語》 1.仏教で、この世で善いことをした人が死後に行くとされるところ。まったく苦しみのない安楽な理想の世界。 類:●西方浄土●十万億土  2.非常に清らかで楽しいところ。 類:●楽園
・極楽蜻蛉
(ごくらくとんぼ) 1.いつまでも親の保護を受けている、だらしない息子のこと。2.職を持たないでぶらぶら遊び暮らしている者。浮(うわ)ついた、のらくら者などを罵(ののし)り嘲(あざけ)って言う言葉。 類:●根無し草糸の切れた凧のよう 3.楽天的で、現実生活にあまり拘(こだわ)らない、飄々(ひょうひょう)とした人。 ★「とんぼ」は、「鈍坊(どんぼう)」からの転で、愚鈍な倅(せがれ)の意味か。或いは、蜻蛉のように気楽で何もしない人からか。 
・極楽願わんより地獄作るな
(ごくらくねがわんよりじごくつくるな) 死んだ後極楽に往生することを願うよりも、まず地獄に落ちるような悪業をしないように心掛けるべきだということ。
・極楽の台
(ごくらくのうてな)[=玉の台] 極楽浄土にあるという蓮の花の台。
・極楽の東門
(ごくらくのとうもん)[=浄土(じょうど)の東門] 極楽浄土にあるという東の門。四天王寺(大阪市天王寺区元町にある寺)の西門から真っ直ぐ西方を目指して行けば行き着くと信じられていた。
・極楽の西風
(ごくらくのにしかぜ)[=余り風] 極楽浄土があると言われる、西の方から吹いてくる風のこと。気持ち良い、涼しい風のこと。
・極楽の願い
(ごくらくのねがい)[=望み] 極楽に往生したいという願い。安らかに死に、死後も安らかでありたいという希望。
・極楽の迎え
(ごくらくのむかえ) 極楽に往生したいと願う人の臨終に、阿弥陀、観音、勢至などが極楽から迎えに来ること。また、臨終、死などを指す。 類:●御来迎(ごらいごう)
・鵠を刻して鶩に類す
(こくをこくすてあひるにるいす) 白鳥を作る積もりで木を刻めば、出来損なっても、家鴨程度のものは出来上がるという意味で、謹直の立派な人を見習って及ばなくても、それに近い善人くらいにはなれるということ。 出典:「後漢書−馬援伝」「竜伯高敦厚周慎〈略〉效伯高不得、猶為謹勅之士、所謂刻鵠不成、尚類厥鶩者也」
・狐群狗党
(こぐんくとう) 《四熟》 狐の群れと、野良犬の集団。碌(ろく)でもない連中の集まりの喩え。悪人仲間、そのグループのこと。 類:●狐朋狗党
・孤軍奮闘
(こぐんふんとう) 《四熟》 孤立した少数の軍勢で良く戦うこと。また、支援してくれる者もない中で、独(ひと)り一所懸命に難事業に取り組むこと。

−−−−−−−こけ(#koke)−−−−−−−
・虚仮威し
(こけおどし) 見せ掛けだけで中身がない手段や方法での威し。見え透いた威し。また、現代では、実質はないのにちょっと見ると圧倒されるほど立派に見える物の外見や、そう見せることにも言う。 類:●見掛け倒し●虚仮威かし 例:「そんな虚仮威しに乗るか」 
★「こけ」は接頭語<国語大辞典(小)>
虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
・転け徳利
(こけどくり・どっくり) 口から出任(でまか)せに、よく喋(しゃべ)ること。また、その人。 類:●欠け徳利 例:「転徳利で出放題」 ★倒れた徳利から酒が流れ出るようであるところから<国語大辞典(小)>
・虚仮にする
(こけにする)[=踏(ふ)む・回す] 馬鹿にする。踏み付けにする。侮(あなど)る。 例:「まったく人を虚仮にして」 用例:人情・
清談若緑−三「余(あんま)り人を白癡(コケ)にした、仕打ぢゃアあるめえか」 用例の出典:清談若緑(せいだんわかみどり) 人情本。曲山人。・・・詳細調査中。
・虚仮の後思案
(こけのあとじあん) 愚かな者は、必要な時に名案を出せず、事が終わった後になって役に立たない知恵を出すものだ。 類:●虚仮の後分別●下種(げす)の後知恵
・虚仮の一念(こけのいちねん) 愚かな者でも、一つの事をひたすらにやれば、他の人より立派なことができるということ。 類:●
虚仮も一心
・虚仮の一心
(こけのいっしん) 愚かな者がただ一つの事を心に掛けて遣り遂げようとすること。
・苔の下(こけのした) 苔生(む)した地面の下という意味。墓の下。死んだ後。 類:●黄泉●草葉の陰 用例:
更級「埋もれぬかばねをなにに尋ねけむこけのしたには身こそなりけれ」 用例の出典:更級日記(さらしなにっき) 日記。1巻。菅原孝標女(たかすえのむすめ)著。13歳の寛仁4年(1020)9月、父の任国上総(千葉県)から帰京した旅に筆を起こし、夫、橘俊通と死別した翌年52歳の頃までの回想記。物語への憧れと夢の記事が多い。さらしなのにき。
・苔生す
(こけむす) 「生す」は生える。長い年月が経過して苔が生える。また、一面が苔で覆(おお)われる。多く、古めかしくなる、永久である、などの喩えとして使われる。 用例:古今−三四三「さざれいしのいはほとなりてこけのむすまで」
・虚仮も一心
(こけもいっしん) 愚かな者もただ一つの事を心に込めてやれば、他の人より立派なこともできるということ。 類:●
虚仮の一念
・柿落とし(こけらおとし) 新築、改築工事の最後に屋根や足組みなどの柿(こけら)を払い落としたところから、 新築または改築された劇場で行なわれる初めての興行のこと。新築落成を祝う最初の興行。 
参考:(こけら)? 材木を削るときにできる木の細片。軌を斧で削ったときの細片。削り屑。木片。木っ端。 ★本来の文字は木偏に「市」ではなく、「沛」の旁[一+巾](4画)とする。または「?」を使う。常用漢字ではないので「肺」と同様に「柿」で置き換えて使う。
・沽券が下がる
(こけんがさがる) 品位・値打ちが下がる。
・沽券に関わる
(こけんにかかわる) 品位や体面に差し障(さわ)りがある。放っておくと品位や体面が保てないとか、傷付けられるとかという場合に用いる。 類:●
沽券が下がる●沽券が泣く ★「沽券」は、土地や家屋の売り渡し証文のこと。

<か行>―・―<慣用句のTOP>
―・―<次ページ>